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松宮園生です。
「食育デビュー」という言葉があります。
食育活動を地道におこなっていたら、ある日それが世の中の目にとまり、
雑誌などから取材を受けてそれが記事として掲載されたり、
県庁や市役所から声がかかって講演会でスピーチを頼まれたり、
企業から声がかかってその会社の食育活動を指南するようになったり、
…というふうになることを、
「食育デビュー」
と呼びます。
「食育デビュー」をすると、たいがい「先生」と呼ばれるようになります。
食育活動にいそしんでいるうち、だんだん欲が出てきて、食育デビューを目指すようになる人がいます。
今回はそんな人の話です。実話です。
むかしむかし、あるところに、食育デビューを目指している主婦がいました。
Aさんとしましょう。
Aさんには6歳の子供がいます。
その子が通う小学校の PTA で「子供のための食育教室」をしようという話になり、Aさんはさっそく食育講師に立候補しました。
「子供のための食育教室」は毎月開かれました。
毎月ちゃんと開くことができたのは、彼女の熱意のたまものです。
彼女は講師として、食育の紙芝居を作ったり食育のカルタをつくったりしました。
絵を描くのが上手だったのが役に立ちました。
Aさんは週に1回、都心の料理教室に通っていました。
ある日その料理教室の先生が言いました。
「たまには子供たちを畑に連れて行ったら?」
料理教室の先生は、知り合いの茄子(ナス)農家を紹介してくれました。
そこでAさんはさっそく、次の「食育教室」で子供たちを引率して畑に行きました。
ちょうど茄子(ナス)の収穫シーズンでした。
子供たちは茄子の収穫を手伝い、すっかり茄子が好きになりました。
2年目に入ったころ、彼女は自分の「食育教室」をもっと大勢の人に認められたいと思うようになりました。
そこで料理教室の先生に相談しました。
料理教室の先生は言いました。
「大きな会社にスポンサーになってもらったら? そうすれば話題になるし」
料理教室の先生は、親切にも知っている会社を2社、紹介してくれました。
2社とも、広く知られている大企業です。
X社・Y社としましょう。
料理教室の先生の口利きで、X社・Y社それぞれに出向いて「食育教室」のプレゼンテーションをすることになりました。
それぞれ、会社の部長さんや課長さんが話を聞いてくれることになったのです。
プレゼンテーションがうまくいったら、スポンサーになってくれるかもしれません。
彼女は張り切ると同時に、すごく緊張しました。
余談ですが、この料理教室の先生は僕の友人です。
この道20年という方です。
有名人というわけではありません。
でも20年、真面目に料理教室を経営してきたおかげで、大企業の知り合いが増えたそうです。
このあいだ、この料理教室の先生が「独立20周年パーティ」を開きました。
僕も招待されてお邪魔したのですが、行ってみてビックリ!
名だたる大企業の役員さんや部長さんが、先生、先生と慕って集まっていたのです。
影の実力者、といったところですね。
この料理教室の先生のようになるには、20年間、真面目に頑張らなければなりません。
なかなかできることではありません。
でも、このような方を探して、知り合いになることはできます。
Aさんはこのような先生の料理教室に通うことで、チャンスをつかみました。
Aさんの話に戻りましょう。
最初に出向いたX社でのプレゼンテーションは、失敗でした。
X社の部長さんは、Aさんのことをあまり気に入ってくれなかったようです。
彼女は悩みました。
プレゼンテーションのどこが悪かったのでしょう?
緊張して早口でしゃべったから?
ギャグを言わなかったから?
プレゼンテーションに使った資料が、よくなかったから?
見せた紙芝居やカルタのデザインが、オジさん好みではなかったから?
さんざん悩んだ末、彼女は自分の姉に相談しました。
広告の仕事をしている姉は、彼女に3つの魔法を教えました。
翌週、こんどは Y社でのプレゼンテーションがありました。
今度のプレゼンテーションは無事成功しました。
彼女はとうとう、Y社「お抱え」「御用達」の食育先生になりました。
いまではY社が各地で行う食育の教室やイベントで、彼女が主役となり、講演会のスピーカーやや有名人との対談役などをするようになりました。
めでたしめでたし。
ここで問題です。
姉が彼女に教えた「3つの魔法」とは何だったのでしょうか?
