松宮園生です。
今回はアメリカのベジタリアンの世界のよもやま話です。
これまでにもいくつか書いたので、バックナンバー的に
紹介しますと…。
「食育は英語で何というの? その3」
「ベジタリアン・ババア」
「続ベジタリアン・ババア」
「続々ベジタリアン・ババア」
「続々々ベジタリアン・ババア」
「萌えトマト」
「ベジコン」
「ニューイヤー・ベジ」
「ディープ・ベジ」
過去に書いたものの一覧表がここにあるので、興味のある方は、お手数おかけしますがここから探してみていただけますか?
http://www.shokuiku-pro.com/production/archives.html
さて、日本にももちろんベジタリアンな方々はいますが、アメリカにも大勢います。
数百万人レベルでいるらしく、ベジタリアン向け雑誌なんかも商業的に発行されてて、フツーに本屋さんで売られてたりします。
「商業的に」というのは、ボランティア団体が情熱を武器に素人仕事をしているのではなく、商売根性を持つプロの編集者はんが「儲かる雑誌作り」をして発行してまんねん、という意味です。
まあ、なんというか、
「ベジタリアン的な商業文化」
が成立している、という感じでしょうか。
アラマークという会社(※)が2年前に行った調査では、アメリカの大学生の30パーセントが外食するときにベジタリアン・メニューのある店を選んでいるそうです。
結果的にベジタリアン・メニューは選ばないかもしれないが、メニューのなかにベジタリアンのコーナーがある。
そういう店を選んでいるとのこと。
類似の調査が最近でも行われましたが(政府系の調査らしい)、今では60パーセントのアメリカ人が外食するときにベジタリアン・メニューのある店を選んでいるそうです。
これも結果的にベジタリアン・メニューは選ばないかもしれないが、メニューのなかにベジタリアンのコーナーがある。
そういう店を選んでいるとのこと。
(※)フードサービスの世界的大企業。日本では給食事業大手のエームサービスと提携しているようです。
◆◆◆
クイズです。
「肉、大好きでホントは食べたいんだけど、動物愛護の精神から肉は我慢し、菜食している」
この人は、ベジタリアンと言えるでしょうか?
ベジタリアンにはいろんな種類があり、厳密にはこれだけではイエスかノーかは確定しないのですが、一般論でいうと、答はイエスです。
つまりこの人はベジタリアンです。
ではこの場合はどうでしょうか。
「動物愛護なんてどーでもいいんだけど、単純に肉が大嫌いなので菜食してます」
この人は、ベジタリアンと言えるでしょうか?
これも解釈の分かれるところなのですが、ベジタリアンの本来の意味からいうと、答はノーです。
この人は、ベジタリアンではありません。
ベジタリアンは「野菜が好きか嫌いか、肉が好きか嫌いか」は関係がなく、動物愛護とか環境を大事にとか、そういうポリシーに基づいて菜食をする、というのが本来の定義なのだそうです。
(厳しいベジタリアンになると野菜すらたべず、果実のみ食べる、という「境地」に達します)
◆◆◆
そういうわけで、ベジタリアンだからって「野菜好き・肉嫌い」だとは限らないようです。
その証拠に、
「肉そっくりの大豆食品」
てのがアメリカではフツーに売られています。
そういう食品がけっこう前から存在している、ということ自体は、皆さんもご存知かと思います。
味や食感も、昔はイマイチだったのですが、このところずいぶん改良されて、ホンモノの肉料理っぽくなってます。
なぜそっくりにするんでしょうか?
肉嫌いだったら、そんな「そっくり食品」なんか必要ないはずですよね。
肉好きだから、肉そっくりに加工するわけです。
おまけに「そっくり食品」はこんな食べ方になるみたいです。
↓
デカくないすか?
これ、食うんかい。
ベジタリアンの人たち、さすが腐ってもアメリカ人です。
食う量が半端ではありません。
◆◆◆
ベジタリアンのためのファーストフード店、というのができまして。
4月に、ニューヨークで第1号店がオープンしました。
「ゼン・バーガー」
という名前です。
宣伝用動画があるので、よかったら見てみてください。
http://www.zenburger.com/
「ゼン」はたぶん、日本の「禅」のことだと思います。
いまどきのアメリカ人、この言葉好きだしね。
でもゼン・バーガーの社長は日本人じゃないみたいだし。
スタッフにも日本人いなさそうです。
行ったことがないので、断言できませんが…。
いずれにせよ、禅バーガーとはこれいかに。
おのれ、うぬぬぬ、武士道をなめておるでごさる。
ヤマトダンジの逆鱗に触れるようなネーミングに候。
ベジタリアンだから、スローフードみたいな世界にいるのかなと思ったら、さすが腐ってもアメリカ人です。
結局、ファーストフードがいいんだね。
◆◆◆
話変わりますが、
「そうなの、あなたベジタリアンなのね。どうしてベジタリアンになったの?」
という質問をしょっちゅう受けるので、うんざりしているベジタリアンって多いみたいです。
マジメに答えると、そのあと
「菜食って、あなたが思っているほど健康的じゃないのよ」
「アメリカ人は狩猟民族なんだから、アジアの農耕民族みたいな食生活は合わないのよ。腸だって短いし」
みたいな「知ったかぶり説教」が始まったりして、そういうのにいちいち反論するのも鬱陶しい。
「ああ面倒くせえ。さくっと会話を終わらせる答え方、ないかな」
多くのベジタリアンが、そう思っているらしい。
そのニーズにこたえて、
「なぜベジタリアンになったのか? というウザい質問に答えるときの、後腐れのない返事のしかた」
なるマニュアルというか、ハウツー集がアメリカには存在しているという噂です。
情報収集してみました。
最後にそれを一部紹介して、今日はここまで。
↓
(返事のしかた例)
「おばあちゃんがね、遺言でそう言ったから」
「ポパイ見てたらわかるじゃん」
「酒とタバコをがんがん続けたいって医者に言ったら、じゃあ肉はあきらめろと言われたのさ」
「ウチの犬が飼い主の食べてるものを欲しがるのを、やめさせようと思ってね」
「好き嫌いをなくすために嫌いなものから先に食べるようにしてるんだけど、いつも野菜を食べ終わったところでお腹がいっぱいになってね」
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