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2009.08.30 16:52

食育ロボット序曲

 

 

松宮園生です。

日本食育大学の天才科学者、ロバート・シトピッチャン教授。
ノーベル食育賞に最も近い日本人だと言われています。

(日本人だったの?)

シトピッチャン教授は数々の食育的発明を成し遂げましたが、なかでも代表作は、
「食育ロボット アンドリュー77型」
でしょう。

  アンドリュー77型については→ 「食育ロボ発進!」
  http://www.shokuiku-pro.com/production/2007/11/post_92.html

  「食育ロボコップ」
  http://www.shokuiku-pro.com/production/2008/05/post_138.html

◆◆◆

アンドリュー77型を開発するには、莫大な開発資金が必要だったはずです。
そのお金を、シトピッチャン教授はどこから調達したのでしょうか?
じつはシトピッチャン教授にはスポンサーがいました。
有名なIT企業「オレンジソフト」の社長、A・アダムズ氏です。

毎日があまりに忙しく、食生活が不規則になっていたアダムズ社長は、気がついたらすっかりメタボ体型になっていました。
これをなんとかしようと焦ったアダムズ社長。
最初、剛腕の管理栄養士、佐久間象子に相談をもちかけたのですが…。
どうも相性がたいへん悪かったらしく、さんざんな目に遭って逃げ出してきたそうです。
噂では
「腕がもげた」
とか
「頭蓋骨にびびが入った」
とかささやかれていましたが、さすがにそんなことはありません。

アダムズ社長が佐久間象子のもとから逃亡したことは新聞にも載り、オレンジソフトの株価は急落しました。
「オレンジソフト社長アダムズ氏、メタボ対策に失敗!」
というわけです。

そこに登場したのが、シトピッチャン教授です。
シトピッチャン教授は科学の天才でしたが、世渡りもなかなか上手でありました。
彼はまず、オレンジソフトの株をちょこっと買いました。
オレンジソフトが、株主限定で料理イベントをしたり、健康セミナーを開いたり、グリーンツーリズムをしたりしているのを、知っていたからです。
そこに何気なく参加したのです。

有名なシトピッチャン教授が株主イベントに来たことを知ったら、オレンジソフト側も放ってはおけません。
逆に、シトピッチャン教授を講師として健康セミナーに招くようになりました。
ちなみに、株主と良好な関係を結ぶことは、社長さんの重要な仕事のひとつです。
なので、株主イベントを開くならば、ときには社長のアダムズ氏がみずからイベントに顔を出すこともあります。
つまり、シトピッチャン教授とアダムズ社長が出会うのは時間の問題だったわけです。
シトピッチャン教授は、これを利用したのでした。

2人が出会ってからの展開はトントン拍子でした。
シトピッチャン教授の
「食育ロボット開発計画」
を聞いたアダムズ社長、即決で開発費用をすべて負担することにしたのです。
じつはアダムズ社長のファーストネームはアンドリューだったのですが、シトピッチャン教授はそれも計算し、ロボットの名前をアンドリューにすることをさりげなく強調しました。
アダムズ氏が大喜びしたのは言うまでもありません。

(こういうのを喜ぶ社長、世の中にはいっぱいいます。コンサルタント志望のかたは覚えておきましょう)

こうして
「食育ロボット開発計画」
は無事にスタート。
2年後にアンドリューが誕生したのでした。

オレンジソフト社がシトピッチャン教授と組んで食育ロボットを開発する、というニュースは株式市場に好感をもって受けとめられました。
佐久間象子のときはオレンジソフトの株価は下がったのですが、今度は株価上昇。
高い株価を生かして「第3者割当増資」を行ったところ、数億ドルという資金がいっぺんに集まり、そのお金を食育ロボットの開発に使うことができました。

めでたしめでたし。

◆◆◆

オレンジソフトの株価が上がったのは、食育ロボットのヒット商品化が期待されたから、という理由だけではありません。
「アンドリュー77型が完成すれば、アダムズ社長の健康についてもアンドリュー77型が面倒をみてくれるだろう、そうなれば、オレンジソフト社も引き続き利益を出してくれるに違いない」
と市場が判断したから、という理由もありました。
つまり、株式市場はアダムズ社長のメタボが改善し、健康を損なうリスクが減少することを期待していたわけです。

たしかにカリスマ的な社長の率いる大企業の場合、その社長がどのくらい長く健康で活躍できるかを投資家は気にします。
社長の出来不出来が業績に直結するからです。
そうした背景から、アメリカでは1970年代から
「社長さん専門の健康管理会社」
というのが存在しています。
(いまでは日本にもあると思いますが)

食育ロボットの話はフィクションですが、社長の健康状態によって株価が上がったり下がったりすることは現実にあります。
最近の例では、マッキントッシュやiPodで有名なアップル社の社長、スティーブ・ジョブス氏が入院して手術を行った際、
「もう彼は引退するのではないか」
と悲観する投資家と、
「まだまだ頑張ります」
と主張するジョブス氏との間で、アップルの株価は大きく揺れ動きました。

今回の話は、そんなスティーブ・ジョブス氏をモチーフに、書かせていただきました。

とっぺんぱらりの、ぷう。

 

 

 

 

 


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2009.08.27 00:20

イート・エンド・ラン

 

