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松宮園生です。
(このシリーズの説明)
このシリーズも4話目になります。
題名の「成りあがりトラクター」というのは、
2年前に立ちあげた農業ホームページの
名前です。
1年ほどやって止めてしまいました。
どんなサイトで、どんな理由で止めたのかは
別の機会に書くとして、この名前、なんとなく愛着があるので使ってみました。
深い意味はございません。
(説明になっていない…)
◆◆◆
自分の頭で考えないで、
「流行っているから」
「人に勧められたから」
という理由で物ごとを決める人って多いですよね。
テレビで
「納豆がダイエットに効く」
と言われたら翌日納豆が売り切れた。
というのはその典型的な例です。
農業の世界でもそういうの、あったりして。
想像してみました。
◆◆◆
むかしむかし。
みかんを作っていた果物農家がいました。
懸命にみかんを作っていましたが、残念ながらみかんは生産過剰で、値段が安くなっていました。
そこへ、営農指導員がひょっこりやってきて言いました。
「あんた、まだみかんを作っていたのか。ダメダメ。これからはキウイの時代だぞ。キウイを作りなさいキウイを。儲かるぞ」
言われたとおり、果物農家はみかん農家からキウイ農家に変身しました。
ところがです。
この営農指導員は至るところで同じことを言っていました。
「これからはキウイの時代だぞ。キウイを作りなさいキウイを。儲かるぞ」
みんながこぞってキウイを作ったので、キウイは生産過剰となり、値段が安くなってしまいました。
◆◆◆
むかしむかし。
松宮園生の出身地ではないかという疑惑の地、テケテケ村。
そのテケテケ村で、松宮の舎弟ではないかという疑惑の人物、小判大介君という若者がいちごを作っていました。
いちごの旬はもともと、今頃の時期です。
小判君は懸命にいちごを作っていましたが、残念ながら旬のいちごは当然ながら出荷量が多いので、値段が安くなっていました。
そこへ、営農指導員がひょっこりやってきて言いました。
「あんた、こんな時期にいちごを出荷してもダメダメ。ノンノン。みんながいちごを出荷している時期にいちごを出してもしょうがないだろう。少し早く出荷しなさい。日本人は早いのが好きだから、儲かるぞ」
言われたとおり、小判君は旬の時期より少し早くいちごを出荷しました。
少し早く出荷するったって、そう簡単ではありません。
少し早くいちごが実るように、あれやこれや工夫をしなければならないのです。
小判君は頑張ってそれを実現しました。
ところがです。
この営農指導員は至るところで同じことを言っていました。
「少し早く出荷しなさい。日本人は早いのが好きだから、儲かるぞ」
みんなが少し早く出荷したので、結局、同じ時期に出荷が集中し、値段が安くなってしまいました。
がっかりする小判君。
テケテケ村で何十年も農業をしているミスミのじいさんが、
「バカかおめえ。営業指導員の言うことなんか真に受けてどうすんだ」
と憎まれ口をたたきます。
ミスミのじいさんは、相変わらず今頃の時期にいちごを出荷していました。
(a)
しかし、営農指導員も面子まるつぶれだなあと思っていたら、当の本人は全くめげていませんでした。
自信たっぷりにこう言います。
「もっと早く出荷しなさい。今度は儲かるぞ」
言われたとおり出荷を早めるために、小判君はビニールハウスを工夫し、苗の選び方や肥料の与え方や農薬の撒き方を苦心しました。
ところがです。
この営農指導員は至るところで自信たっぷりに同じことを言っていました。
「もっと早く出荷しなさい。今度は儲かるぞ」
みんながもっと早く出荷したので、結局、同じ時期に出荷量が集中し、値段が安くなってしまいました。
がっかりする小判君。
テケテケ村で何十年も農業をしているミスミのじいさんが、
「バカかおめえ。営業指導員の言うことなんか真に受けてどうすんだ」
と憎まれ口をたたきます。
ミスミのじいさんは、相変わらず今頃の時期にいちごを出荷していました
(b)
★以下、(a) から(b)を何回かリピートして読んでください。
そのうち、いちごは冬に出荷されるようになりました。
クリスマスケーキに小判君のいちごが載りました。
★さらに、(a) から(b)を何回かリピートして読んでください。
小判君はいちごの出荷を早めるために(=その時期にいちごが実るように)苦心して農法を変えていきました。
それが延々と繰り返されます。
するとどうでしょう。
「もっと早く」「もっと早く」
と時期を早めていったのが一巡して、とうとう出荷時期が今頃になってしまいました。
元にもどってしまったわけです。
結局、出荷時期がむかしと同じに戻ってしまった小判君。
いっぽう、淡々といままで通りいちごを出荷しているミスミのじいさん。
F1レースにたとえれば、ミスミのじいさんは周回遅れなわけですけど…。
というわけで、両者は同じ時期に仲良く出荷をするようになりました。
ミスミのじいさんはこれまでどおり淡々と、小判君はさまざまな作業をしてひーひー言いながら、いちごを作り続けたそうです。
とっぺんぱらりの、ぷう。
農業や田舎暮らしに興味のある方は是非のぞいてみてください。
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