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2009.02.27 11:29

撲滅委員会

 

松宮園生です。

「メタボリックシンドローム撲滅委員会」
冗談かと思ったら本当にある名前です。
実在しています。

この委員会、厚生労働省や有名企業が名を連ねています。
なかなか立派な委員会のようで。
活動も本格的です。

  メタボリックシンドローム撲滅委員会
  http://metabolic-sankei.jp/

「撲滅」の「撲」は、「殴(なぐ)る」という意味です。
「滅」は文字通り、「滅ぼす」ことですね。
つまり「撲滅」とは、
「ボコボコにぶん殴って、この世から消し去る」

厚生労働省や有名企業がよってたかって、
メタボなあなたをボコボコにぶん殴り、この世から抹殺する。
もし、そういう委員会だったら超(←死語)怖いです。

◆◆◆

「××撲滅委員会」
と呼ばれているものには他になにがあるかを、よせばいいのに調べてみました。
そしたら困ったことにいろいろありました。

■「かなづち撲滅委員会」
http://www.fitweb.or.jp/~hamachan/
泳げない人を撲滅するのが目的のようです。
「このホームページを作った動機」なんかもわざわざ公表されています。

■「ゴキブリ撲滅委員会」
http://www.geocities.jp/gokiboku/
思わす拍手をしたにも関わらず、クリックしたくないサイト。
そんな自分に打ち勝ってクリックしてみると…。
「対ゴキブリ戦」に必要な武器や、お勧めの戦闘法なども紹介されています。
ゴキブリの画像や写真は載っていないそうなので、恐がらなくてもいいようです。

■「クソゲー撲滅委員会」
http://www2.117.ne.jp/~seachan/ps.html
腹が立つほどくだらないゲームをこきおろすサイトのようです。
しかし「クソゲー」という言葉の悪徳インパクトは凄ェ。

■「ガチャピン撲滅委員会」
http://gachaboku.hp.infoseek.co.jp/
ガチャピンに何の恨みがあるのか最後まで分からない謎のサイト。
しかし肩の力の抜け具合がちょっと癒されたりする。

■「体育撲滅委員会」
http://id31.fm-p.jp/35/taiikukirai/
体育が嫌い・苦手な人に捧げる、晴れの日もインドアなサイトのようです。

■「クレヨンしんちゃん撲滅委員会」
http://x28go.s12.xrea.com/memo/se1_diary/
日本語を乱す「クレヨンしんちゃん」の撲滅を目的に作られたそうです。
しかしよく見ると、
「クレヨン」(くれよん)
がところどころ
「クレヨソ」(くれよそ)
になっているのを僕は発見しました。

■「『こんにちわ』撲滅委員会」
http://park15.wakwak.com/~o0o0o0o0/bokumetsu/
「こんにちは」を「こんにちわ」と書くやつを抹殺するサイト。
いい具合に笑える。
なかなか冴えてます。
イチ押し!

◆◆◆

それにしても、いろんなものが撲滅されていくんだね。

 

 

 

 

<おススメ玩具>

「頑張れ 回転おじさん」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/B001G7PEI4

頑張れ 回転おじさん

 

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2009.02.26 00:49

メキマンが来る

 

松宮園生です。

いまでこそ食(食育)に関する仕事をしていますが、かつては違う世界で
仕事をしていました。
それが、食の世界に転向したのは、8年前のことです。

転向したてのころ。
中途採用で食品の貿易会社に就職しました。
仮にテケテケ商事と呼ぶことにしましょう。
このテケテケ商事で、僕は3年働きました。

テケテケ商事はリスクの高い相場商品をたんと扱っていたわりには、地味な社風の会社でした。
あまり会話がないのです。
オッサンたちは昭和っぽい腕章をして黙々と仕事してたし、女性社員はOLというより女子社員という感じでした。
商事会社のくせに人の出入りも少ない。
転職早々の僕が配属になった部署の室長さんは、僕より3ヶ月前に有名な大手商社から転職してきた人だそうですが、なんだか商社マン出身とは思えない地味な人でした。

そんなテケテケ商事に初めて出社した日。

地味な室長さんに
「キミの机は僕の隣です」
と言われてそこに座った僕。
デスクトップ・コンピューターが設置されています。

新品ではありませんでした。
最近まで誰かほかの社員が使っていた形跡があります。

コンピューターを立ち上げようとすると、室長さんが言いました。
「あらかじめ言っときますが、ウチの会社のパソコンはインターネット通じません。よろしく」

貿易会社なのに、パソコンがインターネットから切り離されている。
マジすか?
地味にもほどがあります。

まあ初日ですから、キレるわけにもいきません。
聞こえないようにため息をつき、コンピューターのスイッチを入れる。
しばらくすると、なぜか分かりませんが表計算ソフトの「エクセル」がとつぜん開きました。

そこにはただひとこと
「メキマンが来る」
と書かれていました。

メキマンが来る。

「メキマンって、なんですか?」
僕は地味な室長さんに聞きました。
地味な室長さんは「メキマンが来る」を数秒間みつめていましたが、
「分かりません。わたしもこの会社に来て日が浅いので」
と残念そうにいい、張子の虎のように首をふりながら男子トイレに行ってしまいました。

メキマンが来る。

誰が来るんだろう?
「マン」ってついてるから、ヒーローみたいのが来るのか?

純真な僕は悩みました。

次の朝も、出社してコンピューターを立ち上げると、昨日とおなじくエクセルが勝手に開いて
「メキマンが来る」
の7文字が出現。

妙だったのは、社内の誰に聞いても教えてくれなかったことです。
というか、誰も答えられませんでした。

メキマンが来る。

このコンピューター、以前は誰が使っていたんだろう?
その人物なら知っているはずだ。

というわけで、地味な室長さんにその質問をぶつけてみる。
地味な室長さんは自分のあごを数秒間なでていましたが、
「誰が使っていたんでしょうねえ。さあ分かりません。わたしも日が浅いし、わたしが来たときはすでにこのパソコンはここにありましたよ」
と残念そうにいい、張子の虎のように首をふりながら男子トイレに行ってしまいました。

メキマンが来る。

コンピューターを立上げる → エクセルが勝手に開く → メキマンが来る
これが僕の日課となりました。

メキマンの意味がわからないまま、ついに3年が過ぎました。
テケテケ商事を退職する日、僕は社内のおもだった人たちに挨拶まわりをしながら、メキマンの意味を聞いてまわりました。
やっぱり誰も知りませんでした。

とうとう謎はとけないまま、僕のテケテケ商事での3年間は終わったのであります。

◆◆◆

メキマンの謎は、いまでも解けていません。

ただ、ひょっとしたらメキマンというのは
「メキシコ産マンゴー」
という意味なんじゃないか、と今では思うようになりました。

「メキマンが来る」
というのは、
「メキシコ産のマンゴーが日本に輸入される。その荷物がもうすぐ届く」
という意味なのかもしれません。
貿易会社ですから、ありそうな話です。

確かめてみようと思い、地味な室長さんに久しぶりにメールしてみました。
室長さん、地味で無難なところが評価されたのか、取締役に出世していました。
彼からは、こんなメールが返ってきました。
「あなたまだメキマンのことを調べているんですか。…さあ、わたしにはよく分かりませんねえ」

張り子の虎のように首を振りながら、さびしげに男子トイレに向かう彼の姿が、目に浮かびました。

 

 

 

 

 

<おススメの1冊>

「よくわかる食品業界」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4534042132

[改訂版]〈業界の最新常識〉よくわかる食品業界 (業界の最新常識)

 

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2009.02.24 09:21

風林火山ダイエット その6

 

松宮園生です。

前回、
「オーニッシュ」
と呼ばれるダイエットの方法について書くつもりでしたが、
ついつい
「オオニシ」
という便利な隠語について長々と書いてしまいました。
今回は真面目に
「オーニッシュ」
について説明します。

  前回「風林火山ダイエット その5」
  http://www.shokuiku-pro.com/production/2009/01/5_12.html

◆◆◆

「オーニッシュ・ダイエット」
大西ダイエットではありません。
オーニッシュです。

サンフランシスコ在住の医師、ディーン・オーニッシュ博士が提唱したものです。
満腹感重視の、菜食主義風っぽいダイエットです。
当初は心臓病患者向けに考案されたものだったのですが、その後、一般的なダイエット法として普及しました。

オーニッシュ博士
(どっかの映画で脇役をやってそうな顔ですが)


どうして菜食主義っぽいのかというと。

お腹いっぱい食べても大丈夫なように、
* そもそも脂肪分が少なく
* 食物繊維が豊富
な食材が推奨されているのですが、それって要するに野菜なわけで。
なので、菜食主義っぽくなっています。

正式にはこういうダイエットです。
* 果物・野菜をお腹いっぱい食べなはれ。
* コレステロ?ルや飽和脂肪酸が気になる食品は、あかんで。
* 肉も、やめときなはれ。
* 低脂肪ヨーグルト・低脂肪牛乳・低脂肪チーズ・卵白あたりは食べても、まあええか。
* 全粒粉の穀類もよろしおますな。
* 砂糖・蜂蜜、・アルコールなどの単純炭水化物(糖質)は、ほどほどにしときなはれ。

◆◆◆

するってえと、何かい?
食事メニューはこんな感じになるってわけかい?

