ホーム > 日本食育大学未来学部 >
松宮園生です。
人類を解放するため、エージェント・スミスと戦う
モーフィアスとネオ…。
今回の話は、映画「マトリックス」の設定を借用しています。
まだ「マトリックス」観てない人は、入場を御遠慮ください。
もう1つ。
今回の話は、「グルメ2.0」の続編です。
まだ「グルメ2.0」を読んでない人は、そちらを先にお読みください。
「グルメ2.0」
http://www.shokuiku-pro.com/production/2009/01/20_6.html
◆◆◆
マトリックスのグルメ化に成功した、「料理系プログラマー」の真野史郎。
彼がマトリックスのプログラムを改良したおかげで、マトリックス内の食事の味がぐんとアップしました。
どこで何を食べても、旨いのです。
「メシがよければすべてよし」
という諺にもあるように、食事が良ければたいていの不満は解決する。
マトリックスの住民も、そのままマトリックスに住み続けることを選んでしまいます。
「これで、モーフィアスやネオとの戦いも有利になったでござる」
とエージェント・スミスもすっかりご機嫌。
史郎はそのご褒美として、あこがれの女性と恋愛結婚ができるように設定を変えてもらい、幸せに暮らしていました。
そんなある日。
夜も更けてきた時分に史郎の家のインターホンが鳴りました。
出てみると、長身のエージェント・スミスが立っていました。
「遅くにお邪魔するでござる。久しぶりでござるな」スミスが言いました。「新婚生活はいかがでござる」
「まあまあだね」史郎は照れながら答えました。「あんたには感謝してるよ。コーヒーでも飲んでくかい?」
「せっかくだが、御断り申す。こう見えても、世界をコントロールする仕事はなかなか忙しいものでござるゆえ」
「そりゃそうだね」
「ときに、今日は奥方は御在宅でござるかな?」
「いや、仕事で遅くなると聞いてるけど?」
「そうでござるか」
「なんだよ、なにを言いたいわけ?」
「実はでござる。さっき合コンに行ったのでござるが…」
「はあ? 合コン? あんた世界をコントロールするのに忙しいっていま言ってたじゃん。合コンにいく余裕はあるのかよ」
エージェント・スミスは顔を赤くしました。「これも仕事でござる」
「どーだかね」
「それより貴殿の奥方がその合コンに参加しておったでござる。自己紹介のときに独身だと申しておったが…」
「えっ、嘘だろ」
「嘘ではござらん。信じられぬと申すなら、いまから合コンの現場に参ろう。エコエコアザラシ、エコエコアザラシ…」
「なんだよその呪文は。それを言うならエコエコアザラクだろ。エコエコアザラシって、あんた、地球温暖化が止まって大喜びしている南極の生き物か! そりゃ、おれだって地球温暖化は止まってほしいけどさ。ていうか、エコエコアザラクだって、古くね?」
エージェントスミスはすました顔で答えました。「ツッコミが長いでござるよ」
気がつくと、史郎は合コン現場に立っていました。
◆◆◆
そこは千代田区丸の内の一角にある、イタメシ屋でした。
ほぼ満席でしたが、不思議なことに音もなくシーンとしていました。
音がなかっただけではありません。
動きがありませんでした。
時間が止まっていました。
客も、店員も、まるで蝋人形のように、動きを止めていたのです。
「こ、これは…」
史郎が目を丸くしていると、背後にいたエージェント・スミスが言いました。
「どうやら、プログラムがフリーズしているようでござる。…ああ、あそこにいるのが、貴殿の奥方ではござらんか」
スミスが指さす方向には、3人の女性と2人の男性が固まって座っているテーブルがありました。
なぜ男性が1人足りないかというと、その足りない1人というのが、エージェント・スミスだったわけです。
スミスだけは、フリーズを免れて動き回ることができたわけです。
合コン用テーブルの隅っこには、俳優の阿部寛によく似たイケメンが座っていました。
右手にビールの入ったグラスを、左手に携帯電話を持っています。
その笑顔が、さわやかなまま、文字通り凍りついていました。
阿部寛の隣には女性が座っていましたが、よく見ると史郎の妻、弥生でした。
左手に赤ワインのグラスを、右手には同じく携帯電話を持ち、動きが止まっています。
この2人、どうやら電話番号とメールアドレスをお互いに交換しようとしているようでした。
なんだか弥生の化粧が濃いような気がするのは、史郎の思い込みでしょうか。
ショックのあまり、その場にうずくまる史郎。
スミスが言いました。「貴殿をここに連れてきたのは、合コン現場を見せるためではござらん。例の『マトリックス・グルメ化計画』が成功して以来、こういうフリーズ事件が多いのでござる。要するに、バグというやつでござるな。貴殿にトラブルシューティングを頼みたいのでござるが…。おや、どうしたでござるか?」
史郎はこうつぶやくのが精いっぱいでした。「弥生が合コンだなんて…」
「気持は分からぬでもござらぬが」とスミス。史郎の肩に手を置きました。「バグを直すついでに、この合コンもなかったことにするがよいでござろう。設定を変えればよいだけのことでござる」
史郎の目から涙がこぼれます。「おれは弥生の自然な感情を大事にしたいんだ。設定を変えるなんて不自然じゃないか」
もともと設定を変えて、弥生をモノにしたのはオメーだろ。
◆◆◆
合コンをなかったことにするために、マトリックスの「グルメ・システム」のデバッグに猛然と取り組んだ史郎。
当初は、かつて自分が組んだプログラムに欠陥があるのではないかと考えていましたが、追及してみると、そうではないことを発見しました。
