ホーム >

マツミヤ倶楽部

2007.12.07 22:08

陰謀料理連盟ネオ その4

松宮園生です。

前回までのあらすじ)
いまは行方不明になっている太刀槌タツオがまだ行方不明でなかったころ、
彼と僕は陰謀の都ロンドンにインド料理を食べるための出張をしました。
最初に入った店は「レッドフォート」という、ロンドンでも人気の名店でした。
食事を堪能した太刀槌タツオと僕。
シェフを呼んで料理を絶賛すると、シェフもニコニコ。
そこまでは良かったのですが、僕のひとことで雰囲気が一変しました…。

そのひとこととは
「ロンドン市内で、ほかのお勧めインド料理店を教えてくれ」
でした。
大男のシェフの顔がみるみる鬼のようになりました。

◆◆◆

しかしここで引き下がるわけにはいきません。
ビビりながらも、僕はつたない英語で言いました。
「はるばる日本からインド料理を食べるために来た。ロンドンに来たついでにインド料理を食べているんじゃないです。インド料理が目的なので、だから他の店にも行きたい」
するとシェフはポケットから紙切れを取り出し、ムスッとしたまま何かを書きつけました。
「これでいいか日本人」
差し出された紙には、店の名前と所在地が走り書きされていました。
全部で3店ありました。

太刀槌タツオと僕は礼を言い、レッドフォートを去ったのでした。

一件落着。
ではありません。
ロンドン到着初日というのに、じつは泊まるところがありませんでした。
(そのいきさつは前回を参照のこと)

「さて、どうしようか」と、太刀槌タツオ。
「んなこと僕に聞かないでくれよ」
「ホテルを予約しよう」
「どのホテルにする?」
「ガイドブック、持ってる?」
「持ってない」
「おれも持ってない。ガイドブックを買おう。本屋に行こう」
「本屋はどこ?」
「本屋がどこにあるかを知るためには、ガイドブックが必要だ。あるか?」
「ないってば。だから買いに行くんだろ」
「そうだった」太刀槌タツオは苦笑いしながら「さっきの店に戻って、近くに本屋がないか聞こう」
「そうしよう」
「じゃあ松宮、聞いてきてくれない」
「なんでまた僕が」
「そりゃお前、あの怖いシェフを丸め込んだ腕があるじゃないか。それにおれは今ちょっと腹が痛くてね。辛さにやられた。イテテテテ」
「ダメだよ嘘ついても。さっきはあんたのせいでこっちが貧乏くじを引いたんだから、今回はあんただ」
「ならジャンケンで決めよう」
「じゃあ3回勝負で」
「それって、先に3勝したら勝ちってことか?」
「違うよ、先に2勝したら勝ちだ」
「それじゃあすぐに決まってしまうじゃんか。5回勝負にしよう」
「3回でいいじゃん」
「5回だよ」
「3回で十分だろ」
「じゃ、3回にするか5回にするか、ジャンケンで決めよう」
「いいとも。3回勝負でいいよね?」
「何を言う。5回勝負にじゃないとダメだ」
「またかよ。だったらそれ自体、ジャンケンで決めよう」
「望むところだ」
「じゃあ3回勝負にするか、5回勝負にするかを、3回勝負で」
「それって、先に3勝したら勝ちってことか?」

…こんなバカな2人は放っておいて、話を進めましょう。

◆◆◆

結局、2人は本屋にたどりつき、ガイドブックを買ってホテルに手当たり次第に電話をし、「ベッド & ブレックファスト」と呼ばれる種類のアットホームなホテルに泊まることができました。

翌日。
さすがに朝食時から営業しているインド料理店はありませんでした(少なくとも当時は)ので、朝食はホテルで済ませました。
適当に市内観光をした後、2軒めの店「セッポイノーラン」にはランチタイムに行きました。