<朝ごはん>
噛めば噛むほどおいしい十六穀ごはん。
大根のあつあつ味噌汁。
朝摘み季節野菜の煮物。
ぱりぱりしゃきしゃき海苔。
おばあちゃんの野沢菜。

<昼ごはん>
全粒粉のふっくらパン。
ダッシュ村風ざっくりサラダ。
低脂肪のなめらかヨーグルト。
絞りたて塩みかんジュース。

<夜ごはん>
ブロッコリーとレンズ豆のフィレンツェ風ガーリックソテー。
全粒粉のヘルシーパスタ・アラビアータ。
遠藤さんちの甘い甘い白イチゴ。

(なんとなくネーミングにこだわってみました)

◆◆◆

ま、食育的にはかなりまっとうなダイエットだと言えそうです。

 

 

 

 

<おススメの1冊>

「食育菜園 エディブル・スクールヤード」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4259546872

食育菜園 エディブル・スクールヤード―マーティン・ルーサー・キングJr.中学校の挑戦

 

 

 

 

食育というテーマでセレクトしています。
「食育的な心を満たすオンラインストア」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22

 

食・食育・健康・農業に詳しくなってしまったアナタのための、
お役立ち・お楽しみアイテム・コレクション
「食育モール」
http://good4u.blog79.fc2.com/

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2009.02.22 17:16

タテメシ

 

松宮園生です。

写真はレーニアという名前の山の写真です。
アメリカの北西部にあります。
富士山より少し高いです。
形がすこし富士山に似ているので、現地の日系人は「タコマ富士」と呼んで故郷の日本を懐かしんだそうです。
(タコマというのは近所の地名)

「マウントレーニアのカフェラッテ」
という飲み物がたしか森永から出ていると思いますが、あのパッケージに描かれている山です。

ちなみに、この山は近い将来大噴火を起こすと予想されています。
アメリカ本土でもっとも危険な山と言われています。

ピアース・ブロスナン主演の映画
「ダンテズ・ピーク」
は確かこの山を想定しているという噂が…。

(セントヘレンという、もっと危険な山が近くにあったのですが、1980年に大噴火して山の上半分が吹き飛びました)

◆◆◆

そのレーニア山が見えるところに住んでいたことがあります。
当時はなかなか孤独な毎日でして。
日本からときどきお客さんが来るのが、楽しみでした。

仕事が一段落し、お腹が空くと、お客さんとこんな会話をします。
「晩飯、何にしましょっか?」
「そうですねえ、今日はタテメシがいいなあ」
というわけで、いそいそとタテメシを食べに出かけるわけです。

タテメシとは、なんでしょうか?

「ヨコメシ」と「タテメシ」がありまして、ヨコメシは洋食です。
アルファベットのことを横文字といいますが、
横文字 → ヨコメシ という発想です。

というわけで、もうお分かりですね。
タテメシは和食のことを指します。

ながいこと、この言い方は自分の周囲の人だけが使っているマイナーな言い方だと思っていましたが、そうでもないようで、たまに知っている人に出会います。

ただし「タテメシ」の使い方には流派が2つあるようで、仮にそれを
「表タテメシ流」
「裏タテメシ流」
としますと、
「表タテメシ流」の場合、タテメシは上司・部下が一緒に食べる、ヨコメシは友達同士で食べること。
「裏タテメシ流」の場合、タテメシは和食、ヨコメシは洋食。
となっています。

つまり僕は、裏タテメシ流に属しているわけです。

◆◆◆

ところで、レーニヤ山の近くに住んでいたころ、ときどき行った近所の「タテメシ」屋では、うどんのなかにブロッコリーが入っています。
うどんは美味しいし、ブロッコリーも好きな野菜なのですが、どうもこの両者は合体してもあまり意味がないみたいで、できれば別々に食べたいなあと思っています。
でも店主のジョセフィーヌ岩田さんが言うには、地元のガイジン(ホントは僕のほうがガイジンなんだけど)はブロッコリー入りのうどんをたいへん喜ぶのだそうです。

岩田さん、その名前でタテメシ屋はやめてくれ…。

 

 

 

 

<おススメの1冊>

「アメリカ日本食ウォーズ」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4751105523

アメリカ日本食ウォーズ―寿司、豆腐、枝豆、日本酒…いまアメリカでは日本食が大ブーム!

 

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2009.02.21 00:10

朝ごはんラプソディ ver.1

 

松宮園生です。

国のメタボ対策がものすごく厳しくなった世の中を
想像して書いてみました。
健康づくりを怠けているサラリーマンに、
「食事指導」
という圧力がかかります…。

 

◆◆◆

 

ある日のこと。
会社で課長に呼ばれました。
「何でしょう」
「松宮君は朝ごはんを食べているかね」
「もちろん食べてます。早寝早起き朝ごはん、国のスローガンですからね」

  http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/asagohan/index.htm

「嘘をつくな」課長が机をドンと叩きました。「食べてないだろ。ネタはあがってるんだぞ。お前のやってることはすべてまるっとお見通しだ」
「それ、『トリック』で主人公の山田奈緒子が言うセリフじゃないですか」
「馬鹿もん。そんなことを言ってるんじゃない。なぜ朝ごはんを食べないのだ」
「ど、どうして僕が朝ごはんを食べていないことが分かるんですか」
「これを見ろ」
「何ですか、この紙」
「よく読め」
「はあ。えっと、社員の朝ごはん摂取状況に関する内部調査? あ、僕の名前が出てる」
「お前はこの1ヶ月、朝ごはんを2回しか食っとらんな」
「はあ。実はそうですが。何で分かったんですか」
「それは言えん。ていうか、わたしも知らん」
「まさか盗聴とか」
「だからそんなことは知らんよ。問題なのは、松宮君、きみが、朝ごはんを食べてないということだ」
「はあ」
「これから食事指導を受けたまえ」
「食事指導?」
「食事指導を受けて、朝ごはんの大切さを学んでこい」
「今からですか?」
「今からだ。嫌がると給料下げるぞ」
「し、しかしこれから打ち合わせがあるんですけど」
「キャンセルしたまえ!」

◆◆◆

「あーめんどくせー。朝ごはんが大切だなんて耳にタコができるほど聞いてるよ。おれに朝ごはんを食べさせたかったらだな、キャメロン・ディアスみたいな女の子が『園生さん、朝ごはん食べてね。はい口をあけて。あーん』って言ってくれれば食うんだよ。こんな音楽室みたいな部屋で食事指導を受けるなんて、やってられっかよ。早く終わらせて帰ろ。あ、誰か来た」
「松宮園生さんですね。わたしが管理栄養士の佐久間象子です。厚生労働大臣直轄の管理栄養士です」
「ども」
「それだけではありません。わたしは管理栄養士であると同時に、栄養教諭の免許をもっており、フードコーディネーターの資格も持っています」
「はあ。すごいですね」
「それだけではありません。食育必死講座1級でもありますし、食育プリーチャーの資格も取っています」
「はあ。なんかよく分かりませんけど、すごいですね」
「それだけではありません。食育推進士試験はムラサキ合格しています」
「ムラサキ合格」
「ムラサキ合格が最上位です。次がキイロ合格。その次がアオ合格です」
「はあ」
「それだけではありません。炭水化物のソムリエでもあり、日本カルパッチョ協会認定カルパッチョ講師の免状も持っているのです」
「はあ」
「そんなわたしですけど、なにか?」

「は?」
「ですから、そんなわたしですけど、なにか?」

「いや、なにかと言われても…」
「あなた、松宮さんとおっしゃいましたね。このわたしをご指名で、相談ごとがあっていらっしゃったんでしょ? 相談ごととはなんですか?」
「いやあの。指名した記憶はなくて、それに相談ごともあるわけじゃなくて、ていうか、会社からここに来いって言われてやってきたんですけど」
「まあ」
「食事指導を受けろと上司に言われまして、しかたなく…」
「あらまあ。自主性のない方ねえ、あなた。人に言われていやいや食事指導を受けても、効果はありませんよ」
「そうスよね。自主性がないと効果でないスよね。よく分かりました。では帰って自主性をきたえて、また出直してきます。今日はもう失礼します。ごきげんよう」
「待ちなさい」
「はあ?」
「逃げようたって、そうはいきませんよ。わたしが帰っていいと言うまで帰れないのはご存知? ドアの向こうにはガードマンが控えています。食育ガードマン協議会の認定ガードマンです」
「なんですか、その食育ガードマンって」
「食事指導中によこしまな思いを抱くメタボ男性から、かよわい管理栄養士を守るためのガードマンです。とにかく、あなたは逃げられません。まだ帰るのは早いのです。言っときますが、逃げられないからって、わたしを襲ったら直ちにガードマンが入ってきますからね」
「この人を襲いたいと思う男は、この世にはいないと思うけど…」
「なにか言いましたか」

