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日本食育大学未来学部

2007.04.21 01:03

食の世界のスーパーパワー その1

 
松宮園生です。

「陰謀オタク」
だった時期があります。
世界のいろんな「陰謀」について調べるわけです。

たとえばユダヤ人陰謀説。
ユダヤ人はナチスのホロコーストに代表されるように、歴史上たいへんな苦難を味わってきた民族です。
かたや、欧米では
「ユダヤ人は世界を舞台にさまざまな陰謀をめぐらしている」
という噂がしょっちゅう生まれたり消えたりしています。
ユダヤ人はビジネスの才能が豊かな民族としても知られており、大富豪を多く輩出しているため、ほかの民族から警戒されていたというのも確かなようです。

まあこのことの真偽や是非は別として、僕はいっとき「ユダヤ人陰謀説」に関する本を読み漁っていたことがありました。

さて、陰謀について調べていると、世界には
「有名ではないが、ひょっとしたら影の支配者?」
と思わせるような地位にある企業がいろいろある、ということが分かります。

たとえば、
世界のダイヤモンドの半分を牛耳っているヨーロッパの大企業。
世界の鉄鉱石の何割かを占めている南米の大企業。
かつて、世界の石油は7つの大企業が独占していた。

食の世界にも、そのような「支配者大企業」が存在します。
日本には「支配者大企業」はいません。
しかしアメリカには存在します。

その代表例が、世界最大の穀物商社のカーギルです。
麦などの世界の穀物を、牛耳っていると言われています。

カーギルは、世界最大の非上場企業で、年間売上高数兆円、従業員15万人という超大企業です。
世界の小麦の生産状況を把握するため、自前で人工衛星を持っている企業です。

本社はミネアポリスというところにありますが、秘密主義の会社で、本社の建物の中がどうなっているのか、ほとんど知られていないということでも有名です。

(本社がどこにあるのかそもそも分からないことで有名な企業だ、という説もありましたが、それはガセネタでした。さすがにそこまでミステリアスではないようです)

太平洋戦争で日本が敗れ、マッカーサー元帥率いる GHQ が日本に進駐してきたころ、カーギルはアメリカ政府に働きかけ、
「日本人 パン食・肉食化計画」
という陰謀をしかけた、という説があります。

日本人に、もっとパンを食べさせろ。
日本人に、もっと肉を食べさせろ。
日本人に、もっと牛乳を飲ませろ。
という陰謀だそうです。

日本人が米食からパン食に変わる。

穀物が売れる。

日本人が魚食から肉食に変わり、牛乳を飲むようになる。

牛が飼育される。

飼料として穀物が売れる。

という企みだったようです。

昔の学校給食でパン食と肉食(たんぱく源)がメインだったというのも、「カーギルの陰謀」だったのでしょうか…?

まああくまでウワサです。真偽のほどは不明。

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2007.04.20 14:53

「正しい」ってなに?


食育の仕事をしてみたい人、必見!
人気「野菜ソムリエ」と「プロダクション・チーフ」が
食育の世界にご案内します。

◆◆◆

シニア・野菜ソムリエの遠山由美です。

最近も食育関連の行事によく参加しておりますが
暗?い気分で帰ってこなければならないことも少なくありません。

「どうして暗い気分になるのか」考えてみました。

暗くなるときに参加している会は、きまってこう始まっています。

「今、子供たちがあぶない!」
「今どきの子供はこんなに変!」
「今どきの親はなってない!」

今の子供たちが心配で暗い気持ちになるのでしょうか???
いえ、違います…
どうやら…
嬉々として子供批判を繰り広げる人達に違和感を感じているのがその原因みたい…

先日、そんな
「今の子供たちを救え!食育」
を繰り広げる人達のテンションが、さらに高まりそうな報道がありました。

財団法人「日本青少年研究所」の発表した「小学生の生活習慣に関する調査」を
もとにした報道です。

近年、日本の小学生の学力低下が叫ばれて久しいけれど
同時に調査した中国や韓国の小学生の生活習慣や考え方に比べ
全体的に消極的で意欲に乏しい、というのです。

確かにこの調査を見ると
素晴らしい!とはいい難い実態です。
私だって…朝起きたら、顔ぐらい洗えば??!とは思いますし
細かい心配りをして作った食事を
テレビ見ながら上の空で食べられたら悲しいです…