松宮園生です。

理由(わけ)あって、過去に一度だけ、食い逃げ
をしたことがあります。
ま、食い逃げと言いきれるどうかはビミョー
なんだけど。
今回はそれを、カミングアウトします。
聞いてくだせえ。

学生のころだったと思います。
仲良くなりかけていた女の子と食事(夕食)にいくことになりました。

背伸びして流行りのレストランを予約したのですが、行ってみたらなぜか予約が入っていなかった。
焦りましたが、仕方がありません。
レストランと言い争いをしても解決しないし、そんなキャラでもないし、言い争いしてたらせっかくのデートも気分台無しになるし。
それより、彼女に「応用のきかないやつ」と思われないように、素早く次の手を打たなきゃ。

焦る頭脳をむりやり回転させ、近くに飛び込みで行けそうな店がないか記憶を辿ります。
すると、女の子のほうが助け船をだしてくれました。
「前から行きたかった店が近くにあるの。行ってみない?」
僕の失敗を優しくカバーしてくれる、ありがたい提案でした。

◆◆◆

その店は繁華街から奥に入った、住宅街の一角にありました。
1階から上がマンションになっている建物の、地下がフレンチ・レストランになっていたのです。
客の入りもほどよく混んでおり、第1印象は悪くありませんでした。

「素敵なところね」
彼女も満足げです。

メニューを見ながら何にしようか彼女と相談しているとき。
ふと見回すと、客数がさっきの半分くらいになっていました。
いつの間に去っていったのか、全然気がつきませんでした。

メートルというのかギャルソンというのか分からないけど、給仕の人がやってきました。
「ご注文は決まりましたか? メニューについて、なにか御質問ありませんか?」
料理に詳しくない僕はとくに質問を思いつかなかったのですが、彼女は質問をしていました。
どんなソースを使っているかとか、そういう質問だったと思います。
注文は、彼女がてきぱきと決めてくれました。

そのあとソムリエがやってきて、ワインの説明をしました。
こっちは学生ですので、あんまり予算もありません。
それを正直に話すと、ソムリエのほうでコストパフォーマンスの良い白ワインを勧めてくれました。
なんというワインだったかは聞かないでください。
さっぱり頭に残っていないので。

「オーダーする」という緊張の手続きを終え、ふとあたりに目をやると…。
客が、すっかりいなくなっていました。
彼女と僕の、2名だけです。

心なしか、照明も弱くなっているようでした。

◆◆◆

白ワインが運ばれてきました。
「テイスティングしますか?」
とソムリエが聞いてきました。
あまりよく分からなかったので、どうしようかと思っていると、
「わたし、やってみたーい。いい?」
またもや彼女が助け舟を出してくれました。
ほっとしました。
その後すぐに前菜が運ばれてきました。

ワインを持ってきたソムリエと、前菜をもってきたメートル(またはギャルソン)が立ち去ったあと、彼女が言いました。
「ねえ、なんだか静かすぎない?」
たしかに静かでした。
さっきまでかかっていたBGMが、もう流れていないのです。
遠くに見える厨房からも、音は聞こえてきませんでした。
おまけに、一段とまわりが暗くなったような気がします。

「でも、このテリーヌ、すごくおいしい」
前菜をひと口、口に入れた彼女が、嬉しそうにいいました。
その言葉が、僕にはなんとも救いでした。

ですが、そのあとは会話もなく。
周囲の静けさに気押されたかのように、2人は黙々と前菜を食べました。
フォークやナイフが皿と触れ合う音だけが、やけに響きました。

せっかくのデートも、雰囲気がおかしくなってきました。
気分をもりあげようと気の利いたことを言いたかったのですが、そんなセリフが出るわけもなし。
ときどき顔を見合せて、目が合ったらニコッと笑うくらいしか、コミュニケーションはありませんでした。
そのうち、目を合わせても彼女は笑わなくなりました。

このデートは失敗だ…。
僕は覚悟(←何の覚悟?)を決めました。

前菜を食べ終わったころ、メートル(またはギャルソン。まあどっちでもいいけど)が次の料理を運んできました。
どこからかソムリエも現れて、残り少なくなったグラスに白ワインを注ぎ足していきました。
メートルとソムリエが去ると、ふたたび静寂が訪れます。

あたりはいっそう暗くなりました。
天井の照明は消えていました。
テーブルの上にはキャンドルが立てられているのですが、このテーブルのキャンドルだけに火がついていました。
要は、これが唯一の灯りだったのです。

◆◆◆

「なんか変だね。暗いね」
僕が思い切って口を開くと、彼女も黙ってうなずきました。
「もう少し、明るくしてもらおうか」

それを店員に伝えたかったのですが、見回しても誰もいません。
奥に引っ込んでしまっているようです。

店員を呼ぶために立ち上がろうとする僕を、彼女が止めました。
「いいの。どこにも行かないで」
「え?」
「お願いだから、ここにいて」
驚いたことに、彼女の声は、震えていました。
半腰だった僕は、椅子に座りなおしました。

沈黙。

さっきから、彼女の様子がどうもおかしい。
「どうしたの? 気分でも悪いの」
首を横に振る彼女。

沈黙。

しばらくして、彼女が口を開きました。
「ねえ」
「うん?」
「わたしのこと、好き?」
「え?」
「答えて」その声は、まだ震えていました。「わたしのこと、好き?」

唐突な質問にあっけにとられました。
いきなり告白タイムか?

