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2008.04.26 11:48

食育至上主義人民共和国 その6

 

松宮園生です。

いま世界中で穀物をはじめとする農産物が値上がり
していますね。
穀物は人類の主食です。
それが、足らなくなってきています。

食料生産国は、農産物の輸出を制限しようとしています。
「自国の食料資源を、やすやすと他国に売ってたまるか」
と思っています。
ところが、その国の農家からすると、
「外国に売ったら高く売れるのに、どうして制限するのだ」
ということになるわけで。
それでアルゼンチンあたりでは農家の暴動が起きたりしてます。

一方、食料輸入国も食料資源の確保に必死です。
G10と呼ばれる国のグループがあります。
食料を輸入している国が集まったものです。
http://www.shokuiku-pro.com/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=1104&forum=16&post_id=1387#forumpost1387
これら食料輸入国は、
「食料生産国が輸出制限をするのはケシカラン」
と思っています。

で、生産国と輸入国が、国際会議の場で毎日ケンカしています。
ここでいう国際会議とは、WTO(世界貿易機関)と呼ばれています。

◆◆◆

毎度おなじみザイオン共和国。

初代大統領モーフィアスは、若いころ日本に留学し、食育を専門に勉強しています。
その影響で、ザイオン共和国を食育大国にしようと考え、
* 軍隊も食育風
* 警察も食育的
* 法律も食育優先
* 教育も食育至上主義
そんな国作りを行いました。

ザイオン共和国については→ 「食育至上主義人民共和国 その1」
http://www.shokuiku-pro.com/production/2007/10/post_81.html

ザイオン共和国は人口の少ない国でしたが、それも幸いして食育改革は順調に進みました。
調子にのったモーフィアス大統領、今度は世界デビューをもくろみます。
「我が国がお手本としている国は日本だ。日本では食の資格が花盛りだ。あれを世界平和に活用しよう」
そう考えた彼は、国連の本部があるニューヨークにのこのこ出向き、会議でこんな提案をしました。

「食料輸入国の諸君。金さえあれば食料が手に入る時代は終わった。札束で食料生産国の頬を叩くのはやめたまえ。21世紀は金で食料を買う時代でなない」
「そんなこと言ってたら、餓死してしまうがな」と、イスラエル代表。
「餓死なんかするもんかい。あんたらは飽食してるんだろ。飽食のあげく、余ったら捨ててるだろ。飽食をやめて、普通の量を、捨てずに食べればいいじゃねえか。そしたら、自給率もあがるぜよ」
そう言ったのは、中近東からきた国連代表です。
「理屈の上ではそのとおりなんですけどねえ」と、日本代表が言いました。「国民がねえ、生活水準、下げたくないって言うんですよ。飽食、続けたいって」
「だったら、今までより高い金を払って、食料を買うんだな」ブラジル代表が答えました。「金さえ出してくれたら、ウチは売るよ。日本、嫌いじゃないし」
日本代表がぼやきます。「でもねえ…。肝心の金が、最近減ってきててねえ」
「金、払わないんだったら、売らない」
「そこを何とか」

「そこで提案だが。いい方法がある」もったいぶるモーフィアス大統領。「さっきも言ったように、21世紀は金で食料を買う時代でなない。心で買う時代だ」
「は? 意味、わかんねえ」スイス代表が言いました。「心で食料、買えるの?」
モーフィアス大統領はうなずきました。「我が国は日本の食育を研究し、政策に取り入れている。日本の食育はなかなか面白くてな、食べるときにイタダキマス、と言うのだ」
「イタダキマス?」
「命を頂戴します、という意味だ。人は、動植物の命をいただいて、食べている。その感謝の気持ちを表す言葉だ」
「へー、食べものに感謝するの、日本人は?」イギリス人が笑いだしました。「ヒマな国民なんだね」
「なんですと!」いきりたつ日本代表。「これは文化や価値観の問題です。狩猟民族のアングロサクソン人には理解できないんでしょうが」
「理解する気もねえよ」
と、憎まれ口をたたくイギリス代表。
「ウチも食べものには感謝する国じゃけえ」韓国代表が言いました。「日本の言い分はよく分かるのう」
「ちぇっ、くだらねえ」
「まあまあ」アメリカ代表がイギリス代表をなだめました。それから小声で「ここは引いておくほうが、オレたち白人の世界戦略もうまくくからさ」

モーフィアス大統領は咳払いをして、
「イタダキマスに象徴されるように、日本の食育では食べものを大切にすることも教えるのだ。この、食べものを大切にする心を、お金の代わりにしてはどうだろうか」
「は? ますます意味、わかんねえ」とスイス代表。
「食べものを大切にする心。これを持つ人に、日本人は資格を与えているのだ」モーフィアス大統領は言いました。「日本には食の資格がたんとあってな、食の勉強をすると、資格がもらえるのだ」
「食の資格?」
モーフィアス大統領は、イタリア代表に向って言いました。「おたくには、ソムリエの資格があるだろう」
「それはウチでござる」フランス代表が大声をあげました。
「し、失礼」赤面するモーフィアス大統領。「ああいうのが、日本にはゴマンとあってな。※△アドバイザーとか、▽×エキスパートとか…。リストを作ったので、お見せしよう。ただしこのリストは、全体のほんの一部だ」

(モーフィアス大統領が作ったリストを見たい人は→
http://www.shokuiku-pro.com/modules/tinyd1/index.php?id=38

「へー、日本にはこんなに食の資格があるのかあ」
一同、溜息をつきます。

モーフィアス大統領は続けます。
「まだまだあるぞ。ほかにも、ソバリエとか、お米マイスターとか、いろいろな。こういう、食の資格を持った人に、優先して食料を配るシステムを作ろうではないか。たとえば、雑穀を食べたかったら、雑穀マイスターになる。野菜を食べたかったら、野菜ソムリエになる。お米を食べたかったら…」
「食生活アドバイザーは、何を食べることができるんだ?」
「そういう総合的な資格をとったら、総合的になんでも少しずつ、もらえるようにする。何でももらえるが、少しずつだ」
「ふむふむ」
「むろん、このシステムは、食料輸入国限定だ。食料生産国はそんなことはしなくていいが、食料輸入国すなわちG10の諸君はただちに、国内に食の資格を広めるのだ」

「なるほど、それはいい考えだ」
「そうしよう、そうしよう」
盛りあがる会議。

驚いたことにその提案はただちに国連の正式決議となり、条約が作られました。
数ヶ月後、G10各国は次々とその条約に正式調印したのです。

◆◆◆

ニューヨークの一角。
あるオーガニック・ヤキトリ・バーで、モーフィアス大統領と日本代表がカウンターに並んで座っています。
(店の客は、全員 SP です)

「いやあ、閣下のお陰で助かりました」日本代表が、モーフィアス大統領のグラスにオーガニック・地ビールを注ぎながら、言いました。「ウチには資格を取った人がすでに大勢いますからねえ、有利に食料をもらえますし。それに、日本の食育講座を輸入したいという要請が、G10諸国から来てましてねえ。これ、カネになりますよ」
「それはよかったですな。わたしも、留学先の日本に恩返しができて、うれしい」
「むろん、お礼はします。資格講座の売上の10パーセント、ザイオン共和国にお支払しますので」
「それはありがたい」
「まあひとつ、これからもよろしくお願いします」

両名は、軽く乾杯をしました。

「ときに相談なんですが、閣下」
「相談?」
「あの条約に調印してからというもの、松宮園生が仕事をくれ、仕事をくれとうるさくて」
「マツミヤ先生には世話になりました」
「いい人なんですけどねえ。仕事となるとヤヤコシイ人なので、ちょっと大人しくさせたいんですけど」
「何か、わたしに協力しろと?」
「はい。閣下の国で、あの人をしばらく預かってくれると助かるんですけど…」
「ふむ」

