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松宮園生です。
「食欲王子」後半です。
お手数でも、必ず前半をお読みになってから、続きをお読みください!
前半: 「食欲王子 (前編)」
http://www.shokuiku-pro.com/production/2009/04/post_186.html
◆◆◆
人々の不満がついに爆発します。
イル16世が30歳のとき(=ピエールも30歳)、政治犯を閉じ込めていたシャルル牢獄を市民が襲撃しました。
革命の始まりです。
政治犯を解放した市民軍は、今度は王都プリウスに進軍します。
大勢の国民が武器をもって合流し、プリウス郊外で政府軍と激突。
プリウス市民も革命軍に参加し、政府軍はこっぱみじんに打ち破られます。
革命軍は宮廷を占拠。
イル16世もマリー・パトリシアも捕えられてしまいました。
捕えられたとき、
* イル16世は中国から伝わった餃子の64個目を食べていた
* マリー・パトリシアは別室で若い貴族を裸にして手錠をかけて遊んでいた
と言われています。
あくまでうわさですが。
ピエールの屋敷にも革命軍がやってきました。
ピエールは抵抗せずに降伏。
革命軍は彼を、彼自身の屋敷の地下牢に閉じ込めました。
そこへ、捕えられたイル16世も移送されてやってきました。
2人は向かい合った牢屋に幽閉されました。
移送されてきたときのイル16世は、狂乱状態だったといいます。
食べていた餃子はとりあげられ、そのあと何も食べない(食べさせてもらえない)まま、移送されてきたのでした。
ピエールの知る限り、眠っているときを除いて、イル16世が10分以上「なにも口にしていない」状態だったことはありせんでした。
そんな国王が、革命軍につかまり、ピエールの屋敷に移送されるまでのあいだ、なにも食べものを与えられなかったということです。
それが、狂乱状態の原因でした。
ピエールの自伝によると、
「食物を与えられなかった陛下の目は、アヘン中毒者の禁断症状そのものだった。陛下は宇宙全体を呪いの言葉で埋め尽くすかのような叫び声をあげ、あまりの異常さに革命兵士のなかには嘔吐する者までいた」
そうです。
地下牢に入ってからも、国王の狂乱状態は続きました。
食事は1日に2度、粗末なものを与えられるだけです。
それでも食べているあいだはおとなしくなるのですが、食べ終わると
「腹が減った」
「腹が減った」
と暴れはじめます。
実をいうと、国王に忠実なピエールは、万一のときの備えをしていました。
王のための美味な保存食を、あらかじめ屋敷の地下に蓄えてあったのです。
自分自身が囚人であるために、その保存食を国王に渡すのが難しかったのですが、あるときチャンスが到来しました。
彼らを監禁している革命兵士のなかに、容姿端麗なピエールに恋をする男がいました(ピエールも男です。念のため)。
ピエールはその兵士をたらしこむことに成功しました。
兵士に命じて、保存食がイル16世のところに運ばれるようにこっそり仕組んだのです。
王は与えられた食べものをがつがつと口にほうりこみます。
その動きは飢餓の子どもそのものでしたが、王の体型じたいは飢餓の逆で、とんでもなくメタボでありました。
◆◆◆
国王の裁判が行われました。
狂乱するのを避けるため、国王には特例で食事が与えられ、彼は食べながら裁判を受けました。
死刑の判決がでました。
死刑の判決が出たというのに、国王はなんの反応もしませんでした。
ひたすら食べ続け、いまここで何が起きているのかをまるで理解していないようでした。
王妃マリア・パトリシアも死刑の判決を受けました。
彼女はイル16世の処刑の前日に、ギロチンの露と消えました。
彼女は巨大な刃が落ちてくる直前まで、
「なんで自分がこんな目に遭わなければならないのか」
と怒鳴りつづけたそうです。
翌日はいよいよ、イル16世の死刑執行の日でした。
その日の早朝。
牢番の長(おさ)がやってきて言いました。
