松宮園生です。
日本食育大学が誇る天才科学者、ロバート・シトピッチャン教授。
食育ロボット「アンドリュー」の生みの親です。
シトピッチャン教授はほかに
「食育教室シミュレーション・ゲーム」
も開発しています。
先日、僕はそのシミュレーション・ゲームに果敢にチャレンジし、レベル5で惨敗してしまいました。
そのときのテーマは「クジラ」でした。
http://www.shokuiku-pro.com/production/2008/01/3_20.html
レベル5には他にもテーマがあります。
「クジラ」がだめなら他のテーマをやってみよう。
そう考えた僕は、
「世界の果物」
にチャレンジしたのでした。
今回も場面は小学校の教室です。
◆◆◆
松宮「石田君はミカン好きですか?」
児童「別に」
松宮「ミカン嫌いなの?」
児童「別に」
児童「先生、石田君は給食のおかわりが貰えなかったから機嫌が悪いんです」
松宮「それは残念だったね、石田君」
児童「うっせーな」
松宮「(たじたじになり矛先を変える)大谷さんはミカン好きですか」
児童「わりと好きです」
松宮「どんなミカンが好きですか」
児童「どんなって、普通のミカンです」
松宮「普通のミカンてどういうの?」
児童「このくらいの、小さいの」
児童「それ、温州(うんしゅう)ミカンって言うんだよ」
松宮「西野君、よく知ってるねえ」
児童「お母さんから教わったんだ」
児童「先生、西野くんのお母さんは野菜のソムリエなんですって」
松宮「へえ。野菜のソムリエなんだ。けど果物にも詳しいんだね。すごいね」
児童「違うよ。野菜のソムリエはもともと果物も勉強するんだ」
松宮「じゃあ西野君、ミカンはどんな果物の仲間か知ってますか?」
児童「知ってるよ。柑橘(かんきつ)って言うんだよ」
松宮「よくできました。ミカンは柑橘の仲間です。柑橘にはレモン、グレープフルーツなどがあります。さっきの温州ミカンは日本のミカンなんだけど、レモンやグレープフルーツは外国のミカンです」
児童「先生、凸凹(でこぼこ)は日本のミカンだよ」
松宮「凸凹?」
児童「西野さあ、それを言うならデコポンだろ」
児童「あ、間違えた」
児童「野菜のソムリエなのに間違えてるぜ。だっせー」
松宮「北嶋君、野菜のソムリエは西野君のお母さんであって、西野君自身じゃないから」
児童「関係ねーよ」
松宮「(たじたじになり矛先を変える)…えっと、レモンやグレープフルーツは外国の果物です。日本は輸入しています。どこから輸入しているか分かる人」
児童「はい」
児童「はい」
松宮「じゃあ、米田さん」
児童「ディズニーランドだと思います」
児童「ばーか。ディズニーランドは国じゃねえじゃん」
松宮「北嶋君、どんな意見も大切にしようよ」
児童「関係ねーよ」
松宮「(たじたじとなり矛先を変える)さて、…レモンやグレープフルーツは、アメリカやチリ、南アフリカから日本にやってくるんですよ」
児童「先生、アメリカってどこにあるんですか」
児童「南アフリカってどこにあるんですか」
児童「チリはどこですか」
松宮「それはね…」
◆◆◆
とつぜん画面がフリーズし、こんなメッセージが出ました。
「ここで問題です。世界地図が描けますか? 立派な食育講師になるには、世界地図を上手に描けなければいけません。世界地図を描いてみましょう」
画面にキャンバスが現れました。
どうやら
「マウスを動かしながら、世界地図を描け」
ということのようです。
そう来たか。
しかたねえ、やってみるか。
日本を真中に描きます。
それから、左上にシベリアの海岸線を描いてみる。
中国の海岸線はこんなふうだったかなあ。
なにか抜けてるぞ。
あ、そうだ。
たぶんこのへんに朝鮮半島がある。
危ねえ、危ねえ。
東南アジアの海岸線ってどんな感じだったっけ?
台湾って、ここだっけ?
たしか、インドってこのへんにあったような気がするなあ。
オーストラリアはこの辺だっけか。
アフリカはこんな感じかな。
地中海をはさんでヨーロッパの海岸線。
ぐるっと回って、イギリスはこの辺だよなあ。
ロシアの北のほうはどうなってたっけ?
北アメリカはなんか逆三角形みたいな感じだったっけ?
南アメリカはちょっと直角三角形だったと思うけど…。
うーむ、なんか違う気がするなあ。
首をかしげながらも、とりあえず描きあげました。
画面の右下に、
「次へ」
というボタンがあったので、クリックしてみます。
◆◆◆
ふたたび教室の場面になりました。
児童「先生、バナナはどこからやってくるんですか」
松宮「バナナはですね、台湾とか、フィリピンとか、あとエクアドルとかから来ます」
児童「エクアドルってどこですか?」
松宮「それはね…」
さっき描いた世界地図が浮かびあがりました。
すると、教室が爆笑の渦に巻き込まれました。
児童「それ、先生が描いたの?」
松宮「な、なにか問題が…?」
児童「ひどすぎるよ、それ。話になんない」
児童「全体的に絵がヘタくね?」
児童「アラビア半島、抜けてるし」
児童「スカンジナビア半島も抜けてます、先生」
児童「インドって、そんなにでかくないよ。でかいけど、そこまででかくない」
児童「オーストラリアはもっと西だよう」
児童「ニュージーランドもないじゃん」
画面が赤く点滅しはじめました。
エネルギー値を示すメーターが画面に浮かびあがります。
そのメーターの針が、どんどん下がっていきました。
それがついに「ゼロ」のところに達し、画面が真っ暗になりました。
「GAME OVER」
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松宮園生です。
(前回のあらすじ)
食育基本法が制定されたのが、なぜか嬉しくてたまらない
ハリキリボーイ(←死語)のしとちゃん。
でも市役所の同僚は、みんなちょっと引いちゃってる。
そんなしとちゃんを優しく見守る先輩からのメールを通じて、
しとちゃんの活躍を描きます。
◆◆◆
県庁から市役所に通達が来ました。
どんな通達かというと、
「県の食育推進計画が出来上がったのは知ってるな? その説明をしてやるから、ただちに県庁に参上し、ありがたく拝聴せよ。交通費は出さないけど」
という意味のことを、そのまま書くと喧嘩になるので、丁寧なオトナ文章に直した通達です。
しとちゃんはその「拝聴係」としてのこのこ出かけ、すっかり興奮して帰ってきました。
県庁からもらった説明資料を広げながら、しとちゃんは市長室に飛び込みます。
普通、飛び込んでから資料を広げるものですが、躁(そう)状態のしとちゃんは順番が逆でした。
しかもアポなしです。
市長はそういうのがキライな人でしたが、辛抱してしとちゃんの話を聞きました。
県の食育推進計画。
むこう5年間(だったかな?)、県庁が食育に関して
* どんな活動をするのか
* どんな目標を達成したいのか
