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マツミヤ倶楽部

2007.08.31 12:00

ミスフラワー


松宮園生です。

今回の文章は、
食育度:★☆☆☆☆
(5点満点で1点)
です。
ようするに、
「こんなの食育の話じゃないんじゃない?」
とカクジツに叱られる内容です。
ご容赦。

◆◆◆

熱き血潮のたぎる、若き松宮園生が、テケテケ商事を辞めて独立したのは、今から5年前の早春のことです。

「今日から僕は青年実業家さ。日本一の食育会社を作って、ブイブイ言わせるぞ(←当時すでに死語)」
事務所を東京の渋谷に構えた松宮は、窓から見える夕陽に向ってそう叫んだのでした。

(西日の入る部屋だったんだね)
(夏がどんなに暑いか、このときは分からなかったんだね)

あれから5年。
僕も大人になりました。
じつは昨日、かつて事務所のあったところを偶然通りかかりました。

懐かしいなあ。

といいつつ、よく見まわしてみると。
周りの飲食店がほとんど入れ替わっていたのに驚きました。

噂に聞いてたけど、渋谷って浮沈が激しいんですね。
渋谷で飲食店をするのって、たいへんなんですね。

◆◆◆

5年前その事務所に入居した初日のことを思い出しました。

知り合いが開店祝いの花を贈ってくれたのです。

ところが花屋の手違いで、こんなメッセージが添えられていました。
「お悔やみ申しあげます。眠りが安らかなものでありますように」

僕はムカつきました。
花屋に電話し、釈明に来いとわめきました。

しばらくして花屋が菓子折りも持たずに手ぶらでやって来ました(←期待していたわけね)。
「えろうすんまへん」
オーバーオールを着たメタボ気味の花屋は、ごまかし笑いをしながら言いました。
「わての手違いで不愉快な思いさせてもてホンマ、堪忍堪忍。おたくの事務所開きの日に、すまんことしてもうた」

「なんで笑ってんだよ」
僕は花屋につめよりました。
「なんだその態度。気分わりいな。しかも手ぶらだし」

「すんまへん。わて、こんな顔してますさかい、笑(わろ)とるように見えてもうんやけど、人は見かけによりまへん。笑(わろ)とりまへんのや。ホンマ、反省してますねん」

手ぶらかと思ったら、花屋はポケットから何かを取り出しました。
「これ、お詫びの印でんがな」
手渡されたものを見ると、映画「食育残酷物語」の試写会の券でした。
しかも1枚。

「何だこれ? こんなもの、どうしろってんだよ」
しかし花屋はそれには答えず、
「おたくの社長はんにも、えろうすんまへん、これからも贔屓に頼んますわ、言うておくんなはれ」
いけしゃーしゃーと(←死語)のたまいました。

「何だと。自分で言えよ。てゆーか、社長はオレだっつーに」

すると花屋は頭をぽりぽりかきながら、
「ああ、そないでしたか。あんたが社長。へえ。あんたが社長ねえ。まあええわ。えろうすんまへん。堪忍な、堪忍な」
と言いました。

「バカにしてんのか」
「バカになど、しとりませんがな」
「じゃあなんだよ、その態度は」

花屋は溜息をつき、ハンカチで汗を拭きながら言いました。
「社長はん、そないに怒らんといてえな。誠実に謝っとるんやさかいに」

「あんたね。被害者はオレだろ」

「まあまあ、そう言わんと」花屋は落ち着いたものでした。「カッカする前にもう1人の被害者のことを想像してみなはれ。そっちのほうが気の毒や思うたら、腹も立ちませんがな」
「もう1人の被害者?」

「そうだす」花屋は言いました。「ええどすか、社長はんのところにお悔やみ状が行ったゆうことはやで、代わりにどこかの葬式でこんな電報が読み上げられとるちうことや。『おめでとう! 新天地で心機一転、成功を祈る!』」

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2007.08.29 08:28

アゴヒゲ その2


松宮園生です。

前回のあらすじ)
食育好きの駄目ビジネスマンをターゲットに、
「食育バンザイ」という役に立たない本を2500円で
売りつける商売をしているアゴヒゲ。
あわよくばそのまま「押しかけコンサルタント」として
相手の事務所に居座ろうとする、困ったオジサンでした。
しかし松宮園生は「食育バンザイ」を買ってしまいます。
3000円出して500円のおつりを受けとるはずなのに、
アゴヒゲは小銭がないから次回持ってくるという。
アゴヒゲの来訪に怯える毎日が、始まったのでした。

