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松宮園生です。
アメリカ西海岸のとある農場視察に行ったときのこと。
アメリカ人の知りあいから、
「面白イカラ行ッテミルトイイヨ。ドウ面白イカハ見テノオ楽シミ」
と勧められた場所があり、
とりあえず、都会からクルマで30分くらい走って行ってみました。
道に何度か迷ってようやく到着したそこは、
こじんまりとした農園になっていました。
農園の入口に人だかりがしていたのでのぞいてみると、
ショップになってて、
野菜だの果物だのが置いてあるほかに、
スプーンだの皿だの、本だのビデオなどが陳列されていて
どうやら土産物ショップのようでした。
その農園は、ちょっとした観光地になっていたようです。
土産物ショップをうろうろしていると、麦わら帽子をかぶったニイチャン(イタリア系の顔をしていました)が現れ、
「農場つあーヲ始メマース。参加スル人ハツイテキテクダサーイ」
と叫んで歩き始めます。
人々がぞろぞろ歩き始めたので、僕もついていきました。
ニイチャンが配るパンフレットを受け取って一生懸命読んでみると、
その農園は「CSA」という種類の農園で、100年前からやっているのだそうです。
最初は「こじんまりとした農園だな」と思ったのですが、
ツアーに参加してみると、意外に奥行きが広いことが分かりました。
農園では野菜も育てているし、果樹もたくさんあります。
有機農業だそうです。
ヤギやガチョウも歩き回っています。
そのとき、日本人にとって懐かしい匂いがただよってきました。
ほかのツアー客も
「コノ匂イ、何ダロウ?」
といった顔で、鼻をくんくんさせています。
案内役のニイチャンが僕をみつけて
「アンタ日本人デスカ? ダッタラコノ匂イ、分カルネ」
と話しかけてきました。
この懐かしい匂いはどこから来ているのでしょうか?
「アレダヨ」
ニイチャンが指差しました。
その方向に目をやると、
そこにはトラクターが1台。ゆっくりと走っています。
「アレダヨ」
ニイチャンは繰り返しました。
匂いのもとは、トラクターだったのです。
でも、何の匂いだったのでしょうか?
今回はここまで。
次回(その2)では、匂いの正体と、「CSA」と呼ばれる種類の農園のしくみについてレポートします。
ところで、ガイジンの会話をカタカナで表記するのって、なんか昔風だよね。
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松宮園生です。
アメリカの話をします。
マサチューセッツ州というところで内科の医師をやっている知り合いがいます。
仮に、ドクター・チイタッタと呼ぶことにしましょう。
ドクター・チイタッタは
「ポルトベローマッシュルーム」
という種類のキノコを愛する人物です。
ポルトベローマッシュルームは直径が10センチくらいあります。
(写真みてください)
2001年ころ、アメリカではこの食材がちょっと流行しました。
とくにイタリアンレストランで、いっとき定番の食材だったようです。
チイタッタ先生の住んでいる近所に、
「ポルトベローマッシュルームのガーリックソテー」
が絶品なレストランがあります。
というか、このレストランの近所に彼が引越ししてきた、というほうが正しいでしょう。
僕も何度かこの店で先生と食事をしました。
チイタッタ先生はサプリメントを山のように飲む人でもありました。
食事の後、30粒くらいのサプリメントを飲むのです。
はじめてその光景をみたとき、僕は目を丸くしました。
その様子をみて、チイタッタ先生は言いました。
「なにもそんなに驚くことはないよ。オレの友達はみんな、こんなもんだよ」
ドクター・チイタッタが食後に飲むサプリメントはこんな内容でした。
*マルチビタミン(いろんな種類のビタミンを錠剤1粒に凝縮したもの)
それ以外に、さらに
*マグネシウム
*クロム
*亜鉛
*マンガン
*セレニウム
*コエンザイムQ10
*イプリフラボン
*GLA(ガンマ・リノレイン酸)
「日本人はサプリメントは飲みません。飲んでも1粒とか2粒とかですよ」
と僕は言いました。