ウイルスが侵入していたのです。
ウイルスを作ったハッカーをつきとめた史郎とエージェント・スミスは、犯人を逮捕するために現場に急行します。
ハッカーは、文京区小石川のマンションに潜んでいました。
「1005号室。ここでござる」
スミスが呼び鈴を押しました。
「はあい。どなた?」
意外にも、女性の声でした。
しかも、年配の女性のようです。
すると、スミスが慌てたような小声で「逃げるでござる」
「え?」
「いいから、逃げるでござる」
「逃げるって?」
「説明している暇はござらん」
「だっていま逃げたら、ただのピンポンダッシュじゃないか」
「問答無用」
スミスに引きずられるようにしてその場を去った史郎。
エレベーターを待つ余裕がないため、階段を駆け下ります。
マンションの外に出るや、息を切らせている史郎にむかってスミスは言いました。
「あの声は、オラクルの声でござった」
「は?」
「オラクルに間違いござらん」
「ちょっと待って」史郎はその場に座り込みました。「オラクルっていうと、預言者のこと? たしか映画のなかでは、キアヌ・リーブスにいろいろアドバイスをしてたオバサンだよね」
「そのオバサンでござる」
「オラクルが、ハッカーの正体だってこと?」
「そのようでござるな」
「でもどうして…?」
「拙者にも分からぬ」スミスは言いました。「どうやらこの事件、一筋縄ではいかぬような気がしてきたでござるよ」
(以下次号)
<オススメ書籍>
「やんごとなき姫君たちの饗宴」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4041938112
松宮園生です。
「ファイター栄養士 その2」
で、昭和型の管理栄養士、佐久間象子が仲間2名(Aさん、Bさん)と一緒にグリーンツーリズムと洒落こんだときのエピソードを書きました。
http://www.shokuiku-pro.com/production/2009/09/2_40.html
今回は、その同じ3人が帰り道で不慮の事故に遭い、 天国に行ったときの話です。
◆◆◆
3人は飛行機で天国に運ばれました。
「天国行きユナイテッド航空1059便」
はつつがなく目的地に到着。
3人が飛行機の外に出ると、そこに天使が待っていました。
「いらっしゃい、おねえさんたち」天使が言いました。「機内食、どうだった?」
「まあ、おねえさんだなんて」佐久間象子がまんざらでもなさそうに答えました。「機内食はおいしゅうございましたよ」
「それはよかったね。…はい、この書類に必要事項を書いて、サインして返してくれる?」
3人が書類を書いているあいだ、天使が言いました。
「ここは天国だから、おねえさんたち好きに暮らしなよ。食育教室開きたいんだったら、開けばいいしさ」
3人は書類にサインをし、天使に手渡しました。
「おっといけねえ」別れ際に天使が言いました。「書類に書いてない規則がひとつだけあるのを言い忘れてた。リンゴを踏まないようにね」
「リンゴを踏まない?」
「リンゴを踏んじゃいけないんだ。…じゃあ、おいら、次の仕事があるから、もう行くよ。おねえさんたち、またね」
天使が飛び立つと同時に目の前のドアが開き、3人は天国に入りました。
なるほど…。
天国ではリンゴがそこらじゅうに転がっていました。
王林、紅玉、ゴールデン・デリシャス、ふじ、ジョナゴールド…。
(分かるんかい)
足の踏み場もないくらいです。
足の踏み場もないくらいに転がっているリンゴを踏んではならん、というのが天国の掟のようでした。
踏まないようにするには、かなり気をつけなければなりません。
さっそく、Aさんがリンゴを踏みつけてしまいました。
すると、どこからともなく天使が男の人を連れてやってきました。
とんでもないブオトコです。
天使は、そのブオトコとAさんを鎖でつないでしまいました。
「リンゴ踏むなって言ったろ」天使の声は不機嫌でした。「罰として、あんたはこの男と100年間、鎖でつながったまま暮らすんだからね」
Aさんはショックで気を失い、佐久間象子とBさんは震え上がりました。
その後の数日間、佐久間象子とBさんは足元を警戒しながら過ごしました。
それでもついに、うっかりBさんがリンゴを踏んでしまいました。
ほどなく天使がやってきて、Bさんをとんでもないブオトコと鎖でつないでしまいました。
Bさんは嫌だ嫌だと泣き叫び、佐久間象子は震え上がりました。
佐久間象子は外出をやめました。
外に出なければ、リンゴを踏むこともありません。
それに天国ですから、外で働かなくったって食べものは手に入るのです。
佐久間象子は、自宅で食育教室を開きながら、毎日を過ごしました。
1か月もたったころ、天使がジョージ・クルーニーそっくりの美男子を連れて佐久間象子の家に入り、2人を鎖でつないでしまいました。
「あらまあどうして」ホホを赤らめる佐久間象子。「リンゴを踏まなかったご褒美なのかしら?」
うなだれるジョージ・クルーニーを尻目に、天使が不機嫌に言いました。
「リンゴを踏んだのはこの男なんだ」
<オススメ書籍>
「時間栄養学―時計遺伝子と食事のリズム」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4789554333
松宮園生です。
この「しとちゃん」シリーズは、とある市役所につとめる
熱血食育マン、しとちゃんが主人公です。
しとちゃんは、ココリコの田中さんに少し似ています。
それはともかく、市の食育推進計画を任され、八面六臂の
活躍をする青年しとちゃん。