「イル16世陛下。陛下の処刑は1時間後に行われます。最後のときを安らかなお気持ちでお過ごしなさいますよう」
食事が支給されました。
最後の食事というわけです。
食べはじめたイル16世を尻目に、牢番の長(おさ)は部下の牢番たちともども、静かに立ち去りました。
向かい合った牢屋にいるピエールは、泣きながら国王に声をかけました。
この25年間のお礼と、自分も遠からずあの世に参ります、あの世でまたお会いしましょう、ということを言いたかったのですが、うまく話すことができませんでした。
嗚咽がでるばかりでした。
すると、それまで「最後の食事」をしていたイル16世の動きが、はたと止まりました。
彼の眼が宙をあらぬようにみつめ、顔がゆがみはじめます。
やがて、口がヘビのように大きく開かれ、数秒後、忘れもしないあの
「ずずずず、ずずずず」
という音がピエールの耳に届いたのでした。
23年前の、あの音…。
ピエールはその場にへたりこみました。
「ずずずず、ずずずず」
は続きます。
ほどなく、イル16世の口から黒いぶよぶよした塊が、ゆっくりと吐きだされてきました。
「ずずずず、ずずずず」
吐きだされた黒い「何か」が地面でとぐろを巻いています。
いつまでもいつまでも吐きだされてきます。
その量は、イル16世の体の大きさを超えていました。
なんと、その塊には「目のようなもの」がありました。
「目のようなもの」は、格子のすきまからピエールをまっすぐ見据えます。
凍りつくピエール。
やがてその黒い塊は、
「ずずずず、ずずずず」
という音を相変わらずたてながら格子をすりぬけて牢屋を出てきました。
こっちに来る!
ピエールはそう思いましたが、体を動かすことができません。
しかし黒い塊は方向を変え、
「ずずずず、ずずずず」
と地下のさらに深い闇へと消えていきました。
しばらくして、牢番が数人やってきました。
「時間です、陛下。刑場にお連れせねばなりません」
それまで口をぽかんと開けていたイル16世が、目をまるくして突然こんなことを言いました。
「ど、どうして僕はここにいるの? ここはどこ? 母上はどこ?」
その声や話し方は、30男のものではありませんでした。
子どもの言葉遣いです。
「なんでこんな暗い所にいるの? そなたたちは誰? ピエールはどこ? かくれんぼはどうなったの? ピエールは?」
かくれんぼ!
「陛下! かくれんぼは終わりました。ピエールはここでございます」
ピエールは叫びました。
しかしイル16世はピエールを見て言いました。
「おまえはピエールじゃない。おまえは大人じゃないか。ピエールはどこ? ピエール! …いたたたた。痛い、痛い!」
突然、腹部に手をあててうずくまります。
彼は、涙をポロポロこぼしながら、か細い声で、痛い、痛い、ピエール助けてと訴え続けます。
黒い塊が体から出ていったために、何らかの理由で、イル16世を痛みが襲ったようでした。
彼のこれまでの極端な暴飲暴食を思えば、体がおかしくなっても無理はありません。
しかし、牢番の長(おさ)は決然と言いました。
「陛下、覚悟をお決めください。仮病を使おうとも、もはや逃れるすべはございませんぞ」
「陛下は仮病などではない!」ピエールが叫びます。「本物の病気であらせられるぞ!」
しかしその声は黙殺されました。
部下の牢番たちが、腹痛で動けないイル16世の肥満した体を牢から引きずり出し、ピエールの前から連れ去っていきました。
国王のすすり泣く声が、いつまでも残りました。
ピエールが親友イル16世の姿を見たのは、それが最後でした。
◆◆◆
ピエールはその後、裁判を受けましたが、死刑をまぬがれ、国のはずれにある小さな家に監禁されました。
政治に関わっていなかったことが、彼の命を救ったようです。
監禁された家で、彼は33歳のときに病死しました。
彼の死因については、とくに怪しい点はなかったとされています。
ピエールの自伝の原本は、プリウス博物館に展示されています。
自伝の最後に「得体のしれない黒い塊」のイラストが描かれており、このイラストが見えるように展示されています。