を示すものです。
それはいいんですが、食育つっても漠然としてて範囲が広いものですから、何を計画していいものやらよく分かりません。
そのせいで、あれもやろう、これもやんなきゃ、という意見が無秩序に出てきます。
1つ1つの意見は、誰でも思いつくようなものです。
それをいくつも寄せ集めるわけです。
その結果、どこにポイントがあるのかさっぱり分からない「総花(そうばな)計画」ができあがります。
どの都道府県も似たり寄ったりの総花計画しか作れませんでした。
まあ、似たり寄ったりの総花になるのは、ある程度しかたのないことです。
食育計画で他県との違いを際立たせるのは至難のわざですし。
そもそも競争するわけではないので、他県と違うものにしなくちゃならない理由もないですし…。
そんなわけで、しとちゃんが市長に見せた県の資料は特筆することもない平凡なものでした。
「どうせこんな感じだろう」
と市長が想像していたとおりの内容でした。
しかし興奮して語るしとちゃんはそんなことお構いなし。
市長は心のなかでイライラしながら、顔色は変えずにしとちゃんの説明を聞きました。
ところで、県が食育推進計画作りを終えた今、今度は市町村が計画を作る番でした。
県の計画の一部を担う形式で、市町村の計画を作る。
これをするわけです。
計画を作るプロセスは法律、つまり食育基本法により定められていました。
どういうプロセスかというと、
1) 有識者を集めて「食育推進会議」を開く
2) 「食育推進会議」のメンバーが「食育推進計画」を作る
3) それを市民に公表し、市民からの意見を募る
4) 市民からの意見を参考に、「食育推進計画」を加筆修正する
5) 市長のハンコをもらう
6) 市議会で承認してもらう
7) 総理大臣に報告する
つまり、まずは「食育推進会議」を開かなければなりません。
というわけで、しとちゃんは
「食育推進会議を開きましょう!」
と市長に詰め寄り、市長は
「分かった分かった、じゃあ進めてくれ」
面倒臭そうに答えたのでした。
「やったー!」
しとちゃんは勇躍して、「食育推進会議」のメンバーを集める作業にとりかかりました。
◆◆◆
しとちゃんがわたしに話しかけてきます。
「食育推進会議のメンバーは誰がいいと思います?」
「そうねえ」わたしは答えました。「食育に関係のある人、ってことでしょ?」
「そうなんです。でも考えたらいろんな人が思い浮かんじゃって」
「食育って漠然としてるから、いろんな可能性があるわよねえ。思い浮かんだ人、みんな呼んだら?」
「そうします!」
しとちゃんは嬉々として市内を駆けまわり、メンバーを集めてきました。
顔ぶれは以下のとおり。
* 食育指導士
* 食育インストラクター
* 健康・食育マスター
* 野菜のソムリエ
* 雑穀マイスター
* ソバリエ
* 茶ムリエ
* お米マイスター
* フードコーディネーター
* フードアナリスト
* オーガニック・コンシェルジュ
* 管理栄養士
* 栄養教諭
* 保育士
* 医師
* 保健師
* 教育委員会の委員
* 食品メーカーの部長
* JAの課長
* 漁業組合の役員
* 大手スーパーマーケットの社員
* 自然食品店の店長
* 料理人
* 料理研究家
* グルメ評論家
* 米農家
* 野菜農家
* 農業コンサルタント
* 市民農園をやってる人
* 飲食店チェーンの役員
* 婦人団体のリーダー
* 地産地消団体の役員
* 商店街の組合世話人
* 八百屋
* 魚屋
* 肉屋
* フード・ジャーナリスト
* 郷土食研究家
* 児童心理学者
* しとちゃん
ふう。
以上、総勢39名になりました。
しとちゃんは豪華キャスティングを達成して有頂天。
映画「クローバーフィールド」ばりの混乱が待っているとはつゆ知らず。
市長がじつはすっかり白けているのもつゆ知らず。
わくわくして眠れないしとちゃんなのでした。
そして、食育推進会議開催の日がやってきました。
(以下次号)
松宮園生です。
前回につづき、メタボ指導の話。
いよいよ始まるメタボ検診(=特定検診)。
「メタボ」
「メタボ予備軍」
と判定されたら、あなたを待ち受けるのはメタボ指導
(=特定保健指導)です。
メタボ指導はどのように行うのかというと。
あなたとメタボ専門家とで、1回あたり20分くらいの面談を繰り返します。
面談を通じて、あなたはプチ洗脳されます。
プチ洗脳されて生活習慣が改善、腹回りも縮んでゆくのです。
テーブルのむこうには、あなたの腹回りを縮めたい専門家。
対するは、今までどおりグータラしたいしラーメンも食べたいサラリーマンのあなた。
「専門家と向かいあっての20分洗脳バトル」
が展開されるわけです。
◆◆◆
メタボ指導の現場ではいろんなことが起きることでしょう。
例えば、”副部長代理”型サラリーマン、小坂茂さんのケース。
小坂茂さんは「にわか勉強」した知識をひけらかすタイプです。
管理栄養士ナオコとの面談は3度目でしたが、こんなことを言いはじめました。
「栄養士さんよ。あんたはオレの生活習慣を変えよう変えようと必死だけどよ、生活習慣が変わったらオレは長生きするのか?」
「ええ、もちろん」
「証拠でもあるんかい?」
「証拠ですか?」
「そうよ、証拠だよ。知ってるかあんた?」
「何をですか」
「アメリカでこんな研究があったんだ。大勢の人を2つのグループに分けるだろ。グループAとグループBだ。グループAには一生懸命、保健指導をした。グループBには何もしなかった。そうして何年かたった後、AとBを比べてみるんだ。こういうのを、疫学研究という」
「疫学研究の意味は知っています」
「そうかい。それなら話が早え。AとBを比べてみたんだとさ。そしたら、どうなったと思う?」
「保健指導をしたグループのほうが、生活がヘルシーになったんじゃないですか?」
「その通り。さすが栄養士」小坂茂さんはパチパチと拍手しました。「生活習慣はグループAのほうがヘルシーになった。朝ごはんはしっかり食べるし、早寝早起き。毎日たくさん歩く。野菜もたくさん食べる。素晴らしい。…ところがギッチョンチョン(←死語)、平均寿命を比べてみたら、なーんと全く変わらなかったんだとさ」
「…」
「つまりですな」小坂茂さんはテーブルに身を乗り出して言いました。「保健指導したら確かに生活習慣は変わるかもしれん。だが、生活習慣が変わっったって、別に長生きはしねえ、ってことなんだ。どうだい、栄養士さんよ、あんたどう思う?」
「それは作り話ですか」
「とんでもねえ。作り話なわけ、あるかい。正真正銘、ホントの話さね」
小坂茂さんはカバンの中から英語で書かれた書類を取り出しました。
「これを見てみい。その論文をインターネットでダウンロードしたわけよ。これが証拠さ。保健指導されたって、長生きしねえんだよ」
ナオコは返答に窮し、唇を噛みました。
管理栄養士ナオコ、危機一髪!
