ホーム > 日本食育大学未来学部 >
松宮園生です。
以前、
「食育的な観点で、食品に点数をつける」
というテーマで、さまざまな取り組みを紹介しました。
「食育は英語で何というの? その18」
http://www.shokuiku-pro.com/production/2008/09/18.html
今回のテーマは、
「美味しさの度合いを測定する」
です。
◆◆◆
美味しさを測定するなんて、ある意味、野暮な話ではあります。
ではありますが、
* 食品メーカーが新商品を出すとき、果たして新作が前作より美味しくなっているのかどうか、確認したいでしょう。
* 農家から直接購入している飲食チェーンのバイヤーは、今年のイチゴが去年のイチゴに比べて味がどう変わったか気になるでしょう。
などなど、美味しさを測定したいと思う場面はけっこうある。
では「美味しさ」はどうやって検査するのか。
機械で測定することもあるでしょう。
リトマス試験紙みたいなもの(試薬)を使うこともあるでしょう。
しかし、食べものは嗜好品的な要素が強いので、サイエンスばっちりの測定法よりも、人間が判断するほうが的確なことが多いようです。
「人間が判断する」というのは、
* 単純に、検査官が食べる。
* 食べて、味に点数をつける。
これです。
要は味見ですね。
厳かな顔をして味見する。
「美味しさ」の検査は、たいがい複数の検査官によって行われます。
1人だけの主観では、ちょっと不安だし。
これがいわゆる「試食」と違うのは、試食の場合、美味しいかどうかを判断するだけでおおむね事足りるのですが、「美味しさ」検査の場合は、「美味しさ」をいろんな要素に分解して、味見をします。
たとえばですが、こんな具合。
↓
* 見た目
* 香り
* 舌触り
* 歯ごたえ
* 味
* コク
* のど越し
* キレ(ビールか!)
検査官がそれぞれの検査項目に点数をつける。
すると、こんなレーダー・チャートが出来上がるわけです。
◆◆◆
こういう検査を、食の業界では
「官能検査」
と呼んでいます。
渡辺淳一ムードあふれる、デカダン(←死語)で秘め事的な呼び方ですね。
官能検査の専門家のあいだでは、
「今日ねぇ、アタシったらぁ、朝から晩までねぇ、官能検査なのよぉ。うふふ」
「来る日も来る日も官能検査。それがオレの仕事だ。ひひひ」
こんな会話が、飛び交っているのかもしれません。
(飛び交わないと思います)
今回はここまで。
また次回、お会いしましょう。
(追伸)
なんと、美味しさを数値化する専門会社が存在します。
「株式会社 味香り戦略研究所」
http://www.mikaku.jp/
----------------
<おススメ図書>
「五感で学ぶ食育ガイド キッズ・キッチン」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4780300754
------------------
<おすすめリンク>
食育的な心を満たすブックストア
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22
食育モール(食育プロデュース委員会のセレクトアイテム)
http://good4u.blog79.fc2.com/
(ブログ)21世紀健康アニマ
http://blog.goo.ne.jp/healthpro
(ブログ)あまりアウトドアじゃない人のためのプチ食農辞典
http://blog.goo.ne.jp/agriwellness
松宮園生です。
以前アメリカに住んでいました。
そのせいでしょうか、アメリカに留学している女性から、
こういうメールを受け取ったので、ご紹介します。
◆◆◆
ペスコ松宮さんこんにちは。
パサデナに留学しているトモといいます。
大学生ですYO。
高校のとき交換留学でサクラメントで半年過ごしました。
ほんとに素敵な半年間だと思いました。
日本に帰ってもアメリカが忘れられませんでした。
日本の大学には行かないことにしました。
パサデナのコミュニティカレッジに入学し、ふたたびアメリカに戻りました。
倉敷に同級生のボーイフレンドがいたんですけど。
でも別れました。
彼は背も高いし優しい人だったけど、ドメドメだったんです。
カリフォルニアのあの雰囲気を知ってしまったら、もう彼とはいられません。
◆◆◆
(松宮註:用語解説)
「ペスコ松宮」:こちらを参照してください(↓)。
「合コンから学ぶベジタリアンの世界」
http://www.shokuiku-pro.com/production/2007/05/post_21.html
「パサデナ」:カリフォルニア州にある街。
「サクラメント」:同じくカリフォルニア州にある街。
「ドメドメ」:隠語です。
家庭内暴力のことを「ドメスティック・バイオレンス(DV)」と呼ぶことがありますが、「ドメスティック」というのは「家庭内」という意味です。
この言葉にはもう一つ、「国内的」という意味もあります。「インターナショナル(国際的)」の反対語です。
「ドメスティック」のあたまの「ドメ」を2つ並べ、「ドメドメ」といいます。
ものすごく国内的だという意味。
オレ、最近ドメドメだよ。
というと、「最近、海外に縁がないなあ」というニュアンスになります。
それにしても、このトモさん、倉敷の彼氏に対してちょっと失礼な書き方をしますね。
(註、終わり)
◆◆◆
さて松宮さん。
パサデナに住んでみたら、サクラメントよりもっと素敵なところでした。
ここに来て、「ロハス」というのをはじめて知りました。
パサデナはロハスの町なんです。
トモも、ここで
「ビーガン・ライフ」
というのを覚えましたYO。
トモは今ではビーガンです。
松宮さんのベジタリアン階級制度でいうと、ビーガンは第4位の好位置につけていますね(※)。
ペスコの松宮さん。トモと仲良くしたかったら早くビーガンに昇進してね。
(※)「合コンから学ぶベジタリアンの世界」
http://www.shokuiku-pro.com/production/2007/05/post_21.html
ご存知でしょうか、ベジタリアンの語源って、野菜じゃないんです。
活力の源、というのが語源なんですYO。
それはいんだけど。
パサデナに住んで間もなく、トモにボーイフレンドができました。
年下です。
日系2世のコで、日本名が「マサヒコ」なので、「まーくん」→「マーク」。
で、マークと呼ばれてます。
大学を卒業したら結婚しようと話しあいました。
ほんとに仲が良かったんですYO。
彼の、あの秘密を見てしまうまでは…。
(以下次号)
<参考図書>
「ベジタリアンの医学」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4582852629
<おすすめリンク>
食育的な心を満たすブックストア
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22
食育モール(食育プロデュース委員会のセレクトアイテム)
http://good4u.blog79.fc2.com/
(ブログ)21世紀健康アニマ
http://blog.goo.ne.jp/healthpro
(ブログ)あまりアウトドアじゃない人のためのプチ食農辞典
http://blog.goo.ne.jp/agriwellness
松宮園生です。
この「なにもかも食育シリーズ」。
なんでも食育的に解釈したり。
なんでも食育的にこじつけたり。
そうやってムダに想像力を弄(もてあそ)ぶ、脱力シリーズです。
<ファッショナブルな食育>
ファッション誌には、よくこういうのが記載されていますね。
↓
ジャケット(タケオ・キクチ) 72,000円
シャツ(コム・デ・ギャルソン) 22,000円
ネクタイ(ドルチェ & ガッバーナ) 12,500円
さて。
ファッション系のブランド各社が、農作物を作り始めたとしましょう。
料理雑誌の書き方がこんなふうに変わったりして。
↓
「マッシュルームのリゾット オレゴン風」
マッシュルーム(コムサ・デ・モード) 250円
シイタケ(カルバン・クライン) 200円
タマネギ(メンズ・ビギ) 120円