「いえいえ、独り言です」
「ではまず、レッスンのプログラムを説明します」
「レッスン?」
「まず、歌を暗唱してもらいます」
「う、歌?」
「歌です。わたし佐久間象子が作詞作曲した世紀の名曲『朝食賛歌』。これを完璧にマスターしてもらいます。次に、この歌には振付がありますから、振付もマスターしてもらいます」
「な、なんでまたそんなことを…」
「今までの平均で言うと、歌と振付をマスターするのに、たぶん6時間くらいは七転八倒するでしょうね。わたしのレッスンは厳しいから」
「ろ、6時間? 七転八倒?」
「そう。これを 6-7-8 の法則といいます」
「はあ?」
「わたしの『朝食賛歌』を歌いこなすには羞恥心を消さないといけません。『大の大人がなんでこんなレトロなこっぱずかしい歌を歌わなくちゃいけないんだ』と思っているうちは、絶対に歌いこなせません。羞恥心を捨て去り、心から歌詞とメロディに身を任せるのです」
「はあ?」
「羞恥心があったら食育なんてできません。食育標語を作ったり、食育カルタを作ったり、食育紙芝居を作ったりするのに、羞恥心は邪魔です。いまが21世紀であることを、忘れなくてはならないんですよ」
「とほほ…」(←死語)
「この『朝食賛歌』をマスターしたら、とてもすがすがしい気持ちになりますよ。他人にも地球にもやさしい人間になれるんですよ。そのあと、作文を書いてもらいます」
「作文?」
「作文を書いてもらいます。朝ごはんを毎日食べるために、あなたは今日からどんな工夫をしようと思いますか。2000字程度で書いてもらいます」
「2000字も!」
「100点満点です。80点以上とれたら、今日は帰っていいですよ」
「と、とれなかったらどうなるのですか?」
「映画を見てもらいます。日本の農林水産省が作った『めざましごはんのススメ』です(※)。優香さんが出てるから、あなたみたいな即物的な人でも楽しめますよ。そのあとまた、同じ作文を書いてもらいます。この繰り返し」
「はらほれひれはれ…」(←死語)

  (※)http://www.maff.go.jp/j/soushoku/kakou/mezamasi/about.html

◆◆◆

ドアが開き、女性が2名、男性が1名、入ってきました。
女性のうち1人は、ピアノの前に座りました。
あとの2人(男女)は、佐久間象子の両側に立ちました。
背筋がピンとしており、タイツをはいています。
「わたし佐久間象子が作詞作曲した世紀の名曲『朝食賛歌』。今から歌と振付のお手本を見せますからね。よく見て、よく聞くのですよ、松宮さん。一緒にすがすがしい気持ちになりましょう」
ピアノの鍵盤が叩かれ、『朝食賛歌』の歌と踊りが始まりました。

ほどなく、あまりの恥ずかしさに耐えかねた松宮園生は「やめてくれ。助けてくれ」と叫びながらドアを何度もたたきはじめます。
ドアはびくともしません。
『朝食賛歌』がサビの部分に入ると、松宮園生は七転八倒し、泣きだし、失禁し、気絶してしまいました。

曲が終わりました。
すがすがしい表情でたたずむピアニストと2名のダンサー。
湯気をたて、床に横たわりピクピクうごめく肉塊となった松宮園生を見下ろしながら、佐久間象子は悪態をつきました。
「そりゃわたしの作った『朝食賛歌』はアンタみたいなやつからみりゃ恥ずかしい歌かもしれないけどさ、ここまでひどい反応されたら、ムカつくわね。あんたたち、こいつをやっておしまい!」

やっておしまい、って、ど、どうなるの?

 

 

 

 

<おすすめ書籍>

「管理栄養士が教えるメタボ脱出法―愛する人を守るために」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4789733262

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2009.02.19 20:18

ハリウッド・ファーマー

 

松宮園生です。

 

スーパーマーケットで100円のトマトを買うとしましょか。
(誰に聞いてんの?)

この100円のうち、農家さんが受け取る金額、つまり農家さんの取り分はいくらだと思いますか?
だいだい、20円 - 30円くらいだと言われています。

「えっ、そんなに少ないの」
一般論ですが、はい。

残りのおカネ、すなわち70円 - 80円は、スーパーマーケットや、卸売り業界や、物流業界に分配されるのです。

◆◆◆

これが産地直売所だと、スーパーマーケットも卸売り業者も物流業者も関与していません。
なので、皆さんが払うおカネは、全額とはいきませんが、けっこうそこそこ、農家さんのところに入る計算になります。

むろん、買い手である皆さんもそれを知っていますから、
「スーパーマーケットも卸売り業者も入っていないんだから、安くしてもらえるはず」
と期待していますね。

で、皆さんはいつもより安く買い、農家さんはいつもより高く売る。
これが成り立てば、いわゆる「Win-Win(ウィンウィン)」になるわけです。

しかし産地直売所は産地直売所で、それなりに苦労があります。

産地直売所は価格設定が自由な世界ですから、同じ作物がいっぺんに無秩序に並べられると、値崩れするかもしれません。
つまり農家同士で過当競争をする恐れがあります。
(買うほうはありがたいんですけど)

趣味で畑をしているオジサンあたりが産地直売所に出店し、
「美味しいって喜んでもらえれば、オレは満足なんだよ」
なーんて脳天気なことを言いながら、コスト度外視で安売りされたりすると、値崩れします。
(買うほうはありがたいんですけど)

◆◆◆

さて、アメリカにも
「ファーマーズ・マーケット」
があります。
ファーマーは「農家」の意味です。
マーケットは「市場」の意味です。
ファーマーズ・マーケットというと、「農家の市場」という意味になります。
日本語の「産地直売所」と似ています。

似ていますが、ただし、大きな違いがあります。

アメリカの「ファーマーズ・マーケット」は、都会のまんなかで開かれています。
たとえば混雑するニューヨークのマンハッタン。
ロサンゼルスの、セレブリティが行きかう映画の街、ハリウッド。
こういうところに、テントが立ち並び、産地直売所が出現しています。

(最近は日本でも、都会のまんなかにファーマーズ・マーケットを立てるような動きがありますね)

また、日本の産地直売所では、作った農家さんじゃない人が、店頭に立っている場合が少なくありません。
アメリカのファーマーズマーケットでは、農家さんが自分でテントを立て、自分の作った農産物を売ります。

これが、「ファーマーズ・マーケット」です。

都会のまんなかに、こつ然と農業が姿をあらわすわけです。
このミスマッチが、都会の人の心をひきつけるのでしょう。

◆◆◆

都会に住むアメリカ人の心を魅了する「ファーマーズ・マーケット」。
ですが、ニコニコしている農家さんのなかには
「けっ、都会の連中は気に食わねえ。チャラチャラしやがって」
と内心思っている人も少数ながらいるようです。

ひねくれたところのある知り合いのトム・ヤマノウチは、日系3世で、ロサンゼルス近郊でスイカを作っています。
ときどきハリウッドに来て、テントを立てています。

ある夏の日。
そのころ僕はまだアメリカに住んでいました。
久しぶりに飲もうとトムから誘われていたので、僕は夕方、そろそろテントを畳む時間帯をめがけて、トムに会いに行きました。

トムは不機嫌な様子であとかたづけをしていました。
僕の顔を見るなり、こんなことを言いました。
「毎度のことなんだが、ハリウッドのやつらにゃ、我慢できねえ。イライラする」

「売れなかったのかい?」
「毎度のことなんだが、高値でバンバン売れたよ。でも、ハリウッド野郎にスイカを売るのはもうまっぴらだ」

「何かあったの?」
「毎度のことなんだが…。いつになったらあいつら、皮のむき方を聞いてくるのをやめるんだ?」

 

 

 

<おススメの1冊>

「ニューヨーク野菜配達物語」
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ニューヨーク野菜配達物語―マイ・ブラザーズ・ファーム

  

 

「米で起業する!」
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米で起業する!

 

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2009.02.17 20:01

食育三国志 その4

 

松宮園生です。

(前回までの復習)
「食育基本法」という法律ができ、霞ヶ関の3省がそれぞれ独自に食育活動を
展開しています。
その様子を、1800年前の中国を舞台にした「三国志」になぞらえて解説します。

厚生労働省は、蜀(しょく)という国に
文部科学省は、呉(ご)という国に
農林水産省は、魏(ぎ)という国に
それぞれ、ちと強引に、独断と偏見で、なぞらえてみます。

「食育三国志 その2」では厚生労働省を、「食育三国志 その3」では文部科学省の食育について書きました。

  (前回) 「食育三国志 その3」
  http://www.shokuiku-pro.com/production/2009/02/3_33.html 

今回は農林水産省の食育の話です。

◆◆◆

農林水産省は、年間70億円くらいの予算で、食育を進めようとしています。
この金額は、3つの省のなかではダントツです。
しかもこの70億円のほかに、
「食の安全・安心確保交付金」
「農山漁村活性化プロジェクト支援交付金」
「地域バイオマス利活用交付金」
といった予算が存在し、その一部が食育のために使われることになっています。

三国志の魏という国の規模も、3国のなかでダントツです。

農林水産省の食育予算がダントツなのはムリもありません。
そもそも食育は食べるものに関することがらですし、競合する3省のなかでは農林水産省がもっとも食べるものに近い存在です。

三国志の魏も、規模がダントツなのはムリもありません。
なぜなら、魏は中国大陸でもっとも富と人口が集中している「中原」と呼ばれるところを支配しているからです。
中原と呼ばれるこの裕福な地域には、いにしえの王朝が好んで都とした洛陽と長安(いまの西安)があります。