博物館員の説明によると、ピエール本人が描いたのではなく、腕のよい画家に描かせたものだそうです。
リアルな不気味さとあまりの迫力に、気分を悪くする人も少なくないとのこと。
You Tube にそのイラストが出ているといううわさも聞きましたが、まだ見つかっていません。
(「食欲王子」 完)
<参考図書>
知っておきたい「味」の世界史
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4044064083
松宮園生です。
イボンヌ朝最後の王、イル16世。
彼は非常な大食漢(大食い)としても知られています。
そもそもイボンヌ朝は豪華絢爛をきわめた王朝でした。
歴代の王のもと、毎晩、宮廷で酒池肉林がくりひろげられました。
食文化も発達し、大食いであることは自慢できることでもあった
ようです。
なかでもイル16世の食欲は群をぬいていました。
◆◆◆
ピエールという男がいます。
イル16世と同年同日に生まれたということもあり、5歳のときに遊び相手としてイル16世に仕えることになりました。
どうして貴族でも裕福な商家でもなく「平民」の生まれであったピエールが、イル16世の遊び相手に選ばれたのかはよくわかりません。
しかし彼は生涯の友としてつねにイル16世のそばにいたようです。
イル16世から絶大な信頼を得ていましたが、決して政治にかかわることはありませんでした。
そのピエールの自伝を読んでいたら、不思議なことが書かれていたのでご紹介します。
イル16世は子どものころ、食が細かったそうです。
ほとんどの料理には手をつけずに残してしまいますし、味に工夫をこらした甘いお菓子にもあまり興味を示しませんでした。
宮廷での毎晩の宴会も、彼にとっては苦痛でしかありませんでした。
当然、当時の宮廷人とは思えないほど痩せていました。
王と妃は王子のことをたいへん心配しました。
ところがある日を境に、それが一変します。
イル16世(当時はイル王子)が7歳のとき、2人は貴族の子弟数人を交え、宮殿の広大な庭でかくれんぼをしていました。
貴族の子弟の1人が鬼(探す役)で、王子とピエールは連れだって花壇の裏に隠れました。
ピエールがふと振り向くと、今の今まで一緒にいた王子がいなくなっています。
ピエールは王子を探し始めました。
すると、別の花壇のかげから
「ずずずず、ずずずず」
という音がします。
本能的に危険を感じたピエールは、音をたてないようにこっそり、音のするほうに這っていきました。
花壇の隙間から奥をのぞきこんだピエールは、息をのみました。
王子が気を失って倒れています。
そこに得体の知れない黒いぶよぶよの塊が、覆いかぶさっていました。
王子よりも大きな、黒い塊です。
王子の口は大きく開かれています。
黒い塊は、王子の口から体内に入ろうとしているのでした。
「ずずずず、ずずずず」
という音は、その音だったのです。
ピエールは震えが止まらなくなりました。
やがて黒いぶよぶよは、王子の体に完全に入ってしまいます。
あんな大きなものが入ったにも関わらず、不思議なことに王子の体型は変わりませんでした。
王子は目をさまし、何事もなかったかのように平然と起き上がりました。
「腹が減ったな」
王子はつぶやきます。
腹が減った、という言葉を王子が口にしたのは、おそらくこれが人生の最初でしょう。
彼はかくれんぼのことなどすっかり忘れた風情で、宮殿のほうに歩きだしました。
◆◆◆
王子が変貌したのはそれからでした。
それまで食が細かったのが、とつぜん食欲の権化にようになりました。
出された料理を次から次へと平らげ、とどまるところを知らなかったのです。
急激な変化に周囲は驚き、医者の診察まで受けましたが特に変わったことはありませんでした。
それまで食の細さを心配していた王も王妃も、今度は王子の異常な食欲を心配するようになります。
王子は眠っているとき以外は、ほとんど絶え間なく食べ続けました。
