松宮園生です。
(前回のあらすじ)
食育にまったく無関心なサラリーマン、佐藤塩太は、夢のなかで食育ロボットの
アンドリューに声をかけられます。
アンドリューに強制されて「地産地消の特訓」を受けることになったのですが…。
◆◆◆
夢から覚めると、塩太は地産地消主義者になっていました。
地産地消パワーが全身にみなぎっています。
「なんてこった」つぶやく塩太。「地産地消主義者になっちゃったぞ。このオレが」
体のあちこちに痣(あざ)ができています。
「利きフードマイレージ師 1級 認定証」が、ベッド脇に落ちています。
ちまたで「フーマイ1級」と呼ばれているやつです。
(呼ばれてません)
クレジットカードの明細もありました。
ちゃんと10万円で、塩太のサインがあります。
痣(あざ)もある。
認定証もここにある。
カード払いのサインもしてある。
ということは、あれは、夢じゃなかったのか?
戸惑っているうちに、塩太は地産地消をしたくてたまらなくなりました。
「ちくしょー。地産地消だ!」
勇躍する塩太。
顔を洗ってうがいをすると、まず冷蔵庫の整理を始めます。
さすがにアンドリュー直伝のフーマイ1級。
塩太は食品を見ただけでそのフードマイレージが判るようになっていました。
(見ただけでフードマイレージが判るというアンドリューの特技については…
「アンドリューの食育レストランガイド」
http://www.shokuiku-pro.com/production/2008/03/post_125.html)
(フードマイレージについては、こんな説明動画があります→
http://jp.youtube.com/watch?v=gV58S9uxCME# )
◆◆◆
「それにしてもだ」冷蔵庫を整理しながら、塩太はあきれ顔でひとりごとを言いました。「どの食品も、フードマイレージのでかいこと、でかいこと。なんだこりゃあよ」
フードマイレージがでかいというのは、遠くから運ばれてきていることを意味しています。
それも、海を越えたむこうから。
「あれもダメ、これもダメ。フードマイレージがでかすぎる!」
知らず知らず、声が大きくなります。
冷蔵庫のなかの食品にダメ出しを続けているうちに、とうとう全食品がダメ出しを食らってしまいました。
調味料も含めて…。
「なんてこった」塩太は嘆きます。「ここには地産地消なものが1つもない…」
これまでの食生活をいきなり反省する塩太。
冷蔵庫の外に積み重なったダメ出し食品。
ダメ出しとはいえ、捨てるわけにもいきません。
塩太はダメ出し食品を箱に詰め、農林水産省あてに送ってしまいました。
「これでアンチ地産地消食品とはおさらばだ。ざまあみろ」
満足げにつぶやく塩太。
ざまあみろって、誰に言ってるの?
しかし、このままでは餓死してしまいます。
塩太は、地産地消ショッピングに出かけることにしました。
数時間後…。
打ちひしがれて青ざめる塩太の顔が、そこにありました。
「そうだ、ここは東京だったんだ。地産地消なものはほとんどない…」
買物カゴには、練馬ダイコンと、銀座のハチミツと、世田谷のはずれにある市民農園でもらった小松菜があるくらいです。
(銀座のハチミツについて知りたい方は→
http://www.shokuiku-pro.com/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=1373&forum=16&post_id=1707#forumpost1707)
「東京にいたんじゃダメだ。地産地消ができない。引っ越そう」
塩太はさっさと会社を辞め、生まれ故郷のX県に引っ越してしまいました。
(次号につづく)
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