「答えて。お願いだから、答えて」
「う、うん」僕は答えました。「まあ、好きじゃなかったら食事に誘わないし…。誘ったということは好きだということで…」
よくある少年漫画の主人公みたいな「あたふたした」セリフです。

すると彼女が言いました。
「わたしもあなたのことが好き」
「え?」
「あなたのことが好き」
「まじ?」

このデート、失敗したと思ってたらそうじゃなかった…。

「だから約束してくれる?」
「約束?」いきなり両想いになった喜びを感じながら、でも不安な面持ちで「どんな約束?」
「何があっても、わたしを置いていかないって、約束して」
「どうしたの」
「早く約束して。何があっても、わたしを1人ぼっちにしないって、約束して」
その声は涙声に変わっていました。

「わ、分かったよ。約束する」僕は言いました。「約束するよ」
「絶対? 絶対約束だよ」
「うん。絶対、約束だ」
すると、彼女は自分の足元のほうを指さしました。
「テーブルの下、どうなってるか見てほしいの」
「テーブルの下?」
「いいから、見て」

キャンドルの光が届いているのはテーブルの上だけです。
テーブルの下は真っ暗でした。
僕はキャンドルを持ち、2人の足元を照らしました。
目をこらすと…。

床から2本の腕が伸びて、彼女の両足を掴んでいるのが見えました。

◆◆◆

それからどうなったかは記憶があいまいです。
人通りのない夜の住宅街を、泣きわめきながら1人で走ったという記憶がぼんやりとあるくらいで。
どうやって家に帰ったかも、うろ覚えです。

その後、彼女とは一度も会っていません。

 

 

 

 

 

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2009.08.22 16:45

健康トロピカ 後編

 

松宮園生です。

(前回の復習)
「26ショック」により、長寿の県としての地位を失った沖縄県。
別の調査では、「肥満度の高い県」というレッテルまで
貼られてしまいます。
おまけに、法律に定められた食育推進計画を県内の市町村が
なかなか進めることができず、その「ていたらく」を新聞で批判
されるという有様。
誇りを傷つけられ、長く辛いトンネルのような日々が始まったの
でした。
それはまるで、かつて「日の沈まない国」と呼ばれた大英帝国が、
今ではすっかり影が薄くなり、もはや大国とは呼ばれなくなったようでもありました。

  前回→ http://www.shokuiku-pro.com/production/2009/08/post_58.html

◆◆◆

沈む沖縄県を尻目に、長寿県競争の世界でめきめきと頭角を現してきた県があります。
福井県です。
福井県の戦績をみてみましょう。

<福井県の平均寿命順位>
1930年:女性46位、男性45位
1950年:女性39位、男性33位
1975年:女性24位、男性14位
1980年:女性16位、男性6位
1990年:女性12位、男性2位
1995年:女性12位、男性2位
2000年:男女とも、全国2位!

いまや押しも押されぬ実力県なのであります。

福井県側は、
* 県民1人あたりの米を食べる量が、全国1位
* 福井県に伝わる伝承料理には、豆類、いも類などがよく使われている
* 福井の食事は塩分控えめ
* 福井県民は働き者でボランティア活動が盛ん
* 祖先や家族を大切にする県民の気風・気質があり、地域交流も盛ん
* 三世代で暮らす家族が多く、にぎやかな環境
といったことを長寿の理由として挙げているようです。

食育的にいいますと、日本で初めて、食育専門の地方公務員が誕生したのは、福井県の小浜市です。
また、第2回食育推進全国大会の開催地に選ばれたのは、福井市です。

しかし、福井県が長寿県であることは案外知られていません。
おそらく、1位ではなく2位であるところにその原因があるのでしょう。
なんでもそうですけど、1位と2位では、その知名度に差がつくことが多い。

たとえば、
* 世界1のお金持ちがビル・ゲイツ氏であることは有名。では、世界2位のお金持ちは誰?
* 日本1高い山は富士山ですね。じゃ、日本で2番目に高い山は?
* 同じく世界1高い山がエベレスト(チョモランマ)であることは有名ですね。では世界で2番目に高い山は?
* たとえばウィンブルドンでロジャー・フェデラーが優勝したとき、2位だったのは誰?
* ゴルフでタイガーウッズが優勝したとき、2位だったのは誰?
こんな感じで、「2位」というのは、なかなか覚えてもらえないのです。

◆◆◆

沖縄県も、沈みっぱなしというわけにはいきません。
復活しようという意欲、まんまんのようです。

その急先鋒に立っているのが、
「チャンプルースタディ」
と呼ばれる、知る人ぞ知る研究計画です。
琉球大学医学部の等々力先生という方が中心となり、
「沖縄の伝統食を食べるとホントに健康寿命が延びる」
ということを、科学的に証明しようとしています。

「アメリカ人が沖縄伝統食を食べ続けたらどうなるか」
「関東人が沖縄伝統食を食べ続けたらどうなるか」(※)
といったテーマも加わり、研究が進められています。
いずれも、高血圧予防や減量の効果があったそうです。

チャンプルースタディに基づいたレシピも公表されています(※)。
http://w3.u-ryukyu.ac.jp/chample/
1日目に何を食べるか、2日目に何を食べるか、3日目には何を…、が順に書かれています。
16日目のメニューまでがすべて決められています。
詳しい説明は載っていませんが、ここに書かれているとおりに食べてゆくと、血圧が安定し、体重も減る、ということなのでしょう。

