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マツミヤ倶楽部

2007.11.23 18:03

食育ロボ発進! 前編

松宮園生です。

食育ロボットというのが開発された
そうです。
こんなメールが来たので紹介します。

◆◆◆

松宮先生、はじめまして。
川口恵太といいます。
先生の大学で開発された食育ロボット
ですが、トイザらスで売られていた
のを離婚した父親がみつけまして、
買ってきました。

(松宮註:大学というのは日本食育大学
のことです。でもそんなロボットが開発
されたなんて初耳でした。少なくとも僕は関わっていません)

「アンドリュー77型」というタイプでしたので、アンドリューと呼ぶことにしています。
アンドリューは人間と同じ大きさ・形をしていますが、短い尻尾がついているのが特徴です。

最初の日、アンドリューは私の日常生活を黙って観察していましたが、次の日から態度が変わりました。
どうなふうになったかといいますと…。

「いつまで寝ていますか。川口、さっさと起きてください」
朝6時。
アンドリューにたたき起されました。
びっくりしている私に、アンドリューは言いました。
「今日ただいまから早寝早起き朝ごはん開始です」
「はあ?」
「川口は早寝早起き朝ごはんです。朝ごはんの用意ができています。食べることに取り組んでください」
見ると、テーブルの上にごはん、味噌汁、納豆、海苔、刻んだネギの載った豆腐、野菜の煮物が並んでいました。
「取り組みましょう」と、アンドリュー。
「ありがたいんだけどさ」私はあくびをしながら言いました。「眠いんだよな。ギリギリまで寝かせてくれよ」
「その考えは好ましくありません。早寝早起き朝ごはんは日本の政府の重点目標です。早寝早起き朝ごはん専門の、全国組織もできているのです」
「…分かったよ。せっかく作ってくれたんだったら、今日は食べるよ」
たしかにいくぶん空腹感はありました。
そのせいでしょうか、朝食のよい匂いに気がつきました。

プシュー!
椅子に座ってさっそく食べようとすると、アンドリューの耳から突如、蒸気が噴き出ました。
次に、両眼が交互に点滅しはじめました。
「な、なんだ?」
「川口、大問題です。いただきますを言ってください」
「は?」
「繰り返します。いただきますを言ってください。いただきますごちそうさまは愛言葉。この標語を知っていますか。いただきますごちそうさまは愛言葉。これは、平成19年の食育推進の標語として日本政府から選ばれたものの1つです」
「そんなこと知るかよ」豆腐と納豆に醤油をかけながら私は言いました。「食わせろよ」
「いただきますを言わないのですね」プシュー。「言わないのであればあなたを呪います」
「なにくだらねえこと言ってんだ。勝手に呪えば」
「呪います。ちちんぷいぷい(←死語)。川口のごはんは食べられない。川口のごはんは食べられない。ちちんぷいぷい。呪いました。呪い、セット終了」
「ばーか」私はかきまぜた納豆を口に入れました。「わけわかんねえよ」
それからごはんを口に入れました。

うぎゃあ!
私は叫んでいました。
口の中が火事になったようでした。
「なんじゃこりゃあ」(←死語)
食べたものを吐き出し、さらに咳込む私。

「呪い、完了です」アンドリューが落ち着いた声で言いました。「川口のごはんは食べられない。ハラペーニョの種を大量にまぶしてあります」
「てめえ。始めからこうなることを予測してたんだろ」私は涙をボロボロ流しました。「し、仕組んでやがったな」
「いただきますごちそうさまは愛言葉」アンドリューは淡々と言いました。「今晩からは、言い忘れないことです」

◆◆◆

その夜。
テレビで映画をやるので楽しみに待っていると、アンドリューが言いました。
「川口。さっきの夕食で川口はいただきますとごちそうさまを言えましたね。称賛します。正しい行いは、すがすがしいものです」
私は顔を赤くしました。「お前を怖がってるわけじゃねえからな」
「怖がること不必要です。ところで、大問題です。早寝早起き朝ごはんのことですが、もうすぐ9時です。9時になったら早寝に取り組んでください」
「もう寝ろっての? こんな時間に? 放っといてくれ」
「その考えは好ましくありません。早寝早起き朝ごはんは日本の政府の重点目標です。早寝早起き朝ごはん専門の、全国組織もできているのです」
「そのセリフは朝、聞いたよ」
「朝聞いて、夜聞く。すばらしいことです。ベッドを整えてありますから、早寝に取り組んでください」
「あのな、見たい映画があんの。見てから寝るから、すこし黙ってろ」

プシュー!
テレビをつけようと、リモコンを手にしたとたん、アンドリューが両耳から蒸気を噴きました。
安物キャンディーのような形の両眼の点滅も、始まっています。
「呪います。ちちんぷいぷい。川口はテレビを見れない。川口はテレビを見れない。ちちんぷいぷい。呪いました。呪い、セット終了」

私は警戒しました。
また何か企んでるぞ、こいつは。
リモコンのスイッチを入れたら何か起こるのか?

