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2009.12.29 23:51

食育ロボ発進! 後編

 

 

松宮園生です。

(前回のあらすじ)
日本食育大学が開発した食育ロボット「アンドリュー77」。
その「使い心地レポート」のようなものを、川口恵太という人が僕に
メールしてくれました。
この物語は、川口恵太氏とアンドリューの、心暖まる交流を描く
叙情詩であります。

前回→http://www.shokuiku-pro.com/production/2009/12/post_21.html 

 

◆◆◆

(もらったメールの続きです。「わたし」というのは川口恵太氏のことです)

「川口、早起きの時間です。目覚めに取り組んでください」
耳もとでアンドリューが大声を出し、わたしは飛び起きました。
「早寝早起き朝ごはん」アンドリューが言いました。「早寝早起き朝ごはんは日本の政府の重点目標です。早寝早起き朝ごはん専門の、全国組織もできているのです。ですから、早起きの次は朝ごはんに取り組みましょう」

わたしは大あくびをしながら「いま何時だよ」
「5時です」
「5時?」耳を疑いました。「なんでそんなに早いの」
「川口は朝ごはんを作る宿命です」
「作る?」
「自分で作ることに取り組んでください」
「アンドリュー、お前が作るんじゃないのかよ」
「川口が作るのです」
「だって昨日はお前が作ったじゃんよ」
「今日からは川口が作る宿命です。自分で作り、食べものの有り難さを感じながら食べましょう」
「アホクサ。だったらメシなんかいらねえよ。寝る」
「許されません。早寝早起き朝ごはん。早寝早起き朝ごはん。全身全霊、日本の未来のために取り組むことが宿命です」
「やだね。おやすみ。ギリギリまで寝るから、時間がきたら起こせよ」
ベッドに戻るわたし。

プシュー!
水蒸気を激しく噴き出すアンドリューの両耳。
狂ったように点滅するアンドリューの両眼。
「呪います。ちちんぷいぷい。川口は眠れない。川口は眠れない。ちちんぷいぷい。呪いました。呪い、セット終了」
「ふざけろよ」今風に(?)つぶやいてわたしは布団にもぐりこみます。「ばーか」

ん?
左手がビミョーに冷たくぬるぬるしたものに触れました。
あわてて布団をはがしてみると、いつのまに仕掛けたのか、そこには潰れたトマトがいくつも…。
「なんじゃこりゃあ」
使い古しのセリフを思わず叫んでしまいました。
手の先もトマト果汁まみれになっています。

「てめえ、アンドリュー!」わたしは毒づきました。「食育ロボットのくせに、食べものをこんなに粗末にしていいのかよ」
アンドリューは黙ったまま、椅子に座って新聞を読んでいます。
わたしはアンドリューの椅子に蹴りを入れてから、洗面所に行きました。
ハンドソープで手を洗いながら「てめえがやったんだからな。てめえがベッドを掃除しろよ」
それからついでに軽くうがいをするために、置いてあったマウスウォッシュを口に含みました。

うぎゃあ!
口の中で爆弾が破裂したようでした。
反射的にマウスウォッシュを吐き出し、咳こむわたし。

「呪い、完了です」背後でアンドリューの淡々とした声が響きます。「川口は眠れない。それはマウスウォッシュではなく、ハラペーニョと胡椒のたっぷり入ったラー油です」

◆◆◆

何度もうがいをして疲れ果て、ぜーぜー肩で息をしているわたしに、アンドリューが言いました。
「どうですか川口。朝ごはん、取り組む気になりましたか」
「このくそったれ。いやだと言ったらまた何かするんだろう…げほげほげほ」
「そうですか、取り組む気になりましたか。素晴らしい。称賛します。正しい行いは、すがすがしいものです」
水蒸気がやみ、点滅がおさまりました。

アンドリューは胸にあるポケットから1冊の本を取りだしました。
『日本食育大学監修 それゆけ朝ごはん けだるいレシピ全集』
という本です。
「川口はどうせ料理したことありませんね? 大問題です。その解決の第1歩として、まずはレシピを見ながら作ることに取り組みましょう。さあ、どのレシピに取り組みますか?」
「何だっていいよ」投げやりなわたし。
「では『超オーガニック・トムヤム定食』にしますか」アンドリューはレシピ本をぱらぱらくりながら言いました。「凝り性の趣味男性向けレシピと書いてあります。レシピの説明だけで20ページあります。今から取り組めば、明後日の夕方にはできあがるでしょう」
「明後日の夕方? 何だそりゃ。そんなムチャクチャなもの、作れるわけねえだろ。つーか夕方にできたら朝ごはんじゃねえじゃねえか」
「確かにそうですねえ。材料を買うために山梨県と長野県と鹿児島県に行かなくてはなりませんし」
「極端なことをさりげなく言うなよ」わたしは言いました。「もっとマシなのはねえのか」
「それでは『スペイン風オムレツ』にしましょう。野菜もあるし、タマゴもあるし、川口でも作れる簡単さです」
「じゃあ。それ」

