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(前回までのあらすじ)
飽食をむさぼる先進国に鉄槌を下すことにした全能の神様は、
「ウエルネス天国」
「メタボ地獄」
を作りました。
ストイックに生涯を全うしたらウエルネス天国行き。
飽食におぼれメタボのまま死んだらメタボ地獄行き。
一方、人間社会のほうでも、2XXX年に
「メタボ基本法」
が可決され、メタボな人は
「メタボ刑務所」
に送られて保健指導を受けるようになりました。
「刑務所に送られてたまるか」と逃げ回るメタボな人々を、
「メタボ警察」
が執拗に追い回します。
そんな世界観で展開される人間ドラマをお送りします。
◆◆◆
メタボ警察。
またの名をメタポリス。
メタボ、すなわち腹回りが85センチを超えている男性を取り締まる警察です。
むろん女性も取り締まりの対象ですが、女性の場合は
腹回り90センチが基準なので、検挙者の数は男性ほどではありませんでした。
メタポリスの警官はピーポくんブランドのメタボメジャー(腹回りを測定する巻尺)を所持しています。
目を爛々と光らせた警官が、音をたててメタボメジャーを引き延ばしたり縮めたりしながら、獲物を探し求める姿に、人々は怯え、逃げまどいました。
しかし何といっても飽食の現代日本。
メタボの数が多すぎます。
メタポリスの警官の数も限られています。
このままでは十分な取り締まりができないと考えたメタポリスは、日本食育大学のロバート・シトピッチャン教授が開発した食育ロボット、「アンドリュー77型」を改造して使うことにしました。
どのように改造したかというと、電子頭脳のなかに「メタボセンサー」を組み込んだのです。
腹回りの大きな人がアンドリューの100メートル以内に近づくと、メタボセンサーが反応。
ただちに追跡を始める、という仕組みです。
これも天才ロバート・シトピッチャン教授の発明であることは言うまでもありません。
◆◆◆
繁華街をパトロールするアンドリュー。
おおぜいの老若男女が、往来していきます。
プシュー!
そんなアンドリューの耳から突如、蒸気が噴き出しました。
両眼が交互に点滅しはじめました。
メタボセンサーが反応したのです。
近くに、メタボがいる。
「あ、あたしじゃないわよね」
「お、オレじゃねーよな」
「わ、わしじゃないとよいがのう」
通行人が、不安な表情でアンドリューの動作を見つめます。
ゆっくりと周囲を見回すアンドリュー。
その眼が、歩きながら携帯電話で談笑している中年の容疑者をとらえました。
アンドリューの存在に気がついていないようです。
アンドリューは腹部にある格納ボックスからメタボメジャーを引き出すと、それを片手に100メートル13秒くらいの実力で走りはじめます。
蜘蛛の子を散らすように逃げ去る通行人。
容疑者は何が起こったのか分からないうちに、アンドリューのメタボメジャーを巻かれてしまいます。
「89センチ。大問題です。あなたを逮捕します」
言うが早いか、アンドリューは容疑者の上着の襟をつかみ、どこかへ引きずっていきました。
◆◆◆
市民側も負けてはいられません。
メタポリスに対抗し、「アンドリュー・レーダー」が開発され、飛ぶように売れました。
アンドリューがあなたの100メートル以内に近づくと、レーダーが反応。
ブルブルと震えて(=バイブレーションで)、あなたに合図を送ります。
メタボ気味なあなたは、ただちに逃げの態勢に入るというわけです。
アンドリューが早いか、人間が早いか。
日本列島のあちこちで、ロボットと人間の追いかけっこが展開されました。
かくいう筆者も秋葉原でアンドリュー・レーダーを買いました。
赤・黒・メタルの3種類あったのですが、メタルにしました。
消費税込みで42,000円でした。
安くはありませんが、仕方がありません。
買ったばかりのアンドリュー・レーダーを内ポケットにおさめた筆者。
これでひと安心だと思っていたのですが…。
その後に、予想外の災難が待ち受けていたのでした。
食育の講師になりたい人、食育の教室を開きたい人にお勧めです。
(セミナー受講券つき)
(前回までのあらすじ)
飽食をむさぼる先進国に鉄槌を下すことにした全能の神様は、
「ウエルネス天国」
「メタボ地獄」
を作りました。
ストイックに生涯を全うしたらウエルネス天国行き。
飽食におぼれメタボのまま死んだらメタボ地獄行き。
一方、人間社会のほうでも、2XXX年に
「メタボ基本法」
が可決され、メタボな人は
「メタボ刑務所」