◆◆◆

事務所で食事をしているところに、アゴヒゲが現れました。
「あーっ」
と、アゴヒゲは指さして言いました。
「あんた、こないだ言ってたアミダラ姫の漬物っていうのは、それか?」

「さみだらのはさご漬け」
僕はぶっきらぼう(←死語)に答えました。
「美味だけど、あんたに食わせるほどたくさんはないよ。それより、こないだのおつりの500円はまだなの」

食事はほとんど終わるところでした。
さみだらのはさご漬けはまだタッパーウェアにたくさん入っていましたが、僕はこれ見よがしにふたを閉め、冷蔵庫に入れてしまいました。
「つり銭500円、早く返してよ」

「ケチだな、あんた。客に漬物も出さんのか」アゴヒゲは言いました。「まあいい。アミダラ姫は好みのタイプじゃないんでな」
「何しに来たんだよ。500円、早く返してよ」
「まあまあ落ち着け。500円なんて、コイン1個だろ? それより、今日はいいものを持ってきてやったんだ」

アゴヒゲが鞄から取り出したのは、水の入ったペットボトルでした。
「ミネラルウォーターだ。けどそこんじょそこらのミネラルウォーターと一緒にするなよ。ほら、ラベルを見なよ。『真のミネラルウォーター』って書いてあるだろ? そうなんだ。これは真のミネラルウォーターなんだ」
「で?」
「鈍いなあ。あんたはこれをオレから仕入れるんだよ。1本50円で売ってやるから、あんたがこれをネットワークで100円で売れば、儲かるじゃないか」
「買えっていうの?」
「確かに世の中にはミネラルウォーターは何種類もあるよ。でもな、日本産に限っていうと、本物はこれだけなんだ」
「本物って、どういうこと?」
「よくぞ聞いてくれました」アゴヒゲは芝居がかった口調で言いました。「他のミネラルウォーターはな、ミネラルウォーターというのは名ばかり。実態は、浄水器でろ過したものばかりなんだよ。日本にはもう天然の水源というのがなくなっているんだよ。ただ1か所、富山県にあるだけでな、富山県の氷見市というところだ。この水はな、その富山県の氷見市の水源から取れた貴重な水なんだよ。…ちょっと待て」

いったん言葉を切り、アゴヒゲは資料の束を取り出しました。
「××大学の××教授がな、この水を分析してみたんだ。ほれ、ここだ。カシュー値というのが100を超えているだろ。カシュー値は滅多に50を超えないんだが、それが100もあるんだ。すごいだろ」
「カシュー値ってなに? その数字が大きいと、何がいいわけ?」
「えっ、あんたカシュー値を知らないのか?」
「知らないよ」
「いま話題になっているじゃないか。カシュー値が高いと、健康にいいんだよ。あきれたね。当然知ってるものだと思ってたから、説明資料を持ってこなかったよ」
「聞いたことないよ。ホントに話題になってるの?」

「あのな」
アゴヒゲは、怖い顔をして言いました。
「ビジネスで成功したかったら、もっと情報収集をしなきゃいかんよ、あんた。今どきカシュー値を知らないとはねえ。まあいい、カシュー値の分からんやつに、いくら説明しても無駄だからな」

アゴヒゲは、鞄から別のペットボトルを取り出しました。
「神話水」と書いてあります。

アゴヒゲが言いました。「これはな、別名、『天照大神ウォーター』と呼ばれている有名な水だ」
「誰が?」
「誰が、とは?」
「誰が、『天照大神ウォーター』って呼んでるわけ?」
「そりゃあんた、タレントとか、もう少しでノーベル賞候補と言われてる博士とかだよ。そうそう、思いだした、イチローが帰国したときに必ず行く有名な超高級お好み焼屋が四谷にあってな、そこの店長も飲んでるんだぞ」
「ふーん」
「感情表現の下手な人だね、あんた。もっと感心しなきゃ。天照大神が実在したという話は、知らんだろう?」
「知らない」
「実在したんだよ。島根県で本物の化石が見つかっている。化石を分析したら、紀元前8000年のものだと分かったんだ。その化石が発見されたところから、この水が取れる」
「そんな話、聞いたことないなあ」

