ホーム > 日本食育大学未来学部 >
松宮園生です。
スーパーマーケットで100円のトマトを買うとしましょか。
(誰に聞いてんの?)
この100円のうち、農家さんが受け取る金額、つまり農家さんの取り分はいくらだと思いますか?
だいだい、20円 - 30円くらいだと言われています。
「えっ、そんなに少ないの」
一般論ですが、はい。
残りのおカネ、すなわち70円 - 80円は、スーパーマーケットや、卸売り業界や、物流業界に分配されるのです。
◆◆◆
これが産地直売所だと、スーパーマーケットも卸売り業者も物流業者も関与していません。
なので、皆さんが払うおカネは、全額とはいきませんが、けっこうそこそこ、農家さんのところに入る計算になります。
むろん、買い手である皆さんもそれを知っていますから、
「スーパーマーケットも卸売り業者も入っていないんだから、安くしてもらえるはず」
と期待していますね。
で、皆さんはいつもより安く買い、農家さんはいつもより高く売る。
これが成り立てば、いわゆる「Win-Win(ウィンウィン)」になるわけです。
しかし産地直売所は産地直売所で、それなりに苦労があります。
産地直売所は価格設定が自由な世界ですから、同じ作物がいっぺんに無秩序に並べられると、値崩れするかもしれません。
つまり農家同士で過当競争をする恐れがあります。
(買うほうはありがたいんですけど)
趣味で畑をしているオジサンあたりが産地直売所に出店し、
「美味しいって喜んでもらえれば、オレは満足なんだよ」
なーんて脳天気なことを言いながら、コスト度外視で安売りされたりすると、値崩れします。
(買うほうはありがたいんですけど)
◆◆◆
さて、アメリカにも
「ファーマーズ・マーケット」
があります。
ファーマーは「農家」の意味です。
マーケットは「市場」の意味です。
ファーマーズ・マーケットというと、「農家の市場」という意味になります。
日本語の「産地直売所」と似ています。
似ていますが、ただし、大きな違いがあります。
アメリカの「ファーマーズ・マーケット」は、都会のまんなかで開かれています。
たとえば混雑するニューヨークのマンハッタン。
ロサンゼルスの、セレブリティが行きかう映画の街、ハリウッド。
こういうところに、テントが立ち並び、産地直売所が出現しています。
(最近は日本でも、都会のまんなかにファーマーズ・マーケットを立てるような動きがありますね)
また、日本の産地直売所では、作った農家さんじゃない人が、店頭に立っている場合が少なくありません。
アメリカのファーマーズマーケットでは、農家さんが自分でテントを立て、自分の作った農産物を売ります。
これが、「ファーマーズ・マーケット」です。
都会のまんなかに、こつ然と農業が姿をあらわすわけです。
このミスマッチが、都会の人の心をひきつけるのでしょう。
◆◆◆
都会に住むアメリカ人の心を魅了する「ファーマーズ・マーケット」。
ですが、ニコニコしている農家さんのなかには
「けっ、都会の連中は気に食わねえ。チャラチャラしやがって」
と内心思っている人も少数ながらいるようです。
ひねくれたところのある知り合いのトム・ヤマノウチは、日系3世で、ロサンゼルス近郊でスイカを作っています。
ときどきハリウッドに来て、テントを立てています。
ある夏の日。
そのころ僕はまだアメリカに住んでいました。
久しぶりに飲もうとトムから誘われていたので、僕は夕方、そろそろテントを畳む時間帯をめがけて、トムに会いに行きました。
トムは不機嫌な様子であとかたづけをしていました。
僕の顔を見るなり、こんなことを言いました。
「毎度のことなんだが、ハリウッドのやつらにゃ、我慢できねえ。イライラする」
「売れなかったのかい?」
「毎度のことなんだが、高値でバンバン売れたよ。でも、ハリウッド野郎にスイカを売るのはもうまっぴらだ」
「何かあったの?」
「毎度のことなんだが…。いつになったらあいつら、皮のむき方を聞いてくるのをやめるんだ?」
<おススメの1冊>
「ニューヨーク野菜配達物語」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4259546317
「米で起業する!」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4806713635