でもこういうのを根拠に騒ぎ立てる一部の人達にはもっと強い違和感を覚えます…

たとえば
給食費を払わないふとどきな親!も大騒ぎにはなりましたが
実際にそういう行為をしている人は1%です。
私が子供の頃にも、1%くらいは
「子供もビックリ!」
な親っていました。

私が生まれたのは
日本がもっとも経済成長をしていたころ。
環境問題なんて言葉もなく
ようやく教科書に
四大工業地帯と公害問題が載り始めたころでした。
また教育課程も一番盛りだくさんな時期で
家庭内暴力だの校内暴力だの
といった問題がでてきたのも私達の世代でした。

偏差値による輪切り教育、管理教育といわれ
子供の個性が無視された時代です。
校則が厳しくて
私のように「ナニジン?」なんてきかれることがあるくらい
全体に色素が薄めで、髪もかなり茶色い人間は
「染めていない」という証明書の提出を求められたほどです。
中には黒く染めることを強要するような学校までありました。
(染めるような生活態度が問題なんじゃないんかい!!)

実は私…ひじの関節のつき方がおかしくて
普通に鉛筆をもったのでは
芯が紙につきません…

いえ、正確にいえば
こんな風に理解できるようになったのはずっと後のこと。

小さな私に認識できていたのは
「正しい鉛筆の持ち方」をすると
字が書けない…ということだけでした。
同時に、どのように鉛筆をもてば字が書けるかも知っていました。
が…そんな持ち方、「正しい学校生活」のなかで許されるわけはありません。
「字が書ける鉛筆の持ち方」をすると
腕に先生の竹の30センチものさしが飛んできました。

で、どうしたか。
先生が黒板の方を向いているときにすばやく文字を書き
先生がこちらを向いている間は考えているフリをする
というワザを編み出しました。
その結果、無事平和に過ごせたかというと…そうでもなく
「なぜこんなに字が汚いのか。もっと丁寧に書きなさい」
としかられましたし
家で落ち着いて書いた字が並ぶ宿題は
「本当に自分でやったの?」といわれる始末。

曲がった腕のお陰で
足を使う体育はそこそこできても
ボールを投げたり、跳び箱を飛んだり
腕を使う体育の時間は「ふざけているのか!」
とよく叱られました。

まあ、学校なんてそんなとこ、と思っていましたが
「正しい」といわれることにすぐ疑問を感じるような
性格になったのは
こんな経験の影響があるのかもしれません。

今でも主役より脇役
人気者より変わり者に心引かれます…
(らしいです。本人はいたって普通のつもり。)

なぜ、そうなのか…
本当にそれ以外は許されないことなのか…

熟考したり、事情を考慮したりせず
何らかの基準を厳密にあてはめ
「良い、悪い」と決め付ける教育が
復活するのではないか
とひそかに恐れる私なのです。

誤解しないでくださいね…
実際に文部科学省管轄の場所で行われている食育(幼稚園とか小学校とか)
を心配しているのではありません。
頑張っている給食の現場も
苦労して食育を推進している校長先生も
存じ上げています。

そうじゃなくて…
直接学校には関ってはいないのに
子供たちをみてもいないのに
(だから本当の実態をどこまで知っているか疑問なんです。
 センセーショナルなマスコミ報道だけが根拠みたいな感じを受けます)
文部科学省的な食育を行おうとしている人達に
疑問を感じているのです。

いまどきの子供って…
問題がないとはいわないけれど
トータルではそんなに悪くない、って思っています。
時代に合わせて生き延びようとしているだけじゃないかしら。
私の鉛筆体験と一緒…
子供たちをどうにかしたいなら
子供にはたらきかける前に
環境を変える方が先じゃないかしら。
子供たちは生き延びるために、環境についてきますから…

いまどきの子供って…
自分の子供時代とは違って当たり前でしょ。
それが退化だったのか進化だったのかは
同時代を生きる私達には判別がつかないはず
ずっと後になって評価がきまるのではないでしょうか。