長粒米(トゥモローランド) 120円
参考商品:パルメザンチーズ(福助)
<非ファッショナブルでキケンな食育>
夜の繁華街の路上で、こんな会話が交わされたりして。
「そこのイケメンのお兄さん」
「え? おれのこと?」
「そう、あ・ん・た。最近、メタボ対策してる?」
「メタボ対策? そういえば、このところご無沙汰だなあ」
「でしょー。だってお腹、出てるし」
「そんなに出てるかなあ」
「しっかり出てるよ。それ、ヤバい。彼女、逃げちゃうよ」
「いやー、参ったなあ」
「いただきますって、ちゃんと言ってる?」
「うーん、そういえば、このところ言ってないかなあ」
「でしょー。だって顔色、よくないし」
「いただきますを言わなかったら、顔色悪くなるわけ?」
「決まってるじゃない。学校で教わったでしょ」
「そっかー、言われてみればそんな気もする。参ったなあ」
「農作業してる?」
「は? おれ農家じゃないけど」
「農家じゃなくたって、農作業はやんなきゃ。援農ボランティアとか、市民農園とか、あるでしょ」
「うーん」
「農作業しないと、自給率、下がっちゃう…」
「それって、おれの問題というより、国の問題じゃね?」
「なに言ってんの。そんなことじゃ、農業の活性化は進まないわよ」
「そうかもねー」
「だからさ、たまには楽しく食育でも、どう?」
「食育ねえ…」
「安くしとくわよ」
「どうしようかなあ」
「たまには、いいじゃない。思い切り弾(はじ)けちゃいなよ」
「食育って、弾(はじ)けるものなの?」
「そうよ。ね? だから一緒に食育しましょうよ」
「そっかー。そうだなあ。たまには、食育もいいかなあ」
「そうこなくっちゃ。ではご案内します。…お一人様、ご案内でえす」
<参考図書>
「明日からの「子どもの食育」にすぐ役立つ本」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4876895791
<おすすめリンク>
食育的な心を満たすブックストア
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22
食育モール(食育プロデュース委員会のセレクトアイテム)
http://good4u.blog79.fc2.com/
(ブログ)21世紀健康アニマ
http://blog.goo.ne.jp/healthpro
(ブログ)あまりアウトドアじゃない人のためのプチ食農辞典
http://blog.goo.ne.jp/agriwellness
松宮園生です。
(前回までのあらすじ)
真面目なイチゴ農家だったのに、食育の勉強をしてみようと
カルク考えたばっかりに、受講生獲得大戦争に巻き込まれた
小判大介君。
「ミッション・インポシブルかい!」
とツッコミたくなる状況に陥ってしまいました。
前回: 「食育水滸伝 その3」
http://www.shokuiku-pro.com/production/2009/03/3.html
◆◆◆
小判大介君が目覚めたのは、地味な小さなオフィスででした。
目覚めたといっても、横になっていたわけではありません。
小判君は椅子に座っていました。
小判君の前には小さな会議テーブル。
ほかに3人の人間が座っています。
そのうち1人は、さっきの「武闘派・小太りオバチャン」でした。
食育▽△アカデミーの「結界」をいとも簡単にうち破り、小判君を引きずって出ていった、あのオバチャンです。
「こ、ここは…?」
つぶやく小判君。
武闘派・小太りオバチャンが、ニタアと笑って言いました。
「あなた、よかったわねえ。もう少しで 『食育▽△アカデミー』 に捕まってしまうところだったわよ」
「ここは、どこなんですか」
「ここなら安心・安全です。『食育▽△アカデミー』 は壊滅しました。任せてちょうだいな。あんな講座、いやいや申込むことはありません」
安心・安全って、食品かい。
しかし小判君の前には
* 「フードプロフェッサー養成講座」の申込書(※)
と
* 太い4色ボールペン
が、ちゃっかりと置かれています。
4色ボールペンだったのは、好きな色で記入できるように、という配慮だと思われます。
(※)「フードプロセッサー」ではなく、「フードプロフェッサー」です。
プロフェッサー = 教授
申込書とボールペンを目(ま)の当たりにし、
「こ、これは…?」
いやな予感におののきながら、口ごもる小判君。
小判君の向かいには、細身でやや枯れた感じのオバチャンが座っています。
そのオバチャンが、
「それはね、見てのとおり、フードプロフェッサー養成講座の申込書ですよ」
と、明るく答えました。
その隣で、さっきの武闘派・小太りオバチャンが黙って腕組みをしています。
武闘派・小太りオバチャンは半袖で、袖の太さと腕の太さが同じでした。
枯れた細身のオバチャンと、 武闘派・小太りオバチャン。
この2人、ともにオバチャンながら対照的でした。
おそらく食生活も違うでしょう。
(服装のセンスは同じようなものでしたが)
さらに、小判君の右隣には
「いかにも事務員」
といった風情のオイチャンが、
「こんなところでスミマセンねえ」
といったたたずまいでチョコンと座っておりました。
つまり、小判君は
* 枯れた細身オバチャン
* 武闘派・小太りオバチャン
* スミマセンンねえ型オイチャン
に囲まれてチェックメイト寸前だったわけです。
正面の枯れたオバチャンが、猫なで声で言いました。
「あなた危ないところだったわねえ。『食育▽△アカデミー』 は勧誘がえげつないことで有名だから。助けに来てくれた佐久間さんに感謝しなきゃ、だめよ」
武闘派・小太りオバチャンは佐久間さんという名前らしい。
「それに、私たちに言わせると、あそこの食育って嘘っぽい、ていうか、薄っぺらいのよね」と、枯れたオバチャン。「…どうしたの? それ(申込書)早く書きなさいな」
「は? これ書くんですか?」
「当たり前じゃない」武闘派オバチャンが底なしの太い声で言いました。「さっきからあなた、私の説明をコックリ、コックリうなずきながら聞いていたじゃないの」
「いや、それは眠ってたからで…」
「(無視して)ほら、ここに名前、ここに住所を書いて」
「ちょ、ちょっと待ってください」
佐久間さんの半袖の腕に、血管が浮かびました。「なに? 助けてあげたのに、文句でもあるの?」
「いえ、あ、ありません…」
縮みあがる小判君。
ここで初めて、スミマセンンねえ型オイチャンが口をはさみました。
「長生きしたかったら、佐久間さんには逆らわないほうがいいよ、若いの」
ニタアと笑う佐久間さん。
口が耳まで裂けたかのようです。
「じゃ、ここに電話番号書いて。あなたメールはできるわよね、じゃあ、メールアドレスをここに書いて。そうそう。…へえ、小判さん、字がきれいねえ」
小判君、どうやら申込書、書いてしまうようです。
「字がきれいな人って、心はそれほどじゃないって言うけど、あなたは素直ないい子ねえ。…講座の日程はいくつかあるから、都合のいいのを選んでちょうだいな」
小判君はそのうち1つを選んでマルをつけました。
小判君が書いた申込書にはカーボン紙がはさまっていました。
下の紙にも写るようにです。
佐久間さんが下の紙のほうを抜いて小判君に返しながら、言いました。
「お疲れさま。これで手続き終わりです。あとは、この銀行口座にこの金額を振り込んでおいてね」
言い終わると、彼女は携帯電話に向かって低い声で
「イーグル・ワン、任務終了。これで満席になりました」
かくして、難攻不落の小判君も、よく分からないまま、
「フードプロフェッサー養成講座」
の受講生になってしまいました。
(以下次号)
松宮園生です。
メタボ扱いされる「お腹のサイズ」は、
* 男性の場合:腹回り85センチ
* 女性の場合:腹回り90センチ
日本ではこんなふうに定義されていますね。
女性のほうが数字がでかい。
これが、2005年に江戸幕府(日本肥満学会)が定めた
「メタボ御法度」
の一部です。
メタボ業界の人々は、全員この数字を暗記していることでしょう。
日本人はこの数字を境に、2種類に分断されるのです。
◆◆◆
しかし、東北の雄、伊達藩の東北大学からクレームが来ました。
2007年の秋のことです。
伊達藩は主張しました。
「女性のほうが数字がでかいって、ヘンちゃう?
