まつみやそのうです。
むかーし、むかし。
ひとびとは、いろんなくだものを、たべていました。
リンゴ。
ミカン。
バナナ。
イチゴ。
ナシ。
モモ。
スイカ。
カキ。
でも、あまりくだものをたべないひとも、いました。
あるひ、「だいがくきょうじゅ」のAせんせいが、こんなはっぴょうをしました。
「リンゴにふくまれるポリフェノールには、メタボよぼうこうかがある!」
それをマスコミがせんでんしました。
そのひから、ひとびとは、ほかのくだものをたべるのをやめ、リンゴばかりたべるようになりました。
あまりくだものをたべなかったひとも、きそってリンゴをかいました。
べつのあるひ、「だいがくきょうじゅ」のBせんせいが、こんなはっぴょうをしました。
「ミカンにふくまれるベータクリプトキサンチンにも、メタボよぼうこうかがある!」
それをマスコミがせんでんしました。
それまでリンゴばかりたべていたひとびとのうち、はんぶんくらいがミカンをたべるようになりました。
もともとあまりくだものをたべなかったひとは、リンゴにあきて、ミカンをかうようになりました。
さらにべつのあるひ、「だいがくきょうじゅ」のCせんせいが、こんなはっぴょうをしました。
「バナナにはとうぶんをぶんかいする『こうそ』がほうふで、たいしゃをたかめてしぼうをねんしょうさせるから、メタボよぼうこうかがある!」
それをマスコミがせんでんしました。
そのけっか、ひとびとはリンゴ、ミカン、バナナをきんとうにたべるようになりました。
もともとあまりくだものをたべなかったひとは、ミカンにあきて、バナナをかうようになりました。
さらにべつのあるひ、「だいがくきょうじゅ」のDせんせいが、こんなはっぴょうをしました。
「イチゴにはべんぴをふせぐペクチン、えんぶんのとりすぎをふせぐカリウムなどがバランスよくふくまれている!」
それをマスコミがせんでんしました。
これをきいたひとびとは、リンゴ、ミカン、バナナ、イチゴをバランスよくたべるようになりました。
もともとあまりくだものをたべなかったひとは、バナナにあきて、イチゴをかうようになりました。
さらにべつのあるひ、「だいがくきょうじゅ」のEせんせいが、こんなはっぴょうをしました。
「ナシにふくまれるソルビトールは、エネルギーになりにくいため、ダイエットにもいい!」
それをマスコミがせんでんしました。
そのひから、ひとびとは、リンゴ、ミカン、バナナ、イチゴにくわえて、ナシもたべるようになりました。
もともとあまりくだものをたべなかったひとは、イチゴにあきて、ナシをかうようになりました。
さらにべつのあるひ、「だいがくきょうじゅ」のFせんせいが、こんなはっぴょうをしました。
「モモにはクエンさんがふくまれているから、ひろうかいふくによい!」
それをマスコミがせんでんしました。
そのひから、ひとびとは、リンゴ、ミカン、バナナ、イチゴ、ナシにくわえて、モモもたべるようになりました。
もともとあまりくだものをたべなかったひとは、ナシにあきて、モモをかうようになりました。
さらにべつのあるひ、「だいがくきょうじゅ」のGせんせいが、こんなはっぴょうをしました。
「スイカには、げどく(デトックス)さようのあるグルタチオンや、りにょうさようのあるシトルリンがあるから、からだをきれいにするのにやくだつ!」
それをマスコミがせんでんしました。
それをしったひとびとは、ふたたびスイカもたべるようになりました。
もともとあまりくだものをたべなかったひとは、モモにあきて、スイカをかうようになりました。
さらにべつのあるひ、「だいがくきょうじゅ」のHせんせいが、こんなはっぴょうをしました。
「カキのビタミンCとタンニンがアルコールをはいしゅつしてくれるから、ふつかよいにはカキがきく!」
それをマスコミがせんでんしました。
そのひから、ひとびとは、ふたたびカキもたべるようになりました。
もともとあまりくだものをたべなかったひとは、スイカにあきて、カキをかうようになりました。
いまでは、ひとびとは、いろんなくだものを、たべています。
リンゴ。
ミカン。
バナナ。
イチゴ。
ナシ。
モモ。
スイカ。
カキ。
もともとあまりくだものをたべなかったひとは、カキにもあきて、くだものをたべなくなりました。
マスコミは、つぎのネタをさがしてどこかへいってしまいました。
なにもかも、もとどおり。
めでたし、めでたし。
しかし、だいがくきょうじゅのせんせいがたは、ぼやきました。
「おれたちのけんきゅうは、いったいなんだったんだ?」
いえいえ、このよにはムダなけんきゅうというものはありません。
いつかきっと、そのけんきゅうがやくにたつひがきますよ、せんせ!