ただし微妙な点もありまして…
「食育三国志 その1」で書きましたが、日本には「食」そのものを管轄するズバリのお役所がありません。
そのために、食に関することがらは、
農業であれば農林水産省
健康問題であれば厚生労働省
給食であれば文部科学省
といったように、複数のお役所に分断されているのです。

魏も、じつは中国の「ズバリの王朝」というわけではありませんでした。
魏という国には、皇帝がいなかったのです。

どういうことかというと、蜀呉魏3国の争いがたけなわのころ、中国にはまだ「漢帝国(正確には、後漢)」が生きていました。
漢帝国には皇帝がおり、魏は、漢帝国に仕えるいくつかの国のひとつだったのです。
漢帝国、という広大な領域のなかに、蜀という国、呉という国、魏という国が生息していたということです。

ちょっと分かりにくいかもしれませんが、帝国なかに、いくつか国があったのです。

このときの漢帝国は名ばかりの存在になっていました。
魏は、漢の皇帝をかかえこんで「あやつり人形」とし、勢力を拡大していきました。
しかし公(おおやけ)には、中国のトップは漢の皇帝とされていました。
漢の皇帝があがめられることはあっても、魏があがめられることはありませんでした。
魏は、「ズバリそのものの国」ではなかったわけです。
(日本でたとえると、京都に朝廷がありながら、政治の実権を「鎌倉幕府」や「室町幕府」や「徳川幕府」が握っていたようなものです)

さて、農林水産省の食育の特徴はなんでしょうか?
それは、
「日本の農業を守りたい」
この一言につきます。
そのために、食育というキーワードを活用しようとしています。

日本の農業を守るために、農林水産省は、
「食糧自給率をアップさせたい」
「農家の地位を高めたい」
と考えています。
そのためのスローガンがふたつ、生みだされました。
食育について勉強していると、
「地産地消を進めよう」(=地元でとれる農作物を食べよう)
「農村の多面的機能を理解しよう」(=農村は食物を生産しながら、生き物の生態系を守り、景観も守っている。いろいろな機能をもつ大事な存在だ)
というスローガンに出会います。
ここには、農林水産省の熱い思いがこめられているのです。

「地産地消が大事だ」
「農村の役割は大きい」
といわれると、なるほどもっともだ、そりゃそうだ、と思いますよね。
地元の農作物を大切にしたり、環境を守ったりすることに反対する人はいません。
したがい、農林水産省の食育には、だれでも賛成します。

誰でも賛成する、という点は三国志の魏も同じです。
魏という国は、「漢帝国からもっとも信頼されている王国」というスローガンを掲げていました。
あらゆる命令は、魏が勝手につくり、漢の皇帝のハンコが押されて発令されていました。
皇帝のハンコが押されているので、だれも反対できませんでした。
しかし、魏は
「いつかは漢帝国をほろぼし、自分が帝国になる」
ことを狙っていました。
漢帝国を守ることが目的ではありませんでした。

同様に、農林水産省の目的は
「食育により国民を健康にする」
ことではありません。
あくまでも「農業(=作る人)を守る」のが目的です。
食べる人を守ることではない、ということを、忘れてはなりません。
もともと、農林水産省の存在目的は、作る人を守ることなのです。
これはべつに、農林水産省が片手落ちというわけではまったくありませんし、悪意があるというわけでもさらさらありません。

食べる人を守らないからといって農林水産省を責めるのは、風邪をひいたからといって近所のラーメン屋に文句をいうようなものです。
そもそも役割がちがうのですから…。

「食べる人を守ることを存在目的とする役所」は、日本にはないのです。
(数年前にようやく「食品安全委員会」という役所ができました。あんまり目立ちませんけど…)

農林水産省の食育は「農業を守る」こと。
そのために、農林水産省系の食育講座では、
* 地産地消の大切さ
* 日本の食料自給率がいかに低いかということ
* 農村がいかに環境保護に役立っているかということ
が熱心に語られているのです。

(食育三国志 いったん完結)

 

 

 

 

 

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2009.02.16 19:53

食育三国志 その3

 

温故知新(ふるきをあたため、あたらしきを知る)、松宮園生です。

(前回までの復習)
「食育基本法」という法律ができ、霞ヶ関の3省がそれぞれ独自に食育活動を展開しています。
その様子を、1800年前の中国を舞台にした「三国志」になぞらえて解説します。

厚生労働省は、蜀(しょく)という国に
文部科学省は、呉(ご)という国に
農林水産省は、魏(ぎ)という国に
それぞれ、ちと強引に、独断と偏見で、なぞらえてみます。

  (前回) 「食育三国志 その2」
  http://www.shokuiku-pro.com/production/2009/02/2_37.html

◆◆◆

今回は文部科学省の食育です。
文部科学省は、年間18億円くらいの予算で、食育を進めようとしています。

この金額は、厚生労働省より少し多く、農林水産省よりだいぶ少ないです。
農林水産省>>文部科学省>厚生労働省
という図式です。

三国志の3国の規模もこれと似ており、
魏>>呉>蜀
となっています。

つまり、文部科学省のポジショニングは、呉とよく似ています。

三国志の呉という国は、揚子江の南で勢力をのばした国です。
いわゆる南国でした。
蜀や魏がわりと冷淡というか、シニカルというか、人を小ばかにするようなところがあり、まあ中華思想的なところがあるのに対し、呉はちょっと一本気で熱いところがあります。

文部科学省の食育もある意味、熱い。
この省の食育の大目的は「しつけ」です。
それはそうですね。文部科学省というのは教育を管轄する省なのですから。

たとえば「箸の持ち方」。
厚生労働省や農林水産省にとって「箸の持ち方」はどちらかというとドーデモイイことなのですが、文部科学省にとってはそうではありません。重要なことです。

たとえば「いただきます」「ごちそうさま」を言うことの意味。
これも厚生労働省や農林水産省にとっては2次的なことですが、文部科学省にとっては大事なことです。

What time is it now? (いま何時?)
を覚えるのに、
「掘ったイモいじるな」
という語呂合わせを使うことがありますね。
同様に、ガイジンに「いただきます」を教えるとき、僕はときどき悪ふざけで
Eat a dirty mouse. (汚れたネズミを食べろ)
という語呂合わせを教えてます。
こんなふざけたこと、「文部科学省型食育軍団」に知られたらきっと処刑されてしまいます。

たとえば
「食育というのは、知育・体育・徳育と並ぶ、人間形成の基本だ」
というのも、文部科学省の食育路線です。

「食事は家族団らんで食べるべきだ。これが失われつつある風潮には問題がある」
という主張も、この路線です。

そういう性質があるため、文部科学省の食育には熱心な賛同者がいます。
さきほど、「文部科学省型食育軍団」という表現をしましたが、まさに軍団。

この軍団は、正義感にあふれています。
日本の家庭環境が昔と違ってきているのを、もっとも心配しているのもこの軍団です。
正義感に熱いという点で、三国志の呉とよく似ているのです。
岡本太郎画伯風にいいますと、「パッション」です。

さて「パッション」を重んじ「しつけ」を重視するこの軍団は、一方で「エビデンス(証拠・理由)を重視しない」という性質もあります。
エビデンス(証拠・理由)の質問をすると、たいてい叱られます。
なぜ箸の持ち方が大切なんですか?
なぜ「いただきます」を言わなくちゃいけないんですか?
なぜ家族団らんで食事をしないといけないんですか?
こういう根源的な質問は禁句です。この疑問を口にしたとたん、僕は非国民として軍団に処刑されてしまいます。
神の存在を疑った瞬間、あなたはキリスト教の信者ではなくなるのです。

箸の持ち方は大切である。問答無用。
「いただきます」を言わない人間はダメである。問答無用。
家族団らんが大事だというのは、アタリマエじゃないか。あんたは家族団らんに反対なのかね?
…これが軍団の主張です。

ま、悪ノリ(←死語)してちょっと皮肉に書きましたけど、僕も箸の持ち方はキチンとしたいと思うし、「いただきます」は必ず言ってるし、「家族団らん」の家庭に育っているので、両親に感謝しています。
ですので、お願いです、処刑しないでください。僕だけ助けて。

◆◆◆

さて、文部科学省の食育路線で食育活動をしたいあなた。
「食育軍団」は「パッション」を重んじ「しつけ」を重視していますが、食育を仕事にしたいあなたはもうすこし「今風」の路線をとることをオススメします。
というのは、パッションとしつけ、ではお金になりにくいからです。

仕事として食育をする場合、文部科学省の路線でいくなら、ポイントはずばり、
Food Fight (フード・ファイト)
です。
Food Fight (フード・ファイト)については以下をご覧ください。

  「食育は英語で何というの? その1」
  http://www.shokuiku-pro.com/production/2007/04/_1_1.html

つまり
「成績をあげる食べ方」
「競争に勝てる食べ方」
「成功する食べ方」
これです。
このプログラムを作れたら、あなたの食育は有名になります。

プログラムができたら、ぜひご連絡ください。
商品化のお手伝い、いたします。

 

 

 

<おススメの1冊>

「箸づかいに自信がつく本」
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箸づかいに自信がつく本―美しい箸作法は和の心

 

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2009.02.14 22:05

食育都市伝説

 

 

松宮園生です。

 

巷で噂されている食育都市伝説をご紹介。

 

■最後の晩餐ドットコム

もうすぐ死んじゃうと分かっていたら、最後に何を食べたいですか?
寿司?
ラーメン?
べったら漬け?
いままで厳格なベジタリアンだったから、最後だけは焼肉?