この研究はいまも続けられているようです。
いつまで続くのか、最終的にどんな形で完成するのかは分かりませんが、おそらく、
「沖縄ダイエット理論」
みたいなものが誕生するのではないかと想像しています。

  (※)別途、沖縄県のサイトでも、「沖縄100の健康料理」というのが発表されています。
  http://www.pref.okinawa.jp/Ryutu/100hon.htm

というわけで、沖縄県の復活なるか?!
楽しみに待つこととしましょう。

 

 

 

 


<オススメ書籍>

「食でつくる長寿力」
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食でつくる長寿力 (日経プレミアシリーズ)

 

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2009.08.20 19:58

健康トロピカ 前編

 

松宮園生です。

沖縄もハワイも行ったことがない。
そんな「非さわやか系」日本人、
何人くらいいるのでしょうか。

僕もその1人です。

実は行きたい。
でも躊躇する。
相反する感情です。

なぜ躊躇するかというと、「眩しいから」。
僕みたいな「基本インドア」な人間に、沖縄やハワイのドピーカンな明るさは眩しすぎます。
ちょっとこの辺は、屈折したドラキュラ伯爵の気持ちだったりして。
でも行きたい。
行くのが怖い。

この妙な心理、分かります?

でも、沖縄の「ゴーヤ」と「海ブドウ」は大好物なんだよね。

つーわけで沖縄に行ったことがない沖縄チェリーな僕ですが、健康に関する沖縄の話にはわりと興味がありまして。
ネットでいろいろ情報を仕入れていたのを整理してみました。

◆◆◆

ご存じかと思いますが、沖縄は「長寿の県」として有名でした。
ヘルスケアの業界では、わりと世界的に知られています。
県別の長寿ランキングで女性はずっと1位。
男性は4位。

単純に長寿だから良いかというとそうでもなく、ディテールはいろいろです。
たとえば
「元気よく長生き」
なのと
「病床に臥せりながら長生き」
とは違いますね。

とはいえ、長生きは長生き。
文句あるか。
「長寿ナンバーワン県」
は長らく沖縄県民の誇りでした。

◆◆◆

その誇りが無残に打ち砕かれた事件がありました。

2000年の調査だったと聞いていますが、沖縄男性の長寿ランキングが上位から滑り落ちました。
トップクラスではなくなったのです。
しかも、いきなり26位にまで落ちてしまいました。
全国平均も下回りました。
(沖縄女性は1位をキープしました)

男性の部で上位から26位へ、平均以下に転落したことは沖縄県民に大きな衝撃を与えました。
長寿県という誇り、プライドが崩れ去ったわけです。
沖縄県民はこれを
「26ショック」
と呼び、たいへん悔しがっています。

その日から
「上位奪回」
が沖縄県民の悲願になりました。

追いうちをかけるように、2004年でしたか、社会保険庁が県別の肥満度を調査し、
「男女ともに沖縄が肥満率ワースト1位」
という恐るべき結果を発表しました。

◆◆◆

沖縄県民は負けていません。
こう考えています。
「沖縄がかつて長寿を誇ったのは沖縄の伝統食の力によるところが大きい」
「沖縄の伝統食を今までどおり食べていれば、上位奪回はできるはずだ」

じっさい「26ショック」といっても、「65歳以上の男性」に限っていえば平均寿命は全国1位でした。
この「65歳以上の男性」の多くは、沖縄の伝統料理に慣れ親しんだ生活を送っていました。

一方「35歳から44歳の男性」の死亡率はサイアクだったようです。
彼らの生活習慣はアメリカの影響を受けて変わってきています。
この年齢層が沖縄男性全体の平均寿命を押し下げていました。

というわけで、
「35歳から44歳の困った男性諸氏」
をなんとかすれば、
「長寿ナンバーワン県」
の復活も夢ではない。
そう考えた沖縄県は、復活にむけての長く苦しい戦いを始めています。

頑張れ沖縄!

◆◆◆

ところがです。
そんな沖縄県民の努力に水を差すような事件が起きました。

名づけて、「食育推進計画遅延事件」。

沖縄県が沖縄伝統食の地位復活に燃えるかたわら、日本政府は
「食育基本法」
を制定し、各都道府県にこういう命令を出しました。
「都道府県ごとに独自の食育計画を立てなさい」
市町村にも命令を出しました。
「市町村ごとに独自の食育計画を立てなさい」

都道府県や市町村は、好む好まざるに関わらず、食育計画を立てることになったわけです。
みな慌てて食育計画をドヤドヤ作りはじめました。

こうした命令が出たのは2005年のことです。
ところが沖縄の市町村はなんだかノンビリしていたのか、
「そろそろ取りかかるか」
なんて「おっとり刀」状態だったみたいで、2年以上たった2007年の秋になってもあまり進展がありませんでした。

それがこういう記事になりました。

(以下、琉球新報 2007年11月27日の記事から引用)

国の食育推進基本計画に基づき都道府県と市町村に策定が求められる食育推進計画が、県内の市町村では一つも策定されていないことが26日、分かった。
(中略)
県民や行政の「健康長寿県」復活への取り組みに課題や遅れがあることがあらためて浮き彫りになった。
(中略)
報告した沖縄総合事務局農林水産部消費・安全課の担当者は
「(市町村に)もっと頑張ってほしい」
と計画策定の遅れを指摘した。

(引用、終わり)

◆◆◆

前途多難な感じです。

それでもがんばれ沖縄!

