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「大人っぽい子ども」だと言われている松宮園生です。
どっちかっつーと出不精な人間です。
てか、明らかに出不精です。
重いフットワーク。
なので、食育の仕事をしていると自称しているくせに、
食育の現場に出ることは滅多ありません。
食育は現場で起きているにも関わらず、
僕は会議室で茶をたしなんでいるのです。
まるでご隠居。
でも、いつも会議室で茶ばかり飲んでいるわけじゃあ
ないんだよ。
コーヒーだって飲むさ。
…そんなインドアな人間ですので、
* 犯人をつかまえて手柄をたてたとか
* スポーツで目立って女の子がキャーキャー騒いだとか
* 難解な事件を解決したとか
* 難しい資格を取ったとか
* 賞をもらったとか
そういうカッコいい過去(シャレか)は持っていないのです。
しかし、基本インドアで地味な僕にも、ちょっと派手っぽい経験が3つ、あります。
それを順番に、3回シリーズでご紹介しましょう。
◆◆◆
<第1回: 中国雲南省、食育奇談>
10年ほど前に北京のお役人と一緒に雲南省の奥地に行きました。
何しに行ったかというと。
ミャンマーの反政府ゲリラと商売をするためです。
当時、反政府ゲリラは、活動資金を得るために日本人と取引したがっていました。
で、どういうわけか北京の役人がそれを仲介していたのです。
取引の内容そのものは本題と関係ないので省略させていただきます。
雲南省の山奥にはどうやって行ったかというと。
まず北京から飛行機に乗り、6時間かけて昆明(クンミン)に到着。
昆明は雲南省の中心都市です。
今は人口が300万人くらいいるそうですが、当時は150万人くらいでした(←じゅうぶん大都市です)。
繁華街のカラオケ・スナックから、日本のムード歌謡が漏れ聞こえてくる。
そんな街でした。
その日は昆明で1泊。
キレイなホテルだけどトイレが壊れてた。
翌日は早朝から役人専用のクルマに乗り、高速道路で山奥に向かいます。
役人専用のクルマですので、高速道路の有料ゲートなんかもフリーパス。
地元の警察なんかなんのその、スピード違反も関係ありません。
北京の役人の権力、まざまざと見せつけられました。
走り続けて昼ごろになると、田んぼを水牛が歩いているような風景があらわれます。
雲南省は南国なのです。
この辺にくると、少数民族の文化圏になります。
中国語(マンダリン)も上海語も通じなくなるらしく、通訳が必要になってくる。
この怪しい雲南ツアーには、北京のお役人と僕のほか、2人の通訳が同行していました。
1人は、この辺のよく分からない言葉を中国語にする通訳。
もう1人は、その中国語を日本語にする通訳。
6時間ほど走ったでしょうか。
目的地らしいところにクルマをとめ、なんとか族という地元の人たちと会議をしました。
会議の内容は本題に関係ないので省きます。
ただ、あいだに通訳が2人も必要な会議はなかなか疲れるものだったことはお伝えしておきます。
会議が終わって食事をしようという話になり、地元の飲食店に向かいました。
ここからが本題。
その飲食店、どうみても動物園なのです。
だってカラフルな毛並みのサルもいるし、なんかアリクイみたいのもいる。
胸騒ぎがしてきます。
動物園のなかに小さな建物があり、われわれ一行はそこに案内されました。
建物のなかに入るやいなや、店の主人が、カーテンを閉めはじめます。
「どうしてカーテンを閉めるんですか?」
通訳を通じで質問すると、店主は答えました。
「法律で禁止されているものを食べていただくので、役人に見られないようにカーテンを閉めるのです」
役人、ここにいるじゃんよ!
でもその役人、ニコニコ笑っているだけです。
食事が始まりました。
でてきた料理は、なにかの珍しい鳥を焼いたものと、それからアルマジロの姿煮でした。
さっきまで動物園のなかにいたのを、どうやら料理したらしいのです。
鳥のほうはともかく、アルマジロの姿煮のほうはどうしても食べる気がせず、食べたフリをしてその場をごまかしました。
それから、得体のしれない酒もすすめられました。
緑色をした液体で、白いものがいくつか、浮かんでいます。
なにかの爬虫類の血液を、地酒と混ぜたものだという説明を受けました。
やがて、インディ・ジョーンズばりの不気味な食事が終わります。
店主がやってきてこんな挨拶をしました。
「どうです、旨かったでしょう? わたしは禁止されているものを美味しく料理しました。みなさんは禁止されているものを旨い旨いと食べました。禁止されているものも飲みましたね。これで全員、同罪です。決して口外しないようにお願いいたします」
その言葉を通訳から聞いた僕は椅子から飛びあがりました。
「ば、バレないんですか? バレて、つ、捕まったらどうなるんですか? し、死刑?」
北京の役人が、僕の肩をポンと叩いていいました。
「マツミヤさん、慌てない、慌てない。死刑は死刑だけど、大丈夫ネ」
「大丈夫なんですか?」
「うん、大丈夫。痛くない処刑方法もあるから、そんな方法をとるように、ちゃんと根回ししといてあげるヨ。100万円ほどかかるけどネ」
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