「セッポイノーラン」の前でタクシーをおりた太刀槌タツオと僕。
呆然と建物を見上げ、どちらからともなくつぶやきます。
「これって宮殿じゃないの」
「本物にしては小さいが…。夕べのシェフ、わざと値段の高そうな店を選んだんじゃねえの」
「入る?」
「そだな。まあとにかく入ろう」

外見は仰々しい宮殿のようでしたが、中はちゃんと飲食店仕様になっていました。
天井がたいへん高く、そのせいで高級感はバッチリです。

メニューは2センチもの厚さがありました。ほっとしたことに1品1品の値段は昨日の店とあまり変わらないレベルでした。
問題はその品数の多さです。
1ページに4つ、メニューが紹介されていましたが、
アピタイザー(前菜):6ページ
チキン:12ページ
マトン(羊):10ページ
魚介類:8ページ
野菜:10ページ
全部で46ページ。
ということは184のメニューがあるということです。
(加えてデザートが別途あるわけですが)

「中華料理屋かここは。どれを選べっちゅうねん」
太刀槌タツオが言いました。

自分で選べないなら、人に決めてもらうしかありません。
ウェイターを呼んでオススメを聞きました。
「全部です」
ウェイターが言いました。

こういう答え方するウェイター、日本にもいるよね。
全部、食えるわけ、あるかい!

「仕方ない。松宮、任せたからお前決めてくれ」
「なんでだよ」
「そう言うと思った。自分が食べるものを自分で決められないのは、ガキの証拠だ」
「自分だってそうじゃん」
「ちげえねえ(←深川か)。例によってジャンケンで決めよう」
「じゃあ3回勝負で」
「5回勝負だよ」
「3回勝負で十分だろ」
「じゃ、3回勝負にするか5回勝負にするか、ジャンケンで決めよう」
「いいとも。3回勝負にするか5回勝負にするかのジャンケンは、3回勝負でいいよね?」
「それって、先に3勝したら勝ちってことか?」

…こんなバカな2人は放っておいて、話を進めましょう。

◆◆◆

いろいろ食べました。
「なんつうか」太刀槌タツオが言いました。「辛いだけで味がなくね?」
「あまりいい食材を使ってないんじゃない」
「ありうる」太刀槌タツオはスパイシーオニオン(生タマネギのスライスにカレーの味付けがしてあるもの)を食べながら辛さに涙を浮かべています。「店構えがゴージャスで金がかかってそうなのに値段が高くないということはだ、食材費を削っているな。あの野郎(昨日のレッドフォートのシェフのこと)やりやがったな」

本当に食材費を削っているかどうかは分かりませんが、そういう疑いを持つと食欲もビミョーに減退します。
一応、注文したものは全部食べました。
しかしそこはかとなく納得しきれない気持ちを抱えたまま、食事を終えたのは事実です。
というわけで、
「レッドフォート」

「セッポイノーラン」
との対戦は
寄り切りで「レッドフォート」の勝ち。
昼間の「対戦」は終了。

その後ふたたび市内観光をし、日が傾いたころに夜の「対戦」に向かったのでありました。

◆◆◆

後日談ですが、日本に帰って何ヵ月かたったころ、太刀槌タツオから電話がありました。

「なあ松宮。狂牛病って知ってるか」

まだ狂牛病が騒がれはじめて間もないころでした。

「イギリスの?」
「イギリスの。さっきテレビで特集してた」
「それで?」なにやら胸騒ぎがしてきました。「僕らはイギリスに行った。牛肉のカレーも食べた。それが良くないとでも…」
「いや、食べてる部位をよほど間違えなければ大丈夫らしいんだ。ただ、あそこでアレを食ったよな」思い出しました。
あそこというのはセッポイノーランのことで、アレというのは羊の脳のことです。
メニューに載ってない面白いカレーはないのか、と店に聞いたところ、「羊の脳のカレー」を試してみるかと言われ、チャレンジしたのです。