先生はすこし考え込んでいましたが、しばらくして
「オレを日本に連れていけ。セミナーを開いてオレにしゃべらせろ。日本人がもっとサプリメントを飲むように、オレが仕向けてやろう」
などと突然いいはじめました。
いやー、それって大きなお世話だと思いますよ。
と僕は言いたかったのですが、英語でなんていえばいいのか「とっさの一言」が分からずにもごもごしていると、チイタッタ先生はさらにこうつけくわえました。
「これはオマエがオレを日本に招待するんだからな。旅費はオマエ持ちだぞ」
「は?」
「飛行機はファーストクラスまでは気の毒だから要求しないから、ビジネスクラスでいいよ。それから、ここの勘定もオマエ持ちだ」
「は?」
さて、僕がこの強引なチイタッタ先生と知り合ってそろそろ5年になります。
この5年間、サプリメントに対する日本人とアメリカ人の反応の違いを意識することが多かったのですが、その違いがどこから来ているのか、ちょっとした理論を組み立ててみました。
名づけて、「ターザン栄養学理論」
どういう理論なのかは、次回(その2)にて説明します。
(今回は予告編で終わってしまった…)
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松宮園生です。
今回は農業系の話です。
就農センターというのが各都道府県にあると書きましたが、
農政局というのもありまして、
これは関東に1箇所、関西に1箇所、九州に1箇所、というふうに国内に数箇所あります。
先日ある農政局の友人から電話がかかってきまして、
「ガイジンさんに集まってもらって日本の農産物を紹介するイベントをしたいのだが、面白い企画はないか」
という質問でした。
この友人とは、よくアイデアを交換したりしてます。
えっ、それって、日本の農産物を輸出するってこと?
ちょっとビックリしました。
日本は食糧の自給率が低い国で、海外からたくさん輸入している国です。
だいたい60パーセントを海外から買っています。
シンガポールみたいにほぼ100パーセントを国外から買っている都市国家を別とすると、日本のこの数字は先進国のなかではダントツに高い数字です。
そんな国が、農産物の輸出なんてまさか、と思ったわけです。
でも調べてみたらこんなことが分かりました。
分かったことその1。
農林水産省は、農産物の輸出を奨励しています。
農林水産省のウェブサイトを見てみてください。
堂々と書いてあります。
分かったことその2。
海外で日本の果物はけっこう人気があるようですね。
たとえばリンゴ。
ヨーロッパではリンゴの「ふじ」がスーパーマーケットに普通に並んでいます。
値段はふつうの値段です。
でもヨーロッパの「ふじ」は日本の「ふじ」よりひと回り小さいので、ひょっとしたら名前は「ふじ」だけど品種は違うのかもしれません。
たぶん、日本で作っているのではないと思います。
海賊版、ですね。
驚くのはアジア。
台湾や中国の上海あたりではここ数年で大金持ちが増えましたが、
その大金持ちが日本の果物を好んで食べているようです。
日本のリンゴが1個1万円で売れたり、みかんも数千円という価格がついたりするとのこと。
(どの品種が売れているのかは不明です。勉強不足で…)
知り合いの中国人に聞いたら、日本の農産物はやはり美味しいのだそうです。
手塩にかけて丁寧に育てているからだと思います。
農林水産省もそこに目をつけたらしく、日本の農産物を海外に売ろうと頑張り始めたわけです。
そんなことをしたら日本の食糧の自給率はもっと下がってしまうのではないでしょうか?
大丈夫なのかな?
いや、でも、農家の人がそれで儲かって生活がうるおうのだったら、それはそれでいいのかもしれません。
1万円出しても欲しがる人がいるリンゴ。
そんなリンゴを作れる日本って、すごい。
このことの是非については、いろんな人のいろんな意見はありますけど、
まあこれからの日本はネギだのホウレンソウだのを中国から輸入し、
リンゴだのみかんだのを中国に輸出するわけです。
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松宮園生です。
東京モーターショー、ご存知ですよね?