* 男性の場合:腹回り87センチ
* 女性の場合:腹回り80センチ
のほうがいいんでねえの?」
つまり、男性は基準を緩和し、女性は基準を厳しくする、というものです。
伊達藩が江戸幕府にしかけた論争。
これがメタボ業界で有名な、「メタボ秋の陣」です。
ちなみにアメリカでは
* 男性の場合:腹回り102センチ
* 女性の場合:腹回り88センチ
となっています。
ヨーロッパでは
* 男性の場合:腹回り94センチ
* 女性の場合:腹回り80センチ
国際糖尿病連合というところは、日本人向けの数字として
* 男性の場合:腹回り90センチ
* 女性の場合:腹回り80センチ
にしようや。と提言しています。
ともに、男性のほうが数字がでかい。
◆◆◆
「よその国と歩調を合わせるべきだ」
と言い張る伊達藩。
そのスルドイ攻撃に一瞬たじたじとなった江戸幕府。
しかし、幕府もすぐに反論しました。
「だってもう、決めちゃったんだよ。いったん決めた数字を、変えれるわけ、ねえじゃん」
動かぬ姿勢を見せました。
「メタボ秋の陣」。
腹回りの数字をめぐって、激しく対立する江戸幕府と伊達藩。
どっちが勝つのか?
この戦争はまだ終わっていません。
伊達藩の次の一手が注目されるところです。
つーか、次の一手は出るのか?
<参考図書>
「HEALTH HACKS! ビジネスパーソンのためのサバイバル健康投資術」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/488759691X
<おすすめリンク>
食育的な心を満たすブックストア
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22
食育モール(食育プロデュース委員会のセレクトアイテム)
http://good4u.blog79.fc2.com/
(ブログ)21世紀健康アニマ
http://blog.goo.ne.jp/healthpro
(ブログ)あまりアウトドアじゃない人のためのプチ食農辞典
http://blog.goo.ne.jp/agriwellness
松宮園生です。
老夫婦がいました。
ともに80歳をすぎてもピンピンしていました。
ある春の日、うららかな陽光に誘われて近くの山へピクニックに出かけたところ…。
妻がぬかるみに足をとられて転びかけたところを、夫が助けようとしましたが、2人とも転んでしまいました。
不幸なことに、転んだ先が急勾配の崖になっていたのです。
夫婦は数メートル下に落ち、そのまま亡くなってしまいました。
2人がハッと気がつくと、目の前に天使が立っていました。
「天国行きの入場券です」
天使は2人にチケットを渡しながら言いました。
「真っ青な海が見える豪邸に住んでもらいます。テニスコートと温水プールがついてます。それからゴルフコースが2つ」
驚いて口もきけないでいる老夫婦に、天使はニッコリと微笑みました。
「気分転換をしたくなったら、近くに料理屋や飲み屋がたくさんありますので、立ち寄ってください。もちろん、すべて無料です」
ひきつづき絶句している老夫婦に、天使は優しくつけ加えました。
「豪邸のまわりの天候はいつも穏やかです。海も荒れません。ですが、たまには雨とか風とかが欲しくなったら、管理事務所のほうに相談してみてください」
天使が立ち去ったあと、ようやく我にかえった夫が、妻に言いました。
「聞いたかい、今のを? 食育にやかましいキミが有機野菜だの、全粒粉のパンだの、玄米だの、雑穀だの、身土不二だの、早寝早起き朝ごはんだのにトチ狂わなかったら、このチケットを20年は早くもらえたはずだぞ!」
-----------------------------------------------------------
食・食育・健康・農業に詳しくなってしまったアナタのための、
お役立ち・お楽しみアイテム・コレクション
「食育モール」
お立ち寄りください。
http://good4u.blog79.fc2.com/
拙者、ジョン・ソイビーンと申す商売上手の農家でござる。
松宮園生氏(うじ)にときどき農業を伝授しているで候。
アメリカのアイダホという田舎でトウモロコシを作っておるが、
これがよく売れるのでホクホク(←死語)でござるよ。
拙者が作るトウモロコシはバイオ燃料に使うものでござるゆえ、美味しい・美味しくないは関係ござらん。
味を気にしなくてよいので、気楽でござる。
その代わり、トウモロコシのなかでも早く大きくなる品種、燃料に加工しやすい品種を栽培しておるのでござる。
これもひとえにこの数年で石油が値上がりしたためでござる。
◆◆◆
さて、実は先日、松宮氏(うじ)に誘われてはるばる大和(やまと)にお邪魔いたした。
まったくの観光旅行である。
大和というところは面白い国でござるなあ。
聞きしによると、
「食育」
というものがあるそうではござらぬか。
しかもその「食育」、なにやらブームになっておるようでござるな。
「食育ご法度」(食育基本法のこと)
なる決まりごともあると聞き申した。
大和には古くから
「わび・さび」
「以心伝心」
「阿吽の呼吸」
と申すような、アメリカ人には馴染みのない概念がござる。
馴染みはないのでござるが、クロサワの映画を拝見しているうちに、徐々に理解でき申した。
ところがでござる。
「食育」
だけは不可解きわまりない。
ダントツに難解でござる。
驚いたことに、大和の人々にとっても
「食育」
は分かりにくいものだそうでござる。
「食育って何?」
という質問が全国各地で発生しておる由。
不思議なものでござる。
大和の人々ですらよく理解しておらぬ「食育」なるものが、その大和でブームになっておるとは。
東洋の神秘でござろうか。
明治時代の文豪、ソーセキ・ナツメの「我輩はキャットである」の文章を借りれば、
「我輩は食育である。意味はまだない」
と申すような感じでござろう。
◆◆◆
ある日、拙者が松宮氏(うじ)に
「食育とはなんでござるか。英語で説明していただけまいか。返答やいかに」
と迫ったことがござる。
そのときの、松宮氏(うじ)の困りきった苦渋に満ちた顔は今でも忘れられぬ。
困りきったあげく、松宮氏(うじ)は紙にこんな数式をを書いたでござった。
↓
栄養:a
農業:b
料理:c
しつけ:d
伝統食:e
農村文化:f
団らん:g
食前・食後の呪文:h
昭和のおばちゃん:i
自給率:j
環境:k
ロハス:m
オーガニック:n
メタボ:p
その他:q
とするとき、
