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2008.06.15 17:00

地産地消ラプソディ その六

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松宮園生です。

前回までのあらすじ)
食育ロボット、アンドリューの特訓を受け、地産地消の
血が目覚めた佐藤塩太。
地元X県の知事になり、男一匹(←死語)、地産地消を
極めようと県境封鎖を強引に推し進めます。
しかし反対勢力との競り合いのなかで、流れ弾(?)に
当たって倒れてしまいました。

◆◆◆

塩太は救急車で運ばれてしまいました。
意識不明の状態です。
「今晩がヤマですな」
医師は、ドラマでよく聞くセリフを口にしました。

県境での戦いは、塩太の入院によって勝者も敗者もなくウヤムヤに終わりました。
なんとなく封鎖は解かれ、翌日から農家は大都市への出荷を再開しました。
輸出も、始まりました。

ところがです。
これで問題が解決したわけではありませんでした。

「地産地消封鎖」が行われているあいだに、隣のライバル、P県が東京や大阪や海外にかなりのアピールをしたらしく、これまでX県のお客さんだったところが仕入れをP県に乗り換えてしまったのです。
「おたく(X県)はねえ、いつ不義理をするか分かんねえしなあ、今回みたいに」どのお客さんも口をそろえて言いました。「それに、P県の農産物、食べてみるとこれがけっこう美味でなあ。よく売れるんだよ」

収入の道を絶たれ、呆然とするX県の生産者たち。
再び怒りがこみあげてきます。
「塩太知事のやろう」
「それを言うなら佐藤知事だろ」
「そ、そうだった。…もとい、あの地産地消公方(くぼう)めが」
「堪忍袋の緒が切れた」
「ボコボコにして、病院送りにしてやれ」
「もう病院送りになってるよ」
「そ、そうだった…」

仲間に2度もツッコミされ、一瞬ひるんだX県の生産者たちでしたが、やはり武装蜂起をします。
21世紀によみがえった一揆。
一揆の炎は全県に広がり、人口衛星からも見えるほどでした。

(比喩じゃなくて、ほんとに炎だったんだね)

◆◆◆

意識不明の塩太。
回復を促すためなのか、音楽療法も行われました。
県が作成した地産地消ソング「農家さんありがとう」を繰り返し繰り返し流したのです。

するとどうでしょう。
地産地消の血がふたたび蘇り、塩太の顔に赤みがさしてきました。
音楽療法、大成功。
ほっとするドクターたち。
「農家さんありがとう」さまさまです。

当の本人たち(農家さん)は、一揆を起こしているんだけどね。

やがて眼がさめた塩太。
枕もとにいた側近に向って言いました。
「すばらしい地産地消政策を思いついたよ。夢の中でアンドリューが教えてくれたんだ。さっそく実行しよう」

「また、なにかするんですか?」
困った顔の側近。

外では、農家さんの一揆。
中では、知事がまた、企んでいるようです。
「内憂外患とはこのことだな…」
側近はつぶやきました。

がんばれ、側近。

(次号につづく)

 

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