何も起きませんでした。
というか、何も起きなさすぎて、テレビもつかなかったのです。
みると、リモコンの電池が抜かれていました。
「くっだらねえ。この程度か」私は呟きました。「電池を入れればいいだけじゃん」
買い置きしていた単3電池を入れ、再びスイッチを押します。
何も起きませんでした。
それもそのはずです。
よく見ると、テレビの電源が抜かれていました。

電源プラグを差し、リモコンのスイッチを入れると、今度はテレビがつきました。
ちょうど9時でした。
映画の紹介が始まったところです。
「これが呪いかよ。レベル低(ひく)。今回はこっちの勝ちだな」私はアンドリューに言いました。「映画は見させてもらう。おまえには何もできねえよ」
アンドリューが肩を落としました。
仕掛けが失敗し、うなだれているようです。
私は鼻でフンと笑いました。
それからソファに腰掛け、用意したポテトチップスに手を伸ばしました。

うぎゃあ!

あわてて冷蔵庫を開け、ミネラルウォーターのボトルを取り出しました。

うぎゃあ!
ゲホゲホ!

遠ざかる意識のなかで、アンドリューの淡々とした声が響きました。
「呪い、完了しました。ポテトチップスには激辛ハバネロのペーストが塗られています。さらに、川口が飲んだのは水ではなく…」

(以下次号)

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2007.11.22 16:33

タイヘンダン その2

松宮園生です。

前回のあらすじ)
このシリーズは、食品の貿易に携わる
松宮が、皆さんの食卓に外国から
食品を届けるために、どんなに
不眠不休で地味な苦労をしているかを
激白するシリーズです。
聞くも涙、語るも涙の物語なのダ。

◆◆◆

日本に食品を「輸出」したい外国企業はいっぱいあります。
日本は食料の6割を輸入してますので、外国企業にとっては魅力的な市場です。
で、何をどーやったら日本人に食べてもらえるのか。
外国企業のそういう悩みに答えるのが僕の仕事です。

日本に食品を「輸入」したい日本企業もいっぱいあります。
彼らはよく海外に出かけては、
* 昼は「日本に輸入したら売れそな品物」をいくつもいくつも買いあさり、
* 夜はホテルに戻って吟味大会をしています。
で、吟味した結果、ぜひ日本に輸入したい品物があったとします。
輸入したいけど、相手の会社は日本への輸出に慣れてないみたいだ。
慣れてない会社に日本向け輸出のイロハを教えるのはしんどいな。
誰か教えてやってくれよー。
そういう企業の手伝いをするのも僕の仕事です。

つってもなかなか体力を使う仕事でございまして。
理由は2つあります。

1つめは、することが多くてやってもやっても終わらないことです。
2つめは、コミュニケーションがどきどきブラックホール化することです。

詳しく書きますと。

■「やってもやっても終わんねえ」

外国企業のお手伝いをするときに発生する現象です。
何をどうやったら日本人に食べてもらえるのか。
これはマーケティングの計画を立てることと同じです。
つまり僕は外国企業のために日本進出のマーケティング企画書を作って差しあげるわけですが、この「企画書」というものが曲者(←死語)でございます。

企画書は書いても書いても終わりがありません。
企画書の提出期限(〆切)が1週間後だとしましょう。
同業者(企画畑)の方なら賛成していただけると思いますが、提出期限(〆切)前に余裕をもって企画書ができあがるなんてことは滅多ありません。
ほとんどの場合、ギリギリに仕上がります。

なぜそうなるかというと、企画書のようなものは「これで完璧」という区切りがないからです。
いちど書いた企画書を見直してみて、改善しようと思えばいくらでも改善できます。
その気になれば、永遠に改善し続けることができます。
ですので、企画を考える人(プランナー)は、〆切ギリギリまで企画書を直し続けます。
気がついたら徹夜してます。

提出期限(〆切)が来てしまったという理由で、この「果てしない改善作業」に終止符が打たれます。
「完成したから」終わるのではありません。
「時間切れだから」終わるのです。
逆にいえば、提出期限(〆切)がなければ仕事は終わらないのです。

「それって体キツくね?」
と思いませんか?
その通りです。
企画書はひとつだけ作るわけではなくて、同時に複数の案件を抱えるのが普通でございますし(そうでないとメシが食えません)、こないだ書いた企画書をクライアントの要望にあわせて書き直したりするようなこともあるものですから、〆切が次々やってきます。
次から次へとやってくる〆切。
漫画家か?

