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松宮園生です。
昨年4月に
「特定検診・特定保健指導」
の制度が始まりました。
しかし、食育に関心のある方は知っているようですが、一般にはあまり知られていないようです。
業界(ヘルスケア業界とか、医療業界とか)や、専門家(保健師とか、管理栄養士とか) は、数年前から大騒ぎしてこの制度の対応に追われていたんだけど。
◆◆◆
「てやんでぃべらんめぃ」
というセリフ、現実に誰かが口にするのを聞いたことはありますか?
僕はいちどだけ、あります。
衝撃的でしたね。
(てやんでぃべらんめぃ、って、死語じゃなかったんだ…)
死語研究家として、涙ながらにそう思ったのを覚えています。
さて、世間で実際に行われている食育活動は、たいていが子供向け、または母親向けのものです。
オヂサン向けの食育教室、みたいなものはあまり見かけません。
理由はわりと単純で、オヂサンは「てやんでぃべらんめぃ」ばかりなので、食育教室をやったところで聞く耳をもたないと思われているからです。
てか、そもそも食育教室に来ない。
やっぱり心の素直な子供に食育を施すほうがよほどいい、誰もがそう思うでしょう。
ところが、だんだんそうも言っていられなくなってきました。
てやんでぃべらんめぃの人たちは、メタボだらけだからです。
厚生労働省の推定だったと思いますが、てやんでぃべらんめぃ男性の4人に3人がメタボの疑いがあるとのことでした。
皆さん、健康保険証は持ってますか?
ほとんどの方がお持ちだと思います。
健康保険証、正式には健康保険組合被保険者証というようですが、これは皆さんが健康保険組合の組合員である証(あかし)です。
保険証があると、病院にいったときに保険がききますよね。
多くの場合、治療にかかる費用の3割を負担するだけです。
のこりの7割は、健康保険組合が負担しています。
これは皆さんがふだんから健康保険にお金(健康保険料)を払っているからですね。
現在、全国にはおよそ1,600の健康保険組合があります。
その健康保険組合に対して、政府から、たいへん難しい指令が出ました。
その指令というのはこうです。
「てやんでぃべらんめぃ男性のメタボを減らしなさい。減らすことができた健康保険組合にはご褒美をあげます。しかし、減らせなかった健康保険組合には、罰を与えます」
こういう指令です。
これが、
「特定検診および特定保健指導の義務化」
と呼ばれるものです。
健康保険組合は、組合員(皆さんのことです)のために健康診断を定期的に行っています。
これまでの健康診断は、
「健康保険組合は診断結果を組合員に渡すだけ。渡された診断結果をみてどう判断しどう行動するかは組合員個人の問題」
だとされてきました。
つまり、かりに健康診断でメタボリック・シンドロームの疑いがでてきたとしても、健康保険組合が皆さんの生活習慣に口を出すようなことはありませんでした。
メタボは皆さん個人の問題であり、健康保険組合の知ったことではなかったからです。
今までは。
健康診断を受けた人は、診断結果の通知をもらいます。
たいてい、目は通しますが、分かるのは
「ああ血圧高いんだ」
とか
「血糖値、ちょっと高いかな」
といった程度で、あまり詳しいことは分からないし、
明日からどうすればいいのかも分かりません。
で、たいがいの場合、診断結果に目を通しただけで、あとはポイです。
今までは。
しかし昨年の春からそれが一変しました。
厚生労働省は、全国すべての健康保険組合に対し、
「組合員個人の生活習慣に口を出しなさい。ウザイと言われるくらい口を出しなさい。その結果、メタボを減らすことができた健康保険組合にはご褒美をあげます。しかし、減らせなかった健康保険組合は、月にかわってお仕置きよ」
という秘密指令を出しています。
(いや、秘密ではないんだけど)
具体的には、こうです。
(1)まず、40歳から74歳までを対象に健康診断を行いなさい。
(2)その結果、メタボの疑いのある人をリストアップしなさい。たいがい、てやんでぃべらんめぃ男性だと思われます。
(3)その人の生活習慣を改善するような個別の保健指導を行いなさい。
ということが健康保険組合に「義務」として課せられるようになりました。
これを、「特定検診および特定保健指導の義務化」と言います。
ところが、個別の保健指導(=個人の生活習慣を変えるための指導)をやりなさい、と言われても、なまやさしいことではありません。
健康保険組合はこれまで保健指導を行った経験がないところがほとんどですし、
ましてや、保健指導をする相手は、てやんでぃべらんめぃオヂサンなのです。
オヂサンは、なかなかタバコをやめません。
脂っこいものを控えて野菜を食え、といってもなかなか改まりません。
味噌汁だって塩分の濃いのを好む人たちです。
酒も好きなだけ飲みます。
運動も、してるんだかしてないんだか。
説教しようとすると、「俺は仕事中だ」と叫んで逃亡してしまいます。
でも去年から、それをしなくちゃならなくなった。
そんなわけで、健康保険組合はこのところアタフタしているのです。
「特定検診・特定保健指導」の制度はそういう内容なのですが、あまり知られていないのはちと残念なことであります。
(追伸)
ウワサによると、苦労して保健指導をちゃんとやってご褒美もらうより、むしろ「月にかわってお仕置きされたい」というエム的なことを考える健康保険組合がいるとか、いないとか…
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