自分の子供時代と違うから駄目なんて…
自分と異質だから駄目なんて…
ちょっとこわい。

もちろん
健康問題等実際にトラブルとなっている部分については
改めなくてはいけないと思いますが。

また「正しいこと」「基準」「平均」を決めること自体も否定しません。
多くの人が「よい」と感じるものには
なんらかの合理性があると思うからです。

例えば「お箸の持ち方」。
正しくもった方が使いやすいし
何より綺麗。

小笠原流礼法など学んでみると
その美しさと合理性、物を大切にする心が見事に調和していて
心から素晴らしい、と感嘆します。
(お作法は学んでおくと、自分の所作に自信を持つことができますからおすすめです)

要は中心から外れるものを
どう評価するかの問題ですね。

平均的な感覚と
自分の感覚との距離を知ること。
これは仕事をするときとても大事になります。

余りに独善的では仕事になりません。

自分自身の価値観を守りながら
仕事でも成功するには
この差異と距離感を知らなければなりません。

先日お話しさせていただいた国産ワインメーカの社長さんとも
「自分の感覚と価値観を大事にしながらも
平均的な感覚や価値観とのズレや距離感を自覚することがとても大事」
なんていうお話しをしてまいりました。
その話はまた今度…

鉛筆の正しい持ち方はこちら
トンボ鉛筆さんのサイトです。
「正しい」ということの定義まで載っていました。
観念的な「正しい」ではないので、とても納得感があります。

お箸とハサミの「正しい」使い方も学べますよ。

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2007.04.18 23:09

謎のトラクター 後編

 
松宮園生です。

前回のあらすじ)
アメリカ西海岸の不思議な農場に迷い込んだ松宮園生。
麦わら帽子をかぶったイタリア系のニイチャン。
そのニイチャンの指差す先には「懐かしい匂い」を発するトラクターが…。
いったい何の匂いだったのでしょうか?

◆◆◆

ニイチャンがいいました。
「アンタ日本人デスカ? ダッタラコノ匂イ、分カルネ」

よーく、分かりました。
それは、テンプラ油の匂いでした。

デンプラ油で走るトラクターだったのです。

もとは普通のトラクターだったのを、ニイチャンがテンプラ油仕様に改造してしまったとのこと。

近所に日本食店がたくさんあるそうです。
使用済みのテンプラ油をタダでもらって、トラクターを走らせているそうで、
お金は浮くし、使用済みテンプラ油の有効利用ができて環境にもよいし、
と、自慢するニイチャンでした。

農園ツアーは30分くらいで終わりました。
ニイチャンはというと、次のツアー客が順番を待っていたらしく、お別れの挨拶もそこそこにさっさとそっちに行ってしまいました。
どうやら農作業そっちのけで、ツアーガイドをしているようです。
大丈夫かな。

ところで、この農場は「CSA」と呼ばれる種類の農園でした。
CSA とは、
Community-Supported Agriculture
(コミュニティ・サポーテッド・アグリカルチャー)
の略で、日本語に訳すと
「コミュニティに支持されている農業」
といった感じです。そのままやんけ。

地域(コミュニティ)のまんなかに農園があり、たいてい有機農業をしています。
コミュニティの人々はその農園に「会費」を払い、それが農園の収入になります。
「会費」を払った人々は、農園から作物を平等にもらいます。
これが CSA です。
農園にとっては、地域の人たちから安定して「会費」がもらえるところがありがたい。
地域の人々にとっては、地元の農園の作物を食べられるのが楽しみ。

その年、その年で天候なども違うので、作物のできばえ(量・質とも)は一定ではありませんが、そのリスクはコミュニティ全体で負っています。
おかげで農園は安心して農業に集中できます。

こういう CSA は、北米に 1,000箇所くらいあるそうです。

僕が迷い込んだ農園は100年前から有機農業をしていました。
100年前は付近はただっぴろい荒野で人口も少なかったそうですが、その後、急激に人口が増えました。
人口が増えてにぎやかになったのはよいのですが、ひとつ問題が起きました。
肥料のニオイです。

有機農業ですので、動物のウンチを肥料にするわけですが、このニオイが問題になったようです。
そのせいで、去っていく住民もいました。
住民が去っていくので、近隣の土地の値段も下がっていきました。