しかし実際には、調理は悪戦苦闘で、朝ごはんを食べることができたのは出発時刻も迫る、8時頃でした。
アンドリューは手伝いもしません。
しかもオムレツは形が崩れまくり、「正体不明の黄色く温かい何か」としか形容できない状態になっています。
「できましたか。では食べることに取り組んでください」アンドリューは言いました。「いただきますを忘れないように。いただきますごちそうさまは愛言葉。この標語を知っ ていますか。いただきますごちそうさまは愛言葉。これは、平成19年の食育推進の標語として日本政府から選ばれたものの1つです」

アンドリューは新聞を読みはじめました。
わたしは黙々とオムレツを食べました。
明日もまた5時にたたき起されて、朝食を作らなければならないのでしょうか。
やってられません。
わたしは決心しました。
父親に言って、アンドリューを返品するのだ。
そう考えると、少し元気が出てきました。

「ごちそうさま」わたしは言いました。「じゃあ出かけてくる」
「待ちなさい」新聞をおろしてアンドリューが言いました。「ごちそうさまと言ったことは評価します。しかし後片づけには取り組まないのですか?」
「は?」
「川口は次は食器を洗うことと、テーブルの上をきれいにすることに取り組んでください。東京の世田谷区の公式食育かるたのなかに『ごちそうさま すすんでやろう あとかたづけ』という句があります。そのくらい、後片づけは重要なのですよ」
「なに言ってんだよ。そんなことしてたら遅刻するじゃねえか」
「後片づけは重要です」
「遅刻しないことも重要なんだよ」わたしはアンドリューをにらみつけました。「てめえが、やればいいじゃん。ベッドもきれいにしとけよ」

プシュー!
アンドリューの両耳から勢いよく噴き出す水蒸気。
両眼がまるでウルトラマンのカラータイマーのように点滅しはじめます。
「呪います。ちちんぷいぷい。川口は出かけない。川口は出かけない。ちちんぷいぷい。呪いました。呪い、セット終了」

「いい加減にしろ!」わたしは喧嘩腰に「てめえのくだらない意地悪に関わってる時間はないんだよ。遅刻したくねえんだよ」
吐き捨てるように言い、ランドセルを背負って玄関から飛び出しました。
父親に言おう。
アンドリューを返品するのだ。
「返品だ」
「返品だ」
独り言をいいながら、わたしは学校に向って歩きはじめていました。

◆◆◆

「えっ、ランドセル? 学校?」
メールを読んでいた僕(松宮)は思わずつぶやきました。
この人、こんな文章書いていながら、小学生だったんだ…。

◆◆◆

(メールに戻ります)

松宮さん。
書き忘れていましたが、わたしの両親は離婚しています。
わたしは平日は父親と、週末は母親と過ごしています。
父親は出張の多い仕事をしているので、わたしは1人で過ごすことが少なくありません。
そんなわけで、父親は食育ロボットを買ってくれたのでした。

とはいえ、父親の善意は分かるのですが、あのロボットはもうまっぴらです。
返品だ。返品だ。

家を飛び出して数分後、無意識にポケットに手を入れると、何かがありました。
昨日コンビニで買ったチョコレートの食べ残しでした。
わたしの体温で、少しやわらかくなっています。

食べちゃお。
とくに疑いもせずそれを口に放り込みました。
すぐには何も起きませんでした。
すこしたったところで…。
うぎゃあ!

