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松宮園生です。
アメリカに住んでいたころの話ですが…。
近所、といってもクルマが必要な距離なんですが、わりと近いところに
小綺麗な「地産地消」専門店ができました。
「地産地消」のことを英語では
Local Harvest
(ローカル・ハーベスト)
とか
Local Produce
(ローカル・プロデュース)
とか言います。
プロデュースっていうと何だかメディア業界の言葉みたいですが、「農産物」という意味もある。
つまり、Local Produceとは
「地元(Local)の農産物(Produce)」
のことを表します。
「田舎のテレビ局のちょい偉い人がイベントをやっている」
という意味ではございません。
アメリカの食品店は日本と違ってあまり頻繁に内装をリニューアルしません。
だいたいいつ来ても同じレイアウトです。
ところが近所にできたこの地産地消ショップはしょっちゅう内装を新しくしてます。
そのせいで目当ての品物を見つけるのに戸惑ったりしますが、時間があるときは探す楽しみもあったりして、
「分かりにくくて不便」
という人もいれば、
「けっこう面白い」
という人もいて、評判はまちまちでした。
◆◆◆
さて、その地産地消専門店でのことです。
日系人と思われる初老の婦人がカートを押していました。
見覚えがありました。
誰だっけ?
思いだせないのですが、少し気になって婦人の行動を目で追いました。
婦人がチーズを選んでいるときに、僕は思いだしました。
「ああっ」
そうだ。
あのときのあの人だ。
あのときのあの人とは?→ 「グッバイマム」
http://www.shokuiku-pro.com/production/2009/04/post_53.html
「ああっ」と叫んだ僕の声が聞こえたかどうか分かりません。
平然としたまま、婦人は果物・野菜が並んでいる売場に来ると、近くにいた店員に声をかけました。
「ねえそこのあなた。一体どうなってるのかしら」
声をかけられた店員は背の高い若者でした。
シャレたピアスをしています。
高校生のバイトでしょうか。
接客は慣れてませんという感じです。
「な、なにか?」
婦人は目をつりあげて言いました。
「有機野菜はどこに並んでるの? いつも来るたびに並び方が変わっているから、困るじゃないの」
「ゆ、有機野菜、ですか?」
「ここにあるのは有機野菜なの? それとも慣行栽培の野菜なの? どっち?」
「か、慣行栽培、ですか?」
「あなた、有機野菜とか、慣行栽培とか、そういう言葉じたい知らないみたいね」婦人は言いました。「誰か分かる人、いないの?」
(参考)ちなみに、英語ではこう言います。
有機= organic
慣行= conventional
「誰かわかる人、いないの?」
そう言われて、若者はあわてて走り去り、先輩店員を連れて戻ってきました。
先輩店員が言いました。
「奥様、野菜をお探しで?」
「夫に食べさせる野菜を買いに来たのよ」婦人は言いました「有機野菜なのかそうじゃないのか、ちゃんと分かりやすく表示しておいてほしいわね」
「それは大変すみませんでした」
「で、どうなの。ここに並んでいるのは、有毒化学物質がたっぷりかかった野菜なのかしら?」
「いいえ、違います、奥様」先輩店員は落ち着いて答えました。「お手数をおかけするようで申しわけございませんが、その部分は奥様ご自身でやっていただかないと…」
<参考図書>
「食品表示簡単チェックBOOK」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4413018974