ホーム > 日本食育大学未来学部 >

スポンサードリンク
2010.06.30 01:03

21世紀神様の悩み 第1話 プロローグ

このシリーズの目次はこちら

地球の人口は20世紀以降、大幅に増えました。
人口が増えると、当然、死亡する人数も増えます。
これは神様にとって頭の痛い問題でした。

まず、天国に行くのか地獄に行くのかを「審判」しなくてはいけませんが、
人口が増えちゃったせいで、その審判が長蛇の列になります。
神様は忙しくてしかたがありません。
次に、天国の人口も増えますし、地獄の人口も増えます。

人口増加に悩む神様に対し、先日、アメリカ人のマクガバンという人が、自分が生前にものした5000ページもの分厚い報告書を献上しました。
人間世界では「マクガバン・レポート」と呼ばれているものです。
1977年に、マクガバン上院議員がアメリカ議会で発表した、アメリカ人の生活習慣病について調べた報告書のことです。

神様はこのレポートを読んでびっくり仰天。
というのは、人間世界がいかにおかしなことになっているかがその報告書に書いてあったからです。

かたや、毎日の食料にも事欠く国で苦しんでいる人々がいるかと思えば、
かたや、アメリカや日本のような国では、飽食のあまり人々がメタボになっている。

けしからん。

神様は急遽、地獄をもうひとつ増やすことにしました。
名づけて「メタボ地獄」。
親からもらった大事な体なのに、運動不足と飽食にまみれてダメにした罪。
そんな罪人が行くところです。

そこはメタボなまま亡くなった人の集まりでした。
メタボでひしめきあっているので、不快指数がたいへん高い状態になっています。
メタボ地獄には人語を話すカエルがたくさんいて、毎晩、
「お前の母ちゃん出不精」
「お前の父ちゃんメタボ」
と鳴き続けます。
それに呼応して別の種類のカエルが子どもの泣き声で、
「うちの母ちゃんは出不精なんかじゃないもん」
「うちの父ちゃんはメタボなんかじゃないもん」
と鳴き続けます。
自分のせいで子どもが苛められるのを聞き、罪人たちは涙を流すのです。

しかし地獄を増やすことだけが神様の意図ではありません。
よいことをした人には、よい報いがあるべきです。

人間世界も、メタボが増えるのを黙認していたわけではありません。
アメリカではフード・ピラミッドというものができ、日本では食事バランスガイドというものができました。
アメリカでは「ヘルシーピープル」という総合健康政策が打ちたてられ、日本でも「健康日本21」という総合健康政策が計画されました。
「食育基本法」という法律が日本で誕生しました。
その後すぐに、「食育白書」という本がこれも日本で発行されました。
日本ではさらに、特定保健指導という仕組みが始まりました。

人間がこうした努力をしていることを知った神様は、多少感心しまして、人間にご褒美を与えることにしました。
すなわち、メタボ罪人に新しい地獄を用意した代わりに、親からもらった体を大事にして健康に天寿をまっとうした人間には新しい天国を用意することとしました。

名づけて、「ヘルス天国」。

「お、お待ちください」天使があわてて言いました。「その名前では誤解を招いてしまします」

「おおそうか。それもそうだな」
そう考えなおした神様は、「ヘルス天国」という名前をやっぱり却下し、「ウエルネス天国」という名前に変えました。
(神様のネーミングセンスを問うのはやめましょう)

そこはウエルネスな人の集まりでした。
たとえば、雑誌「ターザン」や「ソトコト」を読む人だけが集まった世界を想像してみてください。
なんか、そういう雰囲気のところです。
よく分かんないけど。

で、「メタボ地獄」「ウエルネス天国」が開店し、徐々に賑わっていったのでした。

(以下次号)





 

食育の講師になりたい人、食育の教室を開きたい人にお勧めです。
(セミナー受講券つき)


人気ブログランキング ← 応援クリックおねがいします。

  • ブックマーク:
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク
  • この記事をクリップ!
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • この記事をChoix!
2010.06.25 16:33

21世紀神様の悩み <目次>

第1話 プロローグ
第2話 ねらわれたメタボ
第3話 アベ・マリエ
第4話 メタボ狩り
第5話 食育時計
第6話 食育ロボ発進!
第7話 ある食育夫婦の悲劇
第8話 ハンバーガーにも負けず
第9話 食育ロボコップ(前編)
第10話 食育ロボコップ(中編)
第11話 食育ロボコップ(後編)
第12話 朝ごはんラプソディ
第13話 食育チェス
第14話 世界一怖い給食タイム
第15話 ジャックポット・ピザ
第16話 佐久間象子の選挙演説
第17話 食育おねいさん
第18話 アンドリューの食育レストランガイド
第19話 ナオコ
第20話 愛ロボット
第21話 管理栄養ロボ
第22話 ナオコのメタボ指導(1)
第23話 ナオコのメタボ指導(2)
第24話 ナオコのメタボ指導(3)
第25話 ナオコのメタボ指導(4)