お分かりですね。
ご想像のとおり、それはアンドリューが仕掛けた激辛チョコレートでした。
ご丁寧にも表面は甘いままで、中心にハラペーニョの種が大量に仕込まれているという芸の細かさでした。
わたしは火のついた口から大量のよだれを垂らしながら、悲鳴をあげて家に駆け戻りました。

アンドリューが待ち構えていました。「テーブルの上にお茶を用意してあります。体温と同じ温度です。辛さを和らげるのに効果的な温度だと言われているんですよ」
しかし、わたしにはお茶の匂いをかぐだけの余裕が、まだありました。
匂いをかいでみると、思ったとおり、それはお茶というよりマスタード・ドリンクでした。
「こんなの飲めるか」わたしは悪態をつき、冷蔵庫を空けました。
あいかわらず新聞を読んでいるアンドリュー。
冷蔵庫にはミネラルウォーターがありました。
ですが、油断はできません。
昨夜、ミネラルウォーターでひどい目に遭っているのです。

ミネラルウォーターの隣に、オレンジジュースがありました。
さっき朝食を食べたときに飲んだオレンジジュースです。
これなら大丈夫か。
待てよ。
アンドリューのことだ、あれからオレンジジュースになにか仕込んだかもしれない。
やめだ、やめだ。
ミネラルウォーターも、オレンジジュースも、信用できねえ。
「だまされねえぞ」苦痛と戦いながら、わたしは何も取り出さずに冷蔵庫を閉めました。「水道水を飲んでやる。これなら大丈夫だ。ざまあみろ」

水道水の蛇口をひねり、水をゴクゴク飲みました。

うぎゃあ!
ガホゲホガホゲホ!

アンドリューは新聞を置き、穏やかな声で言いました。
「呪い、完了しました。そのコップの内側には、ハバネロとワサビを混ぜたものをたっぷり、塗ってあったのですよ…」

(完)

 

 

 

 

 

 

 

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2009.12.25 09:55

食育ロボ発進! 前編

 

松宮園生です。

食育専門の大学、日本食育大学。
工学部のロバート・シトピッチャン教授は、天才科学者
として有名です。
そのシトピッチャン教授が、食育ロボットを開発しました

先日、食育ロボットを購入した家庭から、こんな体験談
が送られて来たので紹介します。

◆◆◆

松宮先生はじめまして。
川口恵太といいます。
先生の大学で開発された食育ロボットですが、トイザらスで売られていたのを離婚した父親がみつけまして、買ってきました。

「アンドリュー77型」というタイプでしたので、アンドリューと呼ぶことにしています。
アンドリューは人間と同じ大きさ・形をしていますが、短い尻尾がついているのが特徴です。

最初の日、アンドリューは私の日常生活を黙って観察していましたが、次の日から態度が変わりました。
どうなふうになったかといいますと…。

「いつまで寝ていますか。川口、さっさと起きてください」
朝6時。
アンドリューにたたき起されました。

びっくりしている私に、アンドリューは言いました。
「今日ただいまから早寝早起き朝ごはん開始です」
「はあ?」
「川口は早寝早起き朝ごはんです。朝ごはんの用意ができています。食べることに取り組んでください」
見ると、テーブルの上にごはん、味噌汁、納豆、海苔、刻んだネギの載った豆腐、野菜の煮物が並んでいました。

「取り組みましょう」と、アンドリュー。

「ありがたいんだけどさ」私はあくびをしながら言いました。「眠いんだよな。ギリギリまで寝かせてくれよ」
「その考えは好ましくありません。早寝早起き朝ごはんは日本の政府の重点目標です。早寝早起き朝ごはん専門の、全国組織もできているのです(※)」
「…分かったよ。せっかく作ってくれたんだったら、今日は食べるよ」

(※)「早寝早起き朝ごはん」全国協議会
http://www.hayanehayaoki.jp/modules/content3/kyougikai/kyougikai1.html

椅子に座ってさっそく食べようとすると、アンドリューの耳から突如、蒸気が噴き出ました。
プシュー!
次に、両眼が交互に点滅しはじめました。

「な、なんだ?」
「川口、大問題です。いただきますを言ってください」
「は?」
「繰り返します。いただきますを言ってください。いただきますごちそうさまは愛言葉。この標語を知っていますか。いただきますごちそうさまは愛言葉。これは、平成19年の食育推進の標語として日本政府から選ばれたものの1つです(※※)」

(※※)http://www8.cao.go.jp/syokuiku/data/slogan/slogan-h19.html 

「そんなこと知るかよ」豆腐と納豆に醤油をかけながら私は言いました。「食わせろよ」
「いただきますを言わないのですね」プシュー。「言わないのであればあなたを呪います」
「なにくだらねえこと言ってんだ。勝手に呪えば」
「呪います。ちちんぷいぷい(←死語)。川口のごはんは食べられない。川口のごはんは食べられない。ちちんぷいぷい。呪いました。呪い、セット終了」