「最後の晩餐ドッドコム」は、人生最後に何を食べたいか、登録するサイトです。
ちょいと登録してみましょうか。
無料だし。
途中で違うものが食べたくなったら、登録内容をいつでも変更することができます。

登録したのを忘れてしまったころ…。
ある日突然、登録したとおりの食事がケータリングサービスで運ばれてきます。
無料です。

食べてみます。
味は抜群です。
最高の素材を、一流の料理人がさばいてます。
楽しんで食べてください。

その代わり、その食事を食べ終わったら、あなたの人生は終わります。
食べずに残してしまっても、あなたの人生は終わります。
どのように終わるのかは、目撃者がいないので誰も分かりません。
警察は、自殺として処理してしまうそうです。

 

■食育ロボットの食事作法

天才科学者ロバート・シトピッチャン教授が開発した食育ロボット、アンドリュー77型。
彼は、口から食べることができないので、身の毛もよだつような食べ方をします。
詳しくはこちら。

  「アンドリューの食育レストランガイド」
  http://www.shokuiku-pro.com/production/2008/03/post_125.html

 

■食育おねいさん

食べたものを携帯で写真に撮り、食育おねいさんにメールを送ると、艶っぽいコメントが返ってくる。
ただし食事内容が悪いと、佐久間象子の顔写真が送られてくる。
詳しくはこちら。

  「食育おねいさん」
  http://www.shokuiku-pro.com/production/2008/04/post_136.html

 

■メルトダウン・チョコレート

ベルギーのセメス社のチョコレート。
口に入れると、繊細なほろ苦さと香り立つ甘さの絶妙なバランスに陶然となります。
あまりの美味しさに、イギリス王室がセメス社のチョコレートをすべて買占めようとしたそうです。

セメス社のチョコレートのなかに、「メルトダウン」と呼ばれる商品があります。
値段は1粒4000ドル(40万円ちかい)。
その美味しさは、比類するものがありません。
チョコレート史上の最高傑作と言われています。

メルトダウンのニセモノも売られています。
本物と区別がつかないくらいの味わいだと言われています。
試しに食べてみましょう。
ニセモノとはいえ、溶けるような味わいに思わずため息をつきます。

しかしハッと気がつくと、溶けていたのはチョコレートではなく、あなたの舌でした。
舌が溶けてなくなっている!
それに気がつかず、頬(ほお)まで溶かしてしまう人もいるそうです。

 

■安心・安全の野菜を食べたい

「顔の見える野菜」
をテーマに掲げたあるスーパーマーケットでは、野菜売場にこんなのが並んでいます。

* 人面ダイコン
* 人面トマト
* 人面ピーマン
* 人面タマネギ

それって、「顔の見える野菜」じゃなくて、「顔に見える野菜」じゃねえの…?

 

■いびつな健康家庭

<アメリカ型の島田さん一家>
早寝早起きを心がけ、朝ごはんはしっかり食べる。
ただし…。
朝ごはん:ピザとコーラ
昼ごはん:ハンバーガー
夜ごはん:ポテチをはじめとしたお菓子

<香港型の村中さん一家>
有機野菜、全粒粉のパンなど、食材にはものすごく気をつかう。
ただし…。
朝食はいつも抜いている。
昼食を何時に食べるかは決まっていない。
夕食を食べるのはいつも寝る直前。
しかも、食べる量が、ハンパない。

 

■人食い人種

人食い人種だって、健康的な食事をしたい。
ジャンクフードなんか食べたくない。

アメリカに留学した人食い人種のキャサリンでしたが…。
たしかにアメリカは人口も多く、いろんな人種がいて「食事のバラエティー」が豊富なのですが、食べたいと思う人が少ない。
みんなメタボだし。
ワケワカメなもの、食べてるし。

「とんでもないところに来ちゃったわ」
頭を抱えるキャサリン。

そんなキャサリンが、ロサンゼルスに旅行したときのこと。
サンタモニカでベジタリアンの男の子2人にナンパされました。

3人はオーガニック野菜を中心としたヘルシーレストランで、夕食を食べることになりました。
男の子の片方はサラダを注文し、もう片方は豆腐料理を注文しました。

ウエイトレスが言いました。「で、お客様は何をご注文なさいますか?」
キャサリンは上機嫌で答えました。「気にしないで。わたしはこの2人が食べ終わるのを待ってるだけだから」

 

 

 

 


<おススメの1冊>

「食の歴史を世界地図から読む方法」
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食の歴史を世界地図から読む方法―料理や食材の意外なルーツがわかる イラスト図解版

 

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2009.02.13 21:23

食育三国志 その2

 

 戦う平和主義…、松宮園生です。

(前回の復習)
「食育基本法」という法律ができ、
厚生労働省
文部科学省
農林水産省
の3省が、それぞれ独自に食育活動を展開しています。
その様子を、1800年前の中国を舞台にした「三国志」になぞらえて解説します。

  前回 「食育三国志 その1」
  http://www.shokuiku-pro.com/production/2009/02/post_182.html

厚生労働省は、蜀(しょく)という国に
文部科学省は、呉(ご)という国に
農林水産省は、魏(ぎ)という国に
それぞれ、なぞらえたいと思ってます。

(ま、ムリヤリといえばムリヤリですけど)

◆◆◆

今回は、厚生労働省の食育です。
厚生労働省は、年間9億円くらいの予算で、食育を進めようとしています。

厚生労働省の食育は、目的が明快です。
なにを目的としているかというと、「メタボ対策」です。

国民の食習慣が「食育」によって変われば、メタボが減るかもしれない。
メタボが減れば、病気になる人も減るだろう。
病気になる人が減れば、医療費も減るだろう。

こういう、明らかな目的があります。
また、メタボ対策は、個人の利益と国のもくろみが一致しています。
すなわち、
個人にとっては自分が健康になる
国にとっては医療費を減らせるかもしれない
ということです。
一致しているので、厚生労働省の食育に反対する人はいません。

三国志の蜀という国は、目的の明快な国でした。
この国の目的は、「滅びかけた漢帝国を復興させる」ことでした。
当時、「漢帝国を復活させる」というスローガンに正面から異議を唱える人はいませんでした。

つまり、厚生労働省の食育と、三国志の蜀は、よく似ているわけです。

厚生労働省の食育には、さらに
「科学的にしっかりした方法をとろうとする」
という特徴があります。

たとえば、厚生労働省は
「食育の基本は箸の使い方だ」
とは言いません。
肯定もしないし、否定もしません。
なぜなら、本当にそうなのか、そうでないのか、という科学的根拠がないからです。

(なにかを証明する科学的根拠のことを、「エビデンス」といいます。食育の仕事を目指す方は、この言葉を覚えておきましょう)

厚生労働省の食育には、3つの問題があります。
1つ。厚生省の食育活動に便乗して怪しげな健康法を商売にしようとする人が後をたちません。厳しい罰則が存在しますが、それでも健康被害は起きています。
1つ。厚生労働省の食育は科学的にしっかりした方法ではあるのですが、「分かっちゃいるけどやめられない」人にどう対処するかが、未解決です。タバコをやめられない人に、タバコの害を説いてもあまり効果がないのと同じです。
1つ。厚生労働省の食育活動には、専門的な知識が必要です。だれでもできるようなことではありません。したがい、担い手がなかなかいないのです。

担い手がなかなかいないという点は、三国志の蜀と共通しています。
蜀は人口の小さな国で、戦争の担い手(兵隊の数)に乏しい国でした。
ひとりひとりの兵士は、強かったのですが…。

ここで、「担い手がいない」というところに注目してください。
担い手がいないということは、担うことのできる人にとっては大きな活躍の舞台になります。
ライバルがいないわけだし。
食育の仕事を目指す方、いちど厚生労働省の食育について調べてみることをオススメします。

次回(その3)では、文部科学省の食育についてレポートします。

 

 

 

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2009.02.11 21:25

食育三国志 その1

変化を求める人間、松宮園生です。

三国志。

名前を知らない人は少ないと思いますが、いちおうカンタンに解説。
「三国志」というのは、今から1800年昔の中国大陸を舞台にした
歴史物語です。
物語というか、事実をもとに書かれているので「戦記」でもあるのですが。

200年のあいだ中国大陸を支配した「後漢」という大帝国が滅び、
劉備(りゅーび)という人の率いる「蜀」(しょく)という国
孫権(そんけん)という人の率いる「呉」(ご)という国
曹操(そーそー)という人の率いる「魏」(ぎ)という国
が、中国大陸の覇権をめぐって競う
という話です。

ロール・プレイング・ゲームの題材にもよく使われます。
「レッド・クリフ」という映画は、この三国志を題材にしています。

さて、一昨年、「食育基本法」という名前の法律ができたのですが、
どんな法律かというと、
「国家予算を使って食育をしなさい」
という命令の書かれた法律です。

それ以降、国家予算の分配をめぐって競争がはじまりました。
どこで誰が競っているかというと、
「霞ヶ関」で
厚生労働省
文部科学省
農林水産省
の3省が「食育」競争をしているのです。