そんなしとちゃんの仕事ぶりを、彼のことが気になってしかたがない先輩職員(女性)の目を通して描きます。
◆◆◆
(前回までのあらすじ)
地元の活性化に火花を散らす、隣り同士の2つの市。
地元の伝統食「チメシ」がどちらのブランドになるのかで、激しく対立してしまいました。
県庁の仲裁もうまくゆかず、両市はそれぞれ、「チメシ」をテーマにイベントを開催することになりました。
敵が先攻=土曜日にイベントを開催。その名も「食育チメシ祭」。
しとちゃんの市が後攻=日曜日にイベントを開催。その名も「チメシ食育フェスタ」。
それぞれ、テーマソングを作りました。
「チメシ音頭」
「シング・チメシ・ソング」
それぞれ、マスコットキャラクターを作りました。
「チーメン君」
「チメちゃん」
その対決の週末が、ついに訪れたのでした。
前回→ 「しとちゃん PART-10」
http://www.shokuiku-pro.com/production/2008/10/part10.html
◆◆◆
土曜の朝。
しとちゃんとわたしは、電車に乗って隣の市に向かいました。
「食育チメシ祭」を視察するためです。
午後からは明日の準備、つまり自分たちの「チメシ食育フェスタ」の準備があるので、昼過ぎには戻らなければなりません。
しとちゃんはサングラスをかけ、インフルエンザ防止用のマスクをし、スウェットパーカーのフードを深く被っています。
「敵情視察だから、変装しないといけないじゃないですか」
「へ、変装だったんだ」
「捕まっても正体がバレないように、運転免許証と職員身分証明書はちゃんとアパートに置いてきたんですよ。007みたいでしょ」
「捕まるって、誰に捕まるの」
「決まってるじゃないですか。隣の市のやつらですよ」
「は、はあ」
「敵地に入るんだから、先輩も気をつけてくださいよ」
「はあ」
しとちゃんは続けました。
「万が一、相手に見つかったら、僕には構わずに逃げてください」
「しとちゃんはどうするの」
「最後まで戦います! あいつら、うちのチメちゃんを…チメちゃんをチーメン君と無理やり結婚させようとしているんだ。何がなんでも阻止しなきゃ」
悲壮な覚悟でそう言うと、しとちゃんは目をつむり、なにかをブツブツ唱え始めました。
またです。
集中力を増すために、食育基本法の条文を暗唱しているのです。
読経かっつーの。
ほどなく、電車は隣の市に到着しました。
◆◆◆
「チメシ音頭」が流れるイベント会場。
屋台が立ち並び、チメシ以外にもいろいろなものが売られています。
「チーメン君」の着ぐるみを着た人が、チメシを配っています。
「あいつがチーメン君か。あの野郎」
しとちゃんが、サングラスの奥で「チーメン君」をにらみつけました。
その視線に気がついたか、「チーメン君」の着ぐるみがこっちにやってきて、しとちゃんとわたしにチメシを1つずつくれました。
「ハルノウミ」という銘柄の米を使い、「中村崎」の海苔で巻いたチメシです。
具は、しとちゃんが食べたチメシにはキンピラゴボウが入っていました。
わたしのチメシには、 高菜が入っていました。
「味はどう、しとちゃん?」
「悔しいけど、まあまあですね」
「普通にウマイという感じかな」
「もともとチメシは、誰が作ってもそこそこ美味しく作れるんですよね」
「そうよね、まずいチメシを作るほうが難しいかもね」
「それにしても、ヤバかったですねえ」チメシを食べ終えたしとちゃんが言いました。「あいつが近づいてきたときには、こっちの正体がバレたかと思いましたよ」
まだ時間が早いせいか、来場者の数もちらほらです。
人数が少ないことに、しとちゃんは機嫌を良くしました。「このイベント、ぜんぜん人気がないですね。こっちの勝ちだな」
しかし、11時を過ぎたころから、家族連れが大勢やってきました。
会場はごったがえし始め、着ぐるみの「チーメン君」も子どもたちに囲まれてチメシをどんどん配りました。
すぐに、チメシの在庫を切らしてしまいます。
その様子を見て、しとちゃんの機嫌も悪くなってきました。
またもや、ブツブツと食育基本法の条文を唱え始めます。
11時半になると、会場の一角で食育教室が開かれました。
農協の人と、地元の食育インストラクターみたいな女の人が、紙芝居をしています。
チーメン君とその仲間たちが、「メタボ大帝」を倒すという話のようです。
「くっだらない紙芝居だ」しとちゃんが鼻で笑いました。「こっちの勝ちだな。こっちは紙芝居じゃなくて人形劇だし、ストーリーだって全然違う」
「どんなストーリーなの」
「チメちゃんが、食品ロスを減らす呪文を使って、『自給率を下げる魔法』から国民を解放するストーリーです」
得意げに語るしとちゃん。
なんか、似たようなレベルだと思うけど…。
◆◆◆
時計の針が12時を回り、
「そろそろわたしたちも帰らなきゃね」
「そうですね。思ったほど大したことはなかったな。やっぱりチメシはこっちのものだ」
と話し合っていたとき。
突然、しとちゃんが沈黙しました。
サングラスの奥から、遠くに鋭い視線を投げています。
視線の先には、さっきの着ぐるみチーメン君がいました。
着ぐるみチーメン君は、どうやら会場を立ち去ろうとしていました。
空になったチメシの在庫を、補充しに行くみたいです。
その後姿を目で追ったまま、しとちゃんが真剣な声で言いました。
「先輩は先に帰ってください。午後には戻りますから」
「はあ?」
「あいつを尾行してきます。アジトに行くに違いありません」
アジトってあんた…。
戦隊ものじゃないんだから…。
てか、アジトを発見して、どうするの…?