数秒、考えたあと、モーフィアス大統領は言いました。
「いいでしょう。預かりますよ」
「うわー、ありがたい」
「ただし、わたしからもお願いがある」
「は、何でしょう」
「先日から、サクマ先生が我が国に滞在しておられてな」
「佐久間象子ですか」
「さよう。なかなか帰ってくれないのです。何とかしてもらえないだろうか…」

 

 

 

<おススメの1冊>

「食料自給率のなぜ」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22/detail/4594058248

食料自給率のなぜ (扶桑社新書)

 

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2008.04.24 15:57

保健指導ナウ! その3

 

松宮園生です。

いよいよ始まったメタボ検診(=特定検診)。
「メタボ」
「メタボ予備軍」
と判定されたら、あなたを待ち受けるのはメタボ指導
(=特定保健指導)です。

メタボ指導はどのように行うのかというと。

あなたとメタボ専門家とで、1回あたり20分くらいの面談を繰り返します。
面談を通じて、あなたはプチ洗脳されます。
プチ洗脳されて生活習慣が改善、腹回りも縮んでゆくのです。

テーブルのむこうには、あなたの腹回りを縮めたい専門家。
対するは、今までどおりグータラしたいしラーメンも食べたいサラリーマンのあなた。

「専門家と向かいあっての20分洗脳バトル」
が展開されるわけです。

◆◆◆

萌え系の管理栄養士、ナオコ。
彼女は
「月刊メタボマガジン」
の読者モデルをしてます。
「ポスト阿部マリエ」
という呼び声も高く、メタボ男性のあいだで人気が上がってきています。

(阿部マリエについては→「21世紀神様の悩み その4」
http://www.shokuiku-pro.com/production/2007/09/214.html

銀座の「アルカトラス・クリニック」は、ナオコが保健指導を担当しているということでちょっと有名になりました。
大勢のメタボ男性が、ナオコの保健指導を受けたくて押し寄せました。

ある朝、そのクリニックの前をたまたま通りかかった松宮。
クリニックのなかから出てきた男性が、焦点の定まらない目で、幽霊のように歩いています。
なんと、赤信号を渡ろうとしています。
「危ないですよ」松宮は男性を引き止めました。「どうしたんですか」
男性はのろのろと顔をあげました。
「何でもありません。すみません」
頭を下げ、ふらふらと違う方向に歩き去る男性。

クリニックのなかからまた1人、男性が出てきました。
青ざめています。
よく見ると、知ってる人でした。
「山西さんじゃないですか」
山西さんは、世界をまたにかける中年商社マンです。

山西さんは振り返りました。
「その声は松宮さん」

その声は、って、あんた座頭市か。

「どうしたんですか。顔色が良くないけど」
「それがですなあ…」口ごもる山西さん。「じつは…。ご多聞にもれずメタボ宣告されましてなあ。保健指導を受けに来たっつうわけですよ。お恥ずかしい。頑張って減量したんですけどねえ。検診に間に合いませんでした」

ボクサーかよ。

「それで、わざわざ銀座まで保健指導を受けに来たというわけですか、山西さん」
すると、青かった山西さんの顔が、さっと紅潮しました。
「こないだ初めてメタボマガジンを買いましてな。ご多聞にもれずナオコ萌えになりました。いい年してこれですよ。ははは」

「僕はナオコには会ったことがないんです。彼女の保健指導、受けたわけですね? どんな人でした?」
「実はそれがね。松宮さん、ナオコに会えると思っていたのに、違う栄養管理士さんが出てきまして」
「山西さん。栄養管理士ではなくて、管理栄養士です。これ間違えると、彼女たち。ヘソ曲げますよ」
「あ、うっかりしてました。そうですね、気をつけないと」

管理栄養士さんを彼女にしたい人、気をつけてください。

「で、ナオコに保健指導してもらうつもりだったのに、違う人が出てきたわけですね、山西さん」
「そうなんです。誰だと思います?」
「誰だったんですか」
「佐久間象子ですよ」

うわ…。

「それで顔色が良くなかったんですね、山西さん」
「私自身はタフなほうでして、イラクやアフガニスタンで仕事をしたこともありますから、たいていのことは平気なんです。なので、まあ、何とかやり過ごしましたけどね。でも、普通の人にはアレはきついですね」
「ご気の毒です」
「ナオコに会うつもりでいたのに佐久間象子が出てくる。期待が大きい分、落胆も大きいですよ」
「ご愁傷様です」
「会社でも自宅でも『メタボ、メタボ』と苛められ、逃げ場を求める男性にとって、この落差はちょっとデカイですなあ」

保健指導は、「逃げ場」じゃないんだけど。

(佐久間象子流、保健指導の真髄に触れたい方は→「朝ごはんラプソディー」
http://www.shokuiku-pro.com/production/2007/12/post_100.html

そこへ、背後から声がかかりました。
「あのう」
振り向くと、さっき赤信号をわたりそうになった男性でした。
ショックから立ち直ったようです。
男性は言いました。「これって詐欺ですよね。ナオコで人を釣っておいて、佐久間象子を出すなんて」

「まったくそうだ。けしからん」と、山西さんが言いました。
「どうやらナオコと佐久間象子は、半々くらいで保健指導を担当してるようなんです。日によって違っているらしいんで、ナオコのスケジュールをクリニックに問い合わせてみたんですけど、教えてもらえませんでした」
「教えてくれんとは、けしからん話ですなあ」

男性は携帯電話を取り出し、メールを打ち始めました。
「仲間に知らせておかないと」男性は言いました。「朝いちばんに保健指導を受けた人が、みんなにナオコだったか佐久間象子だったかを知らせることになってるんです」
「そういうグループがあるんですか」と、山西さん。「私も仲間に入れてください」
「じゃあこれを」

男性が山西さんに手渡したのは、入会申込書でした。
「佐久間象子を避け、ナオコに巡り合うために、みんなで情報交換をする会です。あなたも入りますか」
僕は首を振りました。「いえ、僕はけっこうです」

いそいそと申込書を書き始めた山西さん。
その姿をみながら、
「この人たち、たぶん一生、メタボだろうな…」
不敬なことを考える松宮なのでありました。

どうなることやら…。

 

 

 

 

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2008.04.21 10:02

日米韓 食育同盟 その3

 

松宮園生です。

韓国にはずいぶん長いこと行ってないので、
知ったようなことは言えないんだけど、
いろいろ調べていたら、
「韓国の食育の世界と、日本の食育の世界って、
よく似てるなあ」
と思うようになりました。

■たとえば、法律とか政治。

<韓国>
「国民健康増進法」という法律があります。
「韓スタイル(HAN-style)育成総合計画」という計画にもとづいて、伝統韓国料理の海外PRが進められています。

<日本>
「健康増進法」という法律があります。
日本食を海外にPRするために、「日本食レストラン海外普及推進機構」つーのができています。
(これ、当初は農林水産省が「寿司ポリス」制度を作ろうとしたものが、民間委託に変わったものです)

■たとえば、食の安心安全。

<韓国>
「セウカン」という、日本の「かっぱえびせん」にそっくりなお菓子があるようで、カラオケボックスの定番になっているのですが、ちょっと前にネズミの体の一部がでてきたとかで大騒ぎになっています。
例によって中国で製造しているらしく、国際問題になりました。
続いて、マグロの缶詰で有名な会社の製品にカッターナイフの刃が混入していたという事件が発生。
その後も、いろいろ小競り合いになっています。