しかしナオコにとって運の良いことが2つありました。
1つは、その部屋にはマジックミラーがありました。
刑事が容疑者を尋問するアレです。
もう1つは、マジックミラーのむこうにナオコの親分、「剛腕の管理栄養士」の異名をとる佐久間象子がいたのです。
ナオコ危うしとみるや、佐久間象子がのっしのっしと面談室に入ってきました。
建物がこころなしか揺れました。
「な、なんだあんたは」佐久間象子の迫力に、たじろぐ小坂茂さん。
「剛腕の管理栄養士、佐久間象子です。話は聞かせてもらいました。アメリカのその疫学研究については知っています」
「そ、そうかい」
「それでも保健指導は続けますからね、小坂さん。早寝早起き朝ごはんをきちんと履行してもらいます。タバコはもってのほか。酒も週に1度まで。ラーメンもダメ。コーヒーに砂糖もダメ。塩分過多も許しません。小坂さんの生活習慣が変わるまで、徹底的にプレッシャーをかけますから」
「な、何いってんだあんた。そんな生活をしたって、オレが長生きするとは限らねえんだぞ」
「かもしれません」佐久間象子は落ち着いて言いました。「でも、そんな毎日を送れば、あなたの人生は永遠の長さに思えるはずです」
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松宮園生です。
いよいよ始まるメタボ検診。
正確には
「特定検診」
と呼びます。
特定検診で
「メタボ」
「メタボ予備軍」
と判定されたら、あなたを待ち受けるのはメタボ指導。
正確には
「特定保健指導」
です。
メタボ指導(=特定保健指導)はどのように行うのかというと。
あなたとメタボ専門家とで、1回あたり20分くらいの面談を繰り返します。
面談を通じて、あなたはプチ洗脳されます。
プチ洗脳されて生活習慣が改善、腹回りも縮んでゆくのです。
「メタボ専門家」というのは、
* 医師
* 管理栄養士
* 保健師
などの人々です。
デスクの向こうには、あなたの腹回りを縮めたい専門家。
対するは、今までどおりグータラしたいしラーメンも食べたいサラリーマンのあなた。
「専門家と向かいあっての20分洗脳バトル」
が展開されるわけです。
◆◆◆
管理栄養士のナオコは、井上武史さんという男性のメタボ指導に手を焼いていました。
これで3回目の面談なのですが、井上武史さんの生活習慣はちっとも改まらないのです。
ナオコは武史さんを呼ぶかわりに奥さんの井上明美さんに電話をし、クリニックに来てもらうことにしました。
「このままでは武史さんは確実に生活習慣病になります」ナオコは言いました。「明美さんの力で、ご主人を救ってあげてください」
「どうしたらいいんですか?」
「まず、朝は必ず朝食を食べさせてあげてください。たとえばこんなメニューを作ってあげてほしいんです」
ナオコは自分で作った「ヘルシー朝食レシピブック」を相手に渡しました。
「次に、ご主人は会社でお昼にラーメンばかり食べているみたいです」ナオコは続けました。「明日から、野菜たっぷりのお弁当を持たせてください。お弁当のメニューはこのなかから選んでください」
ナオコは自分で作った「お弁当レシピ集」を相手に渡しました。
「夕食はとくに気をつかってください」と、ナオコ。「夕食のメニューもできるだけこのなかから選んでほしいんです」
ナオコは自分で作った「マクロビ・夕食レシピブック」を相手に渡しました。
「それから」ナオコは少し赤面しながら言いました。「週に1度は愛し合うようにしてください。そのときのメニューも…」
「は? そのときのメニュー?」
「あ、間違えました。そんなメニューはありません」ナオコは耳まで赤くなりました。「…とにかく、ヘルシーな朝食、野菜たっぷりのお弁当、マクロビオティックな夕食。それから愛です。これを最低10か月。できれば1年続けてください」
「10か月から、1年ですね?」
「そうです。そしたら、武史さんの生活習慣病の危険は大きく減りますから! 武史さんのメタボ改善は、奥さんにかかっているんです」
そう言って、ナオコは深々と頭を下げました。
面談を終え、家に帰りついた明美さん。
ダンナの武史さんがビールを飲みながら待っていました。
「クリニックに呼ばれたんだって?」
「うん。栄養士さんに呼ばれて、アナタの話をしたの。すごく熱心な栄養士さんでね、感心しちゃった」
「で、なんて言ってた?」
「いろいろ難しい説明をしてくれたんだけど」明美さんは答えました。「ようするに、アナタのメタボは治らないタイプなんですって」
松宮園生です。
食育は今ブームになっているのかそうでないのかよく分かりませんが、
たぶんブームなのでしょう。
いろんな人がいろんな活動をしたりしています。
政府とかそういう人たちは、食育に関して何をしているのでしょうか?
* 国は国でいろいろやってます。
* 都道府県は「食育推進計画」というのを作り、活動を始めました。
* 市町村は「食育推進計画」を練っているところのようです。
今回のテーマはこの「食育推進計画」。
ある市役所に勤める知り合いの女性からのメールをもとに、書かせていただきます。
◆◆◆
松宮准教授、こんにちは。
お久しぶりです。
わたしの部署にしとちゃんという男の子がいます。
大学を出て市役所に勤めて3年目です。
しとちゃんはココリコの田中さんに似てます。
身長もたぶん田中さんと同じくらいです。
なぜ「しとちゃん」なのかはよく分かりません。
新人の挨拶のときに、
「しとちゃんと呼んでください」
と自分から要求したんです。
なので、周りの人はみんな、彼のことをしとちゃんと呼んでいます。
アニメ好きなので、もしかしたらエヴァンゲリオンの「使徒」を意識してるのかも。
つまり「使徒ちゃん」というわけ。
しとちゃんは熱血漢(←死語、というか古語)なところがあります。
彼が大学4年のとき食育基本法という法律ができたんだけど、しとちゃんはそのことでなぜかスゴく興奮し、
「聞いて聞いて。食育基本法ができたんだ。やったー、やったー」
という意味の電話をすべての知り合いにかけたそうです。
ほぼ全員が引いたとのことです。
どうやらしとちゃんは食育を推進したくてたまらなかったらしいんです。
食育を推進するために市役所に就職したのでした。
就職初日。
「さっそく今日から食育だ! 行ってきまーす」
といきなりどこかへ出掛けたしとちゃん。
夕方になって帰ってきましたが、
「許可もなく外出するな」
と上司に怒鳴られました。
「食育基本法ができたんだから、市役所にいたらさっそく食育の仕事ができるぞ。腕が鳴るなあ」
なんて思ってたしとちゃんでしたが、そうは問屋がおろしませんでした(←死語?)。
食育基本法ができたにもかかわらず、市役所の仕事は何も変わらなかったのです。
はじめのうち、しとちゃんはこういう場面を妄想していたようです。
(以下、しとちゃんの妄想)
「しとちゃん」
「何でしょう、課長」
「食育基本法ができた。わが市も食育を推進したいと市長も言っている。君をこの担当に任命する。これが辞令だ。今日から食育の推進に全力を尽くしてくれたまえ」
「は、ハイッ」
(妄想終わり)
しかし実際には何も起こらず、市役所の誰ひとりとして食育に関わろうとはしなかったのです。
いきりたったしとちゃんは、市長に意見書を送りましたが、返事は来ませんでした。
◆◆◆
しとちゃんは知りませんでしたが、
「食育基本法ができたというのに、市は何をしてるんですか。食育を始めるべきです」
と市役所の窓口に詰め寄る市民団体がありました。
剛腕の管理栄養士、佐久間象子とその一派です(←またかよ)。
これをしとちゃんが聞いたら、どんなに喜ぶか。
市役所には
「佐久間象子対応マニュアル」
が存在していました。
今回も、職員はマニュアルに書いてあるとおりに対応しました。
どんな対応かというと、
「食育の推進は今のところ県の仕事です。まだ市の仕事ではありません。すみませんが詰め寄るなら県庁に詰め寄ってください」
県庁に罪をなすりつけるというものでした。
しとちゃんがこのことを知ったらさぞかし大騒ぎしたことでしょう。
「しとちゃんには言うな」
市役所の職員たちはそうささやきあいました。
しかし、この「佐久間象子対応マニュアル」は必ずしも間違っていませんでした。
というのは、
1)まず都道府県が食育の推進計画を作りなさい
2)次に市町村が食育の推進計画を作りなさい
と、食育基本法に実際に書いてあるからです。
市役所としては、
「県庁が食育推進計画を作るのをじっと待とう。市が先走って計画を作ったら県のメンツも丸つぶれになるかもしれん」
「だよな。それに、市が作った計画があとで県の計画と矛盾したら大変だ。作り直しになっちまう」
ということで、県庁から連絡があるまでは動きにくかったのです。
そういう意味では、ウチの市役所が食育活動に及び腰だったのも無理はないのです。
詰め寄るなら県庁に詰め寄ってくれ、というのも道理でした。
しとちゃんは市役所でなく県庁に勤めるべきだったのかもしれません。
◆◆◆
食育基本法には、
1)まず都道府県が食育の推進計画を作りなさい
と書いてあるわけですが、都道府県も四苦八苦していました。
それはそうです。
いきなり計画を作れと言われても、何をどうしていいやら。
お手本がない状態で計画を作らなければなりませんので、大変なわけです。
生みの苦しみです。
というわけで、食育基本法は2005年にできた法律ですが、すべての都道府県が食育推進計画を完成させたのは2007年。
つまり、2年もかかったわけです。
しとちゃんにはイライラ続きの2年間でした。
食育の推進をしたくてしたくてたまらないしとちゃん。
その姿をみて、わたしは何度も涙を流しました。
松宮さんにお願いして、彼を松宮さんの会社に雇ってもらおうと思ったことも何度もあります。
でも、しとちゃんが遠くにいくのが怖くて、できませんでした。
しかしついに、しとちゃんの出番が来ました。
県庁が、県の食育推進計画を完成させたのです。
それが完成したということは、次は市町村が計画を作る番になります。
しとちゃんの言葉を借りれば、
「やったー、やったー」。
しとちゃんはふたたび市長に意見書を送りました。
今度は市長から返事がきました。
しかたねえ、市としても食育推進計画を作るべい、よろしくたのんまっさ、という返事でした。
いよいよ、しとちゃんに春がきたのです。
(以下次号)
松宮園生です。
医者をテーマにしたドラマとか、看護婦を
テーマにしたドラマとか、教師をテーマに
したドラマとかありますよね。
栄養士をテーマにしたドラマって、あるん
でしたっけ?
