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松宮園生です。
日本食育大学が誇る天才科学者、ロバート・シトピッチャン教授。
食育ロボット「アンドリュー」の生みの親です。
シトピッチャン教授はほかに
「食育教室シミュレーション・ゲーム」
も開発しています。
先日、僕はそのシミュレーション・ゲームに果敢にチャレンジし、レベル5で惨敗してしまいました。
そのときのテーマは「クジラ」でした。
http://www.shokuiku-pro.com/production/2008/01/3_20.html
レベル5には他にもテーマがあります。
「クジラ」がだめなら他のテーマをやってみよう。
そう考えた僕は、
「世界の果物」
にチャレンジしたのでした。
今回も場面は小学校の教室です。
◆◆◆
松宮「石田君はミカン好きですか?」
児童「別に」
松宮「ミカン嫌いなの?」
児童「別に」
児童「先生、石田君は給食のおかわりが貰えなかったから機嫌が悪いんです」
松宮「それは残念だったね、石田君」
児童「うっせーな」
松宮「(たじたじになり矛先を変える)大谷さんはミカン好きですか」
児童「わりと好きです」
松宮「どんなミカンが好きですか」
児童「どんなって、普通のミカンです」
松宮「普通のミカンてどういうの?」
児童「このくらいの、小さいの」
児童「それ、温州(うんしゅう)ミカンって言うんだよ」
松宮「西野君、よく知ってるねえ」
児童「お母さんから教わったんだ」
児童「先生、西野くんのお母さんは野菜のソムリエなんですって」
松宮「へえ。野菜のソムリエなんだ。けど果物にも詳しいんだね。すごいね」
児童「違うよ。野菜のソムリエはもともと果物も勉強するんだ」
松宮「じゃあ西野君、ミカンはどんな果物の仲間か知ってますか?」
児童「知ってるよ。柑橘(かんきつ)って言うんだよ」
松宮「よくできました。ミカンは柑橘の仲間です。柑橘にはレモン、グレープフルーツなどがあります。さっきの温州ミカンは日本のミカンなんだけど、レモンやグレープフルーツは外国のミカンです」
児童「先生、凸凹(でこぼこ)は日本のミカンだよ」
松宮「凸凹?」
児童「西野さあ、それを言うならデコポンだろ」
児童「あ、間違えた」
児童「野菜のソムリエなのに間違えてるぜ。だっせー」
松宮「北嶋君、野菜のソムリエは西野君のお母さんであって、西野君自身じゃないから」
児童「関係ねーよ」
松宮「(たじたじになり矛先を変える)…えっと、レモンやグレープフルーツは外国の果物です。日本は輸入しています。どこから輸入しているか分かる人」
児童「はい」
児童「はい」
松宮「じゃあ、米田さん」
児童「ディズニーランドだと思います」
児童「ばーか。ディズニーランドは国じゃねえじゃん」
松宮「北嶋君、どんな意見も大切にしようよ」
児童「関係ねーよ」
松宮「(たじたじとなり矛先を変える)さて、…レモンやグレープフルーツは、アメリカやチリ、南アフリカから日本にやってくるんですよ」
児童「先生、アメリカってどこにあるんですか」
児童「南アフリカってどこにあるんですか」
児童「チリはどこですか」
松宮「それはね…」
◆◆◆
とつぜん画面がフリーズし、こんなメッセージが出ました。
「ここで問題です。世界地図が描けますか? 立派な食育講師になるには、世界地図を上手に描けなければいけません。世界地図を描いてみましょう」
画面にキャンバスが現れました。
どうやら
「マウスを動かしながら、世界地図を描け」
ということのようです。
そう来たか。
しかたねえ、やってみるか。
日本を真中に描きます。
それから、左上にシベリアの海岸線を描いてみる。
中国の海岸線はこんなふうだったかなあ。
なにか抜けてるぞ。
あ、そうだ。
たぶんこのへんに朝鮮半島がある。
危ねえ、危ねえ。
東南アジアの海岸線ってどんな感じだったっけ?
台湾って、ここだっけ?
たしか、インドってこのへんにあったような気がするなあ。
オーストラリアはこの辺だっけか。
アフリカはこんな感じかな。
地中海をはさんでヨーロッパの海岸線。
ぐるっと回って、イギリスはこの辺だよなあ。
ロシアの北のほうはどうなってたっけ?
北アメリカはなんか逆三角形みたいな感じだったっけ?
南アメリカはちょっと直角三角形だったと思うけど…。
うーむ、なんか違う気がするなあ。
首をかしげながらも、とりあえず描きあげました。
画面の右下に、
「次へ」
というボタンがあったので、クリックしてみます。
◆◆◆
ふたたび教室の場面になりました。
児童「先生、バナナはどこからやってくるんですか」
松宮「バナナはですね、台湾とか、フィリピンとか、あとエクアドルとかから来ます」
児童「エクアドルってどこですか?」
松宮「それはね…」
さっき描いた世界地図が浮かびあがりました。
すると、教室が爆笑の渦に巻き込まれました。
児童「それ、先生が描いたの?」
松宮「な、なにか問題が…?」
児童「ひどすぎるよ、それ。話になんない」
児童「全体的に絵がヘタくね?」
児童「アラビア半島、抜けてるし」
児童「スカンジナビア半島も抜けてます、先生」
児童「インドって、そんなにでかくないよ。でかいけど、そこまででかくない」
児童「オーストラリアはもっと西だよう」
児童「ニュージーランドもないじゃん」
画面が赤く点滅しはじめました。
エネルギー値を示すメーターが画面に浮かびあがります。
そのメーターの針が、どんどん下がっていきました。
それがついに「ゼロ」のところに達し、画面が真っ暗になりました。
「GAME OVER」