やっぱり行きたいぞ!

 

 

 

 

 

<オススメ書籍>

「平成20年版 食育白書」
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平成20年版 食育白書

 

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2009.08.17 22:31

愛しのエカテリーナ

   

松宮園生です。

友人にジョン・ソイビーンという農家がいます。
アイダホ州でトウモロコシを作っています。
もとは大豆を作っていたのですが、
バイオエタノール用にトウモロコシを作ったほうが儲かる
ということで、3年前に大豆栽培をやめ、トウモロコシに
切り替えました。

しかし、トウモロコシの栽培も、本格的にやってみると
ナカナカたいへんだったようです。
なによりトウモロコシ栽培は大量の水を使うらしく、水を
確保するのに設備やらなにやら、いろいろお金がかかった
そうです。

「バイオエタノールはエコっぽいエネルギー源だと思うでござろう、松宮殿?」と、ジョンはあるとき僕に言いました。「しかしでござる。この水の消費量をみたら、貴殿も考えなおすでござろう。ま、作っている拙者が申すセリフではござらんが」

さて、アイダホ州の、彼の住んでいるあたりには牛も多く、なぜか放し飼いにされています。
規模の大きな有機酪農家が、なにか独自の理論、たとえば名づけて「放任無頓着農法」みたいなことでもやっているのかもしれません。
(そんな農法があるかどうかは知りませんが)

なので、散歩しているよく牛と道ですれ違います。
行儀のよい牛ばかりらしく、放し飼いをしていても畑作物を食べられたりすることは全然ないそうで。
村の人々はそれぞれの牛にアレキサンダーだのライディーンだのゴルゴーンだの、勇ましい名前や怖い名前を勝手につけて親しんでいました。

◆◆◆

ある旅行者がこの地域を通過している途中、クルマが動かなくなってしまいました。
なんとかしようとこの旅行者、悪戦苦闘しましたが、どこに原因があるのか分かりません。

そこへ、牛が通りかかりました。
牛はフンと鼻を鳴らし、「あらンお兄さん、いい男ね。さしでがましいようだけど…キャブレターをチェックしたほうがいいんじゃないかしら?」

旅行者はびっくり仰天。
ひいい、と甲高く叫ぶと、クルマを置いて逃げ出しました。

しばらくすると、彼は道端でビールを飲んでいるジョン・ソイビーンに出会いました。
旅行者はどもりながら、いま起きた出来事をあたふたと説明しました。

するとジョンはニヤニヤしながら「嘘でござる。そんなはずはござらん」
「ほほほ、本当なんです! たしかに牛が、キャブレターをチェックしろと言ったんです」
「どの牛でござる? 今時分に散歩しておるのはチムールか、それともエカテリーナか」
「名前言われたって分かるわけないじゃないですか、僕はここの人間じゃないんだから」
「斑(ぶち)は黒だったでござるか、茶色だったでござるか?」
「そんなこと、覚えていませんよ」
「それはそうでござるな。ちょっと待つでござる」
ジョンは携帯電話を取り出し、誰かに電話をかけました。

「…チムールはそちらにいるでござるか? 左様か、かたじけない」
そういって彼は電話を切ると、旅行者に向き直って
「貴殿が出会ったのはチムールにあらず。エカテリーナでござる」
と言いました。

「だから何なんですか? エカテリーナでもなんでもいいです!」旅行者は両手を広げてわめきました。「いいですか。牛がですよ、キャブレターをチェックしろと僕に言ったんですよ」
「そんなはずはござらぬ。貴殿もしつこい御仁でござるな」
「本当ですったら!」

その真剣な眼差しを見て、ジョンは表情を変えました。「本当でござるか?」
「本当です」
「嘘だったら腹を切るか?」
「切ります」
「そこまで申すなら…」ジョンは腕組みをして言いました。「しかしでござる。エカテリーナは機械が苦手でござる。クルマのことはいつ勉強したのでござろうか?」

 

 

 

 

 

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「CSA 地域支援型農業の可能性―アメリカ版地産地消の成果」
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2009.08.14 17:23

タリボン

 

松宮園生です。

(注意)
食事中には読まないことをオススメします。

◆◆◆

ある日のこと。

日本人どうし、数人で連れ立ってロサンゼルスの繁華街の一角にある、有名な自然食品店をぶらぶらしていたときのことです。
その店を仮に
「食育原理主義の店 タリボン」
と呼ぶことにしましょう。

同じ自然食品店でもホールフーズ・マーケットあたりは内装も近代的。
雰囲気も清潔で居心地がよいのでけっこう「安心して遊べる。

しかしタリボンはぜんぜん違いました。
入った瞬間、
「あ」
思わず声が出ます。
敵に追われているスパイが、隠れようとしてそのへんの空き家のドアをあけたら、そこにも追っ手がいた。
そんなときの
「あ」
になんとなく近い。