<日本>
わざわざ僕が書くまでもありませんね。
皆さんよくご存知です。

■たとえば、食料自給率。

<韓国>
自給率は50パーセントを切っています。
なのに、米は余っています。

<日本>
自給率は40パーセントを切りました。
米、余っています。

■たとえば、国内農業のようす。

<韓国>
もともとは伝統的な農耕国家でした。
1970年代以降の高度成長で、昔ながらの農村はどんどん姿を消し、農業は国内総生産の4パーセント程度になってしまいました。
現在の農業人口は300万人で、減少傾向にあり、高齢化が進んでいます。
ほんの少数ですが、新規に農業を始めて成功している人も、存在してます。

<日本>
日本ももともとは伝統的な農耕国家でした。
高度成長で農村は姿を消し、農業は国民総生産の1パーセント。
現在の農業人口は300万人で、減少傾向にあり、高齢化が進んでいます。
ほんの少数ですが、新規に農業を始めて成功している人も、存在してます。

■たとえば、昭和型の食育オバチャン。

<韓国の食育オバチャンの特徴>
「薬食同源」という言葉が大好き。
「朝食を食え」は決まり文句。
西洋の栄養学のことはよく分からないから嫌い。
食の西洋化に眉をしかめる。
食育は儒教であり、その根本は「父母に対する孝行」すなわち「父母が長寿するように仕える」ことにある(ちなみに、年長者への孝行を重視する韓国では、「老人栄養学」なるものが発達したようです)。
韓国伝統食の素晴らしさを復活させたいと思う。
食に対する心得(作法)を若者にしつけたいと思う。

<日本の食育オバチャンの特徴>
「身土不二」という言葉が好き。
「早寝早起き朝ごはん」は決まり文句。
西洋の栄養学のことはよく分からないから嫌い。
食の西洋化に眉をしかめる。
食育は「家族だんらん」であり、その根本は「母親は家庭に入って食事を作る」すなわち「外で働かない」ことにある。
ごはん、味噌汁、一汁三菜の素晴らしさを復活させたいと思う。
食に対する心得(作法)を若者にしつけたいと思う。

(昭和型の食育オバチャンの生態については→ 「不機嫌な食育」
http://www.shokuiku-pro.com/production/2007/07/post_49.html

■しかし、韓国には日本にない、こういうものがあるぞ。

「農業MBAスクール」とでもいえそな、プレステージな農業スクールが韓国にはできています。
「ヨシュ農業経営専門学校」というところです。
名門大学の卒業生が、次々と入学しているようです。

日本には、名門大学を卒業した人が、農業スクールに進学するようなことは、まずありませんね。

ヨシュ農業経営専門学校の卒業生は、日本円で数千万円の年収を、農業から得るそうですぜ、だんな。

 

 

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2008.04.18 13:49

食育おねいさん

 

松宮園生です。

「食育おねいさん」
というサービスが、無料お試し期間中だったので
試してみました。
萌え系の食育おねいさんが、メールで食事指導を
してくれるんだそうです。

まずはパソコンを立ち上げ、ホームページから。
ホームページにログインすると…。

「今日の日付を入力してください」
入力しました。

「入力するのは朝食ですか、昼食ですか、おやつですか、デナーですか」
デナーだけ英語かよ。
つーか、それを言うならディナーだろ?

ツッコンでもしかたがないので、そのまま続行です。
「昼食」
を選択しました。

「次のなかから、食べたものにもっとも近いものを選んでください」

絵(アイコン)がいろいろ出てきました。
焼きそばを選んでクリックしました。

すると…。

食育おねいさんから携帯メールが送られてきました。
「こんにちは、松宮さん。食育おねいさんのナオコです。焼きそばはあんまりお勧めしないのよねー。ちゃんと野菜入れたのお?」

返事を送りました。
「おねえさん、こんにちは。お店で食べたんで自分では入れてないけど、ニンジンとかいっぱい入ってたよ」

メールが来ました。
「おねえさんじゃなくて、おねいさん。気をつけてね。間違えたら、足蹴にしちゃうぞー」

「ごめんなさい。おねいさん、怖ぇ」
「おねいさんは怖いのよ。そう、ニンジンとかいっぱい入っていたんなら、まだいいかな。ニンジンにはベータカロチンが豊富なのよ。お昼は焼きそばだけ?」
「コーヒーも飲んだよ」
「コーヒーよりも、どうせ買うんだったら果実入りヨーグルトとかを買ってね」
「うん、分かりました、おねえさん」
「おねえさんじゃなくて、おねいさんだって言ったでしょ」
「あ、そうだった。ゴメンナサイ」
「あなたの今日のお昼ごはんの健康度は50点です。もっと頑張ってくださいね。夜、またメールしましょう」
「はい」

しばらくすると、また携帯にメールが来ました。
「食育おねいさん事務局長の佐久間象子といいます。ナオコから聞きましたが、お昼は焼きそばだったそうですね。焼きそばの食料自給率がたいへん低いのは知っていますか。焼きそばは、材料の94パーセントが輸入なのです。自給率6パーセントしかありません。つまり、あなたの愛国心は6パーセントです。気をつけないと、踏みにじりますよ」

踏みにじる?
象子だけに?

怖いので、読まなかったことにして返信はしませんでした。

◆◆◆

数時間後。

デナーには、
* ロールキャベツ
* 冷奴
* 玄米ご飯
を食べました。
和洋混在、謎の食卓です。

これをホームページで入力すると…。

食育おねいさんから携帯メール。
「食育おねいさんのナオコです。夕食、だいぶヘルシーっぽくなったね。素敵」

返信しました。
「おねいさん、今晩は。えっ、そんなに素敵ですか。やったー。ほっとしました」

「キャベツは消化を助ける食べものなの。冷奴は大豆、大豆にはイソフラボンが入ってて体にいいのよ。ご飯も玄米で食べるなんて素敵ね」
「照れちゃうなあ」
「冷奴には醤油をかけたの?」
「かけました」
「塩分には気をつけてね」
「はい、そうします」
「あなたの今日のデナーは、健康度85点です。これからもヘルシーなものを食べて、健康を保ちましょうね。じゃあ明日の朝、またメールしましょう」
「はい。おやすみなさい」
「おやすみなさい」

しばらくして、佐久間象子からメールが来ました。
「佐久間象子です。健康度が85点になったからって、いい気になってはなりません。ロールキャベツの自給率は22パーセント。冷奴は32パーセント。玄米ごはんだけは100パーセント国産ですけどね。あなたの健康度は85点かもしれないけど、愛国心は51パーセントです。昼食よりはマシですが、もっと精進しないといけません」

怖いので、読まなかったことにして返信はしませんでした。

◆◆◆

翌朝。

* パン
* ポテトサラダ
* ブラッドオレンジのジュース
* ハムエッグ
こんな朝食でした。
いつもはもっとベタな朝食なのですが、おねいさんに褒(ほ)めてもらうために、見栄を張ったのです。

これをホームページで入力すると…。

食育おねいさんから携帯メール。
「おはよう。ナオコです。お目覚め?」

「おはよー、おねいさん。どうですか、この朝食」
「すっごくいいよー。タンパク質もしっかり取れてるし、ブラッドオレンジはビタミンCが豊富だし、サラダもついててヘルシー! パンにはなにか塗ったの?」
「ブルーベリーのジャムにしたんだけど。オーガニックであまり甘くないのを使いました」
「ますますいいわね。松宮さんの今朝の健康度は100点です。これで午前中はさわやかに仕事ができるよ。お昼食べたら、またメールしましょうね。100点のご褒美に、ナオコの写メ、送りますね」
「やったー。では行ってきます」
「行ってらっしゃい」