に送られて保健指導を受けるようになりました。
「刑務所に送られてたまるか」と逃げ回るメタボな人々を、
「メタボ警察」
が執拗に追い回します。
そんな世界観で展開される人間ドラマをお送りします。
◆◆◆
「メタボ刑務所」では、囚人はメタボになってしまった自分を反省する「反省文」を毎日書かされます。
そんな反省文の1つを、紹介しましょう。
↓↓↓
ハンバーガーにも負けず
牛丼にも負けず
コーラにもアイスクリームにも酒のあとのラーメンにも負けぬ
強靭な意志を持ち
深夜番組など無視して早く寝て
ジイサンバアサンよりも早く起き
朝ごはんは欠かさず食べ
夜ごはんはほどほどに
おやつは食べないか食べるとしたら旬の果物を食べ
いつも静かに笑っている
塩分控えめ
炭水化物控えめ
脂質控えめ
水溶性ビタミンたっぷり
脂溶性ビタミン適量
食品成分表とにらめっこしながら毎日栄養計算をし
適量って何だ?と疑問に思いながらも酒は適量飲み
あらゆることを
昭和のセンスで考え
80回よく噛みゆっくり食べ
結婚記念日は忘れても「いただきます」「ごちそうさま」は決して忘れず
「家族団らん家での料理」と書いたTシャツを着
「旬の食材を使った簡単レシピ」という言葉が大好きで
「まごはやさしい、ははきとく」を念仏のように唱え
曲ったキュウリもまっすぐなキュウリも一緒だと主張し
青虫の食べた穴だらけの有機キャベツを美味しい美味しいと食べ
東にピーマン嫌いの子どもがいれば
行って紙芝居やエプロンシアターを使って食は命だと言い含め
西に疲れたサラリーマンがいれば
行ってワークライフバランスという呪文を唱え
南に生活習慣病予備軍がいれば
行って恐がらなくてもいいと言い
北に偽装表示食品があれば
つまらないからやめろと言い
地産地消を力説し
エコな食卓を力説し
フードマイレージって知ってるか? と各地で聞いて回り
お腹回りに一喜一憂し
メタボ対策は毎日欠かさず1万歩
BMIを日々計算し、
週末は食育カルタを作るために標語を考え
晴れた日曜は子どもたちを引率してイモ掘り大会
みんなに食育ヲタクと呼ばれ
合コンには行かず
残業もせず
なのに給料はたんと貰う
そういうものに
わたしはなりたい
(なれません)
(以下次号)
食育の講師になりたい人、食育の教室を開きたい人にお勧めです。
(セミナー受講券つき)
(前回までのあらすじ)
温厚な神様もついに激怒!
先進国では人々が繁栄にあぐらをかき、飽食をむさぼり、その結果、メタボが蔓延しています。
アフリカあたりでは多くの人が飢えているというのに…。
先進国に鉄槌を下すことにした全能の神様は、
「ウエルネス天国」
「メタボ地獄」
を作りました。
ストイックに生涯を全うしたらウエルネス天国行き。
飽食におぼれメタボのまま死んだらメタボ地獄行き。
そんな世界観で展開される人間ドラマをお送りします。
◆◆◆
ウエルネス天国が開店し、しばらくたったころのエピソードを紹介しましょう。
老夫婦がいました。
ともに80歳をかなりすぎてもピンピンしていました。
ある春の日、うららかな陽光に誘われて近くの山へピクニックに出かけたところ…。
妻がぬかるみに足をとられて転びかけたところを、夫が助けようとしましたが、2人とも転んでしまいました。
不幸なことに、転んだ先が急勾配の崖になっていたのです。
夫婦は数メートル下に落ち、そのまま亡くなってしまいました。
2人がハッと気がつくと、目の前に天使が立っていました。
「ウエルネス天国行きの入場券です」
天使は2人にチケットを渡しながら言いました。
「真っ青な海が見える豪邸に住んでもらいます。テニスコートと温水プールがついてます。それからゴルフコースが2つ」
驚いて口もきけないでいる老夫婦に、天使はニッコリと微笑みました。
「気分転換をしたくなったら、近くに料理屋や飲み屋がたくさんありますので、立ち寄ってください。もちろん、すべて無料です」
ひきつづき絶句している老夫婦に、天使は優しくつけ加えました。
「豪邸のまわりの天候はいつも穏やかです。海も荒れません。ですが、たまには気分転換で雨とか風とかが欲しくなったら、管理事務所のほうに相談してみてください」
天使が立ち去ったあと、ようやく我にかえった夫が、妻に言いました。
「聞いたかい、今のを? 食育にやかましいキミが有機野菜だの、全粒粉のパンだの、玄米だの、雑穀だの、身土不二だの、早寝早起き朝ごはんだのにトチ狂わなかったら、このチケットを20年は早くもらえたはずだぞ!」
(以下次号)
食育の講師になりたい人、食育の教室を開きたい人にお勧めです。
(セミナー受講券つき)