たちこめる妖気。
嗅いだことのない不思議なアロマ。
ビミョーに静かな店内。
至るところにいるのに、気配のしない店員たち。
明るいのか暗いのかよくわからない店構え。
「IN(入口)」と書いた立て札はあるのに、「OUT(出口)」の立て札が見当たらない。
店のまんなかに、仏像、立ってます。
タリボンは、そんなたたずまいでした。

しかし友人たちは当初、その怪しげな雰囲気をかえって面白がりました。
ここで売っているものを、日本へのお土産を買おうと、商品を物色しはじめたのです。
小一時間かけてお土産を選んだ彼ら。
イグサで編んだような買い物カゴが、有機とかそういうのなんだろうけど正体不明の食品でいっぱいになっています。

そのときです。
「松宮さん、これ、どういう意味ですか?」
サプリメントっぽいのが並んでいる棚のところから、友人の1人が手まねきをしています。
「アンチ・パラシテって何ですか?」

見ると、その棚には大きく
「ANTI PARASITE」
と書いてありました。
ローマ字読みをすれば「アンチ・パラシテ」ですけど、英語読みをすると「アンタイ・パラサイト」です。

うげ。
寄生虫対策のサプリメントだ…。
ようするに、虫下し。

「き、寄生虫ですか?」
友人も目を白黒(←死語)させています。
「そんなサプリメント、あるんですか? しかもこんなにたくさんの種類が?」
「自分もこんなの、初めて見ました」僕も震えながら答えました。

寄生虫対策サプリの棚は、両手を広げたくらいの幅で、2メートルくらいの高さがありました。
そんな棚いっぱいに、いろんな種類のサプリメントが並んでいたのです。
これはいったい何を意味するのでしょうか?

僕は冷や汗をたらしながら言いました。
「店の奥に、オーガニック野菜のコーナーがありましたよね。きっとあれ、筋金入りのオーガニック野菜に違いありません」
「筋金入りのオーガニック野菜?」
「だから食べると、寄生虫が…」
友人の顔色が変わりました。「や、やめてください」
「ここで買い物をする人は、自然な食生活をするためなら、寄生虫がわいても構わないと思ってるんじゃないでしょうか?」
友人は黙りこみ、買い物カゴいっぱいに詰めこんだ商品を元の場所に戻し始めました。

ここに来店する地元の人は、ロサンゼルスのなかでもわりと生活が豊かで、ロハスっぽいライフスタイルをしているはずです。
ある意味、最先端の人たちなんだけど。
その最先端の人たちは、寄生虫を受け入れる気持ちになっているんだ…。

意気消沈して店を出た日本人御一行と松宮。
西海岸のさわやかな夕陽がまぶしかったのが、唯一の救いでありました。

読者のみなさま、ゴメンナサイ。
今回はショックのあまり、オチ無しです…。

 

 

 

 

 

<オススメ図書>

「世界の食文化」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4540040855

世界の食文化〈12〉アメリカ

 

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2009.08.11 19:27

食料自給率2.0

 

 

松宮園生です。

「クッキング自給率(料理自給率計算ソフト)」
なるソフトウェアがあります。
農林水産省のウェブサイトからダウンロードできます。
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/zikyu03.html

こういう説明が書いてあります。
「料理に使用されている食材とその量から容易にその料理の国産使用率(入力によっては地元産使用率)を計算することができ、食材に国産(地元産)のものを使用した場合に、その分国産(地元産)使用率が高く表示されるなど、国産(地元産)食材へのこだわりを数値として表すことができるものです」

解説しましょう。
「いま食べてるこのカレーライス、どのくらい国産の食材を使ってるのかしらん」
とあなたが思ったとします。
そんなとき、パソコンを広げて、このソフトで調べるのです。

ああ、しかし、カレーを食べてるときにそんなこと調べたりするのもちょっと。
レストランでそんなことしたら、なんだか変な人になってしまいますね。
ちなみにカレーの食材の国産率は50パーセントくらいのようです。

「オリジナルの料理の場合は、どうやって調べるのか?」
と疑問が浮かんだアナタ。
説明を読んでみると、こう書いてありました。
「オリジナルメニューについて調べたいとき(中略)調べたいメニューに一番近いお料理を(選択肢の中から)選択します」
だそうです。

似ている料理を探さなくてはならないのか。
なんだか拍子抜けですね。
ミシュランで三ツ星をとった「ジョエル・ロブション」あたりで出てくる、
「オマール海老のケサディーヤ ?ワカモレとトマトサルサで?」
みたいなメニューだと、どうやって似ている料理を探せばいいんだよ?

このソフト、うーん、ダウンロードしようか…。やめておこうか…。

うなうな迷っていると、こんなものを発見しました。
料理別の自給率がすぐに分かる一覧表です。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/0320.html

◆◆◆

この一覧表を見ながら考えました。
食料自給率を上げるということは、輸入率を下げるということですね。
輸入率を下げるには、
* 輸入率の高い料理は食べない。
* 輸入率の低い料理を食べる。

これだ。
これです。

「輸入率の高い料理」を食べるやつは、悪の帝王だ。
正義の味方は、「輸入率の低い料理」を食べるのだ。

では何を食べればいいのでしょうか。
何を食べたら、日本の食料自給率アップに貢献できるのでしょうか。
その答えが、この一覧表で分かるわけです。

「あなたにもできる、食料自給率をあげる正義の料理選び。これを食べて悪の帝王を打倒せよ」
というわけです。

この一覧表によると、「正義の味方料理」には例えばこんなものがあります。
完全100パーセントの自給率ではないが、自給率の高いものだそうです。
* 漬物
* 大根
* ご飯
* ぶりの照り焼き
* ちらし寿司
* 煎茶
* カツオのたたき
* アジの塩焼き
* ホウレンソウのおひたし
* マグロのやまかけ