この状況がちょっと「三国志」に似ているところがあるので、
ムリヤリ「三国志」っぽく語ってみたいと思ってます。

(霞ヶ関: 中央官庁がひしめきあっているところ。東京都千代田区の地名)

なぜこの3省が競っているかというと…

アメリカにはFDAという名前の、「食の安全」を管轄する強力な役所があります。
日本には最近までそういう役所は存在しませんでした。

日本の中央官庁のうち、食べ物に関係しそうな役所といえば、厚生労働省か農林水産省です。
あと、学校での家庭科の授業とか、給食とかは文部科学省のテリトリーです。
しかし厚生労働省は病気を治すことや病気を予防することを担当し、農林水産省は農家を守ることを担当しています。
文部科学省は、教育が本業ですよね。
つまりどの役所も、食べるものの安全を管轄するのが本業ではなかったわけです。

(数年前にようやく「食品安全委員会」という役所ができました。あんまり目立ちませんけど…)

話を戻します。
「食の安全」がどの省庁の管轄になるのかあいまいだった経緯があるため、その影響で「食育」もどの省庁の管轄になるのかがあいまいでした。
じつは、今でもあいまいなままです。

そのため、
厚生労働省
文部科学省
農林水産省
の3つが、それぞれ独自に「食育活動」を展開しています。
ややこしいですね。

これを、勝手に「食育三国志」と呼ぶことにしましょう。

それぞれの省庁が、だいたいどのくらいのおカネを「食育」に使うのか、を書いておきます。

厚生労働省:年間9億円くらいの予算。
文部科学省:年間18億円くらいの予算。
農林水産省:年間70億円くらいの予算。

面白いことに、この数字は、本物の「三国志」のそれぞれの国の規模と似たような比率になっています。

劉備の率いる「蜀」: 強いけど小さな国でした。厚生労働省の食育予算に似ています。
孫権の率いる「呉」: おおらかな国柄で、「蜀」よりちょっとだけ大きい国でした。文部科学省の食育予算に似ています。
曹操の率いる「魏」: 飛びぬけていちばん大きな国でした。農林水産省の食育予算に似ています。

本物の「三国志」では、「蜀」と「呉」が手を組み、大国「魏」に対抗しています。

「食育三国志」ではどうでしょうか?

次回(その2)以降、それぞれの省庁の「食育作戦」の特徴について、おもしろおかしくレポートします。

 

 

 

 

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2009.02.09 21:00

史上最強の栄養教諭 後編

 

松宮園生です。 

 

(前回のあらすじ)
児童を威圧する恐怖の栄養教諭、佐久間象子。
このままでは、多くの児童がPTSDになってしまいます。
ですが、なぜか校長先生は、その強烈ぶりを見て見ぬ
ふりをしていました…。

  (前回)「史上最強の栄養教諭 前編」
  http://www.shokuiku-pro.com/production/2009/02/post_180.html

◆◆◆

風の冷たい真冬の夕刻。
とある小ぎれいな一軒家。
「TERANISHI(寺西)」と横文字で書かれた表札を、薄着に半袖の佐久間象子は腕組みをして睨(にら)んでいます。

「この家ですか」
佐久間象子が吠えるようにつぶやくと、
「はい、そうです、先生」
付き添ってきた小柄なオジサンが、おどおどした表情で答えました。
このオジサン、「美味しんぼ」に出てくる東西新聞社の文化部の副部長(名前、忘れた)に少し似ています。

佐久間象子がアゴで指示を出すと、その冴えない風貌のオジサンが、寺西家の呼び鈴を鳴らしました。
「どなた」
眠たげな声がインターフォンから聞こえました。

オジサンが言いました。
「あ、あのう。此花小学校の2年2組の担任をやっとります、神林ですが」
「またですか」
「またですかって、そろそろお子さんの給食費を払っていただきませんと、たいへん困るのですが」

インターフォンを通じてため息が聞こえました。
「しつこいわねえ。義務教育なんだから、給食費だってタダにしなきゃおかしいじゃん。何度おなじこと言わせるのよ」
「し、しかしですね、お母さん」
「しかしもなにもないわよ。じゃね。文句があるなら総理大臣に言って」
「ちょ、ちょっと寺西さん」

2年2組の担任、神林先生は、佐久間象子のほうに向きなおり、頭をかきました。
「いつもこうなんです、ここんち」

◆◆◆

「分かりました。神林先生は下がっていてください」
佐久間象子は低い声でいい、腕組みをしたまま一歩進み出ると、大きく息を吸い込みました。
空が心なしか、暗くなりました。
つむじ風がおき、油断していた神林先生は転びそうになりました。

数秒後、寺西家がガタガタ揺れだしました。
窓にヒビが入り、家の中で家具がひっくり返る音がしました。
続いて、なかから女性が飛び出してきました。
さっきの寺西さん(寺西君という小学生のお母さん)です。

佐久間象子が全身の力を緩めると、ガタガタいうのが止まりました。
寺西さんは呆然とした表情で、きょろきょろしています。「い、いまのは…?」
「地震です、寺西さん」佐久間象子が冷淡な表情で答えました。
「あ、あなたは誰?」
「神林先生と一緒に、学校給食費の集金に回っています」

その言葉に、寺西さんは顔をしかめました。
「うちにはお金なんてありません」
言い捨てると、家の中に入ってしまいました。

佐久間象子はふたたび、腕組みのまま、息を吸い込みます。
空の色が変わり、つむじ風がおき、またもや揺れだす寺西家。
皿の割れる音がします。
ほどなく、寺西さんが飛び出してきました。
寺西さんは目の前に立ちふさがる佐久間象子と神林先生にむかい、ヒステリックに叫びます。
「な、なんなのよ、あんたたち」

「地震です」
「わざとやってるでしょ」
「わざと?」佐久間象子は無表情に「あなたは、わたしがわざと地震を起こしたといいたいのですか」
「う」言葉に詰まる寺西さん。
「わたしは、ふつうに呼吸しているだけですよ」

その言葉に嘘はありませんでした。
佐久間象子は、ふつうに呼吸をしているだけだったのです。
ま、ケンシロウ風にいうと、「闘気をまとった」ことになるみたいですけど。

不満そうにぶつぶつ言いながら、静かになった家に戻る寺西さん。
すると、またもや佐久間象子の人工地震が…。

これを4度繰り返した時点で、寺西さんは給食費を払うことに同意しました。
当初、警察に電話するなどと息巻いていた寺西さんだったのですが、佐久間象子は敷地の外で呼吸をしていただけなので、なんの罪にもならなかったのです。

◆◆◆

校長先生が佐久間象子を雇っている理由、読者のみなさんはもうお分かりですね?
佐久間象子は、昼間は泣く子も黙る栄養教諭。
放課後は、給食費未納のモンスター・ペアレンツから、給食費を取り立てる仕事もしていたのです。
凄腕の、取り立て屋なのでした。

ま、校長先生に言わせると、これも栄養教諭のもともとの業務だそうですが、ホントかどうかは分かりません。

帰り道。
道行く人々のコートの裾が、北風にあおられています。
半袖の佐久間象子は、何事もないかのように、のっしのっしと歩いています。

その姿を小走りに追いながら、
「いやあ、佐久間先生、ありがとうございました」
なんども頭を下げる神林先生。
その眼に宿っているかすかな怯えの色に、佐久間象子は気づいていました。
気づいていましたが、知らぬふりをしました。

強い栄養教諭は、つねに孤独なのです。(←深い?)

 

 

 

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「給食ニュース大百科」
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給食ニュース大百科〈2009〉―食育に役立つ給食ニュース縮刷活用版

 

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2009.02.07 20:30

史上最強の栄養教諭 前編

 

冒険、冒険、また冒険…♪  松宮園生です。

 


<栄養教諭>
栄養教諭とは…(中略)…文部科学省により新設された
資格である。
…(中略)…
「食と教育の、両方の専門家」
であるという自覚を持ち、子どもたちが将来にわたって
健康に生活できるよう、食についての指導を行うことが、
栄養教諭の役割である。
主に、学校給食の場を通じて指導を行うことが多い。
(日本食育大学出版「オールジャパン食育大辞典」より)

◆◆◆

今日は、4年1組の番でした。

ベテラン栄養教諭の佐久間象子がのっしのっしと入ってくると、クラスは水を打ったように静かになります。
怯えているのは児童だけではありません。
担任の黒崎先生も、おどおどしながら佐久間象子の挙動を見守っています。

児童の机の上には給食が準備されていますが、まだ誰も手をつけていません。
佐久間象子の許可なしに手をつけるような勇者は、この学校にはいないのです。

上履きをはいた佐久間象子が木製の教壇に上ると、足元がミシミシと音をたてました。
彼女の上履きのサイズは、28センチだと言われています。

子どもの頃、
「ゾウが踏んでも壊れない筆箱」(※)
というテレビCMがあったっけ…。
ミシミシ言う音を聞きながら、中年の黒崎先生はそんなことを連想していました。

  (※) http://www.youtube.com/watch?v=-tHIFKKdc98

教壇に立ち、クラスを睥睨(へいげい)する佐久間象子。

「このクラスに2月生まれの子はいますか」
佐久間象子は低く唸るように言いました。
3人の児童がびくびくしながら手を挙げます。
「じゃあ、きみ。名前は?」
「吉森です」
「では吉森君、今日の献立について説明しなさい」
「えっと」
「えっとは余計です」
「は、はい。き、今日の献立は、雑穀ごはん、牛乳、イワシのかば焼き、きざみたくあん、わ、ワカメの味噌汁です」

