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松宮園生です。
(前回の復習)
アメリカの日本食レストランは、
* ヤマトダマシイ型
* カメレオン型
* なんじゃこりゃぁ型
に分けられます。
詳しくは→「スシ太平記(前編)」
http://www.shokuiku-pro.com/production/2009/05/post_91.html
◆◆◆
2005年だったか2006年だったか忘れましたが、日本のとあるエライ政治家がアメリカに旅行し、コロラド州のどこかで、
「なんじゃこりゃぁレストラン」
に入ってしまいました。
なんじゃこりゃぁレストランは、
* 店の名前がセンスずれていたり、
* メニューに載っている料理の名前が変だったり、
* 板前さんの雰囲気が謎を秘めていたりするので、
たいがいスグに見分けがつきます。
ちなみに、ほんとうにあった危ない店名の例です。
「フンドシ」
「大往生」
「談合」 (←たしかに、読み方によっては楽しそうな雰囲気あります)
「お立ち台」
話をもどします。
このエライ政治家の先生は、帰国するなり
「ふざけた日本食レストランが多くてけしからん。マジメにやっとる日本食屋を国家として応援せねばならん」
と言い出し、そのために2億数千万円の予算を農林水産省にあてがったのです。
農林水産省はその予算をバックに、
「海外の日本食レストランを認証する制度」
を作ることを発表しました。
そうしたら大騒ぎになりまして。
アメリカのジャーナリズム(ワシントン・ポストだったと思います)が
「日本から寿司ポリスがやってくる」
という記事を書いたのを皮切りに、あちこちで批判の声があがります。
日本でも、個人のブログで寿司ポリスのことを非難する人が数知れず。
「日本政府が勝手に日本食店のルールを決めるなんて許せない!」
という声が多発しました。
ある意味、炎上したわけです。
◆◆◆
この「寿司ポリス事件」、覚えておられる方も多いと思います。
騒ぎはいつの間にか静まってしましましたが、この事件、その後どうなったかご存知ですか?
ご存じない人のために、次号で後日談をお伝えいたします。
<参考書籍>
「食品認証ビジネス講座」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4782102585
松宮園生です。
いまから40年近く昔のことですが、ハーバード大学の
メイヤー教授という人が
「夫を早死にさせる10ヶ条」
というのを発表しました。
1) うんと太らせる
2) 酒をじゅうぶんに飲ませる
3) 砂糖・菓子は好きなだけ食べさせる
4) じっと座らせて、運動不足にさせる
5) 動物性脂肪をたっぷり取らせる
6) 塩辛い食事に慣れさせる
7) コーヒーをガブガブ飲ませる
8) タバコをどんどん吸わせる
9) 夜更かしをさせる
10) 休暇は取らせない
あとは朝から晩まで文句を言っていじめる。
それって10ヶ条じゃなくて11ヶ条じゃね?
まあいいか。
要するに、この10ヶ条の逆をすることで長生きしよう、というメッセージなわけです。
◆◆◆
昔々あるところに、小さなショッピング・モールがありました。
その一角にこれも小さなスーパーマーケットがありました。
スーパーマーケットの店主はラリー・サイモンズという名前の、気のいい爺さんでした。
いつもニコニコと接客していましたが、商売のほうは可もなく不可もなく、という感じだったようです。
ある日、スーパーマーケットのなんと隣に、
「レイモンド・クールマン」
という地産地消タイプの自然食品店ができました。
自然食品店の世界って、巨大チェーン「ホールフーズ・マーケット」のひとり勝ちかなと思っていましたが、地域に密着した店などは根強く生きています。
慌てたのはスーパーマーケットの店主です。
かたや普通の食品、かたや自然食品、という違いがあるとはいえ、隣にライバル店が誕生したのですから、心中おだやかではありません。
案の定、客足は自然食品店のほうになびき、スーパーマーケットの売上はがた落ちしました。
経済の世界も弱肉強食です。
勢いにのった自然食品店側はコンサルタントを雇い、スーパーマーケットを潰しにかかります。
コンサルタントのアイデアで、「レイモンド・クールマン」の店内あちこちにこんなポスターが貼られました。
<メイヤー教授もうなずく、夫の命を縮める食品ワースト3!>
ワースト1位: トランス脂肪酸たっぷり食品
ワースト2位: 精製された砂糖たっぷり食品
ワースト3位: 塩分たっぷり食品
どこかの店と違い、当店にはこんな危ない商品はいっさい置いておりません。
安心して買える店、レイモンド・クールマン!