もうすぐ特定保健指導とか始まるわけ
ですが、そうなったらそういうドラマとか
出来てもいいよね。
というわけで、こんな妄想をしてみました。
◆◆◆
DVDを借りようとレンタルショップに行ったら、ドラマのコーナーにこんなのを発見。
「メタボ屋本舗」
保健指導の世界で活躍する栄養士の姿を描く、感動の21世紀ドラマだそうです。
DVDのパッケージにはストーリーの説明が書いてありました。
読んでみましょう。
<キャスト>
「メタボ屋本舗」スタッフ
* ぐうたら所長
* アイドル管理栄養士:阿部マリエ(佐久間象子と仲が悪い)
* 剛腕の管理栄養士:佐久間象子(阿部マリエと仲が悪い)
* 食育ロボット:アンドリュー
(参考:http://www.shokuiku-pro.com/production/2007/03/post_127.html)
* 依頼人:丹羽郁子
* 依頼人の兄:丹羽康平
<ストーリー>
「恋人や夫のメタボを何とかしてほしい」という依頼が来ることを見込んで「内臓脂肪ダイエット請負業」をはじめたぐうたら所長。
彼の事務所のことを、世間は「メタボ屋本舗」と呼んだ。
■第1話
「メタボ屋本舗」ぐうたら所長のところに丹羽郁子と名乗るセレブ風な女性依頼人が来る。
ある事情で兄のメタボを直してほしいという。
報酬は前金で1000万円。
セレブ風女性の美しさと報酬の高さに、2つ返事で引き受けるぐうたら所長。
しかし、どんな事情で兄のメタボを直したいのかを明かさない郁子に、アンドリューは不信を覚える。
■第2話
丹羽郁子の兄、丹羽康平は高校生のとき両親と喧嘩して家出して以来、九州の実家に帰っていないという。
アンドリューは九州に飛んだが、2人の実家は見つからなかった。
いっぽう、康平の腹回りを計測しようと現われた佐久間象子に肝を潰す康平。
必死で逃れようとする康平と、のしのしと追う佐久間とのチェイスが始まった。
■第3話
イソップ童話に例えると、佐久間象子は北風、阿部マリエは太陽。
佐久間象子から康平をかくまうフリをして康平に近づく阿部マリエ。
彼女は、康平の腹回りを計測することに成功する。
佐久間象子と阿部マリエが同じチームだとはつゆ知らない康平は、阿部マリエにひそかに恋心を抱く。
■第4話
阿部マリエは、康平の恋心を利用して保健指導を開始する。
しかし康平の内臓脂肪はなかなか減らず、阿部マリエは疲労のため寝込んでしまう。
九州で調査をしていたアンドリューは、ついに丹羽兄弟の正体をつきとめる。
丹羽郁子・康平の実家は、金星の美茄子一族の末裔だった。
■第5話
美茄子一族の伝承によれば、康平をメタボから救うには菜食山という山に登り「聖なる朝ごはんメニュー」を手に入れなければならない。
寝込んでしまった阿部マリエの代わりに、「聖なる朝ごはんメニュー」の探索に乗り出すアンドリュー。
菜食山の頂上まで少しというところで、謎の機械戦隊がアンドリューを襲う。
東京では寝込んでいた阿部マリエが行方不明になり、小康状態だった康平の食生活が再び乱れる。
■第6話
阿部マリエが行方不明なのを良いことに、勝手に康平の保健指導を引き継いだ佐久間象子。
しかし嫌がる康平に佐久間の指導はなかなか通じない。
悔しさに地団駄を踏む佐久間象子。
強烈な地団駄のせいで、東京の地盤沈下が進む。
■第7話
激しいバトルの末、機械戦隊を壊滅したアンドリュー。
だが、電子頭脳が損傷したため、自分がなんで菜食山にいるのかをアンドリューは忘れてしまう。
呆然と山道をさまようアンドリューの前に、金星衣装をまとった丹羽郁子が現れる。
■第8話
ぐうたら所長のところに金星からテレパシーが届く。
阿部マリエは金星に拉致されていた。
金星人は、阿部マリエを地球に返すかわりに佐久間象子を金星に献上するよう、ぐうたら所長に要求してきた。
佐久間象子は金星ではモテモテなのか?
そのころ、丹羽康平の内臓脂肪が増加しはじめる。
■第9話
電子頭脳に異常をきたしたアンドリューを救うため、丹羽郁子は自らの魂をアンドリューに移植し、肉体を捨てる。
合体した「アンドリュー郁子」は息を吹き返し、菜食山の頂上で「聖なる朝ごはんメニュー」の書かれた巻物をついに手に入れる。
しかし東京に帰った「アンドリュー郁子」が目にしたものは、内臓脂肪が増えて変わり果てた丹羽康平の姿だった。
■第10話
アンドリュー郁子は保健指導の下手な佐久間象子を激しく非難。
カチンときた佐久間象子。殴りあいになる。
喧嘩を止めに入ったぐうたら所長だったが、巻き添えで負傷してしまう。
金星人からは、24時間以内に佐久間象子を引き渡さないと阿部マリエを殺すという連絡が入る。
阿部マリエをとるか佐久間象子をとるか、悩むまでもないのに悩むフリをするぐうたら所長。
しかし引き渡しの期限は容赦なく近づいていた。
■第11話
アンドリュー郁子が菜食山で入手した「聖なる朝ごはんメニュー」の力で、内臓脂肪をぐんぐん落とした丹羽康平。
ついにメタボ基準の85センチを下回る。
アタマに来た佐久間象子は、こんな星(地球)はもうイヤだと勝手に金星に向かう。
なんと金星では帝国軍と共和国軍が激しく争っていた(←スターウォーズか)。
佐久間象子は帝国軍から司令官に就任するよう要請され、それを受諾、戦争の指揮をはじめる。
しかし阿部マリエを地球に返す約束は、佐久間象子の反対により反故(ほご)にされた。
■第12話(最終回)
兄妹というのは仮の姿、丹羽康平は金星の共和国軍のリーダーであり、丹羽郁子は彼の付き人だった。
事情により、康平は地球でメタボ指導を受けなければならなかった(その理由は本編をご覧ください)。
「聖なる朝ごはんメニュー」で内臓脂肪を落とした康平は、共和国軍を救うため金星に戻る。
帝国軍に捕らわれていた阿部マリエを救出する康平。2人は恋に落ちる。
いっぽう、アンドリューと合体してしまった郁子は地球にとどまり、ぐうたら所長のアシスタントをすることとなった。
◆◆◆
僕が妄想するとこんなドタバタしたSFみたいになってしまいます。
誰かもちっとマシな妄想を考えてください。
松宮園生です。
(前回までのあらすじ)
トモという名の、生意気でビーガン(※)な
女の子から苦悩のメールが来ました。
大好きだった彼氏が自分と同じビーガンだ
と思っていたのに、じつはバリバリの現役
プレデター(※※)だと判明したのです。
彼女はどうするのか?