宮廷での宴会でも、人々が目をみはるような食べっぷりでした。
当然、みるみる太りました。
当時の宮廷人は、宴会で美食を追及するために大食いをしていました。
大食いなのはイル16世だけではなかったのです。
大食いを続けるために、
「食べては吐き、吐いては食べる」
ということをするのが普通でした。
王子も食べたり吐いたりを繰り返すようになります。
吐いてはいますが、それでも体は太ります。
ピエールは引き続き、王子の遊び相手として仕えています。
あのとき花壇で目撃したことを、彼は誰にも言いませんでした。
怖くて言えなかったのです。
王子にも。
10年が過ぎました。
17歳になったとき(=ピエールも17歳)、王子は結婚をしました。
相手は隣国からやってきた、1歳年上の美女、マリー・パトリシアです。
王子の結婚をきっかけに、ピエールは王都プリウスの一角に大きな屋敷を与えられ、そこに住みながら宮殿に通うようになりました。
それまでピエールは宮廷の外に出ることがまったくありませんでした。
5歳のときに宮仕えを始めて以来、一度も出たことがなかったのです。
外に出てみて、ピエールは驚きました。
あれほど豪華絢爛な宮廷の様子に比べ、プリウスの市民のなんと貧しいことか。
王侯貴族や一部の恵まれた商人をのぞけば、そこにあるのは貧窮でした。
人々はボロ雑巾を身にまとい、今日の食べ物を求めて市内を徘徊していました。
イボンヌ王朝に対する無言の怨嗟の声も、ピエールには聞こえてくるように感じました。
数ヶ月後、父王が亡くなりました。
王子は即位してイル16世になります。
王となった彼は、ますます食べるようになりました。
国家予算を使って食べるわけですから、生半可なものではありません。
来る日も来る日も豪勢な宴会をもよおし、食べては吐き、食べては吐きを繰り返しました。
国の政治は臣下に任せ、自分は食べること以外にあまり関心を示さないようになります。
妃のマリー・パトリシアは食べてばかりの夫を軽蔑しはじめます。
さっさと寝室を別々にし、美しい宝石と、高額な衣装と、イケメン貴族との浮気にうつつを抜かすようになりました。
民衆の間でが貧困と食料不足が広がっているという話を聞いたときに
「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」
というセリフを彼女が言ったという話は有名です。
本当に彼女が言ったのかどうかは分かりませんが、このセリフがプリウス市民のあいだにうわさとして伝わると、市民はますますイボンヌ王朝を憎悪するようになりました。
(以下次号)
<参考図書>
「食の歴史を世界地図から読む方法―料理や食材の意外なルーツがわかる イラスト図解版」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4309650910
松宮園生です。
よせばいいのに、こんなサイトを見つけてしまいました。
イギリスのサイトです。
なんと、納豆に関する専門サイト。
納豆製品をヨーロッパに普及しようと一生懸命らしいです。
なかなかチャレンジ精神旺盛です。
日本人が、納豆についての英語サイトを作っているのはよく見るのですが、これはどうやらそうではなくて、イギリス人が作っているようです。
そこがちょっと驚いたところ。
だから何? と言われそうですが。
見たい人はこちら(英語です)。
http://www.healthcaresupplements.co.uk/
そのなかにある写真。
ガイジンのくせに、納豆 うまそに食ってます。
↓
「納豆をうまそに食う女」
「なんでそんなに嬉しそうなの?」
「納豆をわざわざ窓際で食うなよ」
「落ちないのかよ?」
「それ、ほんとに納豆か?」
「その表情、ビミョーにホラー入ってんじゃね?」
いろいろ、ツッコミどころのある、問題写真です。
<参考動画(YouTube)>
「How to eat Natto」 (納豆の食べ方)
http://www.youtube.com/watch?v=bQaqSvb8bt8