「うむ、よろしい」
うなずく佐久間象子。

毎日の献立は、あらかじめ暗記する決まりになっていました。
暗唱に失敗した児童は佐久間象子から恐ろしい雷が落ちるのです。
本物の雷より、2倍怖いと言われています。

というわけで、間違えずに答えることができて、ほっとする吉森君。

しかし、尋問はまだ終わりませんでした。
「吉森君のとなりのあなた、名前は?」
「はい、新城です」
「では新城さん、イワシについて何か予習してきましたか?」
「はい」長い髪に赤いリボンの新城さんは、優等生らしくノートを広げました。「イワシは魚へんに弱いという漢字を書く、近海の魚です。日本人の食生活にたいへん親しまれています。栄養も豊富です」

「よろしい。よくできました。では窓際の一番後ろに座っているきみ、名前は?」
「僕ですか? 大田です」
「では大田君。かば焼きとは何ですか?」
「え?」
「かば焼きについて説明しなさい」
「え?」

大田君は困った顔をして天井を見上げました。
佐久間象子の額がピクッとなりました。
教室にイヤな緊張感が走ります。

「どうして黙っているのですか」語気を荒くする佐久間象子。「早くかば焼きについて説明しなさい」
「えっと」
「えっとは余計です」

大田君は答えることができませんでした。

「かば焼きが答えられないとは何事ですか。予習をしたのですか」
「ご、ごめんなさい…」
「このたわけ者が!」大音声(だいおうんじょう)で時代めいたセリフを吐く佐久間象子。その声に、窓ガラスが震動しました。「せっかく皆で楽しい給食を始めようとしていたところを、大田君、きみ1人の怠慢のせいで台無しですよ」

「さ、佐久間先生、そんなに怒鳴らなくても…」立ち上がろうとする担任の黒崎先生。
「あんたは黙らっしゃい!」
すごい形相で佐久間象子ににらみつけられ、黒崎先生はへなへなと座り込んでしまいます。

「いいですか、皆さん」
佐久間象子は、黒板に「人を良くする=食」と書きました。
実際には、途中でチョークが3回、折れましたが。
「いいですか、皆さん。何気なく食べてはいけないのです。素材のことも勉強し、調理のことも勉強し、それを80回噛みしめて食べる。それが大切なのですよ」

振りむくや、佐久間象子は太い指で大田君を指しました。「分かったか、大田!」

(なにを分かったらいいのか…)

しかし、大田君の姿はそこにありませんでした。
恐怖に気を失い、床に倒れていたのです。

◆◆◆

粗相をしたのは大田君だけでしたが、連帯責任ということで、そのあと佐久間象子の説教が始まりました。
長い長い説教が終わり、児童たちがようやく食べることを許されたときには、ワカメの味噌汁は冷えきっていました。
黒崎先生の味噌汁にいたっては、うっすらとですが氷が張っていたそうです。

シベリアかっつーの。

それにしても、凶暴な栄養教諭がいたものです。
こんな栄養教諭がいて、給食が美味しいわけはありませんね。

ですが、この学校の校長先生は佐久間象子を離そうとはしなかったのです。
どうしてでしょうか?
その驚くべき理由については、次回をお楽しみに。

(つづく)

 

 

 

 

<おすすめの1冊>

「図解 食育―ほしいデータがすぐ見つかる!」
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2009.02.05 18:22

ぶらり地下鉄食育線

 

松宮園生です。

 


ガタゴト…ガタゴト…。

まいど地下鉄食育線をご利用いただき、まことにありがとうございます。
この電車は「エコ大通り」経由「メタボ中央」行きです。
次は「いただきます3丁目」、「いただきます3丁目」。
子育て線、コショク線、ちゃぶ台線はお乗り換えです。
お降りの方は「ごちそうさま」もお忘れなきよう、身の回りをお確かめください。

ガタゴト…ガタゴト…。

まいどご乗車ありがとうございます。
この電車は「エコ大通り」経由「メタボ中央」行きです。
次は「地産地消」、「地産地消」。
食料自給率線、フードマイレージ線はお乗り換えです。
「地産地消」を主張するからには、どなた様も輸入果物を食べていないことを、お確かめください。

ガタゴト…ガタゴト…。

まいどご乗車ありがとうございます。
この電車は「エコ大通り」経由「メタボ中央」行きです。
次は「玄米菜食前」、「玄米菜食前」でございます。
ナチュラル・ハイジーン線はお乗り換えです。
お降りの方は肉食と乳製品に充分お気をつけなさいますよう、お願い申しあげます。

ガタゴト…ガタゴト…。

まいど地下鉄食育線をご利用いただき、まことにありがとうございます。
この電車は「エコ大通り」経由「メタボ中央」行きです。
次は「西オーガニック」、「西オーガニック」。
農薬線、遺伝子組換線はお乗り換えです。
足元が広く空いております。
お降りの方は青虫に充分、お気をつけください。

ガタゴト…ガタゴト…。

まいどご乗車ありがとうございます。
この電車は「エコ大通り」経由「メタボ中央」行きです。
次は「エコ大通り」、「エコ大通り」でございます。
JRマイ箸線はお乗り換えです。
お降りの方は箸を洗うのをお忘れなきよう、ご注意願います。

ガタゴト…ガタゴト…。

まいどご乗車ありがとうございます。
この電車は「メタボ中央」行きです。
次は「食の大切さ坂上」、「食の大切さ坂上」。
イマサラ線、アタリマエ線はお乗り換えです。
お降りの方はもう少し工夫をなさいますよう、お願いいたします。

ガタゴト…ガタゴト…。

まいどご乗車ありがとうございます。
この電車は「メタボ中央」行きです。
次は「産地偽装1丁目」、「産地偽装1丁目」。
トレサビ線、国産線、ラベル表示線はお乗り換えです。
どなた様もバレないよう、足元にお気をつけください。

ガタゴト…ガタゴト…。

まいどご乗車ありがとうございます。
まもなく終点「メタボ中央」、「メタボ中央」。
終点でございます。
JRジャンクフード線、JRポテトチップス線、JRコンビニ弁当線、都営お酒の後のラーメン線はお乗り換えでございます。
どなた様も内臓脂肪に油断なさらぬよう、アンチエイジングにもお気を配りください。

本日は地下鉄食育線をご利用いただき、まことにありがとうございました。
安全第一の電車ですので、落ちはありませんが、またのご利用をお待ちしております。

 

 

 

<おススメの1冊>

「フード・マイレージ―あなたの食が地球を変える」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4535583749

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2009.02.03 13:08

食育せぇるすまん その3

 

視力回復を目指す、松宮園生です。

駄目ビジネスマンを相手に2流、3流の商品を売りつけるのを
生業にしている人物がいます。
その人物の名は、「アゴヒゲ」。
フリーランスのセールスマンです。
僕も「駄目ビジネスマン」の1人と見なされているらしく、
アゴヒゲによくつきまとわれて困っています。

  前回「食育セールスマン奮闘記 その2」はこちら。
  http://www.shokuiku-pro.com/production/2009/02/2.html

◆◆◆

事務所で食事をしているところに、アゴヒゲが現れました。
「あーっ」
と、アゴヒゲは指さして言いました。
「あんた、おれに黙ってレンコンのきんぴらを食ってる」

「僕のだよ。あんたのじゃない」
僕はぶっきらぼうに答えました。
「美味だけど、あんたに食わせるほどたくさんはないよ」

「相変わらずケチだな、あんた。客にきんぴらも出さんのか」アゴヒゲは言いました。「まあいい。きんぴらは好きじゃないんでね」
「何しに来たんだよ。用がないなら、早く帰ってくれ。用があっても、帰ってくれ」
「まあまあ落ち着け。今日はいいものを持ってきてやったんだ」

アゴヒゲが鞄から取り出したのは、水の入ったペットボトルでした。
「ミネラルウォーターだ。けどそこんじょそこらのミネラルウォーターと一緒にするなよ。ほら、ラベルを見なよ。『真のミネラルウォーター』って書いてあるだろ? そうなんだ。これは真のミネラルウォーターなんだ」
「で?」
「鈍いなあ。あんたはこれをオレから仕入れるんだよ。1本50円で売ってやるから、あんたがこれをネットワークで100円で売れば、儲かるじゃないか」
「買えっていうの?」
「確かに世の中にはミネラルウォーターは何種類もあるよ。でもな、日本産に限っていうと、本物はこれだけなんだ」
「本物って、どういうこと?」
「よくぞ聞いてくれました」アゴヒゲは芝居がかった口調で言いました。「他のミネラルウォーターはな、ミネラルウォーターというのは名ばかり。実態は、浄水器でろ過したものばかりなんだよ。日本にはもう天然の水源というのがなくなっているんだよ。ただ1か所、富山県にあるだけでな、富山県の氷見市というところだ。この水はな、その富山県の氷見市の水源から取れた貴重な水なんだよ。…ちょっと待て」