プレデター彼氏を選ぶのか?
それともビーガンを貫くのか?
(※) ビーガン
卵や牛乳なども排除する、完全菜食のベジタリアン。
参考:「ベジタリアン・ババア」
http://www.shokuiku-pro.com/production/2007/05/post_21.html
(※※) プレデター
本来はライオン、トラ、ヒョウ、チーターなどの「狩をする肉食動物」の意味ですが、転じて「肉をもりもり食べる人」の意味にも使われます。
参考:「クーカ食われるか」
http://www.shokuiku-pro.com/production/2008/02/post_121.html
では、生意気なメールの続きを読んでみましょう。
◆◆◆
助手席のトモと運転席のマーク。
沈黙する2人を乗せたクルマが、パサデナの街に入ります。
世界のなかで2人の空間だけ、酸素が特別に薄くなったような気がしました。
信号待ちでクルマが止まりました。
トモは言いました。
「ビーガンだというのは嘘だったの? 今までビーガンのフリをしてたのね…」
弱々しくつぶやくトモ。
運転席のマークの様子をうかがうと、彼は前を向いたままです。
トモと目をあわそうとしません。
「あなたは本当は何者なの。正体を見せて」
それでも黙っています。
「何とか言って」
信号が青になり、クルマは走りだします。
ようやくマークが口を開きました。「ふっふっふ明智君(←誰が明智だよ)。バレてはしょうがないね、ハニー。そうさ。ボクは肉を食うし、ハンティングにだって行くのさ。驚いた?」
「ずっと嘘をついていたのね」
「まあそう言うなって、ハニー。キミを好きになってから、ボクもベジタリアンになろうと思って努力したんだ。これも恋のなせるわざ。でもたまには、肉を食べたっていいじゃん。分かるだろ」
「ぜんぜん分かんない」
本当に分かりませんでした。
家に着きました。
そこで2人は、テーブルを挟んで話し合いました。
話し合いの結果、こんなことが明らかになったんです。
↓
<食生活>
* ビーフ: マークはトモに隠れてステーキをレアで食べていた。トモは食べない。
* ポーク: マークはトモに隠れて生姜焼きを食べていた。トモは食べない。
* チキン: マークはトモに隠れて照り焼きを食べていた。トモは食べない。
* 魚: マークはトモに隠れてムニエルを食べていた。トモは食べない。
* 卵: マークはトモに隠れてスペイン風オムレツをケチャップたっぷりで食べていた。トモは食べない。
* 牛乳: マークはトモに隠れて成分無調整牛乳をごくごく飲んでいた。トモは飲まない。
<ポリシー>
* 捕鯨: トモは反対。マークは反対するフリをして実際は無関心で、竜田揚げをウマイという。
* 森林伐採: トモは反対。和食を食べるときはマイ箸を使う。マークは反対するフリをして実際は無関心で、いつも割り箸。
* 地球温暖化: トモはアメリカが温暖化防止に協力的でないのを怒っている。マークは怒るフリをして実際は無関心で、温暖化を心配するフリをして実際はオナラを連発している。
* ブッシュ大統領: トモはキライ。トモは民主党。マークは民主党ファンのフリをして実際は共和党に投票した。民主党のことは何も知らず、クリントンと和菓子の区別がつかない。
(それって、ひょ、ひょっとして、栗きんとんのこと?)
◆◆◆
「人っていろいろ違うけど、あたしたちもこんなに違うのね」
しみじみ言うトモ。
「違うったってさ、たかが食べものの話じゃん」
とマーク。
その言い方に少しカチンときました。「食べものが違ったら何もかも違うのよ」
「キミは人を食べもので差別するわけかい」
「差別じゃないけど…。うん、でも、そうね。ごめんね。やっぱり差別かもね。食べものもそうだし、食べ方でも人は違うのよ」
「で、ボクがたまに肉を食うことが分かって、差別するというんだね」
トモは首を横に振りました。「分からない。混乱しちゃって」
「こんなことで、ボクたち別れたりしないよな」とマーク。
トモはもう1度、首を横に振りました。「分からない。すごく混乱してるの」
マークの顔に焦りの色。
「キミはボクとの恋愛よりも、ベジタリアンであるほうを優先するのか」
「ベジタリアンなんて言わないで。あたしはビーガンよ。ただのベジタリアンじゃないの」
「またそれか。いいじゃん、どっちでも」
「いくない。全然いくない」トモは立ち上がりました。「ごめんね。出かけてくる。しばらく、ひとりになって考えたいの」
「待てよ」彼はトモの手を掴みました。「帰ってくるよな」
トモはかぶりを振りました。「分からない…」
突然、彼はトモの手を引っ張りました。
ソファーに押し倒そうとしたのです。
「やめて!」
ソファーに倒れかかりながら叫ぶトモ。
「キミのことが好きなんだよ」迫るマーク。
「やめてったら」体をよじって逃れようとするトモ。
主人公危機一髪!
無我夢中でマークを蹴ったら、急に軽くなりました。
見ると、マークの体は向こうの壁まで飛んでいったみたいで、彼はそこで気絶していました。
星が回っているのが見えました。
トモ、凄ー。
彼、3メートルは飛んでるよね。
火事場の馬鹿力ってやつかしら。
まだ体が震えていましたが、そんなことを考える余裕はあったみたいです。
トモったら、お茶目なんだからぁ。
このことでマークに対する気持ちは完全に冷めました。
気絶している彼をそのままに、トモは大急ぎで軽く荷物をまとめると、その場からすたこら逃亡したのでした。
◆◆◆
というわけで松宮さん。
松宮さんの気持ちを知っていながら長いこと待たせて悪かったけど、トモは彼氏と別れるつもりです。
心の傷ももうすぐ癒えるかな。
そろそろ、食事くらいならいいかも。
どこにエスコートしてくれるのかしら?
でも、気が変わったらドタキャンするかもしれません。
そのときはオードリーなトモを許してちょんまげ。
ね?
◆◆◆
メールはここで終わっています。
「松宮さんの気持ちを知っていながら長いこと待たせて悪かったけど」
↑
はぁ?
なんだそりゃ?
おれの気持ち?
待たせる?
おれたち、いつ知り合いになったの?