と、突っ込もうとしたときには、しとちゃんの姿はありませんでした。
ピューっと立ち去ってしまったのです。
音速より早足のしとちゃん。
あとには一陣のつむじ風が残るのみでした。
(以下次号)
<オススメ書籍>
「食」の地域ブランド戦略
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4794807244
松宮園生です。
(前回までのあらすじ)
栄養不足の時代(昭和型)から、飽食の時代(21世紀型)へと
栄養士に求められるものも変わってきています。
「ファイター栄養士 その1」
http://www.shokuiku-pro.com/production/2009/09/1_33.html
「ファイター栄養士 その2」
http://www.shokuiku-pro.com/production/2009/09/2_40.html
◆◆◆
「あなたの栄養士タイプは? 判定チェックリスト」
というのを作ってみました。
やってみる?
■第1問。
誰かを救う場合、あなたはどっちかっつーと、どっちのタイプですか?
かならずどっちかを選んでください。
A)大勢の人を少しずつ救うより、いま目の前にいる苦しんでいる人をしっかり救うほうが性に合っている。
B)目の前の人だけを救っても問題は解決しないと思う。大勢の人を等しく救うことを考えなければ。
■第2問。
あなたは食育講座の講師を依頼されました。
講座の日が近づいているのに、先方はいつまでたってもギャラの話をしてきません。
このままではギャラの話がないまま、講座当日になってしまいそう。
あなたはどっちかっつーと、どっちのタイプですか?
かならずどっちかを選んでください。
A)お金の交渉をするのは好きじゃないので、先方が言いだすまで待つ。当日になってしまったら、ギャラが決まっていなくてもとりあえず講師をする。
B)早いうちにさっさとギャラの話を自分から言い出す。当日までギャラが決まらなかったら、講師はしない。
■第3問。
食育講座のテキストを「急ぎで作ってほしい」と頼まれたとします。
あなたはどっちかっつーと、どっちのタイプですか?
かならずどっちかを選んでください。
A)「中途半端なものを素早く作る」より、「しっかりしたものを時間をかけて作る」べきだと主張する。
B)質よりもスピードを重視して、さっさと作る。多少、中身に難があっても気にしない。
■第4問。
あなたは「仕事をするために借金が必要になった」場合、どっちかっつーと、どっちのタイプですか?
かならずどっちかを選んでください。
A)事情がなんであれ借金は絶対に嫌だ。ありえない。
B)特に抵抗はない。必要があれば、借りる。
判定結果は、一番最後(↓)に書きます。
◆◆◆
管理栄養士は国家資格です。
したがって国家試験というものがあり、その試験は年に1回。
毎年3月に行われます。
管理栄養士は、どんな仕事をするのでしょうか?
松宮流にいうと、管理栄養士の仕事には
「昭和型」
「21世紀型」
があります。
■昭和型=給食に関係する仕事
食料が足りなかったころは給食がたいへん重視されていました。
いまは時代も変わって、カロリー重視の給食はずいぶん減りました。
とはいえ、そのころの感覚がまだ漂う世界です。
仕事としては
* 病院給食
* 学校給食
* 給食会社(社員食堂なんかを運営したりします)
あたりです。
今までは「栄養士の仕事」といえば、このへんのことを指していました。
<特徴>
地味だけど重要な仕事です。
問題は、一般的に収入が安い。
どのくらい安いかと言うと、たぶん同年齢のOLさんよりも1割以上安いんじゃないかと思います。
資格取ったのに、それはおかしいよね。
雇い主の方、給料上げてやってください!