「ばーか」私はかきまぜた納豆を口に入れました。「わけわかんねえよ」
それからごはんを口に入れました。

うぎゃあ!
私は叫んでいました。
口の中が火事になったようでした。

「なんじゃこりゃあ」(←死語)
食べたものを吐き出し、さらに咳込む私。

「呪い、完了です」アンドリューが落ち着いた声で言いました。「川口のごはんは食べられない。ハラペーニョの種を大量にまぶしてあります」
「てめえ。始めからこうなることを予測してたんだろ」私は涙をボロボロ流しました。「し、仕組んでやがったな」
「いただきますごちそうさまは愛言葉」アンドリューは淡々と言いました。「今晩からは、言い忘れないことです」

◆◆◆

その夜。
テレビで映画をやるので楽しみに待っていると、アンドリューが言いました。
「川口。さっきの夕食で川口はいただきますとごちそうさまを言えましたね。称賛します。正しい行いは、すがすがしいものです」
私は顔を赤くしました。「お前を怖がってるわけじゃねえからな」
「怖がること不必要です。ところで、大問題です。早寝早起き朝ごはんのことですが、もうすぐ9時です。9時になったら早寝に取り組んでください」

「もう寝ろっての? こんな時間に? 放っといてくれ」
「その考えは好ましくありません。早寝早起き朝ごはんは日本の政府の重点目標です。早寝早起き朝ごはん専門の、全国組織もできているのです」
「そのセリフは朝、聞いたよ」
「朝聞いて、夜聞く。すばらしいことです。ベッドを整えてありますから、早寝に取り組んでください」
「あのな、見たい映画があんの。見てから寝るから、すこし黙ってろ」

プシュー!
テレビをつけようと、リモコンを手にしたとたん、アンドリューが両耳から蒸気を噴きました。
安物キャンディーのような形の両眼の点滅も、始まっています。
「呪います。ちちんぷいぷい。川口はテレビを見れない。川口はテレビを見れない。ちちんぷいぷい。呪いました。呪い、セット終了」

私は警戒しました。
また何か企んでるぞ、こいつは。
リモコンのスイッチを入れたら何か起こるのか?

何も起きませんでした。
というか、何も起きなさすぎて、テレビもつかなかったのです。
みると、リモコンの電池が抜かれていました。
「くっだらねえ。この程度か」私は呟きました。「電池を入れればいいだけじゃん」
買い置きしていた単3電池を入れ、再びスイッチを押します。
何も起きませんでした。
それもそのはずです。
よく見ると、テレビの電源が抜かれていました。

電源プラグを差し、リモコンのスイッチを入れると、今度はテレビがつきました。
ちょうど9時でした。
映画の紹介が始まったところです。
「これが呪いかよ。レベル低(ひく)。今回はこっちの勝ちだな」私はアンドリューに言いました。「映画は見させてもらう。おまえには何もできねえよ」

アンドリューが肩を落としました。
仕掛けが失敗し、うなだれているようです。
私は鼻でフンと笑いました。
それからソファに腰掛け、用意したポテトチップスに手を伸ばしました。

うぎゃあ!

あわてて冷蔵庫を開け、ミネラルウォーターのボトルを取り出しました。

うぎゃあ!
ゲホゲホ!

遠ざかる意識のなかで、アンドリューの淡々とした声が響きました。
「呪い、完了しました。ポテトチップスには激辛ハバネロのペーストが塗られています。さらに、川口が飲んだのは水ではなく…」

(以下次号)

 

 

 

 

 

 

 

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2009.12.20 16:20

食育至上主義人民共和国 その2

 

 

松宮園生です。

ザイオン共和国のモーフィアス大統領は、
食育至上主義にもとづく圧政を敷いています。

そのモーフィアス大統領から、
「ぜひ我が国の食育ぶりを見にきてほしい」
と招待を受けました。
最初は断るつもりでいました。
だって、独裁者だからいつ機嫌を悪くするか予想できないし、
機嫌が悪くなって
「ビタミン責め」
「マクロビ責め」
とか
「家族団らんの刑」
とかに処せられたらどうしよう…。
(ん? それって怖いの?)