人気ブログランキング ← 応援クリックおねがいします。

  • ブックマーク:
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク
  • この記事をクリップ!
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • この記事をChoix!
2010.06.20 13:53

沈黙する羊たち

 

 

 

農業コンサルタントの葉竹乃木夫さんが、
まだ駆け出しの若かりし頃の話です。

葉竹さんははじめ酪農家に飼料(ウシやブタなどの食べ物。干し草とか)を販売する会社に勤めていたそうです。
入社してしばらくは、どこだったかの山のふもとで羊を飼っている農家のところに住みこみ研修をしていました。

そんなある日のこと。

葉竹さんは羊の群を遊ばせながら、自分もひなたぼっこをしていました。
もうしわけ程度に作られた柵のむこうに人影がありました。
その人物(男性サラリーマン風)が近づいてきました。

「いい天気ですねえ」その人が話しかけてきました。「それにたくさんの羊ですねえ」
「ああ」葉竹さんは寝そべったままで言いました。
「すごい数ですよね」
「すごい数だ」
「何匹いるんですか。てゆーか、羊の数えかたは何匹とかでいいんですか」
「いいんじゃねえの」葉竹さんはめんどくさそうに答えました。
「500匹くらいいるんですかね」と、その男性が言いました。

葉竹さんのなかにイタズラ心がわいてきました。彼は起きあがって言いました。「何匹いるか、当ててみるかい、おじさん。正確に当てられたら、羊、好きなのを1匹やるよ。そのかわり、外れたら1万円よこしな」
「じゃあ当ててみましょう」意外にも、その人物は賭けに乗ってきました。

彼は数秒間、羊の群をながめていましたが、すぐに言いました。
「511匹。どうですか」
葉竹さんは仰天しました。「正解だ。どうして分かったんだ」
「長年バードウォッチングをやってたんです。じゃあ、約束どおり羊を1匹もらいますよ」
彼は羊の群に入って、物色しはじめました。

その様子を見ながら、葉竹さんは言いました。「今度はオレがあんたの職業を当てようと思うんだけど、どうかな? 当てたらそれを返してくれ。外れたら1万円、払うよ」
「いいでしょう」その人物は答えました。「では当ててみてください」
「あんた、農林水産省の人だろ」

今度は彼が仰天する番でした。「な、なんでわかったんですか?」
「聞きたいかい?」
「聞きたいです」
「じゃあ教えてやるよ」葉竹さんは言いました。「教えてやるからさ、その前にあんたが連れて行こうとして抱えているその犬、おろしなよ」

 

(農新水産省のかた、ゴメンナサイ)

 

 

 

 

食育の講師になりたい人、食育の教室を開きたい人にお勧めです。
(セミナー受講券つき)

 

人気ブログランキング ← 応援クリックおねがいします。

  • ブックマーク:
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク
  • この記事をクリップ!
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • この記事をChoix!
2010.06.14 03:14

戦う農業コンサルタント その7


 


前回のあらすじ)
終生の農業ライバル、
葉竹乃木夫さんと多賀安秀夫さん。
その戦いの歴史は、学生運動にさかのぼります。

そして21世紀の今日、アグリドラゴン社のクレーム処理を巡って2人はふたたび激突。
血で血を洗うバトルが始まったのでした。
果たして勝利の女神はどちらに微笑むのか?

◆◆◆

2人はアグリドラゴンの会議室で口論をはじめました。

「中国野菜を国産と偽って納めるとは、テメーも落ちたな」葉竹さんは言いました。「潮時だよ。神様が待ってるぞ。ジョン・レノンも待ってるぞ。そろそろ引退したらどうだ」
「そういうセリフはな、中国野菜の知識が足らんやつに限って偉そうに言いやがる」多賀安さんも負けていません。「おめ、中国行ったことあんのか」
「何度も行ってら。行きすぎてパスポートがニセモノになってしまったよ」
これには多賀安さんも吹いてしまいました。