(このシリーズ、おしまい)
松宮園生です。
登場人物紹介のページを作りました。
画面右上のバナーをクリックしてみてください。
さて、食育ロボットアンドリューについて、過去こういうのを書きました。
「食育ロボ発進! その1」
「食育ロボ発進! その2」
「戦え、食育ロボ! 前編」(まだ後編がありません)
「アンドリューの食育レストランガイド」
それがアナタ、驚きましたよ。
アンドリューのやつ、ブログを書いてやがったのです。
◆◆◆
ブログの題名: 「愛ロボット」
<アンドリューさんのプロフィール>
わたしはアンドリュー。
正式には「アンドリュー77型 製造番号14」であります。
日本食育大学のロバート・シトピッチャン教授によって開発された食育ロボットです。
* 身長: 170センチ
* 体重: 89チログラム。数字だけ見ると肥満でありますが、メタル製ですので身長のわりに重いのであります。
* 職業: 食育
* 好物: 交流電気(とくに50ヘルツ)
* 趣味: 罰を与えること
* 得意技: 徹夜
* 苦手なこと: 暗算
* 貯金: 883円
* その他: ロボットではありますが、合体とか巨大化とかはお断りいたします。
(チログラム?)
<アンドリューさんの最新日記>
「うららかな食育日和」(3月18日)
今日はいい天気。
「こんな日は、お外で食育したい」と思い、
わたしはアースカラーのダウンジャケットを羽織って太陽の下へ。
わくわく気分で、縄張りを巡回しましたあ。
(服、着るのかよ)
(縄張り? 巡回? ←猫か)
むかうは近くの公園。
いつのまにか桜が…。
春色の空に、白紅色の花びらが顔をチラチラさせていて愛らしいのであります。
池のほとりでバシャリ。
最近、アンドリューの心に美意識が芽生え始めましたよ。
親子がお弁当を食べています。
ちょっと拝見。
おやおや、コンビニ弁当をお弁当箱に詰め替えただけじゃないですか。
ダメダメ、そんなことじゃあ。
若い母親に愛のロケットパンチをお見舞いするアンドリューなのです。
でもロケットパンチをしたあとは、落ちた拳(こぶし)を拾いにいかなくちゃいけません。
遠くに飛んでいった拳(こぶし)を探すのに30分もかかっちゃいました。
やっと発見し、ついていた血のりをぬぐってから、装着。
それから池のまわりを1周。
遠くで救急車のサイレンの音。
池の散策を堪能したあと、看板に惹かれてオーガニック・コーヒー屋さんへ。
「本当にオーガニックなの?」
「有機JAS認証を見せてください」
「トレーサビリティはしっかりしているの?」
「フェアトレードって知ってますか?」
さんざん追及するアンドリュー。
バイトの店員が泣きだし、マスターが怒り出します。
ちょっとやりすぎちゃったかな。
でも食育は大切なんです。
くじけませんよ。
ところで、実を言うとわたしはコーヒーを飲むことができません。
頼んだコーヒーはそのまま、電源コンセントを借りて自分をチャージしながら、読書を楽しみました。
帰る途中でデパチカ探訪です。
電卓をたたきながら、並んでいる食品やお惣菜の自給率をチェック。
わたしは、メニューを見ただけで食材の自給率がだいたい分かるんです。
このデパチカの平均自給率は22パーセントでした。
ちょっと低すぎますね。
隣のデパートは、28パーセントでしたよ。
わたしは「責任者を呼べ」と大声をだし、あたりは騒然となります。
やってきた責任者に、愛のスペシウム光線をお見舞いするアンドリューなのです。
スペシウム光線はロケットパンチと違い、出しっぱなしで済むので助かります。
何かを拾わなくてもいいので…。
担架で運ばれる責任者。
その哀れな姿を尻目に、わたしは「完全地産地消! あらゆる材料が国産でできた鍋焼きうどんセット」を購入。
ルンルン気分(←死語)でお家に帰りました。
自分では食べないんですけど、こういう「食育商品」を見つけると仕事の励みになります。
どうせ仕事をするなら、イヤイヤじゃなく、ハッピに。
自分がハッピになる工夫をしていきたいのであります。
(ハッピじゃなくてハッピーだろ)
そんなこんなで、いい天気の中、ゴッキゲン(←死語)な1日を過ごしました。
◆◆◆
こんなブログでした。
よくある「わたしの生活ってステキでしょ」系の文体なのに、内容がコワイ…。
松宮園生です。
野菜(たとえばネギ)を調理するときとか、プチトマトやブルーベリーを食べるときとか、洗ってます?
僕の場合、残留農薬があるんだったら落としたいし、目に見えない汚れなんかも落としたい。
だから洗います。
洗い方には大きく分けて2つの流派があるようです。
1つは、洗剤を使わずに流水で洗う派。
水で洗えば十分。
洗剤など使えば、その分、河川の水質汚染につながるから極力避けよう。
そういう流派です。
もう1つは、洗剤を使う派。
水で十分だの水質汚染だのは分かるんだけど、水で洗うだけでは不安。
そんな神経質な流派です。
僕個人は後者に属しています。
オーガニックの野菜だって洗います。
ただねえ…。
食器用洗剤で食べものを洗うのもなんだかなあ。
(学生のころはチャー××グリーンで洗っていました。グリーンって書いてあるし)
もちっと、こう、21世紀風の洗剤ってないのかよ。
となんとなく軽く困っていたとき、アメリカの有名な自然食品店ホールフーズ・マーケットで見つけたのが
「果物・野菜を洗うために作られた、”ベジ専” 洗剤」
でありました。
こういうのです。
スプレー式になってます。
↓
べつに品物の宣伝ではないので「成分がどうなっているか」とかそういう細かい話は省きます。
ようするに
* 果物・野菜に優しく
* 人間にも優しく、
* 環境にも優しい
そういう成分の洗剤だそうです。
5年前にこの洗剤に出会いまして、以後ずっと使ってます。
◆◆◆
こないだテレビ見てたら、中国では ”ベジ専”洗剤が広く普及しているみたいですね。
まあ、気持ちはよーく分かります。
日本でも餃子事件以降、”ベジ専”洗剤の売れ行きが伸びてると聞きますが、皆さん、実際のところはどうですか?