食育=√(ab+cd)(ef+g)+∫(hi+jk)+Σ(mm+pq)
文系のくせに数式をもちだすとは武士として卑怯ではござるが、松宮氏(うじ)としてはやむを得なかったのでござろう。
振りかえってわが祖国アメリカには、「栄養教育」というものはござる。
ピザやハンバーガーばかり食せぬよう、コーラやソーダばかり飲まぬよう、学校での指導も行われてござる。
(参考)海外の食育事例
http://www.shokuiku-pro.com/modules/tinyd1/index.php?id=26
しかし、アメリカで行われているのは、あくまで「栄養教育」でござる。
大和の「食育」のごとき、あれもこれもゴチャゴチャに混ざった複雑怪奇なものではござらん。
◆◆◆
また別のある日、拙者が松宮氏(うじ)に
「食育ご法度(食育基本法)とは、何がご法度(禁止)なのでござるか?」
と迫ったことがござる。
そのときの、松宮氏(うじ)の困りきった苦渋に満ちた顔も、やはり忘れられぬ。
困りきったあげく、松宮氏(うじ)は
「ここをクリックしてくれ」
と言ってきた。
↓
http://www.maff.go.jp/e/topics/pdf/shokuiku.pdf
「ここに、食育とか食育基本法の英語の説明があるから、これを読め」と松宮氏(うじ)。「もうオレに質問しないでくれ」
「武士のくせに、逃げるでござるか」
「なんとでも言え。てか、オレ、武士じゃないし」
「なんと! 貴殿は武士ではないのか。日本は武士の国だと聞いてござるが」
「江戸時代は150年前に終わってるよ」
「ではもう、ハラキリ(切腹)もしないのでござるか?」
「そんなこと、しねえよ」
「しかし松宮氏(うじ)。日本の人々はアシキリ(足切り)をしていると先日聞いたでござる」
「アシキリ? それは受験の話だろ!」
<参考図書>
「わが輩は発酵仮面である!」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4492043217
食育というテーマでセレクトしています。
「食育的な心を満たすオンラインストア」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22
松宮園生です。
(前回までのあらすじ)
食育の講座を受講しようと思い、あちこちに資料請求をした
小判大介君。
その後、山のように資料が届き、じゃんじゃん勧誘電話も
かかってきました。
気分転換に街に出ると、なんと食育講座のキャッチセールスに
つかまってしまう…。
そのセールスレディは、小判君の高校の同級生でした。
(前回) 「食育水滸伝 その2」
http://www.shokuiku-pro.com/production/2009/03/2_1.html
◆◆◆
地味な竹村さんに連れてこられた部屋は、教室に使われているところのようでした。
3人がけのテーブルがいくつも並び、正面には教壇と、ホワイトボード。
しかし小判君は見逃しませんでした。
教室の壁に
「受講生勧誘成績一覧表」
と書かれた巨大な模造紙が貼られていたのです。
講師の名前が並んでいて、棒グラフになってて。
竹村先生の、長くもなく短くもない棒が…。
もう1つ、小判君が見逃さなかったことがあります。
教室の壁のあちこちに、さりげなく、
「食育するぞ」
「食育するぞ」
という標語が貼られていたのです。
「修行するぞ」
「修行するぞ」
というキャッチコピー(?)の新興宗教が、たしかあったよな…。
小判君の背後で、ドアの閉まる音がしました。
ギクッとして振り返ると、地味な竹村さんが、教室のドアに鍵をかけていました。
「ちょちょ、ちょっと」
小判君が文句を言おうとすると、地味な竹村さんは「しー、静かに」と鋭く言い、壁際にある社内電話の受話器をとりあげました。
「竹村です。レベル2、完了です」
なんだよレベル2って…。
誰に何を報告してんだ?
地味な竹村さんは、受話器をおくとニッコリ向き直りました。
「安心して。鍵をかけたのは、小判さん、あなたを守るためだから」
「は? 何が攻めてくるわけ?」
「あなた、食育★★講座に資料請求したでしょ。あいつらがね、あなたをここから連れ出そうと狙っているのよ。でも心配はいりません。結界を張ってあるし、食育▽△アカデミーを受講すれば、あなたの食育は安心だから」
は? 結界?
安心?
ところが突然、教室の電灯が点滅しはじめました。
同時に、壁際の社内電話が鳴りました。
地味な竹村さんは、受話器をとる余裕がなかったのでしょうか、スピーカーフォンのボタンを押しました。
「緊急事態だ」電話のむこうで男性が言いました。
「ど、どうしました?」と竹村さん。
「食育バリヤーを破られた。知っている食育講座のなかで、あのバリヤーを破れるところはないはずなのだか…」
「食育★★講座のやつらじゃないんですか?」
「たぶん違うと思う。食育★★講座だったら、かんたんに撃退できるんだが…」
「なんとか持ちこたえてください。私のほうは、もう少しで契約できるところなんですから」
契約すんのか、小判君。
つーか、そのバリヤーってなんだ?
しかしそんなことを考える間もなく、地味な竹村さんが鍵をかけたはずのドアが、静かに開きました。
電灯が点滅しているのでよく見えませんが、小太りのオバチャンが、そこに立っていました。
手に合鍵らしきものを持っています。
「小判君、探したわよ」オバチャンが、穏やかな声で言いました。「さあ行きましょう」
地味な竹村さんが小判君の襟首をつかみました。
「あんた誰。他人の獲物を取ろうなんて、そうはいかないよ。この人はウチと契約するんだから。ウチの講座を受けて食育するんだからね」
「食育ふぜいが大きな口をたたくんでない」オバチャンは自分も負けずに小判君の襟首をつかみました。「もらっていくからね」
「渡すもんですか」
双方が、小判君の襟首を引っ張りはじめました。
「ギャー」小判君がお約束の悲鳴をあげています。
しかし無残な綱引きは小判君の悲鳴などおかまいなしに続きました。
テーブルや椅子が次々に倒れました。
しかし綱引きはやみません。
最後に勝ったのは小太りオバチャンのほうでした。
地味な竹村さんは床にうずくまっています。
その姿を一瞥すると、小太りオバチャンは小判君の襟首をつかんだまま、のっしのっしと教室を去っていきました。
気絶している小判君は、そのままずるずると引きずられていきました。
今度はどこに連れていかれるのか、小判君?
そして、このオバチャンは何者?