「脳は危ない部位だとテレビで言ってた」
「だってアレは牛じゃなくて羊じゃん」
「それがな」太刀槌タツオは厳かに言いました。「羊には口蹄疫とかスクレイピーとかいう病気があって」
「おいおい」
「羊の脳もヤバイかも」

僕はその場にへたりこみました。

太刀槌タツオは暗い声で言いました。
「狂牛病の潜伏期間は6年から12年だってさ」

(以下次号)

人気ブログランキング ← 応援クリックおねがいします。

  • ブックマーク:
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク
  • この記事をクリップ!
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • この記事をChoix!
2007.12.06 19:16

タイヘンダン その3

松宮園生です。

僕のオフィスは、オフィスというのもおこがましく、
実は机が1個と小さなテーブルが1個あるだけです。
ま、書斎ですね。
他社(仮にメキマン・パシフィック株式会社
と呼びましょう)のオフィスの一角を間借りしてます。

(メキマンという言葉の由来についてはここをクリック)

メキマン・パシフィックは日系の会社です。
従業員の半分は日本人です。
残り半分は英語の人ですけど、われわれ日本人のへんな英語には慣れっこになってまして、ダメな英語でも会話できてしまいます。
そんな環境にいるので、僕の英語はあまり上達しません。
せっかくアメリカにいるのに英語漬けではなく、半分くらい(いやもっと)日本語で過ごしているわけで、これでは上達するはずがありません。

しかも、僕の仕事は
「アメリカの食品を日本人に買ってもらう」
ことであり、
「日本の製品をアメリカ人に買ってもらう」
のではありません。
つまり
* アメリカ人は売り手
* 日本人は買い手(=お客様)
です。
ですので、日本人の僕が英語のセールストークを鍛える必要はないわけで。

ぢゃあアメリカ人が日本語のセールストークを磨いているのかというとそうでもなく、彼らはあまり日本語を話しません。
「自分(アメリカ人)が売りにいかなくても、日本人(松宮みたいな)が買いにくる」
と思っているからだと思いますが。
その代わり、日本人のつたない英語・なまりのある英語を理解する努力をしています。

僕の英語は期待したほど上達してませんが、下には下があります。
昔つとめていたテケテケ商事なんかはアメリカ駐在員が帰国してTOEICという英語の試験を受けたら、笑っちゃうくらいひどい点数だったと聞きます。

(テケテケ商事についてはここをクリック)

ま、だからって自分も下手でかまわない、ということにはならないし、英語が上手くならないのを環境のせいにしちゃいかんなと僕も思います。
そう思い、努力はしています。
どんな努力をしているかというと、DVDを何度も見ました。
で、覚えた単語とか表現とかを翌日さっそく使ってみるのです。
毎日少しずつやってたら少しずつは話せるようになってきました。

よく、
「英語がうまくなりたかったら英語の彼女を作れ」
なんてエラソに講釈たれるオジサンがいますね。
マンガ「俺の空」じゃあるまいし、そんなにあっちこっちでカンタンに彼女なんてできるわけねえだろ!

◆◆◆

その、僕が居候しているメキマン・パシフィック株式会社ですが。
共用の本棚があります。
過去に駐在していた日本人が帰国する際に、日本から持ってきた本を残していったのが並べられています。
読みたい人は勝手に借りて、読み終わったら返します。
図書館みたいなものですね。

いろんな本が雑多にありまして。
マンガなんかもありますが、古いのばっかりです。
デビルマンとか。
かわぐちかいじの昔の作品とか。
ブラックジャックとか。
昔はエロ本(←死語)もあったようですが、セクハラ扱いされる危険性があるというので数年前に処分されたそうです。

誰が持ってきたのかわかりませんが、池波正太郎の本がたんとあります。
あるとき読んでみたらけっこうハマりました。
「鬼平犯科帳」というシリーズと、
「剣客商売」というシリーズです。
ほかにもいろいろシリーズがあるようですが、この本棚にあるのはそれだけです。

この池波正太郎という作家は食べもののことを非常にうまそに書く人で、空腹のときに読むと空腹ぐあいが倍になります。
いろんなレシピが作品のなかに出てくるのですが、なかでもツボにはまったのは
「一本饂飩(うどん)」。

親指ほどの太さの、一本の長いうどん。
どくろを巻いて、ざるに盛られています。
それを、ユズ・擦りゴマ・ネギの入った濃いつけ汁で食べる。
…だそうです。

旨そうです。
食べたいです。

これ、池波正太郎ファンのあいだでは有名な食べものだそうで、こんど帰国したら食べたいと思っています。
でも、どこで食べれるのかな…?