大規模なクルマの展示会です。
あんな感じで、食品の巨大な展示会というのが世界の何箇所かで行われています。
毎年3月に行われる「フーデックス・ジャパン」もその1つです。
「フーデックス・ジャパン」は世界でも有数の規模を誇ります。
場所は、幕張メッセです。
詳細はこちら
↓
フーデックス・ジャパン 2007 (第32回 国際食品・飲料展)
2007年3月13日(火)-16日(金) 10:00-17:00 (最終日のみ16:30終了)
幕張メッセ (1-8ホール)
はい、じつは先月このイベントは終わっています。
「なんでもっと早く書かないんだ。いまごろ書くなよ」
と思われた方、たいへんゴメンナサイ。
毎年やっていますので、来年3月に行きましょう。
さて、この「フーデックス・ジャパン」では、日本国内、世界各国の食品会社がここに集まり、いろんな食品を展示しています。
そういう会社を「出展企業」といいますが、「出展企業」の数は2000社を超えます。
試食することができます。
というか、試食し放題。
出展企業は、なんとか自分の会社の食品を食べてほしいものだから、試食品の味も工夫されてるし、僕なんかは毎年、この展示会を楽しみにしていました。
(今年は行けませんでしたが)
本来これは、食品を売りたい会社(出展企業)と、それを買いたい会社のための出会い系イベントです。
食品を売りたい会社(出展企業)というのは、食品メーカーや農業会社などです。
それを買いたい会社というのは、商社であったり問屋であったり、ネット通販やスーパーマーケットの仕入れ担当者だったりします。
タテマエとしては、食関係の仕事をしている人しか会場には入れません。
仮にあなたが食品の問屋さんだったとして、フーデックス・ジャパンの会場にやってくるとしましょう。
会場に入ると、目の前には無数のブースが並んでおり、行きかう人々の山です。いきなり熱気が伝わってきます。
国内各地の特産物、世界各国の面白い食べ物があなたを待っています。
あなたは試食品をつまむ。つまみながら、それを作った会社のパンフレットなんかを知ったような顔をして読むわけです。
出展企業の人たちが、あなたに話しかけてきます。
「コロンビアのピタヤという果物ですよ?」
「ペルーのアーティチョークの缶詰です。食べてみてください」
なんて、けっこう珍しいものがあります。
「オーガニックの蕎麦クラッカーです。よろしく」
「ニュージーランドの研究所で開発されたミネラルウォーターです」
みたいなものもあります。
「アゼルバイジャンの赤ワインです。一口どうですか」
「世界でいちばん北にあるビール工場のビールで?す」
お酒まで楽しめます。
そうかと思うと、
「やきそばでーす」
「お好み焼きでーす」
なぜか、大学の学園祭かと思うようなアイテムもあったりします。
試食や試飲をすすめてくれるのは、秋葉原にもいそうなタイプの美女軍団(←死語)だったりしますので、もしあなたが男性であれば、けっこう萌えます。
で、「この出展企業と取引したい」と思うような企業に出会ったら、
そこであなたは名刺交換をします。
そこから、細かい「商談」というやつが始まるわけです。
多くの場合、展示会場は人でごったがえしていますので、その場はいったん名刺だけ交換し、展示会の終わったあとの時間帯に再会して「商談」が行われることもあります。
外国の企業の人々は、幕張メッセの近くのホテルに泊まっています。
展示会の期間中、それらホテルのロビーは「商談」をする人たちであふれかえっています。
たまに不思議な会社がブースを出しています。
「おいしいコーヒーですよお。飲んでみてくださあい」
どんな会社かなーと思ってブースを見上げると、
「パーフェクト・シアトル・コーヒー」
という看板が出ています。
スターバックスとかタリーズコーヒーとかが日本で頑張っているもんなあ、またもやシアトルからコーヒー会社が日本に進出するんだなあ。
そう思って、その会社の名刺をもらうと…
『株式会社山下太一商店。宮城県多賀城市…』
ベタベタに日本の会社やんけ。
と、こんなこともあったりするのがご愛嬌です。
繰り返しになりますが、本来ここは、食品を売りたい会社と、それを買いたい会社のための出会い系イベントです。
タテマエとしては、食関係の仕事をしている人しか入れません。
