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松宮園生です。
いよいよ始まるメタボ検診。
正確には
「特定検診」
と呼びます。
特定検診で
「メタボ」
「メタボ予備軍」
と判定されたら、あなたを待ち受けるのはメタボ指導。
正確には
「特定保健指導」
です。
メタボ指導(=特定保健指導)はどのように行うのかというと。
あなたとメタボ専門家とで、1回あたり20分くらいの面談を繰り返します。
面談を通じて、あなたはプチ洗脳されます。
プチ洗脳されて生活習慣が改善、腹回りも縮んでゆくのです。
「メタボ専門家」というのは、
* 医師
* 管理栄養士
* 保健師
などの人々です。
デスクの向こうには、あなたの腹回りを縮めたい専門家。
対するは、今までどおりグータラしたいしラーメンも食べたいサラリーマンのあなた。
「専門家と向かいあっての20分洗脳バトル」
が展開されるわけです。
◆◆◆
管理栄養士のナオコは、井上武史さんという男性のメタボ指導に手を焼いていました。
これで3回目の面談なのですが、井上武史さんの生活習慣はちっとも改まらないのです。
ナオコは武史さんを呼ぶかわりに奥さんの井上明美さんに電話をし、クリニックに来てもらうことにしました。
「このままでは武史さんは確実に生活習慣病になります」ナオコは言いました。「明美さんの力で、ご主人を救ってあげてください」
「どうしたらいいんですか?」
「まず、朝は必ず朝食を食べさせてあげてください。たとえばこんなメニューを作ってあげてほしいんです」
ナオコは自分で作った「ヘルシー朝食レシピブック」を相手に渡しました。
「次に、ご主人は会社でお昼にラーメンばかり食べているみたいです」ナオコは続けました。「明日から、野菜たっぷりのお弁当を持たせてください。お弁当のメニューはこのなかから選んでください」
ナオコは自分で作った「お弁当レシピ集」を相手に渡しました。
「夕食はとくに気をつかってください」と、ナオコ。「夕食のメニューもできるだけこのなかから選んでほしいんです」
ナオコは自分で作った「マクロビ・夕食レシピブック」を相手に渡しました。
「それから」ナオコは少し赤面しながら言いました。「週に1度は愛し合うようにしてください。そのときのメニューも…」
「は? そのときのメニュー?」
「あ、間違えました。そんなメニューはありません」ナオコは耳まで赤くなりました。「…とにかく、ヘルシーな朝食、野菜たっぷりのお弁当、マクロビオティックな夕食。それから愛です。これを最低10か月。できれば1年続けてください」
「10か月から、1年ですね?」
「そうです。そしたら、武史さんの生活習慣病の危険は大きく減りますから! 武史さんのメタボ改善は、奥さんにかかっているんです」
そう言って、ナオコは深々と頭を下げました。
面談を終え、家に帰りついた明美さん。
ダンナの武史さんがビールを飲みながら待っていました。
「クリニックに呼ばれたんだって?」
「うん。栄養士さんに呼ばれて、アナタの話をしたの。すごく熱心な栄養士さんでね、感心しちゃった」
「で、なんて言ってた?」
「いろいろ難しい説明をしてくれたんだけど」明美さんは答えました。「ようするに、アナタのメタボは治らないタイプなんですって」
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