人気ブログランキング ← 応援クリックおねがいします。

  • ブックマーク:
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク
  • この記事をクリップ!
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • この記事をChoix!
2007.12.05 14:25

食育冬模様

松宮園生です。

■食育のイメージって、ちょいレトロ感ありますよね。
こんな人(↓)を育てたいというのが食育の目的のようです。
* 朝ごはんは手作り和食
* 心をこめていただきますを言い
* テレビを消して家族団らんで食事をし
* 米を愛し
* さびれゆく日本の農業の未来を心配する

良いこと言ってるんだけど、でもやっぱしこれ、昭和だよなあ。

■食育でやってることって、レトロ的なもの多いすよね。
* カルタ作り会
* 紙芝居発表会
* 田んぼや畑で農業体験
* 標語コンテスト(※)
* 「食育するぞー。食育やるぞー。エイエイオー!」と気勢を上げただけで終わる集会

やっぱしこれ、昭和のイベントだよなあ。

(※)日本政府認定の、公式食育標語が3つ存在しています。ホントだよん。
「語りあおう その日のでき事 食卓で」
「好き嫌い しない子 強い子 元気な子」
「いただきます ごちそうさまは 愛言葉」

■食育に燃えてるオバチャンって、昔っぽい感じしません?
* 体型がちょっとメタボ
* 女は家庭料理ができなきゃダメだと思ってて
* しつけの話は大得意
* でも食文化の話はあまりできず
* 栄養学はさっぱり分からない(カタカナ読めない)
* 「食育って大切だよね」とすでに思っている人の集会で「食育の大切さ」を熱弁するのが癖

やっぱしこれ、昭和のオバチャンだよなあ。
いまどきの人は、引くよね。

自治体主催の食育会議みたいなところで、こういうオバチャンが熱弁をふるっているのを、自治体の人がうんざりした顔で聞いている。
(しまった、人選間違えた…)
そんな場面、何度か目撃しております。
なぜうんざりしているかというと、食育会議で「食育の大切さ」を熱弁されても、会議はなにも進まないからです。

■話を戻します。
ということは、食育のキーワードは「昭和の価値観」か?
だとすれば、昭和の食育のテーマソングには演歌がイチバン。
食育演歌の歌詞を作りましたので、だれか節をつけてください。
CDが売れたら、印税はこのように配分しましょう。
* 作詞者:売上の4パーセント
* 作曲者:4パーセント
* 歌手:2パーセント
avex trax さん、よろしくお願いします。
(ちなみにこのパーセントは、業界標準です)

◆◆◆

「食育冬模様」

(イントロ)
メタボに悩むあの人を救いたい。
ファーストフードに依存する子どもたちを救いたい。
過疎に悩む農村を救いたい。
それが日本の妻。
それが日本の母。
それが日本の人の道。
北国の雪は斜めに吹きすさびます。
でもわたしは負けない。
愛する人のために、心をこめて歌います。
「食育冬模様」
お聞きください。

(↓歌詞はここから↓)

あなたお米はありますか
大根白菜鍋料理
食べてもらえぬ手作りレシピ
涙こらえて送ります

あなたひとりで食べちゃダメ
家族団らん豊富な話題
食は心の登竜門
地産地消で風邪知らず

あなた都会は好きですか
田舎暮らしはイヤですか
農村風景守るため
熱く語るよいつまでも

女心に冬の海
あなた会いたい恋模様
女心に冬の海
あなた食べてね恋料理

◆◆◆

どうも最近、疲れてるせいか、羞恥心が薄れてきた気がします。

人気ブログランキング ← 応援クリックおねがいします。

  • ブックマーク:
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク
  • この記事をクリップ!
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • この記事をChoix!
2007.12.04 18:27