すかざず、写メが送られてきました。
キャメロン・ディアス似の、キレイなおねいさんでした。
ドキドキものです。

◆◆◆

しかし、山手線に揺られていると、例によって佐久間象子からメールが来ました。
「佐久間象子です。松宮さん、あなたにはあきれました。パンの自給率は5パーセント。ポテトサラダは17パーセント。ブラッドオレンジジュースの自給率はほとんどゼロ。ハムエッグの自給率は7パーセント。ブルーベリージャムの自給率もほとんどゼロなのですよ。健康度はたしかに100パーセントですが、愛国心はたったの6パーセントです。自分だけ健康になって、国を愛さないあなたは、非国民であり、売国奴だと言わざるを得ません。罰を与えます。覚悟おし!」

読み終わったとたん、佐久間象子の写メが送られてきました。

 

 

 

<おススメの1冊>

「夜中にラーメンを食べても太らない技術」
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夜中にラーメンを食べても太らない技術 (扶桑社新書 25)

 

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2008.04.16 01:46

ターザン栄養学 その8

 

松宮園生です。

今回はサプリメントの歴史をちょっと。

日本人はいつごろからサプリメントを飲みはじめたかというと、
よく分かりません。
たぶん、ここ20年くらいのことじゃないかと思います。
(そもそも日本人は、サプリメントを飲みたがらない国民ですが)

今のサプリメントは、楕円形の錠剤(タブレットといいます)の形をしているか、
またはカプセルに入っているものが主流です。
昔のサプリメントはそうじゃありませんでした。

昔は、お上(当時は厚生省)からこんなふうに指導されていたのです。

1) 錠剤やカプセルは本来「薬」の飲み方である。
2) 薬ではないサプリメントが錠剤やカプセルになるのはあまり感心できない。
3) サプリメントを作るときには、「薬」と誤解されないように、「薬」とは違う形にしなさい。

そのため、昔のサプリメントは、たとえば
* おむすびの形(丸っこい3角形)
* 金平糖のような形
をしていました。

それが途中から、今あるような楕円形のタブレットや、カプセルが許されるようになりました。

どうして許されるようになったのか、僕の勉強不足で詳しい理由は分かりません。
想像ですが、アメリカから圧力がかかったんじゃないかと思います。
アメリカのサプリメントはもとから楕円形のタブレットだったりカプセルだったりしてます。
これを日本に輸出しようとした。
そしたら、おむすび形にしろだの金平糖形にしろだの、ヤカマシイことを言われたので、うざくなって日本政府に圧力をかけた。

アメリカにはサプリメント業界を代弁するロビー団体があります。
NNFAというところなのですが。
この団体がアメリカ政府に圧力をかけ、アメリカ政府が日本政府に圧力をかけた。
そんなとこなんじゃないかと想像しています。

◆◆◆

アメリカではいつごろサプリメントが普及したかというと、例の
「マクガバン・レポート」
が普及のきっかけになっているようです。
1970年代のことです。

(マクガバン・レポートについては→ 「ターザン栄養学 その4」
http://www.shokuiku-pro.com/production/2007/06/4_8.html

僕の師匠のひとり、チイタッタ先生はサプリメントを使った疾病予防を専門にしています。
彼の話によると、彼がまだ駆け出しの医者だったころ、サプリメントを使った疾病予防は医者仲間ではまだ異端児だったそうです。
今でこそ、そういう医者は全米に何万人といますが…。

1980年代の終わりくらいになると、サプリメントは普通に飲まれていました。
コストコのような店にいくと、
「小型のバケツみたいな大きさの容器に入ったビタミンCやカルシウム」
が、いくつも並んでいましたし。

容器がデカいのもそうなのですが、アメリカのサプリメントは、タブレットにせよカプセルにせよ、粒がとてもデカい。
「こんなん、飲めるかい!」
と悪態をつきたくなるような大きさです。

さて、1990年代に入り、粒のデカさにも関わらず、サプリメントは完全にアメリカ人の生活の一部になりました。
サプリメント専門店が次々と生まれます。
なかでもGNC(ジェネラル・ニュートリション・センター)は、全米規模の巨大企業に成長します。

そして1994年だったと思いますが、
「DSHEA(Doetary Supplement and Health Education Act = サプリメントと健康教育に関する法律)」
という名前の法律ができました。
これは、サプリメント専用の法律です。
(日本には、サプリメント専用の法律はありません)

この法律のおかげで、サプリメントは食品でありながら、ラベルに健康効果を書くことが許されるようになりました。
(日本のトクホに似ています)

この法律により、アメリカのサプリメント業界は爆発的な発展を遂げました。
チイタッタ先生の収入も、増えていったのです(笑)。

 

 

 

 

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2008.04.14 12:29

食の世界のスーパーパワー その7

 

松宮園生です。

これで7話目になりますが、この
「食の世界のスーパーパワー」
シリーズは
「世界の食を牛耳る巨大企業」
を怪しく紹介するのが目的です。

◆◆◆

いまから20年前くらいのB級SF映画で、
「太陽に異変がおきて地球が干上がりはじめる。異変を止めるため、宇宙船が太陽に向かう。一方、干上がりが進む地球では、農地が減り、限られた食料(穀物)生産を牛耳る一部の大企業が、世界支配を始める」
といった内容のものを観た記憶があります。
当時はバブルが始まったころで、お金があったのでしょう、日本の企業(商社など)が映画製作を主導していたように思います。
この映画、題名がぜんぜん思い出せません。
誰かご存知ですか?

この映画に出てきた
「限られた食料(穀物)生産を牛耳る一部の大企業が、世界支配を始める」
というシーン。
しょせんSF映画じゃん、と思っていたら大間違いです。
もう、そういう状態は始まっています。

<農薬市場>
世界の農業のほとんどは、農薬を使っています。
農薬の市場は年間3兆円になりますが、このうち大部分が
* シンジェンタ
* バイヤー
* モンサント
* BASF
* ダウ
* デュポン
の6社で占められています。

(このうちモンサントについては→ 「食の世界のスーパーパワー その2」
http://www.shokuiku-pro.com/production/2007/04/2_5.html

<穀物市場>
世界の穀物市場の9割は、
* カーギル
* アーチャー・ダニエルズ
* バンジ
が支配しています。

(このうちカーギルについては→ 「食の世界のスーパーパワー その1」
http://www.shokuiku-pro.com/production/2007/04/1_5.html

<種子市場>
世界のほとんどの農家は、毎年、種を購入しています。
「なんで種を買うの? 今年栽培したものから、種を取ればいいじゃん」
と思いますよね?
残念ながらそうではありません。
購入した種(F1種といいます)の子ども(F2種)は、親(F1種)に比べて品質や生産性が劣る場合が多いのです。
ですので、農家は毎年、種(F1種)をわざわざ購入しています。
どこから購入しているかというと、
* デュポン(さっき出た会社です)
* モンサント(これもさっき出た会社です)
の2社です。
この2社が、世界の種子市場のほとんどを占めています。

(日本の農家は、タキイ種苗やサカタのタネなどの種苗会社から購入しています)

◆◆◆

これら世界的大企業は、企業ですから、売上や利益を増やすための戦略を日々、進めています。
どうやって売上や利益を増やそうとしているのかというと、
* 農業生産に便利な遺伝子組換え作物(の種)を開発し、農家がその種に頼るように仕向ける
* 農業生産に便利な農薬を開発し、農家がその農薬に頼るように仕向ける
* 農家が生産した農作物を独占的に買い取り、世界に販売する
という戦略です。
要するに、
「農業に必要なプロセスのすべてをコントロール」
しようとしているわけです。