しかし断ったら、やつは僕を暗殺しようとするかもしれません。
マツミヤを滅ぼすのに、プロの暗殺者なんかいりません。
たとえば普段から僕は食育カルタみたいな昭和グッズを茶化して笑っていますので、真面目な食育おばちゃんや食育ママゴンの反感を買っているに違いありません。
そんなとき、
「マツミヤを始末した者には100万ショクイク」
なんて、賞金首にされちゃったら、食育おばちゃんや食育ママゴンがこぞって僕を狙いはじめるでしょう。
巨大な食育カルタでざっくりと切られたらもう…。

行くべきか断るべきか。
悩んだ末、じっと死を待つより敵地に行って散ろう。
そう決心したのでした。

◆◆◆

なんだけど。
モーフィアスのやつ(ちなみに彼は日本食育大学に留学してて、僕の教え子です)、招待すると言っときながら、飛行機はエコノミークラスのチケットしかくれませんでした。
ケチです。
しかたなく乗りこんだニュートリ・エアライン(栄養航空)22便が成田空港を飛び立って10時間後、機内アナウンスがありました。
「皆様、お早うございます。よくお休みになられたでしょうか? 当機はあと1時間でザイオン共和国のエプロンシアター空港に到着いたします。ただいまの現 地時間は午前8時17分、天候は晴れ、気温は摂氏20度でございます。入国書類をまだお書きになっていない方は、乗務員にお申し出ください」

そっか。
入国書類を書くのか。
そりゃそうだよな。

機内で配られた入国書類は、こんな書類でした。

<進め食育はばたけ食育 ザイオン共和国へようこそ!>
あなたの入国を歓迎します。
以下の質問に正確にお答えください。
この書類は入国審査官にお渡しください。

名前:
国籍:
居住国:
あなたの居住国の食料自給率:

航空機の便名:

機内食でいただきます・ごちそうさまを完璧に言いましたか?
*はい
*いいえ

機内食は残しましたか?
*はい
*いいえ

サイオン共和国での希望抑留期間:(   )年

あなたのセンス
*昭和
*平成

ザイオン共和国への入国目的(以下のうち、当てはまるものを○で囲んでください):
*メタボ撲滅
*援農
*レシピ提案
*食育教室
*三角食べ
*食育正教会への入信
*その他(             )

ザイオン共和国に持ちこむ予定の物品で、以下に当てはまるものがあれば申告してください。
*箸
*食育カルタ
*食育紙芝居
*食育イベント企画書
*食育教本(食育白書、オールジャパン食育大辞典を含む)
*「メタ坊」のマスコット人形

過去3か月以内に以下の国に居住または滞在していた場合は、申告してください。
*肥満大国アメリカ
*パラドックス国フランス
*スローフード国家イタリア
*フードマイレージ国家ジャパン
*食品安全疑問国チャイナ
*大東亜食育帝国

以下の食習慣に当てはまる場合は、申告してください。
*箸の使い方が下手だ
*嫌いな野菜がある
*ラーメンの汁は最後まで飲む
*週に1度以上、ハンバーガーを食べる
*週に1度以上、牛丼を食べる
*個食である

私は、「進め食育はばたけ食育」の精神にのっとり、虚偽の申告をせず、正直に申告したことを誓います。
名前:
日付:
署名:

ご協力ありがとうございました。
ザイオン共和国 食育法務省 入国管理局

◆◆◆

入国書類を書きながら、招待を受けたことをひどく後悔して涙ぐむ僕なのでありました。

 

 

 

 

 

 

 

<おすすめ ガイドブック>

「講師になりたい人 教室を開きたい人 のための簡単! 開講マニュアル」
http://www.shokuiku-pro.com/production/2009/04/post_169.html


 

 

 

 

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2009.12.12 21:11

食育至上主義人民共和国 その1

 

松宮園生です。

「食育の推進」という言葉をあちこちで耳にしますね。
某、北○○みたいな独裁国家が「食育の推進」を行ったらどうなるか、想像してみました。

◆◆◆

人口40万人のザイオン共和国にクーデターが起きたのは2006年の9月のことです。
クーデターを成功させて大総統に就任したのはモーフィアスという将軍でした。
ザイオン共和国は小さな国ですが、地下資源に恵まれた国でした。
モーフィアスは地下資源をすべて国有化し、外国企業の国内参入を禁止しました。
資源が豊かだったのと、モーフィアスが商売上手だったことで、ザイオン共和国は栄えました。

さて、このモーフィアス大総統、若いころは日本食育大学に留学して松宮准教授のゼミにいました。
そのせいか、食育にはことのほか関心が強く、ザイオンを「食育大国」にしてしまえと考えました。