疲弊します。
へろへろです。
ほどよい加減で妥協して手を抜けばよいのかもしれませんが、クライアントのことを思えば手を抜けません。
「マツミヤの企画って、この程度か」
と思われたら商売は終わりです。
(もう終わってたりして)

■「コミュニケーションがブラックホール化する」

日本企業のお手伝いをするときに発生する現象です。
ものすごく日本っぽい理屈を、英語で伝えなくてはいけないけど、伝わらない。
これです。
日本企業の人は、自分が英訳する必要がないので、平気で異常な日本語を僕に投げてきます。

「そんなの関係ねえ」というギャグを、英語で伝えて笑わせろ。
みたいな難しさがあります。
(ちょっと違うか)

参考までに「そんなの関係ねえ」をムリヤリ英語で口語っぽく言うとしたら何と言うか、いくつかパターンを考えてみました。

* So what, you bastard? (それがどうした)
* What the hell does it have to do with me? (それが私と何の関係があんの)
* Doesn't matter to me. (どーでもいいよ)
* That's none of my fxxking business. (オレの知ったこっちゃないね)
* That's your problem. (あんたの問題だろ)

これで笑うガイジンはいないと思うけど、ガイジン相手にお金を貸してる人で、厳しい取り立てをしたい方は参考にしてください。
ワンポイント・レッスンでした。

話を戻して、ブラックホール化する事例をひとつ。
こんなメールが日本から来たりします。

「松宮様。お世話になりますなあ。例のニュートリション・バー(棒状になった甘いお菓子で、栄養素が添加されています)のことやねんけどな、食品衛生法で制限されちょる添加物が入っとったんよ。制限値は、全体の重量の1パーセント以下やて。ウチのほうで検査してみたら、0.95パーセントやった。いちおうセーフや。セーフなんやけど、もうちっと数字を下げたいねん。念のため0.5パーセントくらいまで落として製造してくれへんかなあ?。あと、価格は50セント下げてほしいんよ。先方さんと交渉たのんますわ」

こんな返事を書きました。
「テケテケ商事 大友様。もともとこの商品は生産量が少なくアメリカ国内だけで売り切れてしまいます。それを日本向けに買おうというので、売り渋る彼らを懸命に口説いています。もともと彼らは日本に輸出する気がなかったのを、われわれが口説いて輸出させようとしているわけですよね。この状況で値下げを言うのは困難ではありませんか。さらに、該当する添加物を0.5パーセントに下げるためには製造工程を変えなければなりません。製造工程を変えるとコストがかかりますので、彼らは嫌がるか、または値上げを要求してくるはずです。2重の意味で値下げは無理ではありませんか」

「松宮様。そこを何とか、武士道精神で切り抜けてもろたらよろし」

「大友様」僕はぶち切れていましたが、丁寧な返事を書きました。「日本人と違って彼らは合理的にものを考えますので、武士道とか人情とかは少なくともビジネスの世界では通用しないです」

「松宮様。さいですか。アメリカ人やもんなあ。ははは(ポリポリ)。ではこうしまひょか。10年の長期契約をすんねん。毎年コンテナ20本分の数量を買うと約束するんや。大量に安定して買ういうて約束してやったら、あいつら製造工程変えてくれるやろし、価格も下げてきよるやろ」

「大友様。分かりました。10年間安定して大量に買ってあげれることを約束できれば、彼らも考えを変えるかもしれません。では約束の証拠として、覚書に署名したものを送ってくれませんか。先方は貴社の社長の署名を欲しがると思います」

「松宮様。覚書? そりゃ無理や。書面を渡してもたら、約束果たさないかんやん」

「大友様。はあ? 約束をするんじゃないんですか?」

「松宮様。そりゃ約束してもええけどやな、できんかもしれんし…」

なんじゃそりゃ。

と思ってたら、追加のメールが来ました。

「松宮様。まあ、あんたには苦労かけるけどやな、あんまし細かいことごちゃごちゃ言わんと、とりあえず日本向けをやってみようや。まずは輸入して、売ってみる。すべてはそこからや。そんなふうに伝えてな。頼んまっせ」

そんなわけのわからん英語、話せるかい!