「悪の帝国料理」には例えばこんなものがあります。
* ラーメン
* ビール
* 焼きそば
* 豚の生姜焼き
* ピザ
* ハンバーグ
* 餃子
* 鶏のから揚げ
* すき焼き
* 焼き鳥

ふふん。いかにもメタボ男性の好みそうな料理ではありませんか。
世の男性よ、こういうものを我慢すれば、メタボから脱却し、かつ国にも貢献できるのですぞ。

しかし問題が2つあります。

ひとつは「肉じゃが」です。
肉じゃがは世の男性が彼女に作ってほしい料理ナンバーワンだそうですが、じつは「悪の帝国料理」の一員です。

ふたつめですが、「悪の帝国料理」のなかにこういうビミョーなものがありました。
* 納豆
* 野菜炒め
* ロールキャベツ
* 冷奴
です。

この面々、栄養士さんオススメ、ヘルシー系の料理ですよね。
「納豆はカラダにいいよ」
「豆腐はヘルシーよ」
等々、よく聞く言葉です。
それなのに、自給率という意味では悪の帝国なのでした。

納豆よ、お前もか。

 

 

 

 

 

<参考書籍>

「国産美人」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/439644009X

国産美人 食&スキンケア

 

 

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2009.08.07 01:13

ジャックポット・ピザ

 

松宮園生です。

メタボ指導が厳しくなったとしたら…。
数年後、こんな世の中になってたりして。

オペレーター「お電話ありがとうございます。ジャックポット・ピザでございます。まずお電話番号からいただけますか?」
松宮「電話番号ですか。えっと、03-XXXX-XXX です」
オペレーター「松宮様ですね。住所は目黒区で間違いありませんか?」
松宮「はい、そうです」
オペレーター「ご本人確認をさせていただきます。正確な BMI を小数点以下6桁までおっしゃってください」
松宮「は?」
オペレーター「BMI でございます。特定保健指導ノートはお持ちですよね」
松宮「あ、あるけど…」
オペレーター「松宮様の身長と体重が載っているはずです。そこから BMI を算出していただき、その数字を教えてください」
松宮「そんなこと言われても…」
オペレーター「電卓はお持ちですよね? BMI の計算のしかたはお持ちの特定保健指導ノートに書いてあります」
松宮「やだなあ、そんな面倒なの」
オペレーター「BMI 確認は法律で定められております。ご理解ください」
松宮「しかたねえなあ…えっと、ピ・ポ・パ(←死語)…。23.908121。これでいいわけ?」
オペレーター「ありがとうございます。ご本人確認ができました。ではご注文をどうぞ」
松宮「43番の、チーズカルテットの B サイズをお願いします」
オペレーター「松宮様。そのご注文はお勧めできません」
松宮「は?」
オペレーター「松宮様の特定保健指導の詳細は、私どものシステムとつながっているのです。チーズカルテットを入力しましたら、画面に警告が出ました」
松宮「なんだよそれ。どうでもいいじゃん。僕はチーズカルテットを食いたいんだ」
オペレーター「警告が出た場合、その注文をあきらめてもらうよう説得するよう、販売する私どもに義務づけられているのです」
松宮「何を食べようと、勝手だろ」
オペレーター「おっしゃる通りです。しかし法律では、最低1分18秒以上、私は松宮様の説得に努めなければなりません。チーズカルテットは松宮様の食生活を改善するメニューには該当していないのです」
松宮「じゃあ、僕は1分18秒以上、粘ればいいわけだよね。でも何だよ、その18秒なんて中途半端な数字は?」
オペレーター「松宮様。お体のことを考えて、ご注文を変えていただくわけにはいきませんか?」
松宮「分かったよ。しかたねえな、じゃあ10番の大豆ピザにするよ。サイズは B で」
オペレーター「賢明な選択です。すばらしい。日常のちょっとした選択で、松宮様の未来が変わるのです」
松宮「は?」
オペレーター「説得に成功したら、お客様をほめちぎるよう、法律で定められていますので」
松宮「はいはい。お好きなようにやってください。飲みものも注文したいんだけど」
オペレーター「ご注文をどうぞ」
松宮「コーラを」
オペレーター「松宮様。画面にまた警告が出ました。音楽が鳴っているのは聞こえますか? これは警告ミュージックです」
松宮「警告ミュージックって…。ダース・ベイダーのテーマソングじゃん、これ」
オペレーター「松宮様。飲みものもヘルシーなものに変えることをお勧めします」
松宮「コーラはやめとくよ。コーヒーならいいわけ?」
オペレーター「ホットコーヒーですね? 砂糖とミルクはおつけしますか?」
松宮「砂糖をください」
オペレーター「松宮様。申しわけありません。砂糖を入力しましたら警告が出ました。この音楽、聞こえますか? 蒲田行進曲です」
松宮「…砂糖はあきらめるよ」
オペレーター「賢明な選択です。すばらしい。松宮様のランチメニューはとてもヘルシーになりました。では出来上がりまで45分ほどお時間をください。お越しをお待ちしております」
松宮「えっ、行くの? 宅配じゃないの?」
オペレーター「松宮様には、宅配ではなく来店していただくよう、画面に指示が出ております。法律により、松宮様に来店していただくよう説得することが、私どもに義務づけられています」
松宮「それもまた1分18秒なの?」
オペレーター「おっしゃる通りです」
松宮「要するに、歩けということだろ」
オペレーター「45分間しっかり歩いていただきたいので、ご来店の場所は品川とさせていただきます」
松宮「えっ品川? 目黒から品川まで歩くの? それって遠すぎるよ」
オペレーター「ちゃんと歩いてきていただいたことを確認するために、松宮様の万歩計をチェックさせていただきます。チェックが済みましたら、おほめいたします」
松宮「別にほめてほしくなんか、ねえよ」
オペレーター「お会計ですが、大豆ピザの B サイズにホットコーヒーを砂糖なし・ミルクなしでおつけして、全部で8,570円いだだきます」
松宮「えっ? 8,570円。それ、高すぎない?」
オペレーター「松宮様は私の保健指導を受けて注文が変わりましたね? 計算によると、松宮様の健康寿命はこれで2日、伸びました。この価格は保健指導料込みのお得な価格となっております」