1年後、ザイオン共和国はこういう国になっていました。

■軍隊

強い軍隊を掌握することは独裁者になるための第一歩です。
独裁者の資格をとりたい方はこのことをお忘れなく。

この国の軍隊は
* 食育陸軍
* 食育海軍
* 食育空軍
* 食育遊撃隊
* 食育親衛隊
に分かれます。

このような国が仮想敵国です。
* ジャンクフードを食べる国(アメリカやイギリスなど)
* メタボの多い国(アメリカやイギリスなど)
* 食べものの廃棄率が高い国(日本など)
* フードマイレージの大きな国(日本など)
* 食の安全意識の低い国(中国など)

「強い軍隊は強い食事から」
というスローガンのもと、一流の管理栄養士と一流のシェフが組み、日本の「食事バランスガイド」に沿った食事レシピを基地の食堂に提供しています。
また、軍人は全員、抜き打ちのメタボ検診を受けます。
メタボと判定されたら、階級を落とされたり給料が下がったりします。

「食育核兵器」という兵器を持っているらしいのですが、それはマジで核兵器なのかそうでないのかが不明です。
CIA(アメリカ)も MI6(イギリス)も、必死で探っています。

■秘密警察

秘密警察を持ち、タレこみ屋を増やすのも独裁者になるためには欠かせません。
独裁のプロになりたい方はこのことをお忘れなく。

モーフィアスは日本の「いただきます」「ごちそうさま」をザイオン共和国に導入しました。
食事の前に「いただきます」を言い忘れたら、罰金100ショクイク。
食事の後に「ごちそうさま」を言い忘れたら、罰金100ショクイク。
「いただきます」「ごちそうさま」制度に反対したものは、秘密警察につかまり、投獄されました。

モーフィアスは日本の箸もザイオン共和国に導入しました。
すべての小学校で、毎日1時間、箸の使い方を練習します。
すべての飲食店では、箸を使って食べることが義務化されました。
箸の使い方の検定試験があり、合格しないと就職できませんでした。
箸を使うのを拒否したものは、秘密警察につかまり、投獄されました。

モーフィアスはさらに、「食育キッズ」と呼ばれるタレこみグループを養成しました。
このグループは子どもからなり、
* 「いただきます」「ごちそうさま」を言い忘れた人
* いつまでたっても箸の使えない人
を秘密警察にチクる役割です。

■通貨

お気づきと思いますが、この国のお金の単位は「ショクイク」です。
100ショクイク札と50ショクイク札にはモーフィアスの顔が、
10ショクイク札には日本食育大学の校舎が、
1ショクイク札にはなんと、松宮園生の膝小僧が
印刷されています。

■宗教

宗教は独裁者にとってはすばらしい武器です。
しかしそれは両刃の剣でありまして、使い方を間違えると困ったことになります。
詳しく知りたい方には、「独裁エキスパート養成講座」の受講をおススメします。

さて、モーフィアスは「食育正教会」というものを作りました。
モーフィアス自身が教祖となり、全国各地に教会を建てました。
毎週日曜になると、
「いただきます」
「ごちそうさま」
をテーマにした賛美歌が流れます。
「食育バイブル」が作られ、信者全員に暗記が義務づけられましたが、何が書いてあるのかよく分からない本でした。
無理もありません。その正体は日本から送られてきた「食育白書」で、日本語のままでしたから。

■記念日

ザイオン共和国は、日本をまねて、毎月19日を「食育の日」としています。
で、何をしているかというと、軍隊パレードをしています。
独裁者は定期的に軍隊パレードをしなくてはなりません。
独裁の準備中の方は、パレードの準備も怠りなく。

■迎賓館

松宮園生はモーフィアス大総統の留学中の恩師ということで、ザイオン共和国に行けば国賓扱いです。
ただし、いちどもこの国を訪問したことがありません。
だって独裁者は怖いし。
気が変わって、突然処刑なんかされたらヤだし。
もし僕がザイオン共和国を訪問したとして、その最中にまたクーデターが起きたとしましょう。
新しい権力者は、ただちに僕をつかまえて死刑にするはずです。

くわばら、くわばら(←死語)。

 

 

 

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2009.12.08 13:10

合コンから学ぶベジタリアンの世界 その2

 

 

松宮園生です。

前回の合コンでは、ろくに相手にされずにすごすごと帰って来ました。

前回→「合コンから学ぶベジタリアンの世界 その1」
http://www.shokuiku-pro.com/production/2009/12/1_25.html