「農業生産が便利になる」
という要素があるので、農家もこうした会社とつきあいたいと思うようになります。

(こうした大企業も「自分で農業をしたい」とは思っていないようです。
おそらく、天候などによって生産量が影響を受けるリスクを、負いたくないのでしょう。
天候などのリスクは、農家に押しつけるというわけです)

このような戦略は、じつは企業としてはアタリマエのことです。
トヨタだって、マイクロソフトだって、グーグルだって、ボーイングだって、ファイザー製薬だって、
「売上や利益を増やすために、世界市場をコントロールしたい」
と思っています。
彼らがそう思っていることを分かっていながら、われわれはトヨタの車を買い、ウィンドウズの入ったパソコンを使い、グーグルを活用し、ボーイング製の飛行機に乗り、ファイザー製薬の薬を飲みます。

ただ、農業の場合は、食料=人の命にダイレクトに関わることなので、そういう分野で大企業が独占行動をするのって、心理的になんかヤですよね。
「農作物がコントロールされるのって、なんかヤだなあ」
と強く思っている人は世界に大勢います。

「なんかヤだなあ」
と思っている人たちがどんな活動をしているか、については、別の機会に書きます。

 

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2008.04.11 08:27

しとちゃん PART-4

 

松宮園生です。

前回までのあらすじ)
紛糾する食育推進会議。
冷たい市長。
食育に燃える市役所職員しとちゃんは、この逆境に
打ち勝つことができるのか?
心配そうに見守る女性職員のメールを通じて、しとちゃんの奮闘を描きます。

◆◆◆

市長に怒鳴られて意気消沈。
すごすごと帰ってきて、うなだれるしとちゃん。
わたしはしとちゃんの涙をハンカチで拭いました。
「市長は気分屋で有名なんだから、いちいち真に受けてちゃ、だめよ」
「うん…」
しとちゃんはうなずくと、なにかぶつぶつ唱えはじめます。
食育基本法の条文を、唱えているのでした。

読経かい。

「よっし!」唱え終わると、しとちゃんは大声をあげました。「負けずに頑張るぞー」
となりの課の吉井さん(通称、よっしぃさん)が、勘違いして振り返りました。

◆◆◆

気をとりなおしたしとちゃんは、食育推進計画の原案作りにとりかかります。

先日の食育推進会議は確かに混乱しました。
何もかもリセットしたいくらいです。
とはいえ、選んでしまったあの39人の主張を無視するわけにはいきません。
しとちゃんはまず、39人の主張を書き並べてみることにしました。

* 食育指導士の主張→「食育の大切さを伝えるのが食育です」
* 食育インストラクターの主張→「そうだそうだ」
* 健康・食育マスターの主張→「予防医学の基礎は食から」
* 野菜ソムリエの主張→「野菜を食べましょう」
* 雑穀マイスターの主張→「野菜より雑穀を食べましょう」
* ソバリエの主張→「うまい蕎麦はこうやって作るのだ」
* 茶ムリエの主張→「日本人はお茶を飲め」
* お米マイスターの主張→「コシヒカリばっかりありがたがるな」
* フードコーディネーターの主張→「楽しくオシャレに食を演出」
* フードアナリストの主張→「食の勉強が足りませんよ、あなたたち」
* オーガニック・コンシェルジュの主張→「有機ってオシャレでしょ」
* 管理栄養士、佐久間象子の主張→「わたしの言うことを聞け」
* 栄養教諭の主張→「小学校はもっとあたしたちを採用しなさいよ」
* 保育士の主張→「自分も食育の勉強をしなくちゃダメかしら」
* 医師の主張→「食もいいけど薬もね」
* 保健師の主張→「保健指導でこっちは手一杯。食育はお任せします」
* 教育委員会の委員の主張→「文部省が食育、食育ってうるさくてね」
* 食品メーカーの部長の主張→「食育やったら、ウチの商品、売れるの?」
* JAの課長の主張→「なんたって自給率でしょ」
* 漁業組合の役員の主張→「サバの話はどうなったんだ」
* 大手スーパーマーケットの社員の主張→「忙しくて忙しくて、それどころじゃないです」
* 自然食品店の店長の主張→「この深層水は、ガンにも効くって評判なんですよ」
* 料理人の主張→「なにが食育だ。そんなことで騒いで料理人がやれっかよ」
* 料理研究家の主張→「五感を磨く教室を開きたいんです」
* グルメ評論家の主張→「それ、いいね」
* 米農家の主張→「農水省は何を考えているんだ。日本の政治はおかしい」
* 野菜農家の主張→「農業は土づくりです」
* 農業コンサルタントの主張→「契約栽培するなら契約守れよ」
* 市民農園をやってる人の主張→「草むしり、誰かやってくんない?」
* 飲食店チェーンの役員の主張→「ヒットする食育メニューをください」
* 婦人団体のリーダーの主張→「家庭の味を守るのが女性のつとめよ」
* 地産地消団体の役員の主張→「地元のキャベツが世界一うまいんだよ」
* 商店街の組合世話人の主張→「こんな会議やって町おこしになるんですかい?」
* 八百屋の主張→「ウチは八百屋だ。文句あるか」
* 魚屋の主張→「DHAとDHCって、どう違うんだっけ?」
* 肉屋の主張→「食育も大事だけどさ、肉も食わねぇと枯れちまうぜ」
* フード・ジャーナリストの主張→「食育って言葉、じつは気に入らないんだよね」
* 郷土食研究家の主張→「こないだ本を出したので読んでください」
* 児童心理学者の主張→「なんだか自分、場違いな気がするんですけど…」

書き並べて呆然とするしとちゃん。

「これ、どうやってまとめるの?」
心配になったわたしが背後から声をかけると、しとちゃんは首を横にゆっくりと振りました。

「これだけじゃないんです」彼は虚ろな目で言いました。「県の食育推進計画に書いてあることと、食い違いがないようにしないといけないし…」

◆◆◆

しとちゃんは市役所で徹夜したようでした。
というのは、早朝わたしが出勤したとき、しとちゃんは会議用のテーブルに書類を広げ、その上にうつ伏せになって眠っていたからです。
「うーん、うーん」
と寝言を言っています。
よだれの跡がありました。

夕べわたしが差し入れた手作りのお弁当は、きれいに食べてくれたようです。
わたしはしとちゃんを起こさないように、空の弁当箱をそっと片付けました。

(以下次号)

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2008.04.07 10:41

真夜中の食育(第1回)

 


眠らない21世紀人の皆さん、今晩は。
日本食育大学准教授、松宮園生がお送りする
「真夜中の食育」
の時間がやってまいりました。
今夜もキレずにおつきあいください。

ではさっそくいただいたメールをを読ませていただきます。

◆◆◆

「新潟県新発田市のミキといいます。松宮先生、今晩は。
いつも楽しく聞いております」

ありがとうございます。

「レシピコンテストで優勝したいんですけど、どうしたらいいでしょうか?」

レシピコンテストですか…。
じつは僕、料理はさっぱりできないんすよね。

コンテストで優勝したレシピを見ても「どうしてこれが優勝したのか」よく分かんないです。

高校野球の場合、トーナメントで全勝したら優勝ですよね。
分かりやすい。
漫画家の新人賞コンテストの場合も、入選作はやっぱり誰からみても優れた作品であることが多い。
分かりやすい。

でもレシピコンテストの場合、僕にはそのへんがゼンゼン分かりません。
分からないので、どこをどう頑張ったら優勝する確率が上がるのか、見当もつきません。

ということで、ミキさんゴメンネ、今度エライ人に聞いてみますね。

ところで、ミキさんはなぜそんなにレシピコンテストで優勝したいんでしょうか?
優勝したら、いいことあるんだっけ?