アゴヒゲは僕の肩をポンと叩き、優しい目をしました。
「聞いたことがないのは無理もない。発見されたのは2002年のことだ。天照大神の全身の化石が見つかった。全身の化石だぞ。あまりにセンセーショナルなために、情報は公にされなかった。実物や写真は、国会図書館の地下12階の倉庫に納められている。国会図書館の地下12階というのはな、本来は日本の防衛機密が隠されるところなんだ。そこに納められたということが、どんなにスゴイかわかるだろ? 化石を発見したのは××大学の女子学生なんだが、国から情報の隠匿するように言われたのを拒否したために、殺されている。××市のストーカー殺人を覚えているか? あれの真犯人は、政府に雇われた殺し屋(←死語)だよ」
「ほんとかなあ」
アゴヒゲは僕の言葉を無視しました。「化石の発見されたところの地層がな、特殊な地層なんだ。調べてみたら、恐竜を全滅させたといわれる隕石の成分が大量に含まれていることが判明した。その地層を流れている水が、これだ」
「で?」
「で、とは?」
「その地層を流れている水の、どこがいいわけ?」
「よくぞ聞いてくれました」アゴヒゲは嬉しそうに言いました。「恐竜を全滅させたくらいの隕石だから、すごいパワーを持っていたのは明らかだ。そのパワーはな、本来は、恐竜を全滅させるのに使われたパワーの何倍もあったことが分かっている。ということはな、隕石のパワーはまだ全開していないんだ。余力があるんだ。使われずに秘められたパワーがまだ残っている。そのパワーを身につけたのが、天照大神だ。地層にもそのパワーが残っている。そのパワーを吸収した水が、これなんだよ。どうだい。仕入価格は1本48円にしといてやるよ。あんたはこれを100円で売るといい。何本ほしい? ちなみに1000本単位で注文を受けてる」
「ふーん」

「ふーんって、感動の薄い人だね松宮君。日本にこんなミネラルウォーター、これだけだよ」
「でもさっきあんた、本物のミネラルウォーターは富山県にしかないって、言ってなかったっけ?」

アゴヒゲは立ち上がりました。
「今日はこんなところで許してやろう。松宮君。あんたは独立したばかりだから少しアレだし、しょうがない部分もあるけど、もっと心の耳で人の話を聞くように心がけたほうがいいよ」

捨て台詞を残し、去っていきました。

「あっ、500円」
叫んだときには、アゴヒゲの姿はなくなっていました。

(以下次号)

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2007.08.28 01:37

彼女ほしい。by メタ坊


松宮園生です。

昨日書いた
「21世紀神様の悩み その2」
で、「メタ坊」というキャラクターのことに触れました。
そしたら、読者の方からキャラクターイメージを
送っていただきました。
これです。
(ワン・ツー・スリー)


   ヾ 、
 *(●●∂
  (。▽(人
  /┏━━┓)
 δ(┃ポテトФ〃
  |┗━━┛ノ
. ⊂_/?_⊃


あまりに僕に似ているので、愕然としています(笑)。

そこで、図に乗ってお願いです。
メタ坊の彼女「メタ子」を誰か紹介(=作画)していただけませんか?

(メタ子って、ネーミングセンスがジャイ子並ですね)

好みのタイプは
「僕より稼ぎのいい人で、できればキャメロンディアスに似てるかも」
です。
(誰の好みやねん)
(つーか、それはメタ子じゃねーだろ)

ちなみにメタ坊は僕と違い、同時に複数の女性とつきあうのに心理的抵抗はないそうです(笑)。

(以下次号)←続くの?

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2007.08.27 02:51

21世紀神様の悩み その2


松宮園生です。

前回のあらすじ)
急遽、地獄をもうひとつ増やすことにした神様。
名づけて「メタボ地獄」。
親からもらった大事な体なのに、運動不足と飽食に
まみれてダメにした罪。
そんな罪人が行くところです。
その代わり、親からもらった体を大事にして天寿を
まっとうした人間には新しい天国が用意されました。
「ウエルネス天国」です。

◆◆◆

で、「メタボ地獄」「ウエルネス天国」が開店して
徐々に賑わいだしたころ…

地上では失踪事件が相次いでいました。
しかもその失踪事件はすべて予告状つきでした。
こんな文面です。
「葱桜俊造殿。貴殿はメタボであると判定されました。いまから1年後すなわち××年××月××日までにメタボを治しなさい。治せなかった場合、命はないものと心得よ」