かつ、忙しいです。
一般に食を扱う現場はどこでも(飲食店でも惣菜店でも量販店でも)朝から晩までバタバタと忙しく、給食の現場も同じです。
いやマジ、ホントに忙しいです。
休みも少ないんじゃないかと思います。
↓
ものすごく忙しく休みも少ないので、時間のたつのがものすごく早い。
「あっという間に今年も終わっちゃった。この1年、仕事以外に何をしたかしら?」
今年の12月ごろ、そういう感想を持つでしょう。
■21世紀型=病気の予防とか健康増進とかに関係する仕事
飽食の時代に応じた社会ニーズに応える仕事です。
仕事のタイプとしては、
* メタボ改善サービスなどを提供する会社の社員、またはその会社を栄養面からコンサルタントする仕事
* 食品メーカーの商品企画
* 食育の事業をしたい会社の社員。またはその会社を栄養面からコンサルタントする仕事
* 健康や食に関するイベントを企画し、実行する仕事
* 飲食店を栄養面からコンサルタントする仕事
あたりです。
こうした仕事は、これから増えます。
<特徴>
エキサイティングな仕事が多い。
あと、ビジネスマンとコミュニケーションをする場面が多い。
ビジネストークもバンバン飛び交います。
なんつーか、マンガの「働きマン」あたりの様子を想像してみたらいいかも。
注意! 21世紀型の仕事は、脳を酷使する(すごいスピードで多くのことを考えることを要求されます)ので、燃え尽きないように気をつけましょう。
◆◆◆
「あなたの栄養士タイプは? 判定チェックリスト」
判定します。
Aの数で判定します。
(AとBの数を足したら4になるはずですね)
Aゼロ(=B4つ)の方… 完全な21世紀型です。
A1つ(=B3つ)の方… ほぼ21世紀型です。
A2つ(=B2つ)の方… やや21世紀型です。
A3つ(=B1つ)の方… やや昭和型です。
A4つ(=Bゼロ)の方… 完全な昭和型です。
だから何なんだよ、と言いたくなるような判定ですが…。
<オススメ書籍>
「パーソナルブランディング」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4492555374
松宮園生です。
宇宙、行ってみたいですよね。
NASAの宇宙飛行士が何をどのように
食べているのかをちょっとレポートします。
宇宙は無重力の世界ですので、
食べ散らかすのは厳禁です。
食べ散らかしたものが空中を浮遊して
宇宙飛行士の目や鼻に入ったり、
空気清浄機などの機械に入り込んで
故障の原因になったりするのは避けなければなりません。
食べ散らかさないように、いろんな工夫がされています。
* できるだけ1口サイズにする
* 水分の少ないものには水分を加えて食べる
* こぼさないように、ゼラチンで食品をコーティングする
* 調味料は、ケチャップ、マスタード、マヨネーズはそのままで OK だけど、塩コショウは水に混ぜた形で使うようです。
なお、食事の回数は地上にいるときと同様、24時間で3回食べるようです。
宇宙食もいまでこそかなり進歩し、飛行機のなかで出される食事にだいぶ近い感じがしますが、昔はたいへんだったようです。
アポロ計画が始まる前、宇宙食は主にチューブからひねり出たどろっとしたもの(ベビーフードみたいですね)を食べていたようです。
あと、アルミホイルに包んだよくわからない料理とか。
冷蔵庫がなかったこともあり、使える食材にもかなりの制限がありました。
味も、お世辞にもおいしいとは言えなかったそうです。
当然、食事のバラエティーというものもなく、いつも同じ食事。
その後、有名な「アポロ計画」が始動しました。
NASA にとってはソ連(当時)との宇宙開発競争に勝つこと、ソ連より早く人類を月面に立たせることが最重要課題でした。
宇宙飛行士の食事が美味しかろうが不味かろうがどうでもよかったのです。
しかし宇宙飛行士にはグルメが多かったようで、
「食事がまずい。味気ない。こんなんで月に行けるかバカヤロー」
と彼らはさんざん文句をたれました。
彼らの文句のあまりの激しさに NASA も驚き、宇宙食の改良に本腰を入れました。
その結果、チューブ食品は消え、こういう食事が宇宙でも食べられるようになりました。
* シュリンプ・カクテル
* チキン野菜炒め
* プリン
↓
ほかにも、こういう進歩がありました。
* オーブンが常設された
* お湯が使えるようになり、フリーズドライ食品をこれまで水で溶いていたいたものを、お湯で戻すことができるようになった
* 容器が使いやすくなり、そのおかげでスプーンを使えるようになった
アポロ計画が終了したあとも、宇宙食は改良されました。
たとえば今では、
* 技術が進んで船内が広くなり、これまでなかった「ダイニングルーム」ができた
→椅子に座ってテーブルの上で食べられるようになった
* 冷蔵庫・冷凍庫が常設されるようになった
ということで、ずいぶんと人間らしい食生活ができつつあるようです。
◆◆◆
いまから10年後の話です。
人類初の火星行きロケットの乗組員を NASA が募集しました。
定員は1名です。
しかもこの宇宙飛行は片道のみでした。
つまり、2度と地球に戻れないのです。
人類を代表して歴史的な快挙をなしとげるための、献身的なヒーローが求められていたのです。
最終選考に、3名の候補が残りました。
最初の候補者は、科学オタクの青年でした。
NASA の面接官は、報酬としていくら欲しいかを青年に尋ねました。
