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松宮園生です。
(前回までのあらすじ)
地産地消をするといっても、なかなか複雑なんですね。
アンドリューに鍛えられた地産地消知事、情熱の佐藤塩太。
彼の向かうところは敵だらけでした。
◆◆◆
怒号が響きまくる県境の現場。
なんだか、混迷の度合いが深まっていくようです。
そこへ、騒ぎを聞きつけて文部科学省のエライヒトが現場にやってきました。
エライヒトは言いました。
「教育上、地産地消は大切です。塩太知事は立派です。地産地消の鏡です。農家の皆さん、知事いじめはやめましょう。あまり欲張るものではありませんよ」
(それをいうなら、佐藤知事だろ)
「なんだと。こっちは生活がかかってんだぞ」
農家たちはエライヒトに石を投げはじめます。
そこへ、農林水産省のエライヒトがやってきました。
エライヒトは言いました。
「国内農業をもっと盛りたてなくてはいけないときに、なんですかこのやり方は。塩太知事はやりすぎです。ただちに、封鎖を解くべきです。国の宝、生産者をいじめるものではありませんよ」
(だから、佐藤知事だっつーに)
「そのとおりだ。さすが農水省、いいこと言うねえ」
ニコニコ顔の農家。
文部科学省のエライヒトと農林水産省のエライヒトは、意見がまったく逆でした。
しかし喧嘩するかと思いきや、お互い話しかけもせず、シラっと無視しあっています。
そこへ、厚生労働省のエライヒトがやってきました。
エライヒトは言いました。
「どっちでもいいですから、早くメタボを治してください」
「なに言ってんだアンタ。つーか、誰がメタボなんだよ」
厚生労働省の KY な発言が引き金となり、農家の軍勢は県境にむかって突撃を始めました。
走りながら石を投げつけます。
県境には県庁職員が、バリケードを組んでいます。
両者はついに衝突、砂ぼこりが高く舞いあがりました。
大荒れの現場。
文部科学省のエライヒトと、農林水産省のエライヒトと、厚生労働省のエライヒトは、いつのまにかそそくさと立ち去ってしまいました。
塩太自身は去りませんでした。
かといって戦闘に加わるわけでもなく、拡声器を抱えたまま
「乱暴はやめなさい」
「武器を捨てなさい」
「弁論で戦おうじゃないか」
と、誰も聞いていないのに至近距離で中途半端に叫びつづけました。
そのとき。
誰が投げたのか、大きな石が飛んできて塩太の頭を直撃しました。
ガコ、と鈍い音がしました。
打ちどころが悪かったらしく、塩太は「うーん」と唸って倒れてしまいます。
「救急車だ」
誰かが叫びました。
(次号に続く)