有機農業に理解のある住民は残りました。彼らは、この農園を応援するようになりました。CSA の始まりです。
すると、有機農業を応援したい人たちが近所に引越ししてくるようになりました。
「CSA は環境に優しい街づくりに貢献している」
ということで、農園のあるコミュニティのイメージが良くなり、さらに人口が増え、農園を訪れる観光客も増えました。
すると、土地の値段が上がりはじめました。

いまやアメリカでは、
「CSA がある街は土地の値段が上がる」
と言われるようになっていますとさ。

クサければクサいほどよい、という説もあるそうで…

 

 

 

 

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2007.04.18 01:52

バウムクーヘン宣言 その1

 

松宮園生です。

食育の話題を提供するのに、
食べるものの「おおもと」
を担っている農業の話は
避けて通れないなと思っています。

当初、このブログでは農業のことを書かないつもりでしたが、いまは考えを改めています。
ときどき、農業についても、思っていることを書こうと思います。

というわけで、今回は農業系の話です。

このブログは
「将来農業をやってみてもいいかなとは思うけどまだ決心のついていない、僕みたいな人」
にも共感してもらえたら嬉しいなと思います。
僕自身はこのブログを書きながら、いろいろ調べたり経験したりして、だんだん農業に詳しくなっていきたいと考えています。

農業を始める決心もついていないのに農業に詳しくなったら、なんだか耳年増(←死語)みたいですね。
でもそれでいいと思っています。

この、耳年増(←死語)な状態のことを勝手に「バウムクーヘン状態」と呼ぶことにしました。
肝心な「就農」をしていないのに、農業の周辺知識ばかり勉強する。
まるでバウムクーヘンです。
周りは食べられるのに、真ん中が空っぽ。

でもしばらくはそれでいいと思っています。
皆さんに読んでもらえるような、
* 役に立つバウムクーヘン
* 美味しいバウムクーヘン
を目指します。

タネを明かすと、「農業コンサルタント」という仕事を20年もやっている人と仲良くなり、たまに一緒にご飯を食べたりするのですが、
その人にこのブログの話をしたら、
「お前はバウムクーヘンみたいなやつだな。しっかりしろ」
と言われました。
というわけで、僕は「バウムクーヘン野郎」です。

◆◆◆

ところで、この「農業コンサルタント」という仕事は何をしているのかというと、
「農業指導」
とか
「産地開発」
とかいうのをしているのだそうです。

二宮尊徳(二宮金次郎)というエライ人が昔いたそうです。
そういえば小さいころに学校の宿題で伝記を読んだ気が…。
二宮尊徳(二宮金次郎)は、農業をやりたい人々のリーダーとなって、
「農法」を工夫したり、
「農作業の道具」を考えたり、
「草ぼうぼうの荒れた土地をどうやって田んぼや畑に変えるか」
を一生懸命考えたりした人です。

宮沢賢治というエライ人もいました。
カンパネルラが出てくる「銀河鉄道の夜」という話を書いた人ですね。
ほかには「セロ弾きのゴーシュ」とか、「注文の多い料理店」とか。
宮沢賢治は作家であり詩人でしたが、二宮尊徳(二宮金次郎)と同じく、
「肥料」を工夫したり、
「農作物が病気にならない方法」を考えたり、
「限られた農地からもっと収穫を上げるにはどうしたらよいか」
を一生懸命考えたりした人でもあります。

二宮尊徳(二宮金次郎)や宮沢賢治がやっていた、こうした仕事のことを
「農業指導」
といいます。

僕の知っているその「農業コンサルタント」は、ときには中国に出かけて「農業指導」をしているようです。

「産地開発」というのは、
たとえばあなたがレストランを開く決心をしたとしましょう。
ちょっと食材にこだわるレストランで、
農家さん直送の野菜とか、果物とか、ミルクを使って料理を出すとします。
さて、決心をしたのはいいけれど、
どの農家さんから
何をどれだけ
いくらで仕入れる
のでしょうか?
そういう、食材を供給してくれる農家さんを見つけ、交渉することを
「産地開発」
といいます。