しかし実際には、
(1) 名刺があれば、あとは所定の入場料を払えば入れます。
(2) 食品会社に友達がいれば、なだめたりすかしたりして招待券を手に入れてもらってください。招待券があれば、タダで入れます。
というわけで、見るからに東京観光のつもりで食べまくっているオバチャンがいたり、デートに利用しているふとどき者がたまにいたりもします。
いろんな楽しみ方があるということですね。
繰り返し「ゴメンナサイ」ですが、このイベントは先月終わりました。僕も行けませんでした。
次は来年の3月です。そのときは是非行ってみてください。
◆◆◆
「フーデックス・ジャパン」は世界でも有数の規模を誇る食品の展示会ですが、
世界最大のものは
「アヌーガ(ANUGA)世界食品メッセ」
と呼ばれるもので、ヨーロッパで開かれています。
遠いですけど。
(僕は行ったことがありません)
詳細はこちら
↓
アヌーガ(ANUGA)世界食品メッセ
2007年10月13日(土)-17日(水)
ドイツ連邦共和国 ケルン・メッセ会場
松宮園生です。
食育の話題を提供するのに、食べるものの「おおもと」を
担っている農業の話は避けて通れないなと思っています。
当初、このブログでは農業のことを書かないつもりでしたが、
考えを改めました。
今後はときどき、農業についても、思っていることを書こうと思います。
というわけで、今回は農業系の話です。
就農センターというのがあるのをご存知ですか?
農業をしてみたいと思うけど右も左も分からないという人が、とりあえず相談に行くところです。
各都道府県に、1つか2つ、あります。
たいていは県庁所在地に。
とある就農センターに僕は2度、行きました。
1度目は、農業をしてみたいと思うひとりの個人として。
2度目は、「食育プロダクション」の名刺をもって取材として。
まず1度目の話から。
農業をしてみたいと思うひとりの個人として行ったわけですが、
優しくいろいろ教えてくれると思ったのに、相談窓口に出てきたオジサンに、イヂメられました。
こんな会話です。
「農業したいんですけど」
「ふーん。何作るの?」
「えっ、いきなりそんなこと聞かれても…」
「何を作りたいかも決めずにここに来たの?」
「はあ…」
「土地はどこにあるの?」
「土地、ですか?」
「土地がなきゃ農業できないだろーが」
「はあ…」
「あんた、ここに相談に来るときはさ、どのへんの土地で何を作りたいかくらいは考えてから来なさいよ。結婚してる?」
「してますけど…。どうしてですか?」
「嫁さんが来ないからだよ。だから独身には農業は薦めないんだ」
「はあ…」
「それとさ、貯金はあるの?」
「貯金ですか? 少しくらいは…」
「農業は儲からないからね。貯金は食いつぶすつもりでいたほうがいいよ」
「儲からないんですか?」
「とにかくさ、あんたはなんの準備もしないでここに来たみたいだけど、どこで何を作りたいかくらいは決めてから来なさいよ。はいおしまい」
追い出されるように就農センターを去った僕。
右も左も分からないから相談に行ったのに、何を作るのかだの、土地はどこにあるのかだの、そんなことを聞かれても困ります。
それに、嫁が来ないだの、貯金を食いつぶすだの、まるで農業なんかやめておけと言わんばかりです。
そりゃ、僕はモテませんけどね。
1ヶ月ほどたってから、同じ就農センターに2度目の訪問をしました。
こんどは「食育プロダクション」の名刺をもって取材として。
さすがに同じオジサンは出てきませんでしたが、今度のオジサンはため息をつきながらこんな話をしました。
「去年、このセンターには1万人の相談者が来たんですよ。
とにかく応対が忙しくて大変でした。
休み無しで応対して、1日平均300人ですからね。
すごい数でしょう。農業は人気があるんですねえ。
でもね、社長さん、1万人の相談者が来るといってもね、
そのうち99パーセントは、相談に1回来るだけで、2度と来ないんですよね。
なんでか分からないんですけど。
だから本当に農業を始める人って、すごく少ないんですよ…」
99パーセントが2度と来ない理由が、僕にはよぉく分かりました。
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