いったん言葉を切り、アゴヒゲは資料の束を取り出しました。
「××大学の××教授がな、この水を分析してみたんだ。ほれ、ここだ。カシュー値というのが100を超えているだろ。カシュー値は滅多に50を超えないんだが、それが100もあるんだ。すごいだろ」
「カシュー値ってなに? その数字が大きいと、何がいいわけ?」
「えっ、あんたカシュー値を知らないのか?」
「知らないよ」
「いま話題になっているじゃないか。カシュー値が高いと、健康にいいんだよ。あきれたね。当然知ってるものだと思ってたから、説明資料を持ってこなかったよ」
「聞いたことないよ。ホントに話題になってるの? で、だからカシュー値って、どういうの?」

「あのな」アゴヒゲは、怖い顔をして言いました。「そんなアタリマエの質問には答える気はないね」
「なんだ、知らないのか」
「知ってるさあ」
「じゃあ説明してよ」
「あのな」アゴヒゲは、怖い顔をして言いました。「ビジネスで成功したかったら、もっと情報収集をしなきゃいかんよ、あんた。今どきカシュー値を知らないとはねえ。まあいい、カシュー値の分からんやつに、いくら説明しても無駄だからな。話を変えよう」

アゴヒゲは、鞄から別のペットボトルを取り出しました。
「神話水」と書いてあります。

アゴヒゲが言いました。「これはな、別名、『天照大神(あまてらすおおみかみ)ウォーター』と呼ばれている有名な水だ」
「誰が?」
「誰が、とは?」
「誰が、『天照大神ウォーター』って呼んでるわけ?」
「そりゃあんた、タレントとか、もう少しでノーベル賞候補と言われてる博士とかだよ。そうそう、思いだした、日本人メジャーリーガーが帰国したときにたまに行くお好み焼屋が四谷にあってな、そこの店長も飲んでるんだぞ」
「ふーん」

「ふーんって、感情表現の下手な人だね、あんた。もっと感心しなきゃ。天照大神が実在したという話は、知らんだろう?」
「知らない」
「実在したんだよ。島根県で本物の化石が見つかっている。化石を分析したら、紀元前8000年のものだと分かったんだ。その化石が発見されたところから、この水が取れる」
「そんな話、聞いたことないなあ」

アゴヒゲは僕の肩をポンと叩き、優しい目をしました。
「聞いたことがないのは無理もない。発見されたのは2002年のことだ。天照大神の全身の化石が見つかった。全身の化石だぞ。あまりにセンセーショナルなために、情報は公にされなかった。実物や写真は、国会図書館の地下12階の倉庫に納められている。国会図書館の地下12階というのはな、本来は日本の防衛機密が隠されるところなんだ。そこに納められたということが、どんなにスゴイかわかるだろ? 化石を発見したのは××大学の女子学生なんだが、国から情報の隠匿するように言われたのを拒否したために、殺されている。××市のストーカー殺人を覚えているか? あれの真犯人は、政府に雇われた殺し屋だよ」
「ほんとかなあ」

アゴヒゲは僕の言葉を無視しました。「化石の発見されたところの地層がな、特殊な地層なんだ。調べてみたら、6500万年前に恐竜を全滅させたといわれる隕石の成分が大量に含まれていることが判明した。その地層を流れている水が、これだ」
「で?」
「で、とは?」
「その地層を流れている水の、どこがいいわけ?」
「よくぞ聞いてくれました」アゴヒゲは嬉しそうに言いました。「恐竜を全滅させたくらいの隕石だから、すごいパワーを持っていたのは明らかだ。そのパワーはな、本来は、恐竜を全滅させるのに使われたパワーの何倍もあったことが分かっている。ということはな、隕石のパワーはまだ全開していないんだ。余力があるんだ。使われずに秘められたパワーがまだ残っている。そのパワーを身につけたのが、天照大神だ。だから天照大神はすごかったんだ。地層にもそのパワーが残っている。そのパワーを吸収した水が、これなんだよ。どうだい。仕入価格は1本48円にしといてやるよ。あんたはこれを100円で売るといい。何本ほしい? ちなみに1000本単位で注文を受けてる」
「ふーん」

「ふーんって、感動の薄い人だね松宮君。日本にこんなミネラルウォーター、これだけだよ」
「でもさっきあんた、本物のミネラルウォーターは富山県にしかないって、言ってなかったっけ?」

沈黙するアゴヒゲ。
やがて、ため息をついて立ち上がります。
「今日はこんなところで許してやろう。松宮君。あんたは独立したばかりだから少しアレだし、しょうがない部分もあるけど、もっと心の耳で人の話を聞くように心がけたほうがいいよ」

捨て台詞を残し、そそくさと去っていきました。

 

 

<おススメの1冊>

「メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学」
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メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書)

 

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2009.02.01 00:27

食育せぇるすまん その2

 

2月もよろしく、松宮園生です。


駄目ビジネスマンを相手に2流、3流の商品を
売りつけるのを生業にしている人物がいます。
その人物の名は、「アゴヒゲ」。
フリーランスのセールスマンです。
僕も「駄目ビジネスマン」の1人と見なされているらしく、
アゴヒゲによくつきまとわれて困っています。

  前回「食育セールスマン奮闘記 その1」はこちら
  http://www.shokuiku-pro.com/production/2008/08/1_29.html

今回は、そんなアゴヒゲとの情けない出会いを書きます。

◆◆◆

あれは、脱サラして小さな事務所を構えたころのことです。
アゴヒゲにスーツ姿のオジサンが僕の事務所にやってきました。

オジサンは言いました。「松宮さんというのは、あんたかい」
「そうだけど?」
「アゴヒゲという者だけどね。ちょっといいかな。あんた、脱サラして独立したのに仕事がなくてヒーヒー言ってるそうじゃないか。情けないのお。じつはオレもそうなんだ。そこでどうだろう、情けない駄目ビジネスマンどうしで組まないか。一緒に傷をなめあおう」

「し、し、失礼な。こう見えても仕事が山積みなんだぞ。あまりに忙しくてデートもできないくらいなんだから」
「それはあんたに相手も金もないからだろ」アゴヒゲはニヤニヤしています。「さっきから電話だって鳴らないじゃないか」
「そ、それはだ、…さ、サイレントモードにしてるからだってば」

すると、電話が鳴りました。

「あはは。何がサイレントモードだ」
「な、なにを。で、電話が鳴らないと言って笑ったのはそっちだろ。電話が鳴ったんだから、僕の勝ちだぞ」

なにが勝ちなんだか。

しかし久しぶりに鳴った電話は母親からで、
「レンコンのきんぴらがうまくできたからお前にも送る」
という平和な内容でした。

横で聞いていたアゴヒゲがニヤニヤしながら言います。
「なんだあんた、ママに仕送りしてもらってるんかい」
「ちちち、ちがわい(←死語)」
「まあいいさ。いろんな親子がいるからな。でもあんた、母親のことをマミーと呼ぶのはやめといたほうがいい」
「呼んでないっつーに!」

アゴヒゲは憐れむような目をして言いました。
「オレはあんたを助けたいんだ。あんたはオレの若いころにそっくりなんでねえ」
「お、大きなお世話だい」

しかしアゴヒゲは聞こえないフリをして
「そうかそうか。喜んでくれてオレも嬉しいよ。ではお近づきの印だ」
そう言って、彼は本を一冊、取り出しました。

「食育バンザイ」
そんな題名の本でした。
表紙の写真のなかでは、たすきをかけたオバチャンたちが、たわわに実った田んぼのまわりに集まってバンザイをしています。

「定価3000円だが、著者割引で2500円にしてやる。よかったなあ、あんた。サインもしといたよ」
アゴヒゲが本のカバーをめくると、なんだか安っぽい字で
「松宮園生くんへ。アゴヒゲより」
と書いてありました。

「いらねえよ、そんな本。もう帰ってくれ」
「お前もか」アゴヒゲは帰ろうともせず、ため息をつきました。「この本、ぜんぜん売れなくてなあ。役に立たない内容らしいんだ」

役に立たないのに、売ろうとしてんの?

「ま、この本はタダで進呈しておこう」アゴヒゲは言いました。「その代わり、50冊まとめて仕入れてくれ。転売したら、儲かるぞ」
「いや、結構」
「そう言わずに、騙されたと思って買っときなよ。これから長いおつきあいが始まるんだからさあ。…あ、そうだ。あんたのためのコンサルティングもしてやるよ。コンサルタント料金も格安にしておこう。月20万円でいいよ。よかったなあ、あんた」
「はあ?」
「契約書も用意しておいたんだ。ほーら見ろ、あんたの筆跡を真似てサインもしておいた」
「それ、犯罪じゃないかよ! もういいから、帰ってくれ」

僕は契約書をひったくり、破り捨てました。

「冷たいねえ。ケチだねえ」
不満そうに立ちあがりながら、アゴヒゲは言いました。
「でもあんた、それでオレから逃げることができたと思うなよ。あんたのマミーの作ったきんぴらが届いたころに、また来る。じゃな」

だからマミーじゃない、っつーに。

アゴヒゲが去り、僕が呆然としていると、またドアが開きました。
アゴヒゲでした。
「ひとつ聞くのを忘れていた」アゴヒゲは言いました。「このへんにさ、カモっつーか、あんたみたいな食育好きの駄目ビジネスマン、ほかにいない?」

 

 

 

<おススメの1冊>

「スモールビジネス・マーケティング」
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