では次のメール。

◆◆◆

「松宮教授、今晩は」

教授じゃなくて准教授だけど今晩は。

「芦田といいます。フードコーディネーターとフードスタイリストはどう違うんですか。どっちかの講座を受けて資格を取りたいんですけど、どっちにしたらいいのか分かんなくて」

うーん。
このテの質問はよく聞かれる質問なんですよね。

フードコーディネーターというのはそういう講座があるけど、フードスタイリストってそんな講座、あったっけな?
あとね、フードアナリストという講座もあるんだよ。

フードアドバイザーとか、フードスペシャリストとかいうのもあったような気がするなあ。
フード大臣とかフードジャイアントとかいうのはなかったと思います。

で、どれを選ぶかという話ですが、それは芦田さんがこれからどうしたいのかによりますね。
資格をとって、何をしたいんですか?

何をしたらいいかが分からない人は、お金を払って僕の講座を受けてください。
ここ、テロップ出てると思うので、ここに申込んでください。

…あ、これラジオでしたね。
テロップ出ません。
スミマセン。

はい次のメール。

◆◆◆

「ザイオン共和国の佐久間です。管理栄養士ですが、格闘系です。松宮先生のお考えをお聞きしたくてメールしました。松宮先生は三角食べについてどう思っていますか。返答によっては少々痛い目に遭ってもらうことになりますが」

…。
これって、あの佐久間さん?

(小声で)ディレクターさん、佐久間象子からのメールはそっちで処理してくんなきゃ困るよ。あれほど言ったのに。

ああ、えっとですね、佐久間さんね。

さ、三角食べですか。
いやあの、空手マンガに出てくる「三角蹴り」と言葉が似てるなあと思ってます。

必殺、三角食べ。

秘技、口中調味。

…こんな答だと、痛い目に遭っちゃいますねえ。
あはははは。

はい、つ、次のメール。

◆◆◆

「松宮さん聞いてくださいよおー。あたし料理得意なんでわりとモテるほうだと思うんですけどお、つきあった人と長続きしないんですう。どうしたらいいでしょうかあ。あたしの作った肉じゃがの写真、送りますう。アドバイスくださいー」

モテる理由は料理なんですかぁ?
たしかに料理が上手だとポイントあがるとは思うけどねぇ。

送ってくる写真が肉じゃがとは、鋭いとこ突いてますねぇ。
サラリーマン・キラーですかぁ?
その調子でいけばいいんじゃないですかぁ。

ていうか長続きしないって、どれくらいが長続きなのかなぁ。
3か月もったら長続きって思う人もいるしぃ、3年続いたら長続きって思う人もいるしぃ。
どうなんですかぁ。

それに、どうして長続きしないと問題なんですかぁ。
教えてくださいぃ。

はい次のメールぅ。

◆◆◆

「さっきメールを送った芦田です。2通目ですみません」

いえ、謝る必要はありません。

「さっきの松宮先生のアドバイス、すごく考えさせられました。それであたし、何をしたいかを考えたんです。考えた結果、分かりました。あたしがなりたいのは、フードコーディネーターでもフードスタイリストでもありませんでした。あたしが本当になりたいのは、フードセレブになりたいんです」

は?
フードセレブ?
何それ?

「フードセレブになって、本を書いたり、講演会をしたり、フードセレブ教室をしたり、雑誌にコラムを連載したりしたいんです。フードセレブになるにはどうしたらよいでしょうか? 松宮先生、教えてください」

そうですか。
よく分かりました。

そういう人は、「フードセレブ検定」を受けて、合格するのがベストです。
合格したら、芦田さんはフードセレブです。
「フードセレブ検定」、受けましょう。

…このラジオをお聞きの皆さん。
皆さんのなかでどなたか、「フードセレブ検定」をぜひ、開催してください。
芦田さんが、受けたいそうです。
よろしくお願いします。

◆◆◆


楽しい時間はあっという間でしたね。

「真夜中の食育」
日本食育大学准教授、松宮園生がお送りしました。

ではまた来週のこの時間に、お会いしましょう。
バイナラ (←死語)。

 

 

 

 

 

 

 

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2008.04.04 21:37

しとちゃん PART-3

 

松宮園生です。

前回までのあらすじ)
空気は読めないけど食育に燃える市役所職員、
しとちゃん。
市の「食育推進会議」を開催するために、資格を
もっている人やいろんな業界関係者を39人も
集め、意気揚々。
心配そうに見守る女性職員のメールを通じて、
しとちゃんの活躍を描きます。

◆◆◆

会議が始まって数時間後。
しとちゃんはげっそりした顔で会議から出てきました。
こんな顔のしとちゃんを見るのは初めてです。
「どうしたの」
わたしが尋ねますと、しとちゃんは涙に潤んだ瞳で言いました。
「収拾がつかなくなっちゃって…」
「何があったの」
「じつは…」

しとちゃんは会議の様子を話し始めました。

◆◆◆

しとちゃん「本日はお集まりいただいてありがとうございます。この会合の主旨は、県の食育推進計画を受けて、市としてどのような食育プランを作るか、というものです。よろしくおねがいします」

出席者A「食育の大切さを理解してない人が多いのが問題ですわね」
出席者B「お昼ごはんをコーラとカップラーメンで済ましたりするのよねえ」
出席者A「自分で料理を作れない人も増えてますし」
出席者C「そうそう。母親の味とか、おばあちゃんの味とかが忘れ去られているのよねえ」
出席者A「それもこれも、食育の大切さが理解されていないところに原因がありますわね。政府は何をやっているのかしら」
しとちゃん「あのう」

出席者B(無視して)「ウチの近所の幼稚園もおかしいのよ。おやつの時間にジャンクフードを配って平気な顔をしてるのよねえ」
出席者C「それ、こないだテレビでそういうのやってた」
出席者A「食育の大切さをもっと伝えないと、日本はダメになっちゃいますわよ」
しとちゃん「あのう」

出席者B(無視して)「缶コーヒーをがぶがぶ飲んでるサラリーマンを見てると、ほんと心配になるわね」
出席者C「あれって、糖分がすごく多いのよね」
出席者A「もっと食育の大切さを伝えていかないとねえ、ほんとに」
しとちゃん「あのう」

出席者A「何よ、さっきから」
しとちゃん「ここに集まっている人はみんな、食育の大切さを知ってる人たちだと思うんですけど」
出席者A「だから何よ」
しとちゃん「ここで食育の大切さを力説されても、会議は進まないんですが…」

出席者C「朝ごはんを食べない人が7割以上いる」
出席者B「それがいけないのよ。なによりまず、食育といえば朝ごはん。朝ごはん食べなきゃ」
出席者C「朝ごはん食べない子どもはキレやすくなるのよ」
出席者A「朝ごはん食べない人は犯罪者だって、首相も言ってますわねえ」
しとちゃん「そ、そんなこと言ってましたっけ?」

出席者B「土に触れることが大切なんじゃないの。都会の子は土のことを知らなさすぎ」
出席者D「今の子どもって、落花生は知ってても、落花生の花がどんな形をしているのかを知らない。それって悲しいわよね」
しとちゃん「落花生の花って、どんな形をしてるんですか?」
出席者D「た、たとえばの話よ。あたしが言いたいのは落花生の花がどうとかじゃないの。理解しなさいよ」

出席者E「このあたりではサバがよく獲れるんだ。サバ漁をもっと宣伝してほしいぞい」
出席者F「それを言うなら、この山のほうで放牧されている牛のミルクは美味いんですよ。牛乳も宣伝しなきゃダメね」
出席者G「牛乳は飲まないほうがいいって、いうじゃない?」
出席者F「な、何言ってんのよ。温めて飲めば大丈夫よ。あんたは黙っててよ」
しとちゃん「あのぅ。人の発言を否定するような発言はなるべく控えませんか?」
出席者F「なんですって。わたしが誰の発言を否定したって言うのよ」
出席者E「サバの話はどうなったんだ」