聞くも涙、語るも涙の物語でした。

(以下次号)

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2007.11.20 17:23

有機ある行動とは

松宮園生です。

近所、といってもクルマが必要な距離
なんですが、わりと近いところに小綺麗な
「地産地消」専門店ができまして、
どきどき行ってます。
「地産地消」のことを英語では
Local Harvest
(ローカル・ハーベスト)
とか
Local Produce
(ローカル・プロデュース)
とか言います。
プロデュースっていうと何だかメディア業界の言葉みたいですが、「農産物」という意味もあるでやんす。
つまり、Local Produceとは
「地元(Local)の農産物(Produce)」
のことを表します。
「田舎のテレビ局のちょい偉い人がイベントをやっている」
という意味ではございません。

アメリカの食品店は日本と違ってあまり内装をリニューアルしません。
だいたいいつ来ても同じレイアウトです。
ところがこの店はしょっちゅう内装を新しくしてます。
そのせいで目当ての品物を見つけるのに戸惑ったりしますが、時間があるときは探す楽しみもあったりして、評判はまちまちでした。

◆◆◆

さて、その「知産地消」専門店でのことです。
日系人と思われる初老の婦人がカートを押していました。
見覚えがありました。
誰だっけ?
思いだせないのですが、少し気になって婦人の行動を目で追いました。

婦人がチーズを選んでいるときに、僕は思いだしました。
「ああっ」
そうだ。
あのときのあの人だ。
(あのときのあの人? 何それ? と思った人はここをクリック)

「ああっ」と叫んだ僕の声が聞こえたかどうか分かりません。
平然としたまま、婦人は果物・野菜が並んでいる売場に来ると、近くにいた店員に声をかけました。
「ねえそこのあなた。一体どうなってるのかしら」
店員は背の高い若者でした。
高校生のバイトでしょうか。
接客は慣れてませんという感じです。
「な、なにか?」

婦人は目をつりあげて言いました。
「有機野菜はどこに並んでるの? いつも来るたびに並び方が変わっているから、困るじゃないの」
「ゆ、有機野菜、ですか?」
「ここにあるのは有機野菜なの? それとも慣行栽培の野菜なの? どっち?」
「か、慣行栽培、ですか?」
「あなた、知らないのね」婦人は言いました。「誰か分かる人、いないの?」

若者はあわてて走り去り、先輩店員を連れて戻ってきました。
先輩店員が言いました。「奥様、野菜をお探しで?」
「夫のために野菜を買いに来たのよ。ここに並んでいるのは、有毒化学物質がたっぷりかかった野菜なのかしら?」
「いいえ、違います、奥様」先輩店員は落ち着いて答えました。「申し訳ございませんが、それは奥様ご自身でやっていただかないと…」

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2007.11.19 20:42

21世紀神様の悩み その5

松宮園生です。

前回までのあらすじ)
繁栄にあぐらをかき、飽食をむさぼる先進国。
彼らに鉄槌を下すことにした全能の神様は、
「ウエルネス天国」
「メタボ地獄」
を作りました。
ストイックに生涯を全うしたらウエルネス天国行き。
飽食におぼれメタボのまま死んだらメタボ地獄行き。

さらに神様は、人間界にも介入します。
「メタボ撲滅同盟ニキータ」
なる秘密結社に命令を下し、メタボな人を次々と抹殺してゆきました。
抹殺された人は、当然メタボ地獄行きです。

このシリーズ(21世紀神様の悩み)は、そうしたちょっとすごく怖い時代を懸命に生きる人々を描く、壮大なヒューマン・ドラマです。
(そうだっけ?)