 

 

 

 

 

 

<参考書籍>

「食べて痩せる100のコツ」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4838719566

食べて痩せる100のコツ

 

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2009.08.04 21:05

CIA料理学校

 

松宮園生です。

料理の世界にも CIA があります。

Culinary Institute of America
(カリナリー・インスティテュート・オブ・アメリカ)
という名前の有名な料理学校です。
ニューヨーク(東海岸)とサンフランシスコ(西海岸)近辺に校舎があります。
略して CIA。
あのスパイの CIA と同じ略称になります。

何度か書いたように僕は料理まったく詳しくないので、この学校がどのくらいスゴいのかちゃんと説明できないんですけど、なんかかなりスゴいらしい。
ニューヨークのトップ10レストランのうち7軒のシェフは CIA 卒業だそうです。
ある食育講座の先生が言うには、
「料理の世界に東大があるとしたら、CIA がそうだ。でも東大に比べるのは、CIA に失礼だな」
だそうです。

日本の大学と比べるとアメリカの大学は勉強がえらく厳しいのですが、この CIA も同様、厳しいことでも有名です。

知り合いの食品メーカー社長がこのあいだCIA を見学し、帰国してこう言ってました。
「わて、あんなレベル高い料理学校、見たことあらへん。生徒やのうても分かる。せやから来年、息子を留学させよ思てましてな。うちの息子、CIA に留学してまんねん、て言うたら、みなさんビックリしはるやろなあ」
と感激してました。
「松宮はんも、CIA で根性叩きなおしてもろたらどないですやん」

大きなお世話です。

◆◆◆

さて、こっちはスパイのほうの CIA の話。

「ジェームズ・ボンドに負けたらあかん」
そんなキャッチフレーズで以前 CIA がスパイを1名募集したところ、なんと1000人を超える応募がありました。
(ジェームズ・ボンドはイギリスの諜報員ですからね、ボンドだけモテモテでは、アメリカとしても悔しいところでしょう)

しかし1000人もの応募にはCIA も戸惑いました。
「1000人も来てもうた。どないせーっちゅうねん」
ブツクサ(←死語)言ってもしかたがありません。
採用できるのは1名のみです。
そこで CIA 側はさまざまな適正試験を行い、候補者を最終的に3人に絞りました。
心技体、そろった3人です。

「最後の試験やで」
3人にピストルを手渡しながら CIA の教官は言いました。
「自分の名前が書かれたドアがありまっしゃろ。ドアを開けたらあんたらの配偶者が座っとる。配偶者を殺せまっか? それが最終試験ですがな」

じつはピストルには実弾がこめられていなかったのですが、それは内緒でした。
要は、本気で引き金を引くだけの非情さがあるかどうかの試験です。

最初の候補者(男性)がドアの向こうに消えました。
しばらくして彼は涙を流しながら戻ってきました。
「オレにはできない、妻を撃つなんて」
彼はピストルを投げ捨て、妻を連れて CIA のオフィスから走り去っていきました。

2番目の候補者(男性)がドアの向こうに消えました。
彼もほどなく戻ってきて、
「愛する妻を射殺なんて、できるわけがない。あんたは鬼だ」
そう言い残し、ピストルを放り出し、妻の手をとって CIA を去っていきました。

3人目は、キャサリン・ゼタ・ジョーンズによく似た女性でした。

彼女がドアをくぐってしばらくすると、
ガチャン!
ガチャン!
と何かの壊れる激しい音がします。

やがてそれがおさまり、静かになりました。

ドアが開き、キャサリン・ゼタ・ジョーンズが汗を拭きながら出てきました。
はぁはぁ言ってます。
彼女は真っ赤な顔をして教官に食ってかかりました。
「ピストルの点検はちゃんとしていただけないと困りますわ」彼女は言いました。「引き金を引いたのに、弾(たま)が出なかったんですのよ。しょうがないから花瓶やら椅子やらを使ってやっと任務完了したんですから」

 

 

 

 

 

<参考書籍>

「少年料理博士テンサイクロペディア」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4093107556

少年料理博士テンサイクロペディア 1巻

 

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