「Eating Natto for the first time...」 (はじめての納豆)
http://www.youtube.com/watch?v=0ZuvCAWQt-8
ここで一句。
「ガイジンが 納豆食べる 艶姿(あですがた)」
<参考図書>
知っておきたい「味」の世界史
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4044064083
松宮園生です。
(前回までのあらすじ)
「食育▽△アカデミー」の魔の手に落ちかけた小判大介君を、
「フードプロフェッサー養成講座」
の強力チームが救い出す。
しかしその勢いで、小判君は
「フードプロフェッサー養成講座」
に囲い込まれてしまった…。
前回: 「食育水滸伝 その4」
http://www.shokuiku-pro.com/production/2009/03/4_1.html
◆◆◆
ここまで、小判大介君をめぐる、さまざまな食育講座の「受講生獲得合戦」について、書いてきました。
これを読んで、怯えちゃった方も多いのではないでしょうか。
しかしご安心ください。
実際には、一部をのぞいて、こんな怖いことはありません。
僕自身たまに食育講座で講師をしたりすることがあります。
その経験からいうと、ほとんどの食育講座は安全です。
資料請求した人を追いかけ回すようなことはありません。
たいがい上品ですし、言い方を変えれば「あまり営業に向いてない」地味な人々が地味に主催していたりします。
「営業に向いている」人々のなかでも、イメージ作りやブランディングの上手なところは、追っかけ回すような野暮なことはしていません。
しかし一部に
「マーケティング下手だけど営業が命」
な食育講座がありまして、こういうところが力技で小判君を追い回すわけです。
その「営業命」な食育講座どうしの、まチョット行儀の悪い争いを、オチャラケでレポートいたしました。
(数々の証言にもとづき、構成させていただいております)
◆◆◆
その「困った一部の食育講座」について、もう少し書きます。
小判君を追いかけ回していた、
「食育★★講座」
「食育▽△アカデミー」
この両者は、受講者獲得をめぐって激しく火花を散らす間柄でした。
この両者、それぞれ「基本戦略」というのがありまして。
バスケットボールに例えると、
「食育★★講座」は、「ゾーン・ディフェンス」
「食育▽△アカデミー」は、「マン・ツー・マン・ディフェンス」
でした。
どういうことかというと。
「食育★★講座」は、地域ごとに「受講者集めの責任者」がいます。
この責任者は、地域のあらゆるメディアを狙って広報活動を行い、大量のビラを配ります。
大量にビラを配れば、そのうち何パーセントかは「釣りあげられる」わけです。
下手な鉄砲、数打ちゃ当たる
まさにこれです。
下手な鉄砲を、地域密着型で打つ。
したがって、「ゾーン・ディフェンス」と呼ばれます。
「食育▽△アカデミー」は、下手な鉄砲は打ちません。
その代わり、狙った獲物は逃がさない。
まず、食育の世界の有名人を招き、大都市で講演会をします。
講演会1回につき、たとえば30人の参加申込があったとしましょう。
すると、「食育▽△アカデミー」は31人の社員を動員します。
↓
講演会前日、31人の社員を集めて作戦会議が行われます。
「どの社員が、その講演会参加者(=獲物)を落とすか」
が決められるわけです。
作戦会議の場には、どうやって入手したのか、参加者(=獲物)全員のさまざまな情報が…。
どの参加者(=獲物)にどのような攻め方をするとよいのか、という戦術が練られます。
なお、社員31人、引く、参加者30人 = 社員1人。
つまり1人余りますね。
この余った1人は何をするかというと、無垢な講師を「黙らせる」役割を担います。
通常は、出世した社員がこの役割をもらいます。
↓
講演会当日、会場には演壇と客席のほかに、30個のブースが設営されます。