出席者H「有機野菜のおいしさも伝えなくちゃね。安くておいしい有機野菜」
出席者I「ここらの農家は有機農業なんかやってねぇよ。有機野菜なんて宣伝されたって、誰も喜ばんよ」
出席者H「じゃあ、明日から有機農業やりなさいよ」
出席者I「なんだと、このクソババア」
しとちゃん「ちょっと皆さん、穏便に」

出席者J「有機野菜って、高いですよね」
出席者H「そんなわけないでしょう。有機野菜はね、農薬を使ってないから、その分、安いのよ」

出席者K「さっきから黙ってたら、みなさん好き勝手なこと言ってますね。食育で大事なのは栄養学なんですよ」
出席者A「子どもにはまだ早いんじゃないの」
出席者B「そうよそうよ」
しとちゃん「あのー、この会議は食育プランを作る会議なんで、子ども向けの企画を考える会議ではないので…」
出席者B「えーっ、そうなの? 早く言ってよ」
しとちゃん「あのー、最初からそう言ってるんですけど」
出席者E「サバの話はどうなったんだ」

出席者L「残さずに食べるのって、大事よね」
出席者A「そうそう。家族で会話しながらの食事。これも大事」
出席者B「必ずちゃんと、いただきます、ごちそうさまを言う」
出席者C「嫌いなものも、料理のしかたでおいしくなるわよね」
出席者K「そんなことより栄養学ですよ」
出席者A「あんたまだそんなこと言ってるんですか。食育と栄養学を一緒にしないでくださいな」

しとちゃん「あのう。すみません皆さん。食育プランを作る会議ですんで、どんなプランがいいかという話し合いをしませんか?」
出席者A「あんたは黙ってらっしゃい」
出席者E「サバの話はどうなったんだ」

結局、自説を主張する人たちで会議は紛糾。
ようやく選んだ議長も
「それでは、しとちゃんさん、今日の内容を踏まえて次回までに計画書の原案を作っておいてくださいね。…どうしたの? 大変かもしれないけど、これはしとちゃんの仕事でしょ」
言い残して逃げるようにさっさと退出してしまいました。

今日の内容を踏まえて?
呆然とたたずむ、しとちゃん。

◆◆◆

「みんなが賛成してくれる原案なんて作れないよう」ぽろぽろ泣きながら話すしとちゃん。「ぜったい誰かがどこかを気に入らなくて、文句を言うに決まってる」
「文句を言われたっていいじゃない。あなたはあなたの正しいと思うことをするのよ」
「でもそんなことしたら、現場を知らない役人の横暴だって言われるよう」
「かわいそうに」しとちゃんの頭を撫でながら、わたしは言いました。「大変な顔ぶれをメンバーに選んじゃったわねえ」
「やだよう。苛められるよう」

ガキかあんたは。

とも思いましたが、甘えられて悪い気はしませんでした。
わたしたちは飲みに行きました。

翌日、しとちゃんはスッキリした表情に変わっていました。
巻物を手にして言います。
「これ何だか分かりますか」
「何かしら」
「食育基本法の全文です。筆ペンで書き写して、毎日音読してるんです」

お経かい。

しとちゃんは続けました。
「音読すると心が落ち着きます。頑張ろうという気になります」
「そう。それは良いことね」

「あと、夕べのことだけど…」赤面するしとちゃん。
「なあに」
「いえ、何でもないです。ようし、頑張るぞ。食育推進計画を作るのだ!」

緑茶をぐいと飲み干し、予想外の熱さに目を白黒させるしとちゃんでした。

◆◆◆

しとちゃんが受話器を片手にペコペコ頭を下げています。
どうしたの、と聞くと、しとちゃんは困った顔で
「佐久間さんからなんですけど。…あの怖い佐久間さん」
「管理栄養士の?」
「はい。こないだの食育推進会議に市長が出なかったのが許せないとかで」
「市長に直接言えばいいのに。弱いものいじめね」
「佐久間さんにそんな返事したら殺されますよ」
「踏み潰されるね」
「象子だけに、ですか。あはは」
「あはは」

しとちゃんの笑顔は素敵でした。

「でもそういえば変ですねえ。佐久間さんはいつも、直接市長に文句を言う人でしたよねえ」
「そうね。このところ、文句があったらすぐにしとちゃんに電話かけてくるわね」
「不思議です」腕組みをするしとちゃん。

でも、わたしにはその理由が分かるような気がしました。

「まあとにかく」しとちゃんは言いました。「市長は会議に出るべきだと僕も思います。いまから市長に会ってきます」
「いつも気が早いわね」
「性分ですから」
言い終わらないうちに、しとちゃんはピューッと出かけてしまいました。

「おい待てしとちゃん。勝手に席をはずしてはいかーん…」
係長の声が響きましたが、それも虚しく、しとちゃんはすでにエレベーターに乗っていました。

翌朝、しょんぼりしたしとちゃんが現れました。
「どうしたの」
「市長に会いに行ったんですが…」
「うん?」
「全国市町村首長の集まりがあるとかで大阪に出張してました」
「会えなかったのね」
「いえ、大阪まで会いに行きましたから…」

行ったんかい。

「そしたら市長にすっごい怒られて…。食育なんか知らん、お前も消えてしまえと言われちゃったんです」

(以下次号)

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2008.04.03 12:33

もしかしたら史上最大スケールの食の話

 

松宮園生です。

松宮園生は食育オタクですが、宇宙オタクでもあります。
ですので、食の話題と宇宙の話題がミックスするような
ネタにはずいぶん興奮します。

例えば。

■宇宙日本酒
宇宙を旅した高知産の酵母や原料米から作られた
日本酒です。
かつてロシアのソユーズ宇宙船に日本酒の原料が
搭載されたことがありました。
8日のあいだ宇宙ステーションに滞在し、地球に帰還。
その後、高知県に戻って日本酒の仕込みが行われました。
売り切れてるかもしれませんが、販売しているそうです。

高知県で農家をしている友人の話では、
* 日本酒が販売されるという話を聞いたロシアが、
「オイオイ、商売するつもりかよ。研究目的じゃなかったのか? だったら話が違う。追加で2億円よこせ」
と要求してきたそうですが、どう決着したのかは不明です。
* 宇宙日本酒の話を聞きつけたフランスのメーカーが
「その酵母菌を使ってワインを仕込みたい」
という申し入れをしてきた、ようですが、これもどうなったか不明です。

■宇宙ラーメン
日清食品が開発した「スペース・ラム(Space Ram)」というラーメン。
無重力でもスープが飛び散らないよう、スープの粘着性を強化したりしているそうです。
1本1本が飛び散らないよう、麺の形状も工夫しているとのこと。
販売しているかどうかは分かりません。

■宇宙カレー
ハウス食品が出しているレトルトカレーで、その名も「SPACE CURRY」(=スペースカリー)。
ハウス食品の本社ビルに行くと、ロビーに飾ってあります。
販売もしています。

(宇宙ラーメン・宇宙カレーについては
http://www.shokuiku-pro.com/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=548&forum=17&post_id=668#forumpost668
http://www.shokuiku-pro.com/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=499&forum=17
を参照ください)

■宇宙キムチ
韓国の宇宙飛行士がロシアのロケットで宇宙に行ったときに、持参したものです。
普通のキムチは発酵食品ですが、宇宙キムチは厳密には発酵食品ではないかもしれません。
というのは、酵母菌が宇宙で突然変異を起こして毒性を持つ可能性があるため、酵母菌を除去しているからです。
どうやって作ったのか、またそれって定義上キムチと呼べるのかどうかは不明です。