実際の「産地開発」はそんなに単純なものじゃなくて、
たとえばメチャメチャ美味しいトマトを作っている農家さんに出会ったとします。
その農家さんのトマトを買いたいとします。
農家さんに「おたくのトマトを買いたい」と言ったら、
「買うなら、ウチの畑から出るトマト、全部買ってくれよ」
と要求されたとします。
こういうのを「畑買い」というようですが、
あなたは「畑買い」ができるでしょうか?
あなたのレストランはそんなにたくさんトマトを仕入れて、大丈夫なのでしょうか?
使い切れずに余ったりしないのでしょうか?
逆に、不作の年はほんの少ししかトマトが収穫できないかもしれません。
そんなとき、トマトが足りない状態を、あなたはどうやって解決しますか?
というような問題を解決することも、「産地開発」です。

今日はこのへんで。

(追伸)
写真はバウムクーヘンですが、麩に見えますね。

 

 

 

 

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2007.04.17 06:01

給食


食育の仕事をしてみたい人、必見!
人気「野菜ソムリエ」と「プロダクション・チーフ」が
食育の世界にご案内します。

◆◆◆

シニア・野菜ソムリエの遠山由美です。

このところ給食関連の仕事が多くなっています。
そこでこの話題です。

「9年間 毎日食べた給食は 僕の第2の オフクロの味」
どうです?この句。
先日開かれた静岡県内のある市の「給食展」で出会った句です。
中学3年生の男の子が詠んだこの句は
重労働で苦労している多くの調理員さん達をウルウルさせたそうです。
現代っ子もなかなかイイではありませんか。

戦後すぐの「粉ミルクとコッペパン」の時代から
(私は経験していません!念のため)
いつの時代も給食は子供たちの生活の重要な一部分です。

今この給食の世界のキーワード、何だかご存知ですか?
「地産地消」です。

今日取り上げる地産地消は、最近の使われ方
すなわち「地元でとれたものは地元で消費しよう」という考え方の
地産地消と解釈してください。

この言葉は
「自分の住む地域の三里?四里四方のものを食べていれば病気にならない」
という健康法のひとつとして語られることもありますし
地元で獲れた野菜は、ジェット燃料を使って長距離を運ぶ場合に比べて
環境負荷が少ない(こういうのをフードマイレージを考える、といいます)といった
環境保全の立場から語られることもあります。
また地元の野菜を作り続けることを応援し
その地独特の野菜を守ることで
その野菜を使って作られる郷土料理の保全につながるといった
伝統文化の面から語られることもあります。

今日はこれらの価値に加えて
地産地消の経済的価値について考えてみたいと思います。

少し前、支払い能力があるにもかかわらず
給食費を支払わない親がいる!!と大騒ぎになりましたが
みなさんは「給食1食分」のお値段て、ご存知ですか?
地域によって若干の差はあるもののだいたい230円位です。
これは純粋に「食材のみの値段」。
法律で給食費として徴収されるのは「食材費のみ」と決まっていますから
この額が親の負額になるわけです。
調理員さんのお給料や施設費、機材費、その他は税金でまかなわれます。
これらを全部足し合わせると「給食1食分は900円」前後ということになります。
サラリーマンのお父さんのお昼代が600?700円と言われていますから
金額的には子供の方が贅沢なんですねぇ。

ここでちょっと
街中で「900円のランチ」を食べることを想像してみてください。
そしてお宅の冷蔵庫に貼ってある「給食献立表」と見比べてみてください。
(どうでもいいことですが、風水的には冷蔵庫の前面に物を貼るのは
 よくないのだそうですよ。側面ならOKとか。)
どちらの方が「豪勢」でしょうか。(豪勢って、死語…かしら?)

「給食って230円でこんな凄いのできるんだ」と思っていたあなた。
「給食って900円」という目で改めて見直してみてください。
「もうちょっと、いいもの出来そう…」と思いませんか?
給食の献立をつくる管理栄養士さんが悪い?
いえ、違います。

飲食店には、経営していく上でごく当たり前の考え方として
「食材原価率」というものがあります。
お料理の中で食材費が占める割合をいいます。
一般的には30%前後。
ファミリーレストランなど効率のいいところでは18%くらいで
40%をこえるようでは経営が成り立たないといわれています。

で、振り返って給食。
原価率を計算すると25.5%になります。
一般のお店のように
サービス用人員の人件費がかからないことを考えると
もっと食材の比率が高くてもいいはずですよね。

また別の見方をすれば
高級食材や幻の逸品が使われることもある一般のお店に比べて
給食で使われる食材はごく一般的なものですから
むしろ25.5%は高すぎる、ともいえるわけです。