にも関わらず、性懲りもなく再びベジタリアンの合コンに出掛けた松宮。
前回同様、僕は下級ベジタリアンということで、下っ端として末席を汚しておりました。
さて、今回は…。

◆◆◆

「聞いて聞いて。ベランダ菜園始めたの。すっごく楽しいよ」
と、ある女の子が言いました。

それを受けて皆が話しだします。
「いいなあ。わたしもやりたいけど、ベランダ散らかってるし」
「オレんちはベランダなんかないよ」
「なんか最近、家庭菜園する人、増えてない?」
「増えてる気がする」
「そうなんだ?」
「絶対増えてるよ。新聞とかで読んだな、確か」

「オレの姉貴がさ、婚活あきらめたとか言って、自給自足のために市民農園で野菜作り始めたんだ」
「なんで。婚活あきらめる前にオレに相談してよ」
「でも姉貴、顔はオレに似てるけど?」
「あ、だったらパス」
「お前ね」
ベタな会話でした。

「で、ベランダで何を作ってるんですか」
と、ずっと静かにしていた下級ベジタリアンの僕がおずおずと質問すると、さっきの女の子が嫌な顔もせずに答えました。
「いろいろね。トマトとか、パセリとか、落花生とか」

「自分で料理して全部食べてんの?」と、彼女の隣に座っている男の子が言いました。「それとも売ったりとかしてんの」
「売るほどたくさんはないから」女の子は答えました。「ところでトマトって男か女か知ってる?」

「は、トマト? 男も女もないんじゃないの。オシベとかメシベとかはあるけど」
「トマトは女だと思う」彼女は言いました。「そうとしか思えない出来事があって」
「へー」
「聞きたい?」
ここで「聞きたくない」とは言えません。
全員が「聞きたい」という意味でうなずきました。

彼女は話し始めます。
「うちのトマトがなかなか赤くならないから悩んでたんだけど、こないだ詳しい人に聞いたら、庭いじりするときは裸になりなさいって言われたの」
「え、裸? どゆこと? 意味わかんねえ」
と言いつつ、裸という言葉に反応する男性陣。

彼女は続けます。
「その詳しい人というのは男の人なんだけど、彼はいつも裸になって庭いじりするって言うの。そうするとトマトが恥ずかしがって赤くなるんだって」

一瞬、しんとなりました。

「マジメな話なんだから」焦った彼女はムキになって言いました。「ホントにその人はそう言ったのよ。真剣な顔で。あれは絶対、冗談で言ったんじゃないと思う」
「冗談としか思えないね」
「だってその人の作ったトマト、真っ赤なんだよ」
「そうかもしれないけど、裸とは関係ないんじゃ…」
「だって見にいったら、その人、ホントに素っ裸で庭いじりしてたよ」
「だからってトマトが恥ずかしがるとかは嘘に決まってる。…ていうか、見にいったんかい」

「でもね」負けずに彼女は続けました。「それで、自分も裸でベランダいじりすることにしたの」

あっけにとられる女性陣。
想像がふくらみ、唾を飲む男性陣。

「とにかく聞いて」彼女は言いました。「全裸でベランダに出るようにしたのよ。だって赤いトマトを作りたかったし、他に方法もなかったし」
「ふうん。で、どうだったの」
「トマトは全然赤くならなかった」
「そりゃ、そうだろ」

「違うのよ。そうじゃないの。トマトが赤くならなかったのは、トマトが女だったからだと思う」
「はあ? 意味ぜんぜんわかんねえ」
「トマトは女だったから、わたしの裸を見ても何の変化もしなかったのよ」
「…」

「トマトは女だった」彼女は断固とした口調で言いました。「だってその代わり、キュウリがヘチマみたいにすごく大きく育っちゃって…」

 

 


 

 

 

 

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2009.12.04 11:40

合コンから学ぶベジタリアンの世界 その1

 

松宮園生です。

日本には合コンというものがありますね。
ウィキペディアで「合コン」を調べたら大マジメに説明してあるので、ちょっとご紹介。

「現在一般的にコンパという名称で思い浮べられることが多いのは合コン(合同コンパ)である。
これは主として男女の出会いを求めるために行われるコンパで、女子の大学進学率が急激に上昇し始める70 - 80年代ごろから盛んになり、その後学生どうしにかぎらず広汎に行われるようになった。
合同コンパという名称は、男子のコンパと女子のコンパを合同で開催するというところに基づいている」