(以下次号)
食育というテーマでセレクトしています。
「食育的な心を満たすオンラインストア」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22
松宮園生です。
「ダイエット(diet)」はもともと「食事」という意味ですが、
「痩せるために食事をコントロールする」
という意味もあります。
日本ではもっぱら後者の意味で使われていますね。
その「食事をコントロールする」ダイエットですが、
アメリカには5大ダイエットというのがあり、勢力争いにしのぎを削っています。
* サウスビーチ・ダイエット
* ゾーンダイエット
* ウェイトウォッチャーズ
* オーニッシュ
* アトキンス・ダイエット
いよいよ最後の「アトキンス・ダイエット」の話です。
◆◆◆
5大ダイエットのなかで、おそらくもっとも有名なのがアトキンス・ダイエットでしょう。
ダイエットに関心のある人であれば、
「低炭水化物ダイエット」
「ローカーボ(Low Carb =低炭水化物)」
という言葉を聞いたことがあるのではないかと思います。
アメリカでは、
「低炭水化物(ローカーボ)ダイエットといえばアトキンス」
と一般的に言われています。
人間が活動するとき、まず糖分がエネルギーとして消費され、糖分がなくなったら脂肪が燃えはじめる。
なので、糖分がはじめから少なければ、脂肪が燃えはじめるのも早くなるんじゃね?
糖分は炭水化物から作られる。
じゃ、炭水化物をできるだけ少なくしよう。
雑な言い方をすると、これが「アトキンス・ダイエット」の考え方です。
炭水化物は食べない。→ 砂糖は×。パスタとかもキホン×。パンも×。
タンパク質は食べてもよろしい。→ 肉はOK。
この「肉はOK」というところが、肉好きアメリカ人の心に光をともしたらしく、アトキンス・ダイエットは今世紀はじめ、空前のブームになりました。
◆◆◆
どのくらい流行ったかというと。
* ほとんどのサプリメント・ショップ(アメリカにはいっぱいあります)には、「アトキンス」コーナーができた。
* アトキンス博士の顔写真がついた商品(食品)がいろいろ出た。
* パンが×だというので、マ○○○○ドやバ○○○キングなども「パンのないハンバーガー」を開発した。
* 肉OKということで、ステーキ屋が大繁盛した。
* ステーキ屋以外のレストランは、顧客獲得のために、高タンパク低炭水化物の「アトキンス・メニュー」を出すようになった。
* 低炭水化物ダイエットをテーマにした雑誌がいくつも創刊された。。
* アメリカ人の9%がアトキンス博士の信奉者になっている、という調査結果が発表された。
* 砂糖は×ということで、スイーツの会社は軒並み赤字。
* パスタは×ということで、全米のパスタの売上は1割近く落ち、パスタの大手メーカーが倒産した。
すさまじい流行だったようです。
◆◆◆
そんな大ブームのさなか。
2003年だったと思いますが、アトキンス博士が突然、この世を去りました。
たしか、階段でコケて頭を打ち、打ちどころが悪くて亡くなったと聞いています。
ところがその後、
「アトキンス博士は、太りすぎによる心臓疾患で亡くなった」
という噂が全米に流れました。
炭水化物側の人たち(←誰?)の、逆襲が始まったのです。
「聞いた? ダイエットの権威アトキンス先生が太りすぎで死んだっていうのよ」
「そうかい。てことは、死亡したんじゃなくて、脂肪したってことだな」
こんな会話が人々のあいだで交わされたようです。
(そのダジャレ、日本語でしかできないけど)
アトキンス側(アトキンス博士は会社を経営していました)はこの噂を必死になって打ち消そうとしましたが、果たせず。
商品の売り上げはガタ落ち、ライセンス収入も激減し、アトキンス博士の会社は破産してしましました。
◆◆◆
「アトキンス・ダイエットのブームも、これで終わりだな」
誰もが、そう思いました。
ところが、そうではなかったのです。
このブーム、その後、どうなったのか。
次回で解説します。
<参考図書>
「肉食ダイエット」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4774510424
食育というテーマでセレクトしています。
「食育的な心を満たすオンラインストア」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22
食・食育・健康・農業に詳しくなってしまったアナタのための、
お役立ち・お楽しみアイテム・コレクション
「食育モール」
http://good4u.blog79.fc2.com/
松宮園生です。
イギリスの食事には魅力がない、というのはけっこう定説
になっていますね。
イギリス家庭にホームステイしたら、年がら年中、食事の
メニューが同じだったとか。
ロンドンのパブで出てくるフィッシュ&チップスがなんとも
いえず酷いとか。
ところが、今から15年ほど前、
「イギリスはおいしい」
というエッセイが売れました。
「イギリスはおいしい」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4167570025
それ以来、
* イギリスはおいしいわーと思う派
* やっぱり不味いわよと言い切る派
が、なんとなく拮抗(きっこう)している感じがします。
同様に、アメリカには伝統的な食文化なるものは存在しない、というのもわりと定説になっていますね。
しかし実際には、
* アメリカに伝統的な食文化なんてのはあらへんと主張する人
* いやいやアメリカの食はなかなかイケてまんがなと考える人
が、なんとなく半々くらいに思います。
「ヨコメシ(※)はまずい」
といいながら、毎年せっせと喜び勇んでアメリカに出かけ、業界視察と称して飲食店で食べまくっている人を、僕は何人も知っています。
(※)ヨコメシの意味を知りたい人は→ 「タテメシ」
http://www.shokuiku-pro.com/production/2009/02/post_100.html
とはいえ、正直に言うと、
「アメリカの伝統食文化というものはないんじゃね?」
とじつは僕も思っています。
ただし、これは
「統一感のある食文化はなさそうだ」
という意味。
正確には、
「アメリカは広いので統一感のある食文化はなさそうだが、地域や民族で区切ると、なかなか奥の深いものが存在する」
のではないかと思います。
たとえば。
■アメリカに移民してきたメキシコ人たちは、
「アッパーなアメリカ人に好まれるメキシコ料理」
というのを工夫し、発達させました。
洗練されアメリカ化したメキシコ料理は、歴代大統領の好物になっています。
(参考)「大統領の食卓」
http://www.myfood.jp/w_myfood/us_foodnews/2009/01/post.html
■南部ルイジアナ州あたりでは、香辛料をきかせた
「ケイジャン料理」
が有名です。
フランス系移民の食文化に端を発しているようです。
僕も、ハリバットのような白身魚をケイジャン風に焼いたものが大好きです。
あれは旨い。
■アメリカには多くのユダヤ人がいますが、彼らが食べているのはコーシャ・フード。
ユダヤ教の聖典「タルムード」などに書かれた決まりを厳しく守っている食事法です。
ニューヨークあたりでは、このコーシャ・フードが
「健康によい」
ということで大人気。
その勢いで日本にも進出を考えています。
コーシャ・フードの普及のために来日するラビ(ユダヤ教のお坊さん)が増えてるらしい。
僕も去年、東京でラビに会いました。
■アーミッシュと呼ばれる人たちがアメリカにいます。
電気を使用せず、現代の一般的な通信機器(電話等)使わず、自動車には乗らず、馬車を利用し、近代以前と同様の生活様式を基本に自給自足の生活を営んでいる人たちのことです。
この伝統的で素朴なアーミッシュの食事が、やはり
「健康によい」
ということで人気が出ていて、
「アーミッシュ食品」
を販売する会社なんかもあって、その会社は日本進出を計画しています。
(このあいだのフーデックスに出展しています)
(参考)FOODEX JAPAN 2009
http://www.shokuiku-pro.com/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=2062&forum=5&post_id=2700#forumpost2700
■しかし何より忘れてはならないのは
「インディアン食」
ですね!