食育は英語で何というの? その11

松宮園生です。

年末年始にアメリカ旅行の予定のある方、必見!(か?)。

外来語なのにカタカナどおり発音してもなんだか通じにくい
英単語がいろいろありますね。
アレ?
なんで通じないの?

そんな事例を、食と健康に関係したところでいくつか紹介します。

■サプリメントを買うためにスーパーマーケットに行ったとき。
「サプリ」
→通じません。察しのよい相手は分かるかもしれませんが。
「サプリメント」
→単語としては通じますが、じつは違う意味になります。
「ダイエッタリー・サプリメント」
→正解。こう言えばビタミンとかミネラルとかのサプリが買えます。

余談になりますが類似の例で
「セレブ」
は通じにくいです。
(日本人慣れした察しのよい人は分かるかもしれませんが)
「セレブリティ」
と言えば通じます。

■アンチエイジングのサービスを受けたいとき(なんか特殊な例だけど…)。
「アンチ・エイジング」
は、相手によって通じますが、通じないことも多い。
「アンタイ・エイジング」
と言えば通じます。

これも余談ですが、同じように、トーナメントの準決勝のことを
「セミ・ファイナル」
とカタカナ表記しますが、このまま発音しても察しの悪い相手には通じにくいです。
「セーマイ・ファイナル」
のほうが通じます。

■「エキナシア」は、風邪のひきはじめによいとされるハーブです。
ポピュラーなハーブで、ドラッグストアなどには当たり前のように置いてあります。
ですが実際には
「イカネイジア」
と発音されています。

■「ビタミン」は、あまり通じません。
「バイタミン」
と発音したら通じます。

■通じるか通じないか試したことはありませんが、飲食店のメニューに「ソフトドリンク」と書いてあるのを見たことがないので、「ソフトドリンク」という言い方は通じない可能性が高い。
「ソフトドリンク」
とは言わず、
「ビバレッジ」
というのが普通です。

■ベトナム料理を食べたくなって(アメリカのベトナム料理は悪くないです)、誰かに
「近くにベトナム料理店ないですか」
と質問する場合、
「ベトナム」
と発音しても通じにくいかも。
「ビエッナム」
なら通じます。
「エ」にアクセントを置いてください。

なお、「ナム」だけでも通じる場合があります。

■日本酒が飲みたくなったら
「ジャパニーズ・サケ」
で通じます。
ただしメリケン(アメリカ人のこと)どもはよく
「ジャパニーズ・サキ」
と発音しています。

■「オーガニック」
「オ」にアクセントを置くと通じない場合が多い。
「ガ」にアクセントを置くと通じます。

■「ミネラルウォーター」
通じることもあります。
通じない相手には
「スプリングウォーター」
と言い換えてみましょう。

■「コーラありますか」という聞き方はあまりしません。
察しの悪い相手だとこう聞かれても何のことかわからないかも。
通じない場合は
「ペプシまたはコークありますか」
という聞き方(具体的にブランド名を言う)をしてみましょう。

類似というか正反対の例ですが
「ホッチキス」
は通じません。
ホッチキスは会社の名前です。
「ステイプラー」
と言わないと通じないです。

■「ケチャップ」
たぶん通じます。
もちっと英語っぽく言いたければ
「キャッチアップ」
と発音してみましょう。

■「マクドナルド」はおそらく通じません。
「ミクダーナルズ」
と発音します。
「ダ」にアクセントを置きます。
(「ミ」にアクセントを置く流派もありまして、前者は「表アメリカ人」、後者は「裏アメリカ人」に多いとか少ないとか…)