(宇宙キムチについては
http://www.shokuiku-pro.com/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=581&forum=17&post_id=1082#forumpost1082
http://www.shokuiku-pro.com/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=783&forum=17&post_id=954#forumpost954
を参照してください)

ま、こんな感じで、
「宇宙の話と食の話がミックスしているネタ」
に萌えを感じるシアワセ者、松宮でありました。

◆◆◆

つい最近こんな話を聞きました。

宇宙には銀河というものがありますよね。
何百億、何千億もの星が集まってできている、あの銀河です。
われわれが所属している銀河は
「天の川銀河」
と言われたり
「銀河系」
と呼ばれたりしています。

さしわたし何百億光年という巨大な宇宙。
宇宙には銀河がこれまた何千億個もあります。

多くの銀河は円盤の形をしてて、上から見たら渦巻き状になっています。
こういう銀河を
「渦巻き型銀河」
といいます。

さて、この渦巻き型銀河に表と裏の区別をつけるとしたら、どっちが表でどっちが裏なのでしょうか?
これは「銀河の表裏問題」と言われ、長らく未解決のままでした。

去年だったか一昨年だったか、冥王星が惑星じゃなくなった事件がありましたね。
惑星から小惑星に「降格」となりました。
そのときに天文学会では、
「ついでだからよ、渦巻き型銀河の表裏問題もこの際なんとか解決しようや」
という話になり、世界の天文学者はそのための専門委員会を設置することで合意しました。

その専門委員会で
「表裏をどうやって決めるか」
のルール(基準)作りをすることになっています。
それが天文学者の総会に諮られ、最終決定されるとのこと。

で、この話のどこが「食」なのでしょうか?

じつは、この専門委員会に、
「日本なると協会」
の代表が、顧問として出席しているのです。

ラーメンに載っている、あの「なると」。

なるとを製造している業者が集まって「日本なると協会」ができたわけですが、それがなんと世界の天文学者から
「渦巻き型銀河の表と裏をどうやって決めるか?」
という宇宙的壮大なテーマで意見を求められているのだそうです。
しかも「顧問」として。

◆◆◆

という脱力系の話なのですが。

どうやらこれはガセネタのようです。
誰かがこしらえた大嘘なんだそうです。

すっかり信じこんだ僕。
「これはブログのネタになるぞ」
と勢いこんでこの文章を書いてしまったのですが、根も葉もない話だと分かりました。
せっかく文章を書いてしまったので、このまま載せさせていただきます。

 

----------------------
(宇宙的ガセネタにだまされた僕ですが、その僕のセミナーの宣伝です)
せっかくとった食の資格、活かしませんか?
「活躍する自分を作るプログラム」第1期生募集。
http://www.shokuiku-pro.com/modules/tinyd0/index.php?id=12

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2008.04.01 18:46

食の世界のスーパーパワー その6

 

松宮園生です。

この「食の世界のスーパーパワー」
シリーズは
「世界の食を牛耳る巨大企業」
を怪しく紹介するのが目的です、いちおう。

◆◆◆

中国の農産物に対する信頼が大きく
揺らいでいる昨今。
でも、中国の人々はそれを食べなければなりません。

彼らはどうしているかというと、
* 金持ちは日本から農産物を取り寄せたり、畑を買って従業員に耕作してもらったりしているようです。
* 金持ちではないけどナーバスな人は、専用の洗剤を買って野菜を洗っているみたいです。
* 金持ちでもなくナーバスでもない人は、特に何もしないわけですが、おそらく大部分の中国人はこの部類に入るんじゃないかなあ。

とはいえ、安全な農産物がほしいという人は中国国内でも増えてきています。
そういう需要を背景に、農業(農産物の栽培)で大成功をおさめている会社が中国にあります。
その会社は、野菜や米、お茶などを栽培しています。
その会社の年商は日本円で数百億円になります。
香港の株式市場に上場しています(日本人の投資家のあいだでもナカナカ人気のようです)。


* 年商、数百億円?
* 上場?
これってどのくらいスゴイのでしょうか?
このくらいスゴイです。
1)農産物を栽培して年商数百億円の会社なんて日本には存在しません。
2)農産物を栽培して株式市場に上場している会社も日本にはありません(種苗会社は除きます)。

この会社が栽培した野菜のうち、2割か3割くらいは日本に輸出されているようです。
世界最大の企業、ウォルマートもこの会社の野菜を買っているらしい(※)。

さて、気になるのはその会社の名前です。

「超大現代農業有限公司」
ていうのダ。

なかなか挑戦的な名前です。

「超大」
ですからね。

どんだけデカイんかい。

(※)ウォルマートについては、
「食の世界のスーパーパワー その4」を参照ください。
http://www.shokuiku-pro.com/production/2007/05/4_6.html

◆◆◆

余談ですが、中国といえば10年ほど前に北京のお役人と一緒に雲南省の奥地に行ったことがあります。
ミャンマーの反政府ゲリラと商売をするために行きました。
われながら怪しいです。

雲南省の山奥にはどうやって行ったかというと。
まず北京から飛行機に乗り、6時間かけて昆明(クンミン)に到着。
昆明は雲南省の中心都市です。
今は人口が300万人くらいいるそうですが、当時は150万人くらいでした(←じゅうぶん大都市です)。

昆明で1泊。
キレイなホテルだけどトイレが壊れてた。
翌日は早朝から役人専用のクルマに乗り、高速道路で山奥に向かいます。
役人のクルマですので、高速道路のゲートなんかもフリーパス。
スピード違反も関係ありません。

昼ごろになると、田んぼを水牛が歩いているような風景があらわれ、なんだかタイムマシンで時間を逆行している感覚に襲われます。
この辺にくると中国語(マンダリン)も上海語も通じなくなるらしく、通訳が必要になります。

この怪しい雲南ツアーには2人の通訳が同行していました。
この辺のよく分からない言葉を中国語にする通訳。
中国語を日本語にする通訳。

目的地らしいところにクルマをとめ、なんとか族という地元の人たちと会議をしました。
会議の内容は本題に関係ないので省きます。
会議が終わって食事をしようという話になり、地元の飲食店に向かいました。
ここからが本題です。

その飲食店、どうみても動物園なのです。
動物園のなかに小さな建物があり、そこに案内されました。
店の主人が、カーテンを閉めはじめます。

「どうしてカーテンを閉めるんですか?」
通訳を通じで質問すると、店主は答えました。
「法律で禁止されているものを食べていただくので、役人に見られないようにカーテンを閉めるのです」

役人、ここにいるじゃんよ。

でもその役人、ニコニコ笑っているだけです。

でてきた料理は、なにかの珍しい鳥と、それからアルマジロの姿煮でした。
さっきまで動物園のなかにいたのを、どうやら料理したらしいのです。

鳥のほうはともかく、アルマジロの姿煮のほうはどうしても食べる気がせず、食べたフリをしてその場をごまかしました。

それから、得体のしれない酒もすすめられました。
緑色をした液体で、白いものがいくつか、浮かんでいます。
なにかの血液を、地酒と混ぜたものだという説明を受けました。

不気味な食事が終わり、店主がやってきてこんな挨拶をしました。
「わたしは禁止されているものを料理しました。みなさんは禁止されているものを食べました。禁止されているものも飲みましたね。これで全員、同罪です。決して口外しないようにお願いいたします」

「ば、バレないんですか? つ、捕まったらどうなるんですか? し、死刑?」
僕が思わず質問をすると、北京の役人が僕の肩をポンと叩いていいました。
「死刑は死刑だけど、大丈夫。痛くないような方法をとるように、根回ししといてあげるヨ。100万円ほどかかるけどね」

 

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