それを見たスーパーマーケット側の店主は頭を抱えました。
「ウチの商品はこんな危ないのばっかりだ…。どうしよう」
◆◆◆
半年後…。
ラリー・サイモンズ爺さんのスーパーマーケットはまだ潰れずに生き残っています。
それどころか、以前より繁盛しているように見えました。
「おかしいな」
首をかしげたのは自然食品店のオーナー、レイモンド・クールマン氏でした。
コンサルタントの発案したあのポスターを貼って以来、来客が増え、自然食品店の売上はアップしていました。
ポスター作戦は成功したわけです。
なのに、スーパーマーケットが潰れずに繁盛しているのは、どうも解せません。
クールマン氏は、コンサルタントに調査を頼むことにしました。
数日後、女装したコンサルタントがクールマン氏の前に現れました。
「クールマンさん、隣が繁盛している原因が分かりました」
「ていうか、なんであんたは女装してるんだ? その足でミニスカートはやめてくれ」
「女装してはじめて分かったんですよ」コンサルタントは平然と答えました。「…隣の爺さんですがね、男性客には何も渡さないのですが、女性客にはこんなチラシを渡していたんです」
コンサルタントは手に持っていたチラシを、クールマン氏に見せました。
それにはこう書いてありました。
隣に置いていないものをお探しの奥さん、当店でどうぞ!
秘密は守ります!
「もうひとつ報告があります、クールマンさん」コンサルタントは続けました。「あなたの若奥さんですが、隣で山のように買い物してましたよ」
<参考図書>
「フィット・フォー・ライフ」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/490142310X
松宮園生です。
御存じのように、日本食、世界各地でブームです。
日本食のレストランも乱立しています。
ちょっと前に農林水産省の行った推計ですが、
海外にはおよそ2万5千店の日本食店があるそうです。
そのなかにはまあいろんな店があります。
おおざっぱに言うと
1) ヤマトダマシイ型
2) カメレオン型
3) なんじゃこりゃぁ型
に分類されます。
アメリカの場合の、それぞれの特徴を書きます。
1)「ヤマトダマシイ型」
見るからに日本っぽい店のことです。
客も大半が日本人です。
オールドモデルとニューモデルがあり、オールドモデルの店では例えば薬師丸ひろ子のポスターが今でも萌えキャラです。
2)「カメレオン型」
ようするに、現地の好みに合わせて変化しているタイプのことです。
いろんなパターンがありますが、最近気になるのは、
「日本で修行をしたアメリカ人が、金持ちアメリカ人のために開いた本気の日本食店」
というのがあることです。
こういう店の中身はヤマトダマシイ的ですが、日本人客は1人もいません。
着飾ったアメリカ人で満席。
お値段も2人で400ドル(約4万円)。
味や雰囲気はかなりグー(←死語)です。いかにも高そうなたたずまいです。
なぜ日本人がいないかと言うと、店のオーナーが日本人に店の宣伝をしていないからです。
なぜ日本人に宣伝しないかというと、日本人が来なくったってアメリカ人客だけで採算がとれるからだそうです。
生意気ですねえ。
(むかしはこんなことはありえませんでした)
こういう店は、
1) まずアメリカ人のあいだで話題になり、
2) その後、アメリカ人に教わって日本人がやってくる
というプロセスを踏みます。
こういう、「日本人の知らない来ない流行日本食店」を知っている日本人は、現地日本人社会でちと鼻高々(←死語)だそうです。
3) 「なんじゃこりゃあ型」
話題として面白いのはこのタイプです。
自分は行きたくないけど、誰かが行ってハマった話を聞くのは面白い。
罰ゲームにも使えるタイプです。
昨日まで中華料理をやっていた中国人の劉さんが、
「日本食は儲かる」
と聞いて今日から日本食屋に転向した、というパターンが多い。
たとえば店の名前。
昨日まで「四川飯店」だったくせに、今日から日本風の名前に変わります。
しかし劉さんもいちおう少しは考えます。
「富士」とか「将軍」とか「加賀」とかはあまりにもベタすぎる。
もうすこし今どきな名前にしよう。
そう考えた劉さんは、知り合いの日系人に「最近日本でどんな言葉、流行っているアルか?」
と相談します。
その日系人に教わって、つけた今どきな名前が
「世界中心愛叫」(1号店)
「同情無用金欲」(2号店)
…なんか色々と感覚ズレてますけど、しかたねえ許すとするか。