■チョコレートのゴディバ
確認したことはないんですけど
「ゴディバ」
とは言わずに
「ゴダイバ」
と発音するのがメリケン式だと思います。

■ティラミス(もともと英語じゃないけど)は
「ス」にアクセントを置きます。
かつ
「ティラミスー」
と最後を延ばします。

類似の例ですが
「カフェラッテ」(これも本来は英語じゃないけど)

「テ」にアクセント。
「カフェラテー」
と延ばします。
ただし、
「ラ」にアクセントを置いて
「カフェラッテ」
と発音している人を目撃したことがあります。
両方あるようですね。
「カフェラテー」が甲賀流
「カフェラッテ」が伊賀流
なのかも。

■キッチンつきのホテルに泊まったので野菜炒めでも作ろうと思い、スーパーマーケットに行ったとします。
「ピーマンはどこにありますか」
こう聞いても、はほぼ間違いなく通じません。
「ピーマン? 誰それ?」
と聞き返されます。
「グリーン・ペッパーはどこにありますか」
と言ってください。
ピーマンは英語ではないので。

■スーパーマーケットで豚肉を買いたいとき、豚肉は「ポーク」ですから
「Where is pork (豚肉はどこ)?」
と尋ねるようにしましょう。
「Where is pig (豚はどこ)?」
だと、養豚場に連れていかれます。

または黙って鏡を手渡される場合があります。

人気ブログランキング ← 応援クリックおねがいします。

  • ブックマーク:
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク
  • この記事をクリップ!
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • この記事をChoix!
2007.12.03 17:29

食育ロボ発進! 後編

松宮園生です。

前回のあらすじ)
日本食育大学が開発した食育ロボット「アンドリュー77」。
その「使い心地レポート」のようなものを、
川口恵太という人が僕にメールしてくれました。
この物語は、川口恵太氏とアンドリューの、
心暖まる交流を描く叙情詩である。

◆◆◆

(もらったメールの続きです。「わたし」というのは
川口恵太氏のことです)

「川口、早起きの時間です。目覚めに取り組んでください」
耳もとでアンドリューが大声を出し、わたしは飛び起きました。
「早寝早起き朝ごはん」アンドリューが言いました。「早寝早起き朝ごはんは日本の政府の重点目標です。早寝早起き朝ごはん専門の、全国組織もできているのです。ですから、早起きの次は朝ごはんに取り組みましょう」

わたしは大あくびをしながら「いま何時だよ」
「5時です」
「5時?」耳を疑いました。「なんでそんなに早いの」
「川口は朝ごはんを作る宿命です」
「作る?」
「自分で作ることに取り組んでください」
「アンドリュー、お前が作るんじゃないのかよ」
「川口が作るのです」
「だって昨日はお前が作ったじゃんよ」
「今日からは川口が作る宿命です。自分で作り、食べものの有り難さを感じながら食べましょう」
「アホクサ。だったらメシなんかいらねえよ。寝る」
「許されません。早寝早起き朝ごはん。早寝早起き朝ごはん。全身全霊、日本の未来のために取り組むことが宿命です」
「やだね。おやすみ。ギリギリまで寝るから、時間がきたら起こせよ」
ベッドに戻るわたし。

プシュー!
水蒸気を激しく噴き出すアンドリューの両耳。
狂ったように点滅するアンドリューの両眼。
「呪います。ちちんぷいぷい。川口は眠れない。川口は眠れない。ちちんぷいぷい。呪いました。呪い、セット終了」
「ふざけろよ」今風に(?)つぶやいてわたしは布団にもぐりこみます。「ばーか」

ん?
左手がビミョーに冷たくぬるぬるしたものに触れました。
あわてて布団をはがしてみると、いつのまに仕掛けたのか、そこには潰れたトマトがいくつも…。
「なんじゃこりゃあ」
使い古しのセリフを思わず叫んでしまいました。
手の先もトマト果汁まみれになっています。