しかし彼はふたたび厳しい顔になって言いました。「だったら分かるだろ。いまの中国野菜はマトモだぞ。オレが調達したやつなんか特にな、日本みたいに硝酸態窒素が過剰なわけでもねえ、草むしりの労働力などなんぼでもあるから除草剤も撒いてねえ。土だって水だって綺麗なもんだ」
「テメーはバカか。毎日なに食ってんだ」と、葉竹さん。「やつらはな、甘っちょろい日本人に見せるための畑を1枚だけ用意しててな、来客を待ってんだよ。 テメーが見たのはそれだよ。何のことはない、まともな畑はそこだけだ。テメーはそこに案内されて、すっかり感激して鼻水たらして、中国のいいカモになって るめでたい奴ってわけだ。テメーが見せてもらえなかった大部分のところはな、見るも悲惨なグジャグジャ状態。テメーの顔よりひどいとは言わんが、同じくら いだ」

「ああ」多賀安さんはわざとらしく天を仰ぎました。「これだから情報の古いやつは困る。お前が言ってるのは10年前の中国だ。中国だって馬鹿じゃねえ。学習してんだよ。農薬まみれの手抜き野菜を作ったって日本人は買わないと分かってる。だから日本人が買ってくれるような野菜を作ってんだよ。これは経済原理だ。ケイザイゲンリ。お前には難し過ぎるかな」
「何が経済原理だ。テメーこそ口では言っても、漢字書けるんか? 確かにテメーの言うとおり中国は馬鹿じゃねえ。やつらはな、日本の食料自給率が低いのを ちゃんと知ってんだよ。食料を自給できないからな、品質が悪くても、日本は泣く泣く野菜を買うのさ。そのことを中国人は知ってるんだぞ。そんな国が、丁寧に野菜なんか作るわけねーじゃんか」

「よしよし。かわいそうに。そんなに興奮したら硬くなった血管が破裂するぞ。いいか、落ち着いてよく聞け。日本の食料自給率は低いがな、野菜は騒ぐほどに は低くない。少なくともお前の知能指数よりはましな数字だ。つまり中国は、安かろう悪かろうの手抜き野菜を日本が買うなんて思っちゃいねえよ。手の込んだちゃんとした野菜を日本人は高値で買うっつーのを知ってる。だからそういう野菜を作る」
「どーだか」
「中国人てのは商売人だ。手の込んだ野菜を作ったほうが高く売れて利益も大きいとなったら、喜んで手の込んだ野菜を作るんだよ。これが経済原理だ。分かるかなー、分っかんねえだろうなー」

とんでもない死語が出ましたね。

「中国人てのは商売人だ」葉竹さんも言い返します。「テメーをだますなぞ、お茶の子さいさい(←これも死語)なんだよ。ま、ウナギ以上の頭があれば、テメーをだますのは簡単だけどな」
「なんかやけに中国人を嫌ってんな。お前、もしかして中国人の女にふられたか?」
「そういうテメーは、品川あたりのチャイナドレスにせっせと貢いでんだろう」
「いいじゃねえか。それが男の甲斐性ってもんだよ、バカめ。つーか、なんで品川なんだよ」
「つーかよ、そもそもこの騒動の原因を作っておきながら、テメーのその態度はなんだ。いいか、テメーのおかげでオレはな、入社初日に客先に頭を下げに行くことになったんだぞ」
「かかか。頭を下げたか。お前の頭にも使い道があると分かってよかったじゃないか」

「あのなあ多賀安。テメまさかそれ、本気で言ってるんじゃないだろうな。だったとしたら、テメーはプロじゃねえぞ」
「なにを言う!」多賀安さんは顔を真赤にしましたが、なんとか自分を押さえました。「そうだな。言い過ぎた」
「分かればいいよ」
このあたりは、なんと2人ともなんだかオトナでした。

「しかしだな」多賀安さんはふたたび鋭い目つきになりました。「おれが選んだ中国野菜に間違いはねえ。そこは信念を持ってやってんだ。品質管理も、おれが自分の目でやってるんだ。葉竹、お前がやるべきことはな、客先に頭を下げることじゃねえ。野菜の品質に心配はいりませんって、客先を説得することだったん じゃねえのか」
「それは違う」葉竹さんは答えました。「はじめから中国野菜を納める話だったら、テメーの言うとおりだ。だが今回は違う。国産を納めますと約束したところに、中国産を納めたところが問題なんだよ。中国産の良い・悪いではねえんだよ」

「なるほど。話の食い違いはそこだな」
多賀安さんはとつぜん穏やかな口調になりました。

会議室には若手社員も何人かいて2人の口論をはらはら見守っていましたが、多賀安さんはその若者たちに向って言いました。
「あんたら、悪いけどちょっと席を外してくれんか。葉竹のおっさんとサシで話したい。そのへんの武器もいらないから、持ってってくれ」