「1億円ほしいです」青年は答えました。「そのお金を MIT(マサチューセッツ工科大学)に寄付したいです」
2人目の候補者は医者でした。
面接官は同じ質問をしました。
医者は言いました。「2億円ほしいね。1億円は家族に残し、あとの1億円は医学の発展のために使いたい」
3人目の候補者は、なんとこのブログの常連、浮気農家のジョン・ソイビーンでした。
「きみは火星がどんなに遠くにあるか、理解しているかね?」面接官は言いました。「生きているあいだには地球に戻れないのだ。それほど遠くにある惑星なんだよ」
「よく分かっているでござる」ジョン・ソイビーンは落ち着き払っていいました。
「で、きみは報酬をいくら、ほしいのかな?」
ジョン・ソイビーンは面接官の耳元でささやきました。「3億円、頂戴したいでござるよ」
「ずいぶんと高くでたねえ」と面接官。「いったい何に使うのかね?」
「3億円受け取ったあかつきには」ジョン・ソイビーンは言いました。「貴殿に1億円を進呈いたそう。拙者も1億円、いただくでござる。で、先ほどの科学オタクの青年に火星に行ってもらえばよろしい」
<おススメ書籍>
「家族で楽しむ! おもしろ科学実験 キッチンで作って・食べて・科学する」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4797343559
松宮園生です。
(前回のあらすじ)
前回は管理栄養士の歴史について書きました。
栄養不足の時代(昭和型)から、飽食の時代(21世紀型)へと、
栄養士に求められるものも変わってきています。
前回 「ファイター栄養士 その1」
http://www.shokuiku-pro.com/production/2009/09/1_33.html
◆◆◆
今回は栄養士と保健指導の話です。
2008年4月から日本全国で
「特定検診」→「特定保健指導」
が始まりました。
メタボな人を見つけるのが「特定検診」。
発見されたメタボな人の日常生活をビシバシ(←死語)ムチ打つのが「特定保健指導」。
対象になるのは40歳以上の人です(正確には、40歳から74歳まで)。
40歳以上の人の手元に毎年、
「特定検診を受けなさい。サボったら怖いよ」
という案内が来ます。
じつはサボっても罰は下りませんが、サボっているとしつこく案内が来ます。
↓
特定検診を受けた結果メタボだと判定された人には、
「保健指導を受けなさい。サボったら怖いよ」
という案内が来るでしょう。
これも実際はサボっても罰は下りませんが、サボっているとしつこく案内が来ます。
なぜしつこく案内が来るかというと、
「サボっても本人は罰を受けないが、健康保険組合が本人の代わりに罰を受ける」
ことになっているからです。
ですので、健康保険組合は必死であなたを追いかけ回すことでしょう。
このへんの「舞台裏事情」については別の機会に説明します。
◆◆◆
で、保健指導を受けなさいと言われ、追いかけ回され、観念して保健指導を受けたとします。
おずおずと呼び出されたところに行くと、そこに保健指導の専門家が腕組みして待ち構えています。
どんな人が待ち構えているかと言うと、たいていは管理栄養士か保健師か健康運動指導士で、たまには医師もいたりするかもしれません。
人生上、今まで栄養士さんとの接点がなかった人も、ここで栄養士さんと会話をする可能性が高い。
彼らから日常の生活習慣について厳しく指導を受けます。
* 起きる時間、寝る時間。
* 食べる時間、食べるもの、食べ方。
* 運動。
こうした内容について、口を挟まれるわけです。
うざかろうが面倒くさかろうが、口を挟まれるわけです。
40歳以上の方。ちょっと腹回りを落として、メタボ判定されないように頑張りましょう。
39歳の方。38歳の方。もうすぐ順番が来ますので、今のうちに手を打っておきましょう。
保健指導を担当する管理栄養士さんへ。
なにとぞ、お手柔らかにお願いいたします。
◆◆◆
話は変わります。
おなじみ剛腕の管理栄養士、佐久間象子。
のしのし歩く姿に、怯えた人も多いことでしょう。
その佐久間象子が、栄養士仲間2名(Aさん、Bさん)を引き連れて旅行をしたときのエピソードを紹介しましょう。
栄養士3人は休暇をとってグリーンツーリズムと洒落こみ、農村に出かけました。
保健指導や栄養指導はけっこうストレスがたまります。
空気のきれいな農村で、リフレッシュしたかったわけです。
ところが3人は道に迷ってしまいました。
予約した目当ての農園が見つからないまま、日が暮れてしまいます。
しかたなく、3人は一夜の宿を求め、近くにある農家の家をノックしました。
もともと行く予定の農家ではない、別の農家です。
事情を聞くなり、家主の農家が言いました。
「分かった。泊まっていきな。ただし2つ条件がある。おれは朝が早いから、おたくらもすぐに眠ること。それから、来客用の寝床が2人分しかなくてな、おたくらの誰か1人は納屋で寝てもらわんと」
「それなら大丈夫です」栄養士Aさんが答えました。「わたしがいちばん年下なので、わたしが納屋に寝ることにします」
指示された納屋へ向かうAさん。
あとの2名は家の中に入れてもらい、寝床に横たわりました。
しばらくして、ノックの音がしました。
農家がドアを開けると、さっきのAさんが立っています。
「どした?」と農家。