今回はここまでとしましょう。
続きは後編で。
松宮園生です。
まず前回(その1)の復習です。
日本語の「食育」はいろんな意味がごっちゃになっているので、
ピッタリ当てはまる英語はなかなか見つかりません。
「食育」に近い英語として、
5 A Day (ファイブ・ア・デイ)
Nutrition Education(ニュートリション・エデュケーション)
Food Fight(フード・ファイト)
という言葉を前回、紹介しました。
できればこの3つは暗記をお勧めします。
では本題に移ります。
最初に書いた
5 A Day (ファイブ・ア・デイ)
とは、
「健康のために毎日5皿以上の野菜・果物を食べよう」
という意味のスローガンです。
アメリカを中心に世界に広がったスローガンです。
発祥の地アメリカでは、20年も前から連邦政府や州政府、学校、飲食店、食品企業がこのスローガンを広める全国キャンペーンを進めていました。
その結果、アメリカ人の野菜・果物を食べる量は大幅に増えました。
皆さん、日本人とアメリカ人、どっちが野菜や果物を多く食べていると思いますか?
国民1人あたりの計算で、どちらの国が野菜や果物を食べているかというと…
じつはアメリカ人のほうが野菜・果物を食べています。
昔は日本人のほうがたくさん食べていました。
ところが数年前にそれが逆転し、今はアメリカ人のほうが多く食べています。
5 A Day (ファイブ・ア・デイ)のスローガンは成功したわけですね。
野菜・果物を食べる量が増えたということは、ふつうに考えれば食事がヘルシーになったということです。
じっさい、アメリカではヘルシーなレストランが増えました。
とくにニューヨークやカリフォルニアにはベジタリアンの有名店や、マクロビオティックの有名店がたくさんあり、セレブリティの人々もよく通っています。
むかしはそのようなヘルシー志向のレストランは、食材こそ良いものでしたが、味は今ひとつ、接客も今ひとつで魅力に欠けるところがほとんどでした。
しかしセレブリティの人々がヘルシーなレストランに好んで通うようになったおかげで、レストランの質は大幅にグレードアップしています。
さて、野菜や果物たっぷりのヘルシーな食事をとるようになったアメリカ。
アメリカ人の健康状態もさぞ改善したことでしょう。
ところが、そうはなりませんでした。
たしかに野菜・果物を食べる量は増えたのですが、不思議なことに、アメリカ人の「メタボ」(メタボリック・シンドローム)は減りませんでした。
肥満の割合も、ちっとも減らなかったのです。
アメリカ政府はあいかわらず、国民のメタボ状態に頭を抱えているのです。
これはいったい、どういうことなのでしょうか?
野菜・果物は体によくないのでしょうか?
そうではありません。
野菜・果物を食べると体によい、というのは科学的にも正しいとされています。
その正しさを裏付ける医学の研究もたくさんあります。
それこそ世界中で何万もの研究が、野菜や果物の味方をしています。
ではなぜメタボは減らなかったのでしょう?
なぜ肥満も減らなかったのでしょう?
その理由はまだよく分かっていません。
ですが、僕は
「フード・ディバイド」
が原因なんじゃないかなと思ってます。
「フード・ディバイド」は勝手に作った造語です。
次回(その3)では、この
「フード・ディバイド」
のことを書こうと思います。
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◆◆◆
シニア・野菜ソムリエの遠山です。
各地で野菜や食に関する仕事をしていると、よくこんな質問を受けます。
「食育の資格をとりたいのですが、たくさんあって、どれがよいかわかりません。
どれがいいですか?」
確かに私も色々な名称を聞いたことがあります。
食育コーディネーター、食育インストラクター、食育アドバイザー、食育コンシュルジュ、食育デザイナー、食育コンサルタント、食育エキスパート、食育スペシャリスト、食育コミュニケーター、食育指導士、その他諸々…
食育に興味の無い人から見れば、
ふざけているのか?