若者たちはぞろぞろと出ていきました。

全員が出ていってドアが閉まるのを確かめた後、多賀安さんは口を開きました。「なあ葉竹。オレもプロのはしくれだ。お前も分かるとおりこのところ国産野菜を集めるのがたいへんなのでな、中国産のいいのを持ってくるからそれでカンベンしてくれ、という話はちゃんと事前に伝えたはずなんだ」
「誰にだ」
「お前のところの社員にだよ。電話して、心配だからメールして、それでも心配だから FAX も送った。メールも FAX も証拠がある」
「どの社員に送ったんだ」
「陽に当たらなくて真っ白な顔をしてる長髪のやつだよ。貞子みたいなのがいたろう」
「あいつか…」
「心配だったからあらためて電話をかけてな、客先に説明するのも忘れんなよ、なんだったらオレが出向いて説明するよ、って念押しまでしたんだぜ」
「ちっ。しょうがねえなあ」

「そういうわけなんでな」多賀安さんは立ち上がりました。「お前に非はないが、お前んところの社員には非がある。オレに落ち度はない。だから、金は返すわけにはいかん」
「くそっ」
「大事なことは、再発防止だ」
「分かっとるわい、テメーに言われんでも」

ふたたびバトルか?

「へー、そうかい。せいぜい頑張りな。オレは帰る」
多賀安さんはそう言い残して、去って行きました。

バトル回避。

ひとり残された葉竹さん。
敗北感に打ちひしがれながら、彼はぽつりとつぶやいたのでありました。
「貞子め…」

ホンモノの貞子が聞いたら、怒って井戸を上ってくるだろうな…。

(このシリーズ、終わり)

 

 

 

 

 

食育の講師になりたい人、食育の教室を開きたい人にお勧めです。
(セミナー受講券つき)

 

人気ブログランキング ← 応援クリックおねがいします。

  • ブックマーク:
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク
  • この記事をクリップ!
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • この記事をChoix!
2010.06.10 01:53

戦う農業コンサルタント その6

 

 

前回までのあらすじ)

葉竹さんと多賀安さんは学生のころからの天敵でした。
その2人が、アグリドラゴンの経営を巡ってついに激突しました。

◆◆◆

さっさと種明かしをしましょう。
この2人は学生運動に参加し、大学のキャンパスで放水したり、
ゲバ棒を振り回したりしていました。
その点は共通していたのですが、参加していた学生組織が別々で、お互い主義主張が対立していたのです。

彼らが大学生になって3年目に、学生運動は下火になりました。
下火にはなりましたが、あきらめ切れない一部の学生は、運動を続けます。
ただし放水やゲバ棒は使わず、ビラを配ったり街頭演説をしたりというソフト路線に転換していました。

葉竹さんも多賀安さんも、大学生になって3年目ではありましたが、留年していてまだ1年生でした。
学生運動が下火になって学業に専念するかと思えば、両名ともその気配はまったくなく、今度はビラ配りと街頭演説に精を出すようになります。
ゲタを鳴らし、腰に手ぬぐいという「留年型学生」風貌も板についてきました。

しかしここでも主義主張の対立は相変わらずでした。
片方がビラを配れば、もう片方がそれを妨害せんと同じ場所でビラを配ります。
片方が街頭演説すれば、もう片方も負けじと同じ場所で演説します。
よせばいいのに、わざわざ同じ場所で活動するものですから、いつでも衝突していました。

◆◆◆

そんな彼らにも、大学を卒業する日が近づいてきました。
バリバリに学生運動をしていた学生は、卒業しても就職しないことがほとんどでした。
企業のほうがそういう学生を採用しないというのもありましたし、学生のほうでも
「就職なんかするやつは脱落者だ」
と考えていたようです。

ところが2人とも、農業資材を扱う会社に就職します。
農業系は学生に不人気だったため、
「学生運動してようと遊び呆けていようと、バカでもチョンでもなんでもいいから採用する」
という会社が多かったのと、学生のほうでも、
「農業だったら脱落したことにはならない」
という認識だったようです。

なぜ農業だったら脱落したことにならないのかは僕も不勉強でよく知りませんが、当時の工業(第2次産業)や商業(第3次産業)には「資本主義の悪魔」みた いなイメージがあったみたいで、それに対して農業(第1次産業)には「資本主義に毒されていない純粋なイメージ」があったのかもしれません。

