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2008.10.20 09:29

テケテケ村・ミゼラブル

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自分らしさを求めて日々修行、松宮園生です。

 

このコラムにもよく出てくるテケテケ村は、のどかな農村です。
僕の舎弟、小判大介君が奥さんのゆかりさんとそこでイチゴ栽培をしています。
小判夫婦はメリーという山羊を飼ってますが、このメリー、なかなか人気者です。

  なぜメリーが人気者なのかは、以下を参照。

  「農家の嫁と山羊のメリー 前編」
  http://www.shokuiku-pro.com/production/2007/05/post_37.html

  「農家の嫁と山羊のメリー 後編」
  http://www.shokuiku-pro.com/production/2007/06/post_38.html

◆◆◆

さて、テケテケ村の村長に代々伝承されている書物があります。
「テケテケ村ギネス」
と呼ばれています。
「村の歴史上、もっとも○○な人物」
を記録するものだそうです。

この「テケテケ村ギネス」、ふだんは神社に保管されています。
「新記録」を審査し、書き込むことを許されているのは、村長だけです。

あるとき、テケテケ村に1軒だけある居酒屋で、3人の若者がくだをまいていました。
ひとりは、小判大介君。
もうひとりは、親の農業を継ぐのは嫌だと村を飛び出し、大阪でウェブデザイナーをしている多古川博史君(たまたま帰省していた)。
最後のひとりは、東京で外資系企業の金融マンだったのを辞めて新規就農した三田祐司君。

小判君が言いました。「前から思ってんだけどさ、『テケテケ村ギネス』って、ホントにあるんかな」
多古川君が言いました。「村長が大事にしているつう噂の、あれやな。ホントにあるかどうか、今から確かめにいこやんけ」
三田君が言いました。「だってあれ、神社に保管されてんだろ?」

小判君が言いました。「勝手に神社に忍びこむっつーのもちょっとなあ。そんなのが許される年齢でもないしね」
多古川君が言いました。「ええこと思いついた。なんか新記録になるようなことを考えて、載せてもらうんや。そしたら、ホントにあるかどうか、わかるんとちゃうか?」
三田君が言いました。「そりゃそうだけど、新記録っていっても、どうすんの?」

小判君が言いました。「おれたち、ぼとぼち中年だから、スポーツの新記録っても、無理だろうなあ。勉強の新記録なんかも、もともと無理だし」
多古川君が言いました。「大阪的に言うとやな、アホな新記録なんかどや? それやったら、なんかあるやろ」
三田君が言いました。「アホな新記録?」

小判君が言いました。「カッコ悪い新記録とか、恥ずかしい新記録とか、情けない新記録とか、そんな感じ?」
多古川君が言いました。「そや、そんな感じ。それやったら、記録自体、まだないかもしれへんから、申請したら新記録になるんちゃう?」
三田君が言いました。「じゃあ、おれらの情けない話をカミングアウトしてみようか」

小判君が言いました。「こないだ農作業中に下痢っぽくなってさ。トイレまで我慢できずに駐車場の裏でやってたら、昼飯を持ってきた嫁さんに現場を目撃されてしまったんだけど、これなんか、どう?」
多古川君が言いました。「ホンマ? それごっつう情けないわ。でもまあ、よくある話ではあるわな。新記録になるほどの話、とはちゃうような気がするな」
三田君が言いました。「これはどうかな。まだ東京にいたころ、子どもを有名幼稚園に入れようとしてさ。親の面接があるっていうから嫁さんと一緒に行ったんだよね。緊張してさ。面接官に『お父さん、お好きなお花はなんですか?』と聞かれたもんだから、『バージンが好きです』『は?』『ですから、バージンが大好きです』って答えちゃって。面接、落ちたよ」

一瞬の沈黙のあと、小判君が笑い出しました。「パンジーと言いたかったのか」
多古川君が言いました。「めちゃ情けないわ。それいこ、それ。それやったら、テケテケ村ギネスの新記録になるんちゃうか」
「そうかなあ」と三田君。
多古川君が言いました。「だいいち、『村の歴史上、もっとも情けない人物』なんて記録、どうせまだ無いやろ。申請したらすぐに新記録や」
小判君が言いました。「そうだよ三田さん。テケテケ村ギネスに載ったら、村で話題になるよ、きっと。そしたら立派な村民として認められるんじゃね?」
「え、まじ?」喜ぶ三田君。

三田君は「よそ者」の新規就農者だったので、村人との人間関係を作るのに苦労していたのです。
こんなことで村民と打ち解けることができるのなら、三田君にとってはお安い御用(←死語)です。

しょーもない記録ではありますが、酔っぱらった3人にはそんな自覚はありません。
酔っぱらったまま連れだって、村長のところにでかけました。
「村長。起きてくださーい。テケテケ村ギネスに新記録を申請しに来ましたよお」
すると、村長の秘書がでてきて、言いました。「村長は1度に1人しか会いません。チャレンジするのは、誰ですか?」
「この、三田君です」
「では三田さん、1人でこちらに来てください」

◆◆◆

しばらくして三田君がでてきました。
外で待っていた2人が言いました。「どうだった?」「どやった?」
三田君は目に悔しさをにじませて首をふりました。「松宮園生って、どこの誰だよ?」

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