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(前回までのあらすじ)
繁栄にあぐらをかき、飽食をむさぼる先進国。
彼らに鉄槌を下すことにした全能の神様は、
「ウエルネス天国」
「メタボ地獄」
を作りました。
ストイックに生涯を全うしたらウエルネス天国行き。
飽食におぼれメタボのまま死んだらメタボ地獄行き。
さらに神様は、人間界にも介入します。
「メタボ撲滅結社」
なる組織を作って命令を下し、メタボな人を次々と抹殺してゆきました。
抹殺された人は、当然メタボ地獄行きです。
しかしその作戦は、初代ミス管理栄養士の阿部マリエが手違いでメタボ地獄に落ちてしまったことで、中止となりました。
この物語は、そうしたちょっとすごく怖い時代を懸命に生きる人々を描く、壮大なヒューマン・ドラマです。
◆◆◆
手違いで阿部マリエをメタボ地獄に落としてしまった「メタボ撲滅結社」。
神様にさんざん叱られ、結局は解散してしまいました。
こうした天上界のごたごたを、人間界は知るよしもありません。
とはいえ、阿部マリエ以降、「抹殺予告状」はぷっつりと絶えました。
事件は迷宮入りし、人々の記憶からも薄れていきました。
(助かった…)
多くのメタボおじさんが、胸をなでおろしたことでしょう。
しかし、世の中、そう甘くはありませんでした。
メタボ撲滅の動きが、今度は人間界で発生したのです。
2XXX年。
国会で、
「メタボ基本法」
がついに可決されました。
メタボを取り締まる法律です。
「メタボ警察」
が、メタボな人をつかまえ、裁判にかけ、
「メタボ刑務所」
に送り込むというキツーイ法律です。
メタボ刑務所では厳しい保健指導が行われ、メタボから脱却するまで出所できません。
そんなわけで、全国各地でメタボ裁判が始まりました。
メタボ警察はメタボな人をどしどし検挙します。
世間の人はそれを
「メタボ狩り」
と呼び、恐れました。
検挙された被告人は弁護士を雇って裁判にのぞむことになります。
メタボ狩り専門の弁護士は
「メタ専」
と呼ばれました。
「メタ専」弁護士は各地の裁判で引っ張りだこでした。
◆◆◆
裁判で有罪となったら、「メタボ刑務所」行きです。
メタボ刑務所に服役中の囚人は、刑務官(管理栄養士)の保健指導を受けます。
すなわち、早寝早起き、規則正しく塩分控えめに管理された食事、適度な運動、適度な睡眠、といった生活を、毎日正確に過ごすことを強制されるわけです。
深酒、睡眠不足、朝食抜きのオジサンたちには少々辛い指導です。
しかも毎朝6時に朝礼があり、囚人全員が
「脱メタ宣言」
を大声で合唱させられるのです。
こんな歌詞です。
↓
<脱メタ宣言(食事・食育編)>
作詞・作曲: 管理栄養士 佐久間象子
♪
早寝早起き朝ごはん
神に誓ったその日から
あなたとわたしの本能寺
忘れ敵(かな)わぬジャンクの味を
忘れてみるのもテクニック
食で養生、大往生
ピンピンコロリと来たもんだ
オーガニックに全粒粉
カルタ覚えて紙芝居
家族団らん地産地消
レッツビギン、ラララ
レッツビギン、ラララ
♪
歌詞はまだまだ続くのですが、書いてて恥ずかしくなったのでここで止めます。
◆◆◆
「メタボ刑務所」での刑期(保健指導)を終えて出所するときは、こんなベタな場面が繰り広げられます。
↓
服役囚 「お世話になりました。おかげさまですっかり痩せました」
刑務官(=管理栄養士) 「もう2度と、こんなとこ来ちゃだめよ」
服役囚 「へえ。これからは心を入れ替えて真面目な食生活に励みます」
刑務官 「リバウンドしないでね」
服役囚 「決していたしません」
↓
服役囚は塀の外に出て、ベタにこう言います。
「ああ、シャバの空気はうめえなあ…」
「あなた」
振り向くと、妻が小さな女の子の手を引いてて立っています。
妻の目には涙が。
「お帰りなさい…」
「ただいま…」
見つめあう2人。
妻が娘に向かって言いました。
「あなたのお父さんよ。こんにちはって言いなさい」
しかし女の子は恥ずかしがって母親の陰に隠れてしまいました。
なんつて。
こんなん書いてて恥ずかしいのは、こっちだよ。
◆◆◆
人間界の、メタボとの戦いはこれからも続くのです。
食育の講師になりたい人、食育の教室を開きたい人にお勧めです。
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