時間が迫り、講演会参加者(=獲物)が三々五々、入場し、客席に座ります。
30人が入場しました。
すると、ドアが閉まり、鍵かかけられます。
↓
鍵のかかる「ガチャ」という音に、入場した参加者(=獲物)から不安そうなどよめきが…。
すると社員の1人が演壇に立ち、
「ご安心ください。これは皆さんを外敵から守るためです」
わけのわからない説明をします。
↓
「鍵がかかる」なんて、招かれた有名人(=無垢な講師)も聞いていませんでした。
(ヤバイ組織に関わってしまったのか…)
有名人も不安顔になります。
しかし時間が来てしまい、なしくずし的に有名人の講演会が始まりました。
↓
講演会終了後、「担当の社員」が有名人を会場の外に連れ出します。
「いやー先生、ありがとうございました」社員は言います。「これであなたの役目は終わりました。とっととお帰りください」
「わたしの話を聞きに来てくれた参加者の皆さんはどうなるのですか?」
「先生」社員の目がつりあがります。「世の中には知ってはならないことだってあるのです。『好奇心は猫を殺す』というアメリカのことわざをご存知ですか?」
↓
そのころ、閉じ込められた参加者(=獲物)に、前日の作戦会議で決められたとおりに、担当社員が「襲いかかって」1人1人をブースに連れ込みます。
そこには、「食育▽△講座」のパンフレットと、受講申込書と、ボールペンが…。
↓
ある参加者(=獲物)が、担当社員の手を振り切って逃げだしました。
するとどこからか、予備社員が現われて逃亡者を連れ戻します。
泣き出す逃亡未遂者。
(以下、省略)
これが有名な、「食育▽△アカデミー」の「マン・ツー・マン・ディフェンス」です。
有名な、と書きましたが、かつては知られていませんでした。
脱北者、もとい、亡命者が少しずつ増え、その証言によって明るみに出てきたものです。
◆◆◆
これを読んで再びぞっとした方もいらっしゃると思いますが、初めに書いたように、ほとんどの食育講座はマトモです。
むしろ地味すぎて心配なくらいで、まったく怖くありません。
ただほんの一部、ちょっと困った組織があるようで…。
「このままでは食育講座業界全体のイメージダウンになる」
心配した「穏健派」食育講座の方々は、協議のうえ、傭兵部隊に問題の解決を依頼しました。
依頼されたのが、「フードプロフェッサー養成講座」です。
「フードプロフェッサー養成講座」は最新兵器を使った巧みな作戦と、業界随一の武闘派「小太りオバチャン」こと佐久間さんの投入により、「食育▽△アカデミー」に捕らわれた小判大介君を電光石火、救出しました。
「さすが、傭兵部隊はすごいなあ」
「穏健派」食育講座の方々は大喜び。
しかし、喜んでばかりもいられませんでした。
傭兵部隊は、両刃の剣です。
その証拠に、救い出された小判君は、そのまま「フードプロフェッサー養成講座」を申し込んでしまったのですから…。
「いつになったら、弱い正直者に日が当たるようになるのか…」
「穏健派」食育講座の方々の溜息は、続くのでありました。
このシリーズ、ここまで。
(この物語はフィクションです。登場人物や組織の名前は、現存するいかなる人物・組織の名前とも関係ありません)
<参考図書>
「人が集まる!行列ができる!講座、イベントの作り方」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4062139065
料理
テーブルコーディネート
おもてなし
マナー
食育
パン
スイーツ
などなど…
食に関する講師をしている方、教室を開いている方へ
皆様の講師活動・教室運営に役立つマニュアル本のお知らせです。
↓↓↓↓↓
講師・教室… やり方のすべてがわかる!!
講師になりたい人
教室を開きたい人
のための
簡単! 開講マニュアル
開講7つ道具!から、ギャラの決め方、カルチャースクールとのつきあい方まで・・・
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