ここには流通のカラクリがあります。
給食に食材を納品できるのはある特定の業者さんのみ。
「給食会」という組織を作っています。
この組織に属する業者さんが、公設市場から品物を買って学校に納入します。
公設市場から買うのですから、輸入品の可能性もあります。
が、「国産品は高くて使えから、輸入品でまかなっている」
と考えるには高額の食材費になっています。
いったい何の費用が上乗せされているのでしょうね。

一般の青果物でも同様のことがおきています。
皆さんが最終消費者として小売店さんに支払った金額。
そのうち、その作物を作った農家さんに支払われるのは
どれくらいだかご存知ですか?
わずか1/7に過ぎないのです。
(作物によってこの割合は変わりますので、平均するとこれくらい、と解釈してください)

流通業者さんが間に入ることには
たくさんのメリットがあるのも事実。
だから単純に中間マージンをなくせ!といっているわけではありません。
ただ、折角青果物のプロとして
流通に介入するのなら
「価値ある介入の仕方」をしていただきたいものだ、と思います。

例えば公設市場からばかり購入するのでなく
地元の農家さんのものを直接買い上げるとか。
そうすることで
その地域に住む住民が支払った給食費と税金が
地元の農家さんに落ちるわけです。
地元の活性化にもつながりますし
子供たちは「通学路の途中にある○○さんの畑のキャベツなんだ」
って知れば、食材への興味が湧きますよね。

自給自足ではないけれど
「家族」という単位を「地域」という単位に広げれば
「地域での自給自足」が完結することになります。

私は他国で獲れた食べ物は絶対に食べてはいけない
と考えるタイプの人間ではありません。
輸入品のバナナを食べることがあっても構わないし
土地柄に合わない作物は
他の地域から購入して構わないと思っています。
アボカドとかグレープフルーツとか大好きだし。
やっぱり食べたい。

ただ、お金にものをいわせて何でもかんでも外国で食べ物を安く買い叩く。
その結果、食べ物を生産した国の若い女性が
家族を養うために、女性として辛い労働を強いられる、なんて話をきくと
「自分達でまかなえるものは自分達でまかなえたらいいなぁ」
と思ってしまうのです。

中間マージンを減らして
浮いたお金を回していただきたいところがもう一箇所あります。
それは調理員さん達の人件費。
今でも時間に追われ大変な思いをなさっている調理員さん達。

地域でとれた野菜を使おうとすると
公設市場で扱っている野菜のように
規格の揃ったものだけ、というわけにはいかなくなります。

なぜか。
実は市場に出せるような規格品って
畑で取れる作物の5割程度しかありません。
規格が厳しいところは4割。
私が知っているある地域のある作物は
選別するのに人手をやめて機械にしたため選別が杓子定規になり
今や3割しか市場に出荷できなくなってしまいました
あとの7割をどうするか…
一部は産地直売所におろします。
また、一部はお漬物にしたりジャムにしたりして加工品にしますが
廃棄処分になるものもたくさんあります。

この数字からお分かりのように
一度にたくさんの量を必要とする給食現場において
地域でとれるものだけで食材を賄おうとすると
いきおい規格外の農産物も使わざるを得なくなります。
これで規格外品の一部が救われます。
よかった…

ただ調理員さんの手間は大変になり労働時間は長くなります。

もし地域に化学合成農薬を減らした栽培を試みている農家さんでもあれば
虫がついているかもしれません。
いつもより丁寧に洗浄して調理する必要がでてきます。

今より人手を増やさなければ、到底間に合いません。

食育というと
イベントを開くとか講師になる、とかといったイメージが多いのですが
給食の調理員さんになる
というのも子供たちの食育の場に参加することになります。

また子供たちにより充実した給食を提供するシステム作りに参加する
というのも食育に携わることになります。

ちょっと数字が多くて
堅苦しかったけれど
子供たちの笑顔に毎日直接触れることのできる
給食という食育の場がある、というお話でした。

長くなってしまったので、給食には色々な法律の壁があって
とっても奇妙なことがおきている、という話はまた今度にします。

あなたは
みかんを食べるとき、皮ごと茹でてから食べますか?
サラダを作るとき、レタスを熱湯に通しますか?
そんなお話しです。

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