彼らが就職したのは別々の会社です。
「お約束」というかなんというか、お互いライバル企業でした。
今度は「商売敵」としての衝突が始まります。

しかし2人とも数年後には独立していました。
葉竹さんは上司と喧嘩して会社を飛びだし、農業コンサルタントを名乗りました。
多賀安さんは社長と喧嘩して会社を辞め、同じく農業コンサルタントを始めます。
「北の多賀安、南の葉竹」時代が開幕したのでした。

(以下次号)

 

 

 

 

食育の講師になりたい人、食育の教室を開きたい人にお勧めです。
(セミナー受講券つき)


人気ブログランキング ← 応援クリックおねがいします。

  • ブックマーク:
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク
  • この記事をクリップ!
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • この記事をChoix!
2010.06.03 07:14

戦う農業コンサルタント その5


 

 

 (前回までのあらすじ)
「丸投げ鵜呑み」のアグリドラゴン。
しかもそのツケが入社初日の葉竹さんのところに回ってきました。
葉竹さんはいきなりクレーム処理におおわらわ。
どうやら事件の背後には、怪しげなコンサルタントがいることが分かりました。
「丸投げ鵜呑み」もイカンけど、そこにつけこむコンサルタントもイカン。
コンサルタントをどやしつけようと考えた葉竹さん、コンサルタントを呼びつけます。
あらわれた相手をみてびっくり仰天。
なんとそやつは、30年来の仇敵、宿命のライバルありました。

◆◆◆

「き、貴様か!」
お互いを指さして叫ぶ2人の男。
その場の気温が5度、上昇しました。
周囲の若者たちが、「なにが起こったんだ」と目を白黒させています。

最初に攻撃をしかけたのは葉竹さんでした。
「やいてめえ」葉竹さんは言いました。「相手が素人だと思ってなめたマネしやがったな。このオレが来たからにゃあ、てめえの思うようにはさせねえぞ」
「なに言ってやんでい」コンサルタントも負けずに言い返します。「少しでも安い野菜を持ってきてやろうと思った親心よ。人の好意はありがたく頂戴しやがれ」
「親心だと? 好意だと? てめえの脳みそのどこに親心だの好意だのがあるんでい。おかしくてヘソが茶をわかすわ(←死語)」
「ヘソが茶をわかすだと? けっ。やってみやがれ、この田舎もんが」
「やってやろうじゃねえの」
やるんかい。

お茶といえば、妙にドンピシャのタイミングで、若くてきれいな女性社員がお茶を持ってきました。

「おう、ありがとよ。別嬪さんだねえ」コンサルタントはうれしそうに言い、お茶をひとくちすすりました。
ずずず。
「おめえも茶、飲めよ」

「言われんでも飲むわい」
葉竹さんも、お茶をすすりました。
ずずずずずず。

なんだか間延びしたケンカです。

◆◆◆

彼らがお茶をすすっているあいだに、ちょっと解説しましょう。

このコンサルタントは多賀安秀夫という名前で、農業の世界では知る人ぞ知る人物です。
葉竹さんも同様に、知る人ぞ知る人物です。
知名度は、だいたい同じくらいでしょう。

葉竹さんが九州出身、多賀安氏が東北出身であるため、
「北の多賀安、南の葉竹」
と僕は勝手に呼んでいます。

この2人、じつは同じ△▽大学の出身です。
△▽大学といえば、名の知れた大学です。

同じ農学部の、しかも同学年でした。
受験に1度失敗し、浪人していた点も、共通しています。

このころから、2人はいがみ合っていました。
卒業してもいがみ合いは続き、2人とも農業コンサルタントの世界に身を投じたものだからたまりません。
どこにいっても衝突していました。
女性をめぐっていがみ合うこともあったと聞いていますが、真偽の程はわかりません。

じつはこのいがみ合い、かなり大勢の農家さんを巻き込んだ「勢力争い」になっています。
「葉竹とつきあう農家は、農家じゃねえ」
「多賀安に味方する農家は、ぜんぶ敵だ」
などとお互いのグループで吹いてまわるものですから、肥料メーカーや農薬メーカーも巻き込まれてしまい、あっちの陣営と商売したらこっちの陣営から嫌われる、なんてことになっています。

いがみ合いに「参戦」しているのは年配の農家さんが多く、
どっちでもいいじゃんよー。とにかく仕事してくれよー。
若い農家さんの本音はこうでした。

なぜそんな昔からいがみ合っているのでしょうか?
それには深いわけがありました。

話は1970年代にさかのぼります。

(以下次号)

 

 

 

 

食育の講師になりたい人、食育の教室を開きたい人にお勧めです。

 

 

人気ブログランキング ← 応援クリックおねがいします。

  • ブックマーク:
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク
  • この記事をクリップ!
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • この記事をChoix!