とでもいいたくなるような名称の数々。
これでは混乱するのは当たり前。
この中には、認定団体の存在すらない、御自分で勝手に名乗っているだけという資格(?)もあるようです。
また認定団体は存在しても、その団体の認定を受けず、勝手に使用している人も存在します。
さらにいえば、認定団体は存在しても全ては民間の認定資格。
資格取得後の仕事が確約されたものは一つもありません。
が、そもそも資格なんて
無資格では仕事に就けないもの(例えばお医者さんなど)をのぞけば
そんなもの。
過度の期待は避け、
自分自身が自信を得るため(自己満足では困りますが)のもの、あるいは
自分自身の知識程度をクライアントさんにお知らせするツール、
といった割り切った考え方が必用だと思っています。
ですから、基本的にはどの資格を選ばれても、大きな差は
今のところなさそうです。
ただ経験上、組織化されていなくて、個人運営に近い物は
思想的、思考的に偏る危険性があります。
もちろんその方の考えかたに賛同し、師と仰いで弟子のような生活を望むなら構いませんが、
複数の人の意見が反映され、多くの人に受け入れられるような考え方の団体の資格でないと、企業や公的機関からの仕事は難しくなるのではないかと思います。
大切なのは、どの資格を選ぶかではなく、資格取得の過程で何を得るかです。
ということは…あなたにとってなるべく知らないことが多そうな物、
難しいけれど頑張ればクリアできそうな物を選ぶのがよいと思います。
(将来を確約された資格なら、出来るだけ簡単なものを選んだ方がいいですけど)
また、近道や効率ばかりを考えうまく立ち回ろう、とする人もいますが
ムダだと知る経験もまた生きてくるものです。
ムダだと知っているだけ、知らない人よりリードです。
肩書きだけをみて、自分達の大切なプロジェクトを発注する企業さんなんてありません。
資格という名の看板選びに時間をかけるより
商品であるあなたを充実させたほうがいい、と私は思います。
とはいってもやっぱり資格が欲しい、という方のために
ネットで検索できる資格をいくつか挙げてみます。
ここで挙げる資格をお勧めする、というわけではありませんので
くれぐれもご注意を。
また選んでいただきやすいように
勝手に分類!させていただきました。
あなたにピッタリなのはどのタイプ?
(ここでは栄養士さんになる、といったような王道を選択する場合の大学や、昼間に何年か通学する専門学校などは除いてあります。)
★検定型
指定テキストなどを使って自習するタイプ。
すでに食の世界で働いている方の力試しにもなります。
比較的安価ですし、学習に必用な時間も実力次第。
思想思考的偏りが少ないのもこのタイプの特徴です。
また指定テキストはコンパクトに重要単語がまとめられていて
資格取得後も辞書的に使えます。
FLAネットワーク 「食生活アドバイザー」
http://www.flanet.jp/index.html
Yahoo!ネット検定 「食育エキスパート」
http://cert.yahoo.co.jp/beginner/shokuiku.html
NPO法人 食環境コーディネーター協会 「食育コーディネーター」
http://www.foodea.net/kyoukai/index.html
★通信教育型
指定テキストのほか、レポート提出などが課されるタイプ。
通学時間がかからず、好きなときに取り組める
現在の仕事を続けながら取り組めるなどのメリットがあります。
が、意志の弱い人には不向き。
また検定型に比べ、教材の量がかなり多くお値段も高め。
やりぬくことさえ出来れば実力がつくことうけあいです。
NPO法人 みんなの食育 「フードインストラクター」
http://www.shokuiku.info/
日本フローラルアート 「食育指導士」
http://www.nfa.co.jp/
がくぶん総合教育センター 「食育インストラクター」
http://www.gakubun.co.jp/ad_overt_b/lecture/c27.html
★通学型
1?2日の講習を受けるだけというお手軽の物から
半年近く毎週講座を受ける物まで、様々です。
時間もお金もかかりますが、それらが強制力となって比較的続けやすいのが
このタイプ。
また実際に仕事を始めてから重要となる
人とのネットワーク作りや
人とのコミュニケーション力など
いわゆる「食の知識」以外のものが学べるのもメリットです。
LOHASアカデミー 「食育アドバイザー」「食育コンサルタント」
http://www.lohasclub.org/academy/lap_cc/cc_200.html
日本食文化環境研究所 「食育デザイナー」
http://foodapproach.com/fe/index.htm
日本食育コミュニケーション協会 「食育コミュニケーター」
http://www.e-shokuiku.net/05_yousei_kouza.html
ヒューマンアカデミー 「食育スペシャリスト」
http://haa.athuman.com/pr/030029/?code=041039
★なお直接「食育」をうたっていなくても、
食育関連の分野で活躍する人材を輩出しているところもあります。
日本コーディネーター協会 「フードコーディネーター 3級2級」
(検定型)
http://www.jfca.gr.jp/