◆◆◆
業務用なんですけど、カット野菜メーカーさんのために作られた”ベジ専”洗剤がヨーロッパにありまして、日本に輸入しようとしたことがありました。
なんでも、「ビタミン系のサプリメントが液体になったもの」を使い、野菜を洗う洗剤のようでした。
当時は売れなかったけど、今なら売れるかな。
でも、どこの国のなんという会社のなんという商品だったか、忘れてしまいました。
↑
こんなんだから、儲からないんだよオレは(笑)。
松宮園生です。
アメリカでは fat-but-fit(ファット・バット・フィット。ちょい
本格派デブこそ健康! というスローガン)という言葉が
流行っている一方で、ダイエット産業も活況を呈しています。
世の中には山のようにダイエット商品がありますね。
* ダイエット食品
* ダイエット・グッズ
* ダイエット・プログラム
いろいろあります。
この状況は日本もアメリカも同じです。
さまざまなダイエット商品を次から次へと購入する人、いますね。
それも大勢。
こういう人々のことをアメリカでは
「ダイエット・ローラーコースター」
と呼んでいます。
無数にあるダイエット商品。
ほとんどがパッと売れてパッと消える運命にあります。
そんななかでも人々の支持を受けて定着したものがいくつかあります。
アメリカで有名なものをを5つ挙げますと、
* アトキンズ
* ウェイト・ウォッチャーズ
* オーニッシュ
* サウスビーチ
* ゾーン
「風林火山ダイエット」シリーズは、この5つのダイエットの特徴を戦国武将になぞらえて説明するシリーズです。
すでに2つ、やりました。
「風林火山ダイエット その2」
「風林火山ダイエット その3」
まあしかし実際のところ、ダイエット商品を戦国時代になぞらえて紹介するなんて、我ながらバカな試みです。
なんでこんなことを考えたのか自分でも思い出せませんが、あのときはグッドアイデアだと思ったんだよね。
興奮して指まで鳴らしちまったぜ。
◆◆◆
今回はちょっと脱線して、
「聖書ダイエット(ハレルヤ・ダイエット)」
の話です。
このところアメリカで流行ってるみたいで。
(僕のまわりにはいませんけど…)
聖書をお経のように読んで痩せる、というわけではありません(やってみたら痩せるかもしれないけど)。
聖書にダイエットの方法が書いてある、というわけでもありません。
聖書をしっかり読むと、
「何を食べれば、神の教えに従うことになるのか」
がちゃんと書いてあるそうです。
具体的には、
* 野菜を食べよ(Back to the Garden = 菜食に戻れ)。
* 動物から得る食物(蜂蜜は除く)は厳禁
* 加熱すべき野菜と、生で食べるべき野菜があるから気をつけよ。
というようなことが割と細かく書いてあるんだそうで。
そのこと自体はべつに、何というか、似たような主張をしているダイエット法は山ほどあるんだけど。
このダイエットの強力なところは、
「サボったりすると、神に背くことになる」
信仰心の厚い人にはテキメンであります。
このダイエット法はノースカロライナ州のある牧師さんが始めたもので、彼は聖書ダイエットを普及するための団体を作りました。
「聖書栄養学」なんて学問も提唱しています。
「聖書ダイエット・レシピ」に基づいた料理教室も開催しています。
通信教育の大学もやってます。
なかなか商売上手です。
見習わなきゃ。
なんとこの聖書ダイエットの団体、資格認定講座もやってまして、所定の講座を受け、試験に合格したら
Health Minister
という資格がもらえます。
↑
Health Minister って、アンタ…。
それ、日本語に直したら
「厚生大臣」
だよ。
聖書ダイエットの人、っていうより、年金問題をなんとかする人みたいじゃん。
松宮園生です。
(ご案内)
「活躍する自分を作るプログラム」
第1期生を募集します。
本気度の高いプログラムです。
対象は、
* 食や健康に関するなんらかの資格講座を受けた方
* これからそういう食の資格講座を受けたいと思っている方
になります。
「そういう資格を生かして、いろんなところで活躍するためにはどうしたらいいか」
そのコツをじっくりお伝えするセミナーと、個別のカウンセリングをあわせたプログラムです。
http://www.shokuiku-pro.com/modules/tinyd0/index.php?id=12
◆◆◆
では本題です。
前にいちど、
「ナチュロパシック・ドクター」
の話を書いたことがあります。
http://www.shokuiku-pro.com/production/2007/06/post_39.html
簡単に復習すると。
アメリカに
「ナチュロパシー」
と呼ばれる分野があります。
世界各地に伝わっている健康法や治療法、食事療法なんかを総合的に研究しています。
ナチュロパシー専門の大学もいくつかあります。
こうした大学で6年間かけてしっかり学び、州政府が実施する試験に合格すると
「ナチュロパシック・ドクター」
として認定され、開業することができます。
いわゆる医者(メディカル・ドクター)とは違うのですが、治療みたいなことをすることが許されています。
メディカル・ドクターで食の世界に詳しい人は少ないです。
しかしナチュロパシック・ドクターは大学で食の勉強もしっかりやりますので、
「食にやたら詳しい医療技術者」
というイメージがあるようです。
◆◆◆
友人のヨロオネ先生はナチュロパシック・ドクターです。
シアトルにある「バスティーア大学」を卒業し、試験にうかって開業しました。
(バスティーア大学は全米でも有数のナチュロパシー大学です)
ヨロオネ先生はケイン・コスギにちょっと似ててまあまあの男前です。
さすがに身体能力はケインほど高くはないと思うけど。
マジメ系で、礼儀正しいイメージもなんとなく似てます。
彼は人気のあるナチュロパシック・ドクターです。
人気の秘密は何だと思うかと聞いたところ、
「ナチュロパシック・ドクターといえども、大事なのは知識やスキルじゃなくて、人間。人間を理解する力ですよ」
というのがヨロオネ先生の答でした。
人間を理解?
たとえばこんなことがあったそうです…。
◆◆◆
若いきれいな女性がヨロオネ・クリニックにやってきました。
「サンドラ・ジョーンズといいます」診察室で、彼女は上目づかいにモジモジしながら言いました。「太ももの内側が赤く腫れて痛いんです」
「そうですか」
ヨロオネ先生は警戒しながら応えました。
ここで気軽に「どれどれ拝見」というわけにはいかないのです。
セクハラと思われないような対応をしなければなりません。
ヨロオネ先生は落ち着いて言いました。
「患部を私に見せて治療を受けますか? それとも見せずに治療を受けますか?」
「見せるのはとっても恥ずかしいんですけど」とサンドラ。「先生にだったら…」
スカートに手をかけたサンドラを、ヨロオネ先生はあわてて押し止めました。
「ちょっと待ってください」
先生はアシスタントの女性を呼び、立ち会うよう指示しました。
女性アシスタント同席のもと、ヨロオネ先生はサンドラの内股を診察しました。
サンドラの腿(もも)の内側にたしかに腫れ=炎症箇所があります。
きわどい位置に、全部で2箇所。
左右の腿にひとつずつです。
ヨロオネ先生は5秒で診察を終え、サンドラにスカートをはくように言いました。
◆◆◆
「さて松宮さん。ここでクエスチョンです」
と、ヨロオネ先生。
ここでクエスチョンです、って、「世界・ふしぎ発見」かよ!
中途半端なツッコミには耳もかさず、ヨロオネ先生は続けました。「あなただったら、サンドラにどんなアドバイスをしますか?」
僕は首をかしげました。「いやさっぱり分かりません。ていうか僕はドクターじゃないし」
「ドクターかどうかは実は関係ないんです」と、ヨロオネ先生。「ここで人間を理解する力がものを言うんです」
どゆこと?