「てめえ、アンドリュー!」わたしは毒づきました。「食育ロボットのくせに、食べものをこんなに粗末にしていいのかよ」
アンドリューは黙ったまま、椅子に座って新聞を読んでいます。
わたしはアンドリューの椅子に蹴りを入れてから、洗面所に行きました。
ハンドソープで手を洗いながら「てめえがやったんだからな。てめえがベッドを掃除しろよ」
それからついでに軽くうがいをするために、置いてあったマウスウォッシュを口に含みました。

うぎゃあ!
口の中で爆弾が破裂したようでした。
反射的にマウスウォッシュを吐き出し、咳こむわたし。

「呪い、完了です」背後でアンドリューの淡々とした声が響きます。「川口は眠れない。それはマウスウォッシュではなく、ハラペーニョと胡椒のたっぷり入ったラー油です」

◆◆◆

何度もうがいをして疲れ果て、ぜーぜー肩で息をしているわたしに、アンドリューが言いました。
「どうですか川口。朝ごはん、取り組む気になりましたか」
「このくそったれ。いやだと言ったらまた何かするんだろう…げほげほげほ」
「そうですか、取り組む気になりましたか。素晴らしい。称賛します。正しい行いは、すがすがしいものです」
水蒸気がやみ、点滅がおさまりました。

アンドリューは胸にあるポケットから1冊の本を取りだしました。
『日本食育大学監修 それゆけ朝ごはん けだるいレシピ全集』
という本です。
「川口はどうせ料理したことありませんね? 大問題です。その解決の第1歩として、まずはレシピを見ながら作ることに取り組みましょう。さあ、どのレシピに取り組みますか?」
「何だっていいよ」投げやりなわたし。
「では『超オーガニック・トムヤム定食』にしますか」アンドリューはレシピ本をぱらぱらくりながら言いました。「凝り性の趣味男性向けレシピと書いてあります。レシピの説明だけで20ページあります。今から取り組めば、明後日の夕方にはできあがるでしょう」
「明後日の夕方? 何だそりゃ。そんなムチャクチャなもの、作れるわけねえだろ。つーか夕方にできたら朝ごはんじゃねえじゃねえか」
「確かにそうですねえ。材料を買うために山梨県と長野県と鹿児島県に行かなくてはなりませんし」
「極端なことをさりげなく言うなよ」わたしは言いました。「もっとマシなのはねえのか」
「それでは『スペイン風オムレツ』にしましょう。野菜もあるし、タマゴもあるし、川口でも作れる簡単さです」

しかし実際には、調理は悪戦苦闘で、朝ごはんを食べることができたのは出発時刻も迫る、8時頃でした。
アンドリューは手伝いもしません。
しかもオムレツは形が崩れまくり、「正体不明の黄色く温かい何か」としか形容できない状態になっています。
「では食べることに取り組んでください」アンドリューは言いました。「いただきますを忘れないように。いただきますごちそうさまは愛言葉。この標語を知っていますか。いただきますごちそうさまは愛言葉。これは、平成19年の食育推進の標語として日本政府から選ばれたものの1つです」

アンドリューは新聞を読んでます。
わたしは黙々と食べました。
明日もまた5時にたたき起されて、朝食を作らなければならないのでしょうか。
やってられません。
わたしは決心しました。
父親に言って、アンドリューを返品するのだ。
そう考えると、少し元気が出てきました。

「ごちそうさま」わたしは言いました。「じゃあ出かけてくる」
「待ちなさい」新聞をおろしてアンドリューが言いました。「ごちそうさまと言ったことは評価します。しかし後片づけには取り組まないのですか?」
「は?」
「川口は次は食器を洗うことと、テーブルの上をきれいにすることに取り組んでください。東京の世田谷区の公式食育かるたのなかに『ごちそうさま すすんでやろう あとかたづけ』という句があります。そのくらい、後片づけは重要なのですよ」
「なに言ってんだよ。そんなことしてたら遅刻するじゃねえか」
「後片づけは重要です」
「遅刻しないことも重要なんだよ」わたしはアンドリューをにらみつけました。「てめえが、やればいいじゃん。ベッドもきれいにしとけよ」