「起こしてすみません。じつはその」Aさんはすまなそうに言いました。「ご厚意で泊めていただいているのにこんなこと言うのは心苦しいのですが、あの納屋
では眠ることができません。納屋にはブタがいますよね? わたし、ブタに対するアレルギーがひどいんです。ブタが嫌いなわけじゃないのですが、このままで
は全身が腫れあがってしまうんです…」
「ブタのアレルギーか。それじゃ仕方がないな」
それを聞きつけたBさんが、では自分が納屋に行くと言いました。
というわけで、佐久間象子とAさんが農家宅で、Bさんが納屋で眠ることになりました。
しばらくしてノックの音がしました。
ドアのむこうに、Bさんが立っています。
「今度は何か?」と農家。
「起こしてすみません。じつはその」Bさんもすまなそうに言いました。「ご厚意で泊めていただいているのにこんなこと言うのは心苦しいのですが、あの納屋
では眠ることができません。納屋にはニワトリがいますよね? あたし、ニワトリに対するアレルギーがひどいんです。ニワトリが嫌いなわけじゃないのです
が、このままでは呼吸不全になっちゃうんで…」
「ニワトリのアレルギーか。それじゃ仕方がないな」
農家・Aさん・Bさんの3人は、そこで佐久間象子のほうを見ました。
佐久間象子が不服そうに言いました。
「わたくしですか? わたくしは管理栄養士であるだけでなく、栄養教諭であり、フードコーディネーターでもあります。それだけではありません。食育必死講座1級でもありますし、食育プリーチャーの資格も取っています。そのわたくしに、何か?」
農家が言いました。「あんた、友達が2人ともアレルギーだっつう話は聞こえてたよな?」
「わたくし、食育推進士試験はムラサキ合格しています。さらに炭水化物のソムリエでもあり、日本カルパッチョ協会認定カルパッチョ講師の免状も持っているのです。そんなわたくしに、何をさせようと言うのですか?」
「何をわけの分かんねーことを言ってんだ」と農家。「今度はあんたの番だろ。さあ行った行った」
そう言われてはどうしようもありません。
佐久間象子はしぶしぶ、納屋のほうに向かいました。
ほどなく、ノックの音がしました。
「またかよ。っとにもう」
農家はイライラしながらドアを開けました。
すると、ドアの外に、ブタとニワトリが並んで立っていました。
<オススメ書籍>
「コーチングで保健指導が変わる!」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4260006126
松宮園生です。
「食育といえば、アタシたちの出番でしょ」
そういうプライドを持っているのが、管理栄養士です。
管理栄養士は国家資格です。
「そのへんの資格講座で、片手間で勉強しただけの人とは違うのよ」
そう思っています。たぶん。
ま、実際、管理栄養士になるための勉強は、大変そうですし。
管理栄養士の国家試験の合格率って、3割くらいだそうです。
管理栄養士の資格保持者は全国に十数万人いて、毎年5000人くらいずつ国家試験に合格して(=増えて)いるみたいです。
女性が多いですが、男性もいます。
名称ですが、
* 栄養管理士
* 管理栄養士
どっちだったかなー、とアヤフヤな気分のアナタ。
正解は、「管理栄養士」です。
「管理」が先。「栄養士」が後。
↑
男性諸君、ここを間違うと機嫌を損なう管理栄養士さんは少なくないので、彼女が管理栄養士だったら間違えないように。
* 管理栄養師
* 管理栄養士
これはどっちが正解でしょうか。
↑
医師や保健師が「師」なので、よく混乱しますが、正しくは「士」です。
多くの管理栄養士さんは「士」よりも「師」のほうが格が上だ(=自分たちも「師」がいいのに)と思っているみたいです。
でも、同じように世間から尊敬されている弁護士や公認会計士は「士」なわけですし、ま、あまり気にしなくていいんじゃねーの?
◆◆◆
管理栄養士はカンタンに言えば栄養指導のプロです。
似たような資格はアメリカなど海外にも存在していますが、世界で初めて栄養士が誕生したのは今から80年前の日本です。
世界初です。
佐伯博士という人がいまして、この人の尽力で日本初=世界初の栄養士が生まれました。
日本が世界に先駆けて「栄養士のいる国」となったのには理由があります。
日本政府(当時は大日本帝国)は「富国強兵」を旗印に、軍隊を強くしたいと考えていましたが、そのためにも日本人の体格を改善しなければなりませんでした。
欧米人に比べて、日本人の体格は非常に小さかった。
そこで、
(1)工場などの職場、学校などで集団給食を実施する
(2)集団給食のメニューを栄養学にもとづいたものにし、体格改善につなげる
ということが試みられたわけです。
その後、日本は第2次世界大戦の敗戦国になりました。
憲法も変わり、「富国強兵」をやかましく言う必要はなくなりました。
じゃあ栄養士みたいな仕事も不要になったかというと、そうではありません。
敗戦後の食糧不足から栄養失調の危険が高まり、少ない食糧を有効利用できる知識を持つ栄養士は引き続き必要とされました。
てゆーか、引っ張りだこだったようです。
「栄養士法」なんて法律もできてます。
◆◆◆
その後、ご存じのとおり、敗戦から立ち直った日本は逆に世界有数の経済大国になりました。
食べものに困らない国になりました。
困らないどころか、残りものを捨てるほどの国になった。
もともと、
「栄養不足を改善する」
のが栄養士の仕事だったことからすると、ここで栄養士の役割は終わります。
