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松宮園生です。
「ウチのダンナ、脂っこい食事ばっかりするのよねー。でも健康診断は異状なし。このままじゃ生命保険の掛け金がムダになっちゃう」
「僕の10歳年上のヨメさんはさ、食後にかならずチョコレートをひと箱、食べてるんだけどさ、全然太らないし、健康診断も異常ないんだよな。このままじゃ、遺産をもらえるのはだいぶ先になっちゃうよ」
「そうかい。オレなんか、食事に気をつけてるつもりなんだが、いつもコレステロール高いと医者に言われるんだ」
この会話を読んで、どう思いましたか?
「不倫してるカップルが、お互いの配偶者を始末しようと、怪しげな殺し屋に相談しているところ」
を想像した人。
ひょっとしたらそうかもしれませんが、まあ、ここでは深読みするのはやめておきましょう。
(よいこは犯罪はやめましょう)
今回の主題は、
* 脂っこい食事をしているのに平気な人がいるのはなぜか
* チョコレートを食べまくっているのに平気な人がいるのはなぜか
* 反対に、食事に気をつけているのに健康診断で注意される人がいるのはなぜか
という話です。
で、なぜでしょう。
これまでこうした事実は科学者を悩ませてきましたが、どうやらその違いは遺伝子にあるようです。
遺伝子に原因があるので、一人一人、違うわけです。
ビタミンやミネラルのような栄養素、アントシアニンやイソフラボンのような機能性成分は、カラダのなかでどのように働くのか。
遺伝子によって、その働き方は違うのか。
違うとしたらどう違うのか。
てなことを詳しく研究する学問が、21世紀に入ってから生まれました。
ニュートリジェノミクス(nutrigenomics)と呼ばれています。
予防医学・栄養学・食品学での新しい研究領域です。
ニュートリゲノミクス、と発音する人もいます。
1991年に、人間の遺伝子の配列を解読しようというプロジェクトが始まり、2003年に完了しました。
完了したときは大騒ぎになりましたね。
メディアでも騒がれたので、覚えておられる方も多いと思います。
アポロ11号が月面着陸したときほどの派手な騒ぎではありませんでしたが、科学の世界では月着陸に匹敵する偉業とされています。
で、
「遺伝子解読プロジェクトは完了した。人間の遺伝子がどうなっているか、かなり分かった。次は、これを応用する時代だ」
てなわけで、ニュートリジェノミクス(nutrigenomics)という学問が誕生したわけです。
◆◆◆
この学問が発達すると、こんなことができるようになると言われています。
「あなたにピッタリの栄養素、あなたには向いていない栄養素が分かる」
「あなたにピッタリの食べ物、そうでない食べ物が分かる」
たとえば、あなたはカルシウムをさほど必要としていない人かもしれません。
逆に、ビタミンCは普通の人の10倍、必要なのかもしれません。
あなたにピッタリのチョコレート、あなたには無理なチョコレートが分かるかも。
たとえば、ゴディバはあなた向き。
僕にはデメルのザッハトルテが適切、なーんてことになるかも。
和食が向いている人
中華料理が向いている人
インド料理が向いている人
とか、そんな区別が出てくるかもしれません。
風邪をひいて医者にいったら、遺伝子検査をしたあとに、こういう処方箋をもらうかもしれません。
「南アフリカ産のグレープフルーツ(白)、3日分。食後30分以内に食べてください。なお、同じ南アフリカ産グレープフルーツでも赤は食べないこと。また、フロリダ産グレープフルーツは赤白問わず厳禁」
◆◆◆
…なんですけどね。
科学者の先生方が
「これからはニュートリジェノミクスの時代だ。ざまーみろ」
と、誰にざまーみろなのかよく分からないのに威張っていたのは6年も前です。
あれから6年たつんですけど、その後、発見とか発明とか、あったのかなあ。
専門家のなかではいろんな発見とか発明とかがあったんでしょうけど、われわれ一般人には知られていないような気がします。
デメルのザッハトルテ、僕に向いているのかどうか、早く教えてください。
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