その日から毎日、葱桜俊造氏のところにメールが届きます。
開くと、こう書いてある。
「あと229日」
カウントダウンされていくわけです。

震え上がった多くの人は努力してメタボを脱却しました。
厚生労働省も大喜び。

それだけではありませんでした。
1年の年限でメタボから脱却した後、また予告状が来ます。
「葱桜俊造殿。おめでとう。貴殿のメタボは解消された。しかし油断は禁物だ。むこう1年間でメタボがリバウンドした場合、命はないものと心得よ」

震え上がった多くの人は、努力してリバウンドを防ぎました。
厚生労働省も大喜び。

でも、どうして人々は震え上がったのでしょうか?

じつは、年限までにメタボを解消できなかった人や、リバウンドしてしまった人が、次々と失踪していたのです。
失踪現場には、「メタ坊」のキャラクター人形が残されていました。
(どんなキャラクターなのかはご想像に任せます)

犯人は誰なのか?
警察にも、FBIにも、古畑任三郎にも、分かりませんでした。

どこからともなく、こういう噂が流れ始めました。

「メタボ撲滅同盟ニキータ」
という秘密結社が、メタボ人間の抹殺に関与しているらしい。
メタボ人間を、「メタボ地獄」に送り込んでいる模様だ。

「メタボ撲滅同盟ニキータ」とは?
彼らは何の目的でこんなことをしているのでしょう?

気になる続きは、次号にて!

(追伸)
「メタボリック・シンドローム撲滅委員会」
という組織がほんとうに実在しています。
http://metabolic-sankei.jp/
真面目な団体です。
「メタボ撲滅同盟ニキータ」とは何の関係もありません。

それにしても、「撲滅」という言葉はインパクトあるよね。

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2007.08.25 09:19

アラサガシ その1


松宮園生です。

最近ネットでビミョーな新聞記事を
2件ほど見たので、ちょっとご紹介。

◆◆◆ その1 ◆◆◆

<×××社、×××果汁入り飲料
「×××」を発売 ?親子で安心して
飲める飲料?>
株式会社×××は、すっきり
おいしく飲める、安心を訴求した
「×××」を新発売します。
昨今、食育基本法の成立や、
食に対する関心の高まりにより、
食育に対する注目が高まっています。
そのような背景を踏まえ、親子で楽しみつつ健康で安心できる飲料「×××」を開発しました。
(××新聞 新製品紹介コーナーの記事)


ふつうに見えて、よく読むとヘンです。
この記事を要約すると、
(1) 食育基本法ができたけえ、わが社は飲料を新発売するんじゃ。
(2) 親子で安心して飲める飲料は今回の新製品が初めてじぇけえ。今までのわが社の製品は親子で安心できんかったけえのう。
ということ?

◆◆◆ その2 ◆◆◆

<××県の地元料理のカロリー本が人気>
××県の料理やお菓子などのカロリーを調べ紹介した冊子が地元で売れ行き好調だ。
専門家は
「県内でも健康的な食生活について考えようという機運が高まっているのではないか」
と指摘している。
男女問わずカロリーが気になる人々に受け入れられ、県に移り住んだ人や観光客らの関心も高いという。
著者で管理栄養士の×××さんは
「××県の料理が『こんなに高カロリーだったとは』と驚きの声が多い」
と話す。
生活習慣病予防を訴える県内の某医師は
「××県独自の食文化を科学的にデータ化し関心を高めた。健康的な食生活について危機意識が高まっていることの表れではないか」
と話している。
(××タイムズ ←××県の地元の新聞です)


地元××県を PR しているように見えて、よく読むとけなしています。
管理栄養士さん、
「わが地元の料理ね、ヘルシーと思ってたけど、測定してみたらじつは驚くほど高カロリーだったのよん。まいったわねえ、でへへへ」
というのをわざわざ本にしたんだね。
記事を書いた記者さんも、
「わが地元の料理、じつは高カロリーでござった。それが管理栄養士のせいで県民にバレて、危機意識が高まってしもうた。まいっちんぐ(←死語)。がっはっはっは」
というのをわざわざ記事にしたんだね。
正直でよろしいけど、地元の人から反発、受けませんか?
夜道には気をつけたほうがいいかも。

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