日本ベジタブル&フルーツマイスター協会 「ベジタブル&フルーツマイスター」
(通学型)
http://www.vege-fru.com/
松宮園生です。
これまでいろんな人が「食育にかける熱い思い」を僕に語ってくれました。
ちょっとお遊びで
「あの人はどのくらい熱い?」
チェックリストを作ったのでやってみてください。
名付けて「食育体温計」
ただし、注意! これはあなたの「知りあいの方」を判定して楽しむものです。
自分自身の判定はしないように――きっとムカツキますから。
<食育体温計 - あの人はどのくらい熱い?>
●「地産地消」という言葉を1日に1回以上口にする
●「フードマイレージ」という言葉の意味を尋ねると、10分くらい喋る
●イチゴの「旬」は冬ではない、という話が得意
●「ピーマンの収穫イベントに子供を引率した。新鮮なピーマンって美味しいんだねと語る子供の目がキラキラしていたのに感動した」という話をよくする
●自作の紙芝居を見せてくれたことがある
●友達と一緒に食育についての会報誌を発行しているらしい
●しかもその会報誌はなぜか今どき手書きだ(パソコン使えよ)
●「食育基本法」という言葉を1日1回以上口にするが、どんな法律なのかを尋ねたら口ごもっていた
●「曲がったキュウリ」という言葉に敏感だ
●そのむかし、「あるある大辞典」でグレープフルーツが取り上げられた翌日にグレープフルーツを10個買ったが、なぜ買ったのか理由を聞くと、「たしかビタミンCが…」と口ごもっていた(なんでもビタミンCで誤魔化すなよ)
●そのむかし、納豆を買いに行ったのに、どのお店でも売り切れだったことを受けてマスコミに踊らされる一般市民を批判していた。自分も買いに行ってんじゃん、とツッコミを入れたら、自分は昔から毎週納豆を買っているとムキになっていた。
●「安心・安全・トレーサビリティ」という呪文を舌を噛まないで言える
●「食事バランスガイド」のリーフレットを知りあいに配るために、つねにひと束、カバンのなかに持ち歩いている
●「テーマ食材」という言葉をよく使う
<熱さ判定>
あてはまる数で判定します。
0個: 南極レベル。熱意なさすぎ。
1個-3個: 体温レベル。たぶんその人は家庭安泰です。
4個-6個: 味噌汁レベル。その人の家族はその人のことを「ビミョーにちょっと困ったな」と軽く思っています。でも食育デビューにはこのくらいがちょうどいいかも?
7個-9個: 火鍋レベル。食育デビューから遠ざかっています。方向転換させるなら今のうち。自分が熱すぎると相手が引いてしまう、ということはよくある話です。
10-12個: バーベキューレベル。友人であるあなた自身、その人のことを「困った人だ」と思っていますね。または友人ではない。
13個以上: 溶岩噴火レベル。その人は政治家になるべきです。
食育というテーマでセレクトしています。
「食育的な心を満たすオンラインストア」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22
松宮園生です。
食育って、英語で何というのでしょう?
和英辞典に載ってないですよね。
ま、どうでもいいと言えばどうでもいい疑問ですが、
でも皆さんは知っておきましょう。
皆さんに仕事を依頼する相手の方は、たいてい知らないのですから。
知っている皆さんはすこし有利です。
女性の知り合いでカリフォルニア在住30年という人がいます。
日本にいたときは小学校だったか中学校だったかの教師をしていたそうですが、まだ20代だったころにポンとカリフォルニアに引越ししてしまいました。
そこで農場をしている日系人と恋に落ち、結婚してそのまま今日に至っています。
日本でいうとフードコーディネーターにやや近い仕事をしています。
この人に聞いてみました。
すると驚きです。
「えっ、食育を英語で…? そんなこと考えたこともないワ。というか、そもそも食育ってナニ?」
こんな答でした。
なぜこんな答が返ってきたかというと、
じつはアメリカには「食育」にぴったり該当する言葉がないからです。
日本語の「食育」は、食文化とか、栄養とか、地産地消とか、食事のマナーとか、スローフードとか、なんだかそういうものがゴッチャになっているのですが、
英語にはそんな複雑な内容を一言であらわす単語はありません。
その人にも手伝ってもらい、確かめてみました。
日本語の「食育」に近い英語は3種類あります。
まず1つめ。
5 A Day (ファイブ・ア・デイ)という言葉があります。
ご存知のかたも多いかと思います。
健康のために野菜や果物をたくさん食べましょう、という意味です。
2つめは、Nutrition Education(ニュートリション・エデュケーション)という言葉です。
「栄養教育」と訳します。
食育を英語に訳せ、と言われたらこれが一番無難でしょう。
3つめは、Food Fight(フード・ファイト)という言葉です。
フード・ファイトというと大食い競争のように思えるかもしれません。
そういう題名のテレビドラマもありましたしね。
フード・ファイトには「大食い競争」という意味がたしかにあります。
パイ投げ合戦のようなものを Food Fight という場合もあります。
でも、
「体に良いものを食べ、健康を保ち、社会での厳しい競争に勝ち抜く」
という意味もあります。
これはあまり知られていません。
以上、できたら頭の片隅に置いておいてください。