長い歴史を持つアメリカ先住民のインディアンが、食文化を持たないはずはありません。
ただし、ひとくちにインディアンといっても部族が多く、それぞれの部族がさまざまな食文化を持っています。
* 狩猟を中心とする部族は、肉食の文化
* 農耕を中心とする部族は、菜食の文化
* 漁業を中心とする部族は、魚食の文化
といったふうに分かれているようです。
じつは、インディアン食も日本進出計画があるらしく、「アメリカ・インディアン食協会」というところがせっせと日本語のパンフレットを作っています。
僕自身は「キノルト族」「イーヤック族」という部族と交流がありました。
ともに魚食の文化で、スモークサーモンによく似た食材とかが、やたらとビールに合っていたのを覚えています。
というわけで、
「アメリカは広いので統一感のある食文化はなさそうだが、地域や民族で区切ると、なかなか奥の深いものが存在する」
というのが僕の意見です。
松宮園生のアメリカ・ヨイショ話、今回はここまで(笑)。
食育というテーマでセレクトしています。
「食育的な心を満たすオンラインストア」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22
松宮園生です。
塩について、日ごろ疑問に思っていることをひとつ書きます。
「アラビアン・ナイト(千一夜物語)」ってありますよね?
あのなかに「アリババと40人の盗賊」という話があって、
塩のエピソードが出てきます。
どういうエピソードかというと…
盗賊の親分が、アリババと食事をします。
盗賊は正体をかくし、商人になりすましてアリババに近づきました。
懐にはナイフ。
食事の席で、盗賊はアリババを殺そうと考えています。
料理が出るまえに、盗賊は
「自分の料理には塩をふらないでほしい」
という注文をします。
アリババは気づきませんでしたが、アリババの召使がその注文を聞いて
「この男は悪人だ。主(あるじ)が危ない」
と気がつきます。
召使は悪人を倒し、主のアリババを救う。
こういうエピソードです。
で、疑問というのは2つ。
(1) 料理に塩をふらないと、なぜ悪人なのでしょうか?
なぜアリババの召使は、たったそれだけのことで
「この商人は悪人にちげえねえ」
と断言できたのでしょうか?
僕だったら、そんなことで断言しないよ。
(2) 盗賊も盗賊だよ。
ほんとの悪人なら、塩をふったものも我慢して食べて、悪人であることを隠し通せばいいのに…。
てか、なんで塩をいやがるの?
さっぱり分からないのですけど、どなたかご存知スか?
それともこれ、実はツッコんじゃいけなかったとこ?
しかしアレだね。
この伝でいうと、塩分摂取が多いと言われる日本人は、世界的な善人だな。
漬物に醤油をかける人なんかは、神様級の善人になりますね!
めでたし、めでたし。
<参考図書>
「調味料のおいしい使い方276」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4262129411
「日本人には塩が足りない」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4492501924
松宮園生です。
たとえばあなたが何かの試験に合格したとしましょう。
それは食育講座の試験かもしれませんし、
野菜ソムリエの試験かもしれませんし、
フードアナリストの試験かもしれませんし、
管理栄養士の試験かもしれません。
その試験に合格すると、資格の認定証がもらえますね。
同じように、会社が試験を受けて合格したら認定証がもらえるものがあります。
食べもの関係でいくつか紹介しましょう。
たくさんあるので、国際的なものに限定します。
* GMP (Good Manufacturing Practice)
ジーエムピーといいます。
「適正製造規範」と訳されますが、なんのことやら分かりませんね。
製薬メーカーが欲しがる人気の認定です。
サプリメントのメーカーにも人気です。
工場ごとに認定を取るので、同じ会社でもA工場は認定があるのにB工場は認定がない、ということがあります。
この認定は、安全面を含めた品質管理がしっかりしている工場であることを示します。
皆さんが薬局で買う薬は、ほぼたいてい、GMP認定を取得した工場で作られているはずです。
* HACCP (Hazard Analysis and Critical Control Point)
ハサップとかハシップとかハセップとかいいます。
ハククプとは言いません。
訳語は「危害分析および重要管理点」。
またも堅苦しいスね。
なんとかしてほしいス。
もっとこう、
「食品安全を脅かす悪の軍団をシャットアウト認定」
くらいに砕けてくれないかな。
HACCP は食品メーカーのあいだで人気沸騰の認定です。
この認定は、食品の製造工程が安全で、不快な混入物(昆虫とか)や危険な混入物(バイ菌や金属片など)が入りにくくなっていることを示します。
GMP と同様、工場ごとに認定をとります。
加工食品を食べるときは、このHACCP認定を取っている工場で作られたものを選びましょう。
* ISOシリーズ
アイエスオーといいます。
イソというとたぶん失笑を買いますので気をつけましょう。
アイソという人もいますが、アイソは失笑をあまり買わないみたいです。
でも微笑ましいと思われる可能性がありますので、プライドの高い方にはお勧めしません。
ISOは認定の総合デパートです。
「ISO認定シリーズ」
というのがありまして、いろんな認定に番号をふっているんです。
ISO9000
はそのひとつ。
分野を問わずいろんな業界のメーカーが欲しがる認定です。
品質管理がしっかりしていることを示します。
食べ物の会社の場合は、食材を選ぶ基準がしっかりいているとか、そういうことです。
ISO14000
この数字が刷り込まれた名刺をもらったら、その会社は
「環境に気を遣っている会社」
だという意味です。
業界問わず、ひろくいろんな会社が欲しがる認定です。
ISO22000
これは比較的新しい認定番号です。
食品メーカーのあいだで徐々に人気がでてきました。
「安全な食品を作っているメーカーだ」
ということを表します。
合格するのがたいへんな認定ですので、合格した工場はエライです。
つまり、9000 は品質、14000 は環境、22000 は食品安全、と覚えていただければよいでしょう。
ほかにもいろんな番号がありますが、食べもの会社に関係しているのはこの3つが代表的です。
このISOは、国際標準化機構という組織がスイスのジュネーブにあり、ここが親分となっていろんな認定の「認定ルール」を作っています。
子分は世界中におりまして、実際に認定する仕事は子分どもが請負っています。
ISOの認定には4桁や5桁の数字がつくわけですが、数字のつけかたには決まりがないそうです。
なんで ISO9000 なのか、なんで ISO14000 なのか、なんで ISO22000 なのか、には理由がない。
じゃあどうやって数字を決めているかというと、サイコロをふってというか、鉛筆を転がしてというか、要はランダムに決めているようです。
そんなわけで、ランダムにやった結果、ISO22000 は途中まで 20543 という数字がふられていました。
しかし覚えにくいとクレームが来まして、四捨五入して 22000 になりました。
あれ?
四捨五入しても 22000 にはならないぞ…。
◆◆◆
ところで、先日こんなキャッチフレーズの SNS を見つけました。
「ISO ファンの集まる SNS です。ISO の話題で大いに盛り上がっています!」
↑
ISO の話題って、盛り上がるの?