プシュー!
アンドリューの両耳から勢いよく噴き出す水蒸気。
両眼がまるでウルトラマンのカラータイマーのように点滅しはじめます。
「呪います。ちちんぷいぷい。川口は出かけない。川口は出かけない。ちちんぷいぷい。呪いました。呪い、セット終了」

「いい加減にしろ!」わたしは喧嘩腰に「てめえのくだらない意地悪に関わってる時間はないんだよ。遅刻したくねえんだよ」
吐き捨てるように言い、ランドセルを背負って玄関から飛び出しました。
父親に言おう。
アンドリューを返品するのだ。
「返品だ」
「返品だ」
独り言をいいながら、わたしは学校に向って歩きはじめていました。

◆◆◆

「えっ、ランドセル? 学校?」
メールを読んでいた僕(松宮)は思わずつぶやきました。
この人、こんな文章書いていながら、小学生だったんだ…。

◆◆◆

(メールに戻ります)

松宮さん。
書き忘れていましたが、わたしの両親は離婚しています。
わたしは平日は父親と、週末は母親と過ごしています。
父親は出張の多い仕事をしているので、わたしは1人で過ごすことが少なくありません。
そんなわけで、父親は食育ロボットを買ってくれたのでした。

とはいえ、父親の善意は分かるのですが、あのロボットはもうまっぴらです。
返品だ。返品だ。

家を飛び出して数分後、無意識にポケットに手を入れると、何かがありました。
昨日コンビニで買ったチョコレートの食べ残しでした。
わたしの体温で、少しやわらかくなっています。

食べちゃお。
とくに疑いもせずそれを口に放り込みました。
すぐには何も起きませんでした。
すこしたったところで…。
うぎゃあ!

お分かりですね。
ご想像のとおり、それはアンドリューが仕掛けた激辛チョコレートでした。
ご丁寧にも表面は甘いままで、中心にハラペーニョの種が大量に仕込まれているという芸の細かさでした。
わたしは火のついた口から大量のよだれを垂らしながら、悲鳴をあげて家に駆け戻りました。

アンドリューが待ち構えていました。「テーブルの上にお茶を用意してあります。体温と同じ温度です。辛さを和らげるのに効果的な温度だと言われているんですよ」
しかし、わたしにはお茶の匂いをかぐだけの余裕が、まだありました。
匂いをかいでみると、思ったとおり、それはお茶というよりマスタード・ドリンクでした。
「こんなの飲めるか」わたしは悪態をつき、冷蔵庫を空けました。
あいかわらず新聞を読んでいるアンドリュー。
冷蔵庫にはミネラルウォーターがありました。
ですが、油断はできません。
昨夜、ミネラルウォーターでひどい目に遭っているのです。

ミネラルウォーターの隣に、オレンジジュースがありました。
さっき朝食を食べたときに飲んだオレンジジュースです。
これなら大丈夫か。
待てよ。
アンドリューのことだ、あれからオレンジジュースになにか仕込んだかもしれない。
やめだ、やめだ。
ミネラルウォーターも、オレンジジュースも、信用できねえ。
「だまされねえぞ」苦痛と戦いながら、わたしは何も取り出さずに冷蔵庫を閉めました。「水道水を飲んでやる。これなら大丈夫だ。ざまあみろ」

水道水の蛇口をひねり、水をゴクゴク飲みました。

うぎゃあ!
ガホゲホガホゲホ!

アンドリューは新聞を置き、穏やかな声で言いました。
「呪い、完了しました。そのコップの内側には、ハバネロとワサビを混ぜたものをたっぷり、塗ってあったのですよ…」

(完)

人気ブログランキング ← 応援クリックおねがいします。

  • ブックマーク:
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク
  • この記事をクリップ!
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • この記事をChoix!