で、昨日までエビチリとかタンタン麺を出していたくせに、今日から寿司を作り始めるわけです。
どんな寿司になるか、なんとなく想像つきますよね。
たとえば、日本では寿司のシャリが酢飯であることを、劉さんは知りません。
日本ではネタの新鮮さが重視されていることを、劉さんは知りません。
日本ではマスタードではなくワサビを使っていることを、劉さんは知りません。
日本ではウスターソースではなく醤油を使っていることを、劉さんは知りません。
しかも、醤油は食べる人が自分の好みでちょっとつけるだけで、はじめから醤油に浸して出てくるものではない、ということを劉さんは知りません。
劉さん本人は、図鑑をみながら日本の寿司を一生懸命マネているつもりなのですが、結果的にはキワメテ自由な発想の寿司が生まれるわけです。
<参考図書>
「スシエコノミー」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4532353017
松宮園生です。
アメリカに住んでいたころの話ですが…。
近所、といってもクルマが必要な距離なんですが、わりと近いところに
小綺麗な「地産地消」専門店ができました。
「地産地消」のことを英語では
Local Harvest
(ローカル・ハーベスト)
とか
Local Produce
(ローカル・プロデュース)
とか言います。
プロデュースっていうと何だかメディア業界の言葉みたいですが、「農産物」という意味もある。
つまり、Local Produceとは
「地元(Local)の農産物(Produce)」
のことを表します。
「田舎のテレビ局のちょい偉い人がイベントをやっている」
という意味ではございません。
アメリカの食品店は日本と違ってあまり頻繁に内装をリニューアルしません。
だいたいいつ来ても同じレイアウトです。
ところが近所にできたこの地産地消ショップはしょっちゅう内装を新しくしてます。
そのせいで目当ての品物を見つけるのに戸惑ったりしますが、時間があるときは探す楽しみもあったりして、
「分かりにくくて不便」
という人もいれば、
「けっこう面白い」
という人もいて、評判はまちまちでした。
◆◆◆
さて、その地産地消専門店でのことです。
日系人と思われる初老の婦人がカートを押していました。
見覚えがありました。
誰だっけ?
思いだせないのですが、少し気になって婦人の行動を目で追いました。
婦人がチーズを選んでいるときに、僕は思いだしました。
「ああっ」
そうだ。
あのときのあの人だ。
あのときのあの人とは?→ 「グッバイマム」
http://www.shokuiku-pro.com/production/2009/04/post_53.html
「ああっ」と叫んだ僕の声が聞こえたかどうか分かりません。
平然としたまま、婦人は果物・野菜が並んでいる売場に来ると、近くにいた店員に声をかけました。
「ねえそこのあなた。一体どうなってるのかしら」
声をかけられた店員は背の高い若者でした。
シャレたピアスをしています。
高校生のバイトでしょうか。
接客は慣れてませんという感じです。
「な、なにか?」
婦人は目をつりあげて言いました。
「有機野菜はどこに並んでるの? いつも来るたびに並び方が変わっているから、困るじゃないの」
「ゆ、有機野菜、ですか?」
「ここにあるのは有機野菜なの? それとも慣行栽培の野菜なの? どっち?」
「か、慣行栽培、ですか?」
「あなた、有機野菜とか、慣行栽培とか、そういう言葉じたい知らないみたいね」婦人は言いました。「誰か分かる人、いないの?」
(参考)ちなみに、英語ではこう言います。
有機= organic
慣行= conventional
「誰かわかる人、いないの?」
そう言われて、若者はあわてて走り去り、先輩店員を連れて戻ってきました。
先輩店員が言いました。
「奥様、野菜をお探しで?」
「夫に食べさせる野菜を買いに来たのよ」婦人は言いました「有機野菜なのかそうじゃないのか、ちゃんと分かりやすく表示しておいてほしいわね」
「それは大変すみませんでした」
「で、どうなの。ここに並んでいるのは、有毒化学物質がたっぷりかかった野菜なのかしら?」
「いいえ、違います、奥様」先輩店員は落ち着いて答えました。「お手数をおかけするようで申しわけございませんが、その部分は奥様ご自身でやっていただかないと…」
<参考図書>
「食品表示簡単チェックBOOK」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4413018974