続きを読んでみましょう。
◆◆◆
ヨロオネ先生が処方箋を書いているあいだ、サンドラは口をとがらせて文句をたれます。
「先生。たった5秒しか診てくださらないなんて、ひどいわ。5秒で何が分かるんですか。あたしが嫌いなの?」
その質問は黙殺されました。
「もう、先生ったら」
ほどなく、患部に塗るための混合ハーブの処方箋を、ヨロオネ先生はサンドラに渡しました。
「ミス・ジョーンズ」先生はようやく口を開きました。「私の推理ですが、ひょっとして、あなたの彼氏はハーレー・ダビッドソンに乗って、皮ジャンを愛用するタイプじゃありませんか?」
サンドラの目は驚きで丸くなりました。
「そ、その通りです。どうして…」
「やはりそうでしたか…」
ため息をつくヨロオネ先生。
「では、その彼氏に私からの伝言を届けてもらえませんか? 内容はこうです。『おたくのピアスは本物のゴールドじゃないぜ』」
松宮園生です。
地下鉄の吊革広告をみてびっくり仰天。
「月刊ヤング食育 4月号」
の吊革広告だったのですが、こんなことが
書いてあったのです。
「食料自給率39パーセントのどこが悪い。
このままでいいじゃん。
…これが日本人のセリフか? 日食大、
松宮教授の吐く暴言を許すな!」
急いで地下鉄を降り、「ヤング食育」の竹芝記者に電話をしました。
20回鳴らしても出ません。
30回鳴らしても出ません。
やむなく編集部に電話をかけました。
「ヤング食育です」
「日本食育大学の松宮といいます。竹芝さんをお願いしたいんですが」
「竹芝は外出してます」女性の素っ気ない声でした。「伝言、ありますか?」
「竹芝さんの書いた記事に問題があるんですがね。編集長と話をさせてください」
「少々お待ちください」
「電話変わりました。編集長の桜田といいます」
「日本食育大学の松宮といいます」
「竹芝の書いた記事にご不満とか?」
「そうです。電車の吊革広告をみて驚きました。なんですか、あれは」
「おっしゃる意味が分かりませんが…」
「ウチの大学のことを『日食大』と呼ぶとは何です! 天文学じゃないんだから。皆既日食かっつーの」
おいおい、文句を言うポイントはそこかい。
「…じゃなくて」あわてて訂正。「僕は教授じゃなくて准教授です」
おいおい、違うだろ。
「…じゃなくて」あわてて言い直す。「僕は暴言なんか吐いていませんよ。自給率39パーセントが良いだなんて一言も言ってない」
「しかしですね」編集長は電話の向こうでのんびりと答えます。「竹芝だって嘘を書く男ではありません」
「じゃあ僕が嘘つきだとでも? とんでもない。訂正してください。謝罪記事を出してください。竹芝さんはどこですか」
「どこっつってもねえ。彼の携帯電話の番号、お持ちですか?」
「持ってます。さっきかけたけど、返事がない」
「それじゃ返事が出るまでかけてください。わたしは民事不介入をモットーにしてるんでね。こういう問題は当人同士で話し合ってもらわないと」
「民事不介入って、警察じゃないんだから」
「とにかくそういうことです。竹芝と話をしてください。では、わたしは忙しいので、これで」
◆◆◆
編集長との電話が切れたとたん、携帯が鳴りました。
「非通知」です。
恐る恐る出ると、低い男の声で
「自給率はこのままでいいだと? 非国民め。お前のようなやつがいるから日本はいつまでたっても変わらないのだ」
プツ。
だからそんな暴言、吐いてないっつーに。
アパートに帰ると、ドアのところに貼紙がしてありました。
真っ赤な字で、こう書かれています。
「おまえは日本の農業の敵だ。さっさとアメリカに帰れ」
竹芝記者に電話をかけましたが、やはり出ません。
携帯に差出人不明のメールが来ました。
「貴様のような者が、偉そうに食育なんぞ語るな」
テレビをつけると、ニュース番組で評論家が松宮の悪口を言っていました。
「松宮園生ねえ。どこの馬の骨学者か知りませんけど、身の程知らずのセリフを吐くものですわねえ」
相変わらず、竹芝記者には連絡がつきません。
ガチャン!
窓ガラスが割れ、石が飛び込んできました。
拳よりも大きなその石には、
「このままで済むと思うな江戸の春」
と、俳句かよ、と思うような言葉がこれも真っ赤な字で書いてありました。
こ、殺される…。
ここにいたらヤバイ。
パニックにとらわれた松宮、とるものもとりあえずアパートを飛び出しました。
しかしタクシーに乗ろうとすると、巻き込まれるのを恐れた運転手から乗車拒否をされる。
しかたなく近くのホテルまで歩いて行き、チェックインしようとすると、武器をもった人々がフロントのあたりに集まっている。
本能的に危険を感じた松宮、そのホテルに泊まるのをやめました。
竹芝記者の電話は、夜になっても沈黙しています。
◆◆◆
どこに行っても石を投げられる松宮。
「無実だ」
叫んでも叫んでも、日頃のおこないが悪いせいで、誰も信じてくれません。友達に電話しても誰もでないし。
「ああどうしよう」松宮はつぶやきました。「もう合コンには行けないんだ」
問題はそこじゃねーだろ。
とぼとぼと夜道をさまよう松宮。
町では「自給率警察(別名、チーム39)」が松宮容疑者の捜索を始めたようです。
「もうダメだ…」
絶望のあまり座りこんだ松宮は、ポケットから、なぜそんなものを常備しているのか不明ですが、和紙と筆を取り出しました。
どうやら辞世の句をしたためるみたいです。
「春来たる猫も杓子も自給率」
しかし松宮は首をひねりました。
われながらひでえ句だ。
こんな句では死ねません。
竹芝記者、聞こえますか?
なんとかしてくれー。
松宮園生です。
<予告>
東京・大阪でセミナーをしようと思っています。
僕にとっては本気度の高いセミナーです。
対象は、
* 食や健康に関するなんらかの資格講座を受けた方
* これからそういう食の資格講座を受けたいと思っている方
になります。
「そういう資格を生かして、いろんなところで活躍するためにはどうしたらいいか」
そのコツをじっくりお伝えするセミナーにしたいと考えています。
個別のカウンセリングもあわせて、プログラム化します。
近々、このサイトでご案内いたします。
なぜそのようなプログラムを組むのかというと、
「食の資格を持つ方々や、食の仕事をしている方々が、食育という世界でどんどん活躍するのを支援する」
のが僕のミッション(使命)であり、このサイトのミッションだと考えているからです。
(マジメなことを書くと照れますが)
◆◆◆
さて本題。
★「食育の講師」をしたい
★「食育の専門家」と言われたい
そうした希望をお持ちの方、けっこういらっしゃるかと思います。
しかし、「食育の講師」「食育の専門家」といっても漠然としていますね。
どうなったら、「食育の講師」「食育の専門家」になれるのでしょうか。
そのヒントとして、学校教育について考えてみましょう。
小学校の先生というのは、1人の先生がオールマイティに国語も算数も理科も社会も全部やっていることが多いですね。
でも中学や高校になると、科目別に先生が分かれます。
ひと言で「教育者」と言ってもいろいろあるわけで。
似たようなことが食育にも言えそうです。
「食育」もこれまでは小学校スタイルで、1人の講師がオールマイティに食育を教えようとしていました。
でも実は「食育」の中にもいろんな科目があって、中学生以上のレベルに対しては科目別にアプローチするほうがいいのかもしれません。
科目別か…。
じゃあ、「食育」を分解したらどんな科目があるのかというと。
だいたい8科目あるんじゃないかと僕は思ってます。
僕はこれを、「エイト・シスターズ」と呼んでいます。
(呼んでません)
その8科目とは、
「食と健康増進」
「食の安心・安全」
「日本の食文化」
「食の乱れを社会問題として考え、対策を研究する」
「食とエコ」
「農業体験・地産地消」
「食べ方のマナーやしつけ」
「料理」
(詳しくは 「あなたに合った食育: http://www.shokuiku-pro.com/modules/tinyd1/index.php?id=3 を参照してください)
こう考えてみると、
「オールマイティーに全部教える人」
になるより、
「得意分野がありその専門家になる」
ほうがトクなような気がします。
さらにその先を考えてみましょう。
学校教育の例に戻ります。
中学では国語・数学・理科・社会・英語というふうに科目が分かれており、それぞれ担当(=専門)の教師がいます。
高校になると、それが細分化されます。
国語→ 現代国語・古文・漢文
理科→ 物理・化学・生物・地学
社会→ 日本史・世界史・倫理社会・政治経済
というように。
これがさらに大学になると、ものすごく細分化しますね。
しかも大学の場合、それまでの国語・数学・理科・社会・英語という枠からはみ出ることが多くなります。
同様に、「食育」をする人には、
* 小学校の先生のように、広く浅くすべ