◆◆◆

2XXX年。
国会で、
「メタボ基本法」
がついに可決されました。
メタボ犯罪を取り締まる法律です。
つまりメタボな人を裁判にかけ、有罪になったら
「メタボ刑務所」
に送り込むというキツーイ法律です。
メタボ刑務所では厳しい保健指導が行われ、メタボから脱却するまで出所できません。

そんなわけで、全国各地でメタボ裁判が始まったのであります。
メタボ警察がメタボな人を検挙し、被告人は「メタ専」弁護士を雇って裁判にのぞむのでありました。

◆◆◆

ある地方裁判所で判決が読み上げられました。
「被告人、松宮園生を3ヶ月の保健指導に処す」
傍聴席がざわめきました。
なんと日本食育大学の現役准教授が有罪判決を受けたのです。
本来なら人々をメタボから救うべき立場の人が、有罪とは。

実をいうと、保健指導や食事指導、食育を仕事にしている専門家のくせに、メタボ判決を受けた人は何百人にも達していました。
「実施する側の自己管理がなっていないじゃないか」
ということで、社会問題になってきていました。
そんな中、警察の手は「緑黄色の巨塔」日本食育大学にまで及び、まずは下っ端の松宮准教授の逮捕劇となったわけです。

しかし松宮准教授はこの判決を不服とし、無罪を主張して高等裁判所に控訴しました。
「いまのメタボ基準は厳しすぎる」
と主張するグループ(※)が弁護団を形成し、検察側と全面対決の姿勢を見せました。
裁判は政界をも巻き込み、泥沼化の様相を呈してきました…。

(※)2005年に日本肥満学会が
* 腹囲(へその位置で胴回りを測った数値)85センチ以上の男性はメタボ要注意!
* 腹囲90センチ以上の女性はメタボ要注意!
と提唱し、それが厚生労働省のメタボ基準としても採用されています。
ところがこの基準、
「男性の数字が女性の数字より小さいのはおかしい」
などといった批判を受けています。
最近の例では、東北大学の医学部が日本肥満学会の基準値に異論を唱えており、両者のあいだで激論が交わされています。

◆◆◆

「メタボ刑務所」に服役中の囚人は、刑務官(管理栄養士)の保健指導を受けます。
コミュニケーション上手な管理栄養士が刑務官に選ばれていますので、保健指導自体には人気がありました。

しかし毎朝6時に朝礼があり、
「脱メタ宣言」
を大声で合唱させられるのにはウンザリでありました。
こんな内容です。

<脱メタ宣言(食事・食育編)>
作詞・作曲: 管理栄養士 佐久間象子(←誰?)

早寝早起き朝ごはん
神に誓ったその日から
あなたとわたしの本能寺
忘れ敵(かな)わぬジャンクの味を
忘れてみるのもテクニック
食で養生、大往生
ピンピンコロリと来たもんだ
オーガニックに全粒粉
カルタ覚えて紙芝居
家族団らん地産地消
レッツビギン、ラララ
レッツビギン、ラララ

まだまだ続くのですが、書いてて恥ずかしくなったのでここで止めます。

◆◆◆

「メタボ刑務所」での刑期(保健指導)を終えて出所するときは、こんなベタな場面が繰り広げられます。

服役囚 「お世話になりました。おかげさまですっかり痩せました」
刑務官(=管理栄養士) 「もう2度と、こんなとこ来ちゃだめよ」
服役囚 「へえ。これからは心を入れ替えて真面目な食生活に励みます」
刑務官 「リバウンドしないでね」
服役囚 「決していたしません」

服役囚は塀の外に出て、ベタにこう言います。
「ああ、シャバの空気はうめえなあ…」
「あなた」
振り向くと、妻が小さな女の子の手を引いてて立っています。
妻の目には涙が。
「お帰りなさい…」
「ただいま…」
見つめあう2人。
妻が娘に向かって言いました。
「あなたのお父さんよ。こんにちはって言いなさい」
しかし女の子は恥ずかしがって母親の陰に隠れてしまいました。

なんつて。
こんなん書いてて恥ずかしいのは、こっちだよ。

◆◆◆

実際には、前科のある人間が再犯する割合は小さくありませんでした。
メタボ犯罪との戦いはこれからも続くのです。

(以下次号)

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2007.11.18 16:25

大江戸食育騒乱 その1

拙者、ジョン・ソイビーンと申す商売上手の農家でござる。
アイダホという田舎でトウモロコシを作っておるが、これが
よく売れるのでホクホク(←死語)でござるよ。
拙者が作るトウモロコシはバイオ燃料に使うものでござるゆえ、
美味しい・美味しくないは関係ござらん。
味を気にしなくてよいので、気楽でござる。
その代わり、トウモロコシのなかでも早く大きくなる品種、
燃料に加工しやすい品種を栽培しておるのでござる。
これもひとえに石油が値上がりしているためでござるが、
大和(←日本のこと)の方々は日々の暮らしが大変になっておる模様、お気の毒でござる。
お見舞い申し上げたい。