ISO って、萌えるの?
食育というテーマでセレクトしています。
「食育的な心を満たすオンラインストア」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22
松宮園生です。
(前回のあらすじ)
食育の勉強をしようと、食育講座の資料請求をした
小判大介君。
いくつもの会社や団体が食育講座を開いているため、
小判大介君に対する勧誘合戦が始まった…。
「食育水滸伝 その1」
http://www.shokuiku-pro.com/production/2009/03/1.html
◆◆◆
テケテケ村の人たちが「街に出る」といえば、それは隣のS市に出るという意味です。
S市はJRの駅前がもっとも賑わっています。
イチゴ栽培のためにせっせと畝を作っていた小判大介君でしたが、それも一段落し、気分転換にぶらっとS市に出かけました。
奥さんのゆかりさんとは別行動でしたが、夕方に落ち合って居酒屋にでもいこう、という約束になっています。
商店街のアーケードを歩いていると、小柄な女性に声をかけられました。
「あのう、小判さんでは?」
「小判ですけど」
「ああやっぱり小判さん」大げさにうなずく。「ああやっぱり小判さん」
「どこかでお会いしてます?」
「高校の同級生の竹村です。あ、でも当時のあたし、今と違って地味だったから、覚えてないかも」
確かに覚えていませんでした。
ちなみに、あんた今も十分に地味なんだけど。
「ほんと久しぶり」竹村さんは言いました。「背、伸びたんじゃない? ちょっとお茶でもしない? 近くにあたしの職場があるからそこで」
「いや、お気遣いなく」すでに小判君は逃げの態勢です。「久しぶりに会えてよかった。ではさいなら」
歩きだす小判君の襟首を、小柄な竹村さんはむんず(←死語)とつかみます。
「うふふふ。なに言ってんの馬鹿な人ねえ」竹村さんは笑いながら言いましたが、目だけは笑っていませんでした。「あなた、食育に興味あるのよね。知ってるんですよ」
「えっ」
「あなた、うちの会社に資料請求したでしょ。小判なんて名前、珍しいし、ピンと来たんだから」
「どひゃー」(←死語)
「このへんで出会えたらいいなあって、網をはって、てゆーか、じゃなくて、期待して待っていたの」妖しく光る、竹村さんの目。「まさかこんなにすぐ会えるなんて。ここで会ったが100年目、てゆーか、じゃなくて、こうやってばったり出会ったのも縁ですし、食育の話でもしながら、昔話をしましょうよ」
「いや、それは」
「さあさあ。さあさあ」
小判君の襟首は竹村さんの手にしっかりと握られています。
あまりにしっかりと握られているため、湯気がたっていました。
こうして、小判君は商店街のはずれにある、看板に「食育▽△アカデミー」と書かれた地味な小柄な建物まで引きずられてしまいました。
建物の入口には、「食事バランスガイド」と呼ばれるコマの、大きな模型が置かれていました。
くるくる回る、コマです。
栄養士さんあたりのあいだでは有名なコマです。
食育マニアのシンボルマークにもなってます。
どうやって回すのかは問わないことにして、形はこんなです(↓)。
入口から中に入ると、こんどは大きなペナントに、
「食育をしよう明るい元気な子」
という標語が飾ってありました。
ビミョーな標語です。
なんとなく言いたいことはわからないことはないのですが、
「食育をしよう」
と言われても、で、具体的に明日から何をしろって言いたいの、この標語?
それに、「明るい元気な子」は「食育をされる側」であって、「食育をする側」じゃないのでは?
…ま、ツッコミ入れてもしかたないけど。
さて、さらに奥には、どうやら教室らしい部屋が。
ここで「食育▽△講座」がとり行われるみたいです。
「食育講師やってるのよ、あたし」竹村さんは誇らしげに言いました。「マクロビオティックの話をしたり、ロハスの話をしたりしてね」
しかし小判君は見逃しませんでした。
教室の壁に
「受講生勧誘成績一覧表」
と書かれた巨大な模造紙が貼られていたのです。
講師の名前が並んでいて、棒グラフになってて。
竹村先生の、長くもなく短くもない棒が…。
大丈夫か小判君。
無事に逃げきれるか?
いやまてよ。
もともと食育講座を受けようと思っていたわけだよね。
なぜ逃げる、小判君?
(以下次号)
食育というテーマでセレクトしています。
「未来型食育書店」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22
松宮園生です。
食育基本法ができ、厚生労働省・文部科学省・
農林水産省が勢力争いを始めています。
先日、この様子を中国の戦乱の歴史になぞらえて
「食育三国志」
と呼び、チャラケた解説をさせていただきました。
食育三国志 その1
http://www.shokuiku-pro.com/production/2009/02/post_182.html
食育三国志 その2
http://www.shokuiku-pro.com/production/2009/02/2_37.html
食育三国志 その3
http://www.shokuiku-pro.com/production/2009/02/3_33.html
食育三国志 その4
http://www.shokuiku-pro.com/production/2009/02/4_28.html
◆◆◆
食育の世界で勢力争いをしているのは霞ヶ関だけではありません。
例えば
(例1)
全国の自治体(主に都道府県)が、それぞれ「食育推進計画」というのを作り、インターネットで発表し、たぶん優劣を競っています。
参考: 「しとちゃん PART-8」
http://www.shokuiku-pro.com/production/2008/09/part8.html
(例2)
食育の資格講座がいくつも誕生し、受講者集めにしのぎを削っています。
参考: 「食育の資格」
http://www.shokuiku-pro.com/production/2007/05/post_32.html
◆◆◆
じつはこの、
「食育講座の受講者集め競争」
ですけど、一部でなんだかかなり熾烈なようです。
僕の舎弟に小判大介という若者がいます。
結婚と就農を同時に実行し、いまはテケテケ村というところでイチゴを作ってます。
さて、その小判君ですが、こないだ、なにを思ったのか、いろいろある食育講座のほとんど全部に資料請求を行ったようです。
2日ほどして、資料が次々送られてきました。
ま、資料請求をしたんだから、資料が次々送られてくるのはトーゼンなんだけど。
その日の夕方、電話が次々かかってきました。
「食育××養成講座の○○と申します。資料をお送りいたしましたが、その後いかがでしょうか?」
「食育●●講座の△△と申します。ぜひ小判様に受講をお勧めしたいと思って電話しました」
翌日、また資料がドカドカ送られてきました。
電話もいろいろかかってきました。
さらに翌日、資料がいっぱい送られてきました。
電話が何度も何度も鳴りました。
最初は小判君、どれかを選んでちゃんと受講する気持ちはあったようです。
ですので資料は丁寧に読み、電話も丁寧に受けたそうです。
しかしどの資料も、どの講座も、「われこそは。われこそは」と主張するばかりで、特徴や違いも不明瞭。
どれを選んだらよいか結局さっぱり分からなかったそうです。
煮え切らない小判君に対し、講座主宰者側も作戦をかえてきました。
数日たったある日、あるところから直筆の長い手紙が送られてきました。