ほー、なるほどねー。

「異性の友達を獲得するために行なうパーティーを合コンと呼ぶが、これは男女合同コンパの短縮形であり、コンパの一種である。
大学生の場合は、アルバイト等の低収入しかない事もあり、居酒屋やカラオケボックスなどで行われることが多い。
男女比率は4対4若しくは3対3が基本と考えられている。
中には、20対20、もしくはそれ以上の人数をオーガナイズする場合もある」

ふむふむ。オーガナイズね。

「サラリーマンとOLや受付嬢(主に他社)、イベントコンパニオンなどが、アフター5に合コンを行う場合、学生と違いレストランなどで行う場合が多い。
なお、その時の懐具合と相手の女性陣のメンツによっては居酒屋レベルの店で行うケースもある。
基本的に会費は男性7に対し女性3など、男性が多めに払うケースが多い」

「合コンで親しくなった異性と自宅(もしくはラブホテル)に行き、夜を過ごす(多くの場合性的関係を伴う)ことは俗にお持ち帰りと呼ばれている」

だそうです。
他にもいろいろ書いてあるので、興味のある方はウィキペディアをのぞいてみてください。

しかしいったいこれ、誰が書いたんだろうね?

◆◆◆

アメリカに住んでいたころ、ベジタリアンの合コンに出たことがあります。
「お持ち帰り」は無いでありますが。

ベジタリアンにはじつは上下関係があります。
厳格なベジタリアンであればあるほど、格が上です。
僕みたいな「スシ食う」やつは、下層階級扱いをされます。

まるで、病気が重ければ重いほど格が高いという、入院患者のヒエラルキー(上下関係)によく似ています。

そんなヒエラルキーを反映して、ベジタリアン合コンの席ではこんな会話が交わされます。
男A 「オレ、ビーガンなんだよね」
女A 「キャー、素敵。どうにでもして」
男A 「マツミヤはペスコなんだってさ」
男B 「だっせー」
女A 「ペスコ最悪」

ビーガンとかペスコとかいうのは、ベジタリアンの階級をあらわす言葉です。
ビーガンは位が高く、ペスコは下っ端です。
つまり下層階級のペスコであるわたくし松宮には、お持ち帰りの道はなかったのであります。

ベジタリアンのあいだに存在している階級社会。
どんなランキングになっているのか、悔しまぎれにさっき調べてみました。
どうやらこんな感じです。

(天上界)
第1位: ブレサリアン(何も食べない何も飲まない)
第2位: リキッダリアン(水だけ飲む)
(地上界)
第3位: フルータリアン(果実のみ食べる)
第4位: ビーガン(完全菜食)
第5位: ラクト・ベジタリアン(野菜と乳製品)
第6位: オボ・ベジタリアン(野菜と卵)
第7位: ラクト・オボ・ベジタリアン(野菜と乳製品と卵)
第8位: ペスコ・ベジタリアン(ときどき魚)
第9位: ポロ・ベジタリアン(ときどき肉)

5位と6位はいつも争っていて、ランキングがころころ入れかわるそうです。

3位のフルータリアンが4位のビーガンより上であるのは、
* 果物は、種をまき散らすために、自らを甘くして、動物に食べてもらおうとしている
* 野菜は、食べてほしいと思っているわけではないのに、人間が勝手に食べてしまう
なので、
「果物を食べるほうが、野菜を食べるより罪が軽い」
とされているからです。

ちなみに第6位は、オボ・ベジタリアンです。
ほぼベジタリアン、ではありません(それなりに意味、通じますけど)。
第7位は、ポロ(pollo)・ベジタリアンです。
ボロボロのベジタリアン、ではありません(それなりに意味、通じますけど)。
そういうオヤジギャグを言うアメリカ人がいますが(いねーよ)、よい子の皆さんは真似をしないように。

おかしいのは第1位のブレサリアン。
何も食べない何も飲まないということは、理論的には生きていけないはずです。
なのに、そういう人が存在するというウワサ(伝説)が世界各地にあります。

階級はよく分からないんですが、現存するエンタメ系有名人のうちたとえば誰がベジタリアンなのかを書いておきます。
アンソニー・ホプキンス
キム・ベイシンガー
グウィネス・パルトロウ
ジャネット・ジャクソン
ブライアン・アダムス
ポール・マッカートニー
マイケル・J・フォックス
マドンナ
(五十音順 敬称略)

マドンナは、久司道夫さんという日本人の指導で、マクロビオティック食をしていることで知られていますね。

以上、合コンにみるベジタリアンの階級社会レポートでした。

 

 

 

 

 

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