事実、1980年代くらいには
「栄養士の資格制度なんていらねーじゃん」
という動きもあったようです。
ところが今度は
「飽食がもたらすマイナス」
がいろいろ表面化してきました。
あらためて書くまでもないですが、飽食は生活習慣病のリスクをもたらしました。
メタボリック・シンドロームなんて言葉が流行語にもなりました。
栄養管理のスペシャリストである管理栄養士の重要性が、再び認識されるようになったわけです。
ただし
* 食料不足のときの栄養士(昭和型)
と
* 食料過多のときの栄養士(21世紀型)
とでは仕事の内容がゼンゼン異なります。
前者(昭和型)は、献立を考えるのが主な仕事でした。
後者(21世紀型)は、本を書いたりセミナーをしたりするのが、主な仕事になっています。
それもあってか、昭和型の栄養士は良妻賢母みたいな人が多く、これが21世紀型になると、ちょっとしたタレントみたいな人が増えてきています。
(以下次号)
<オススメ書籍>
「管理栄養士のキャリアデザイン」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4759811338
松宮園生です。
「ウチのダンナ、脂っこい食事ばっかりするのよねー。でも健康診断は異状なし。このままじゃ生命保険の掛け金がムダになっちゃう」
「僕の10歳年上のヨメさんはさ、食後にかならずチョコレートをひと箱、食べてるんだけどさ、全然太らないし、健康診断も異常ないんだよな。このままじゃ、遺産をもらえるのはだいぶ先になっちゃうよ」
「そうかい。オレなんか、食事に気をつけてるつもりなんだが、いつもコレステロール高いと医者に言われるんだ」
この会話を読んで、どう思いましたか?
「不倫してるカップルが、お互いの配偶者を始末しようと、怪しげな殺し屋に相談しているところ」
を想像した人。
ひょっとしたらそうかもしれませんが、まあ、ここでは深読みするのはやめておきましょう。
(よいこは犯罪はやめましょう)
今回の主題は、
* 脂っこい食事をしているのに平気な人がいるのはなぜか
* チョコレートを食べまくっているのに平気な人がいるのはなぜか
* 反対に、食事に気をつけているのに健康診断で注意される人がいるのはなぜか
という話です。
で、なぜでしょう。
これまでこうした事実は科学者を悩ませてきましたが、どうやらその違いは遺伝子にあるようです。
遺伝子に原因があるので、一人一人、違うわけです。
ビタミンやミネラルのような栄養素、アントシアニンやイソフラボンのような機能性成分は、カラダのなかでどのように働くのか。
遺伝子によって、その働き方は違うのか。
違うとしたらどう違うのか。
てなことを詳しく研究する学問が、21世紀に入ってから生まれました。
ニュートリジェノミクス(nutrigenomics)と呼ばれています。
予防医学・栄養学・食品学での新しい研究領域です。
ニュートリゲノミクス、と発音する人もいます。
1991年に、人間の遺伝子の配列を解読しようというプロジェクトが始まり、2003年に完了しました。
完了したときは大騒ぎになりましたね。
メディアでも騒がれたので、覚えておられる方も多いと思います。
アポロ11号が月面着陸したときほどの派手な騒ぎではありませんでしたが、科学の世界では月着陸に匹敵する偉業とされています。
で、
「遺伝子解読プロジェクトは完了した。人間の遺伝子がどうなっているか、かなり分かった。次は、これを応用する時代だ」
てなわけで、ニュートリジェノミクス(nutrigenomics)という学問が誕生したわけです。
◆◆◆
この学問が発達すると、こんなことができるようになると言われています。
「あなたにピッタリの栄養素、あなたには向いていない栄養素が分かる」
「あなたにピッタリの食べ物、そうでない食べ物が分かる」
たとえば、あなたはカルシウムをさほど必要としていない人かもしれません。
逆に、ビタミンCは普通の人の10倍、必要なのかもしれません。
あなたにピッタリのチョコレート、あなたには無理なチョコレートが分かるかも。
たとえば、ゴディバはあなた向き。
僕にはデメルのザッハトルテが適切、なーんてことになるかも。
和食が向いている人
中華料理が向いている人
インド料理が向いている人
とか、そんな区別が出てくるかもしれません。
風邪をひいて医者にいったら、遺伝子検査をしたあとに、こういう処方箋をもらうかもしれません。
「南アフリカ産のグレープフルーツ(白)、3日分。食後30分以内に食べてください。なお、同じ南アフリカ産グレープフルーツでも赤は食べないこと。また、フロリダ産グレープフルーツは赤白問わず厳禁」
◆◆◆
…なんですけどね。
科学者の先生方が
「これからはニュートリジェノミクスの時代だ。ざまーみろ」
と、誰にざまーみろなのかよく分からないのに威張っていたのは6年も前です。
あれから6年たつんですけど、その後、発見とか発明とか、あったのかなあ。
専門家のなかではいろんな発見とか発明とかがあったんでしょうけど、われわれ一般人には知られていないような気がします。
デメルのザッハトルテ、僕に向いているのかどうか、早く教えてください。
<オススメ書籍>
「百科 クスリになる食べ物―自宅キッチンでできる食養生」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4391136279