あまりに長いのでここでは紹介できなくて残念なのですが。
さらにその翌日、べつのところからこんな電話がかかってきたのです。
「小判さん? わたし、長島マナといいます。食育※※講座の第1期生なんですよ」
「はあ…」
「小判さん、食育ってとっても大切なんですよ。わたしね、受講してホントによかったと思ってるんです。あなたも受講したらそれが分かります」
「あのー」
「はい?」
「受講したら、食育が大切だということが分かるんですか?」
「そうですよ。食育ってすごく大事なんです。小判さんにも是非わかってほしいのよ」
「はあ…。でもオレ、食育がすごく大事だってこと、もう分かってるんですけど。だから資料請求したんですけど…」
電話のむこうが沈黙しました。
おなじ長島マナさんから、次の日にまた電話がかかってきました。
「あれからわたし考えたんですけど、小判さん、食育が大切だと分かってるって言ってたでしょ?」
「はあ…」
「でもきっとまだ分かっていないと思うのよ。自分で分かっているつもりでも、分かってないものなんですよ」
「あのー」
「はい?」
「分かっているつもりでもじつは分かっていなかった、ということが受講したら分かるんですか?」
「そうですよ。それこそ目からウロコが落ちますよ」
「はあ…。で、それが分かったら、どうなるんですか?」
「それが分かったら、食育をしたくなりますよ」
「あのー」
「はい?」
「オレ、もうすでに食育をしたいと思ってます。だから資料請求したんですけど…」
電話のむこうが沈黙しました。
その次の日。
どうやら長島マナさんは戦線離脱したらしく、電話はかかってきませんでした。
ところが、一難去ってまた一難?、別の人から電話がかかってきました。
こんな電話です。
「伊東佳子っていいます。食育★★講座をいま受けているんです」(←そろそろ使える記号がなくなってきたぞ)
「はあ…」
「食育★★講座、すごくいいんですよね。まだ受講中だけど、受けてよかったと思ってるんです」
「はあ…」
「わたしの受講のきっかけを話しますね。わたしね、息子に食べさせるおやつは全部手作りしているんです。安全でおいしいものを食べさせたいんですよね」
「はあ…」
「でもね、息子の友達が遊びに来て、わたしの作ったおやつを見て、不味そうだから嫌だ、食べたくないって言ったんです」
「はあ…」
「そのコね、きっと見た目のキレイな市販のおやつばかり食べてたと思うんですよね」
「はあ…」
「でもそれじゃいけないと思うんです。子どものうちから、正しいものを食べるようにしなきゃだめだと思ったのね。それで食育★★講座を受講することに決めたんです。小判さんも一緒に勉強しませんか?」
「あのー」
「はい?」
「その食育★★講座を受けたら何が勉強できるんですか?」
「何を食べたらいいのか、ということが勉強できるんですよね」
「あのー」
「はい?」
「それって、勉強しなくちゃいけないのは伊東さんじゃなくて、伊東さんの作ったおやつを拒否した子どもなんじゃないですか?」
電話のむこうが沈黙しました。
難攻不落の小判君。
今回はここまで。
<参考図書>
「お金持ちになる資格の取り方・活かし方」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4059020788
松宮園生です。
スーパーマーケットの生鮮品売場を朝から晩まで観察してみましょう。
カラフルな果物や野菜の写真をとったり、絵を書いたりしてみるのです。
どうなるでしょうか。
答。店員に叱られます。
度が過ぎると、襟首をつかまれて追い出されます。
ライバル会社が、偵察にくるのを防いでいるのでしょう。
写真撮影はモノスゴク嫌がられます。
べつにいいじゃんね。
写真くらい撮らせろよ。
絵くらい描かせろよ。
と、思いたくなるのもやまやまなのですが…。
でも、こういうのにウルサイのはアメリカも同じ。
世界一のセレブ系自然食品店ホールフーズ・マーケットも、このテの「観察行為」にはまったく寛大ではありません。
ホールフーズ・マーケットには、珍しい食材がよく並んでいます。
「きゃー、素敵」
思わずデジカメをポケットから取り出すと…。
カラダのごついK-1的オニイサンがどこからともなく現れ、
「ヘイ、そこのあんた。写真ノーノー。ノー写真プリーズ」
と叫ぶわけです。
ですので写真を撮るときにはK-1的オニイサンに見つからないようにこっそり、素早くやらなくちゃいかんのですが。
それがまた難しくて。
素早くやろうと焦れば焦るほど、ピントのボケた写真になってしまいます。
ではありますが、なかには「つわもの」もおりまして、そういう人は監視の目を盗んで見事な写真を撮るんですよね。
このあいだ知り合いがアメリカに出張し、ホールフーズ・マーケットに行きました。
そのときに彼の撮った写真が後日メールで送られてきたのですが、開いてみて驚き。
まず、画像の多さにびっくり。
バレずによくこんなに撮れたなあ。
次に、画像がしっかりしているのにもびっくり。
監視がいつ現れるか知れないというのに、よく焦らずに撮れたなあ。
その写真のひとつを、載せておきましょう。
誇り高いサムライの、戦利品でござる。
(アメリカの生鮮売場では、果物や野菜をこんなふうにタテに整然と積み上げ、立体感をつけてディスプレイするのが普通です)
<食材や料理の写真を上手に撮りたい人へのおススメ>
「かんたん・キレイ・自分らしくデジタル一眼らくらく撮影入門」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4798022020
松宮園生です。
アメリカの金持ち農家の話。
老人がいました。
見渡すかぎりの広大な農地が、彼のものでした。
農地の一部は、ピクニックができるようにきれいに整備されていました。
まだ若かったころ、老人はそこに大きな池をこしらえました。
彼は家族や友人を連れてそこでピクニックをするのをいつも楽しみにしていました。
しかし年月がたつにつれ、彼はその「オアシス」に通うことがだんだん少なくなりました。そのうち、ほとんど行かなくなりました。
かわりに、どこからか人が集まってきて、池のまわりでで勝手に遊びまわるようになりました。
ある夕方、老人は久しぶりに池を視察しようと考えました。
(長いこと行っとらんからなあ。いろいろ手入れせんといかんだろうなあ)
そう思った彼は、必要な荷物をいくつか抱えて歩き始めました。
老人が池に近づくにつれ、池のほうから、くすくす笑う声や、ふざけあう声が聞こえてくるのに気がつきました。
池に到着して彼は驚きました。
おおぜいの若い女性が、一糸まとわぬ姿で水とたわむれていたのです。
老人は咳払いをしました。
女性たちはキャッと叫び、泳いで池の反対側に逃げこみました。
女性の1人が大声で言いました。
「あっちに行ってよ。あんたがそこにいたら、私たち池から出られないじゃないの」
老人も大声で答えました。
「お嬢さんがた、ワシのことは気にせんでくれ。ワシはあんたがたを見に来たわけじゃない。もうこの年だ。あんたがたが服を着ていようが裸だろうが、そんなことはどうでもいいんだ」
「じゃあ何しに来たのよ」
老人は抱えていた袋の口を開けながら答えました。
「ワシはただ、クロコダイルにエサをやりに来ただけでな」
<というわけで、おススメの1冊>
「イラスト図解 農業のしくみ」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4534035403