松宮園生氏(うじ)のブログでは、拙者は
「浮気農家」
としてこれまでにも何度か登場させていただいたようでござる。
(最近登場したときの話はここをクリック)

おかげさまで7名の大和男児と4名の大和撫子からファンレターとおぼしきものを頂戴いたし、光栄至極に存じつかまつる。
この場を借りて御礼申し上げたい。
かたじけない。
ただ、拙者は日本語を読めぬし、書けぬ。
じゃによって返事をまったく書いてござらん。
平にご容赦お願いつかまつる。
ファンレターにはなにやら質問のようなものが書かれてござったようでござるが…。

◆◆◆

さて、実は先日、松宮園生氏(うじ)に誘われてはるばる大和にお邪魔いたした。
大和というところは面白い国でござるなあ。
聞きしによると、
「食育」
というものがあるそうではござらぬか。
しかもその「食育」、なにやらブームになっておるようでござるな。
「食育基本ご法度」
なる決まりごともあると聞き申した。

大和には古くから
「わび・さび」
「以心伝心」
「阿吽の呼吸」
と申すような、アメリカ人には馴染みのない概念がござる。
馴染みはないのでござるが、クロサワの映画を拝見しているうちに、徐々に理解でき申した。
ところがでござる。
「食育」
だけは不可解きわまりない。
ダントツに難解でござる。

驚いたことに、大和の人々にとっても
「食育」
は分かりにくいものだそうでござる。
「食育って何ですか?」
という質問が全国各地で発生しておる由。

不思議なものでござる。
大和の人々ですらよく理解しておらぬ「食育」なるものが、その大和でブームになっておるとは。
東洋の神秘でござろうか。
明治時代の文豪、ソーセキ・ナツメの「我輩は猫である」の文章を借りれば、
「我輩は食育である。意味はまだない」
と申すような感じでござろう。

ある日、拙者が松宮園生氏(うじ)に
「食育とはなんでござるか。英語で説明していただけまいか。返答やいかに」
と迫ったことがござる。
そのときの、松宮園生氏(うじ)の困りきった苦渋に満ちた顔は今でも忘れられぬ。

困りきったあげく、松宮園生氏(うじ)は紙にこんな数式をを書いたでござった。

栄養:a
農業:b
料理:c
しつけ:d
伝統食:e
農村文化:f
団らん:g
食前・食後の呪文:h
昭和のおばちゃん:i
自給率:j
環境:k
ロハス:m
オーガニック:n
メタボ:p
その他:q
とするとき、
食育=√(ab+cd)(ef+g)+∫(hi+jk)+Σ(mm+pq)

文系のくせに数式をもちだすとは武士として卑怯ではござるが、松宮園生氏(うじ)としてはやむを得なかったのでござろう。
振りかえってわが祖国アメリカには、「栄養教育」というものはござる。
ピザやハンバーガーばかり食せぬよう、コーラやソーダばかり飲まぬよう、学校での指導も行われてござる。
しかし、あくまで「栄養教育」でござる。
大和の「食育」のごとき、あれもこれもゴチャゴチャに混ざった複雑怪奇なものではござらん。

◆◆◆

本題に移るでござる。

江戸幕府が制定したその
「食育基本ご法度」
の定めによると、それぞれの藩は
「食育推進集会」
という会議を開き、
「食育推進作戦」
なるものを策定することになっており申す。
で、作戦が策定できたら、それぞれの藩のウェブサイトで発表することになっており申す。

どうやら松宮園生氏(うじ)は帰国するたびにいくつかの藩の「食育推進集会」にメンバーとして出席しておる模様でござった。
招待されたメンバーでござるか、呼ばれもせぬのに押しかけたメンバーでござるかは不明でござる。
いずれにせよ、このことは拙者には好都合でござった。
と申すは、
「いったいぜんたい大和の『食育』なるものはどのようなものでござるのか?」
これを目撃することができると思ったからでござる。
拙者、この疑問を解決するために、松宮園生氏(うじ)が出席する会議を傍観することに決めたのでござるよ。
百聞は一見にしかずとリンカーンも申しておるではござらぬか。

◆◆◆

で。
これまで何度か傍観いたした感想を、次号にて申し述べ候。

判明いたしたこと。
大和の
「食育推進集会」
なるものは、どの藩も同じようなカオスに陥っておりおり申した。

同じような構図で、同じような問題を抱えておったのでござるよ。
詳しい話は次号にてお伝え申す。

(以下次号)

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