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2010.02.15 23:30

メタボ狩り その5 異形編

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松宮園生です。

食育ロボコップのアンドリューが持っていた
「メタボメジャー」
ですが、これ、ホントにあります。
売ってます。

ただの巻尺ではありません。
短いのです。
メタボかどうかを判定するためだけに作られています。
* 男性の腹回りが85センチあるかどうか
* 女性の腹回り90センチあるかどうか
を測るためだけに存在しています。
ですので、この巻尺、90センチより長いものを測る必要がありません。
だから短い。

フツーに考えると、
「短い巻尺より、長い巻尺のほうがいろいろ測れて便利だよなあ」
ですよね?
わざわざ短い巻尺を商品化して、どうすんの?

…と、僕もかつては思っていたのですが、このメタボメジャー、案外売れています。

◆◆◆

さて、21世紀をわがもの顔でのっしのっしと歩き回る、おなじみ怒り肩の管理栄養士、佐久間象子。
足のサイズが38センチと言われています。
すっかりこのブログの主要キャラになってしまいました。
その佐久間象子が乗っていた新幹線が、名古屋駅に停止したまま、いつまでたっても動きませんでした。

車内放送がありました。
「車掌室からお知らせいたします。乗客の皆様。先ほど、メタボが車内に紛れこんでいるとの通報がありました。現在、運行を停止し、メタボ警察による捜索が行われております。いましばらくお待ちくださいませ。お急ぎのところ、まことに申訳ございません」

ざわつく車内。
「メタボ狩りだ…」
「メタボ狩りが始まった…」
乗客のあいだに、怯えたささやきが伝播します。

しばらくして、佐久間象子のいる6号車にメタボ警察が入ってきました。
警官の手には「メタボメジャー」が握られています。
腹回りが85センチ以上の男性、90センチ以上の女性を取り締まる、巻尺です。

警官は乗客をひととおり見回すと、目標を佐久間象子に定め、彼女の席に近づいてきました。

「な、なんですか」佐久間象子は不快感を隠さずに言いました。「わたしは管理栄養士であり、栄養教諭、フードコーディネーターでもあります」
「…」
「それだけではありません。食育必死講座1級、食育プリーチャーの資格も持っています」
「…」
「それだけではありません。食育推進士はムラサキ合格しています。加えて、炭水化物のソムリエでもあり、日本カルパッチョ協会認定カルパッチョ講師でもあります」
「…」
「そんなわたしを、メタボだと言うのですか?」

「どんな資格をいくつお持ちでも、メタボな人はいるものです」警官は落ち着き払って答えました。「念のためメタボメジャーで測定させてもらいたいのです」
「し、失礼な! わたしは管理栄養士なんですよ。人々がメタボにならないように食事指導をする立場にあるんですよ。聖なる職業を侮辱するにもほどがあります」
「疑わしい人を測定して疑いを晴らすのも我々の責務です」警官は引きませんでした。「測定を拒否されるなら、公務執行妨害になりますが」

佐久間象子はしぶしぶ、測定に合意しました。

「では失礼」
そう言って警官は、メタボメジャーを延ばしました。

「あのう」
「何でしょう」
「質問があるのですが」と、佐久間象子。
「何でしょうか」

佐久間象子は言いました。
「どうしてそのメジャーを、わたしの顔に巻いているのですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

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