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2008.01.14 13:43

ファイター栄養士 その2

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 松宮園生です。

前回のあらすじ)
前回は管理栄養士の歴史について書きました。
栄養不足の時代(昭和型)から、飽食の時代
(21世紀型)へと栄養士に求められるものも
変わってきています。
しかし21世紀型を代表する萌え栄養士、
阿部マリエは亡くなりました。
ライバルである昭和型栄養士の佐久間象子が
跋扈(ばっこ)して恐怖をまき散らしています。
「なんとか21世紀型栄養士を復活させねば…」
怯えながらも焦る松宮園生なのでした。

◆◆◆

今回は栄養士と保健指導の話です。

いよいよこの4月から日本全国で
「特定検診」→「特定保健指導」
が始まります。
メタボな人を見つけるのが「特定検診」。
発見されたメタボな人の日常生活をビシバシ(←完全死語)ムチ打つのが「特定保健指導」。

対象になるのは40歳以上の人です(正確には、40歳から74歳まで)。
まもなく、40歳以上の人の手元に
「特定検診を受けなさい。サボったら怖いよ」
という案内が来ます。
じつはサボっても罰は下りませんが、サボっているとしつこく案内が来ます。

特定検診を受けた結果メタボだと判定された人には、
「保健指導を受けなさい。サボったら怖いよ」
という案内が来るでしょう。
これも実際はサボっても罰は下りませんが、サボっているとしつこく案内が来ます。

なぜしつこく案内が来るかというと、
「サボっても本人は罰を受けないが、健康保険組合が本人の代わりに罰を受ける」
ことになっているからです。
ですので、健康保険組合は必死であなたを追いかけ回すことでしょう。

このへんの「舞台裏事情」については以下を参照ください。
「ホケンシドー年代記 その1」(2007年6月20日)
「ホケンシドー年代記 その2」(2007年6月27日)
「ホケンシドー年代記 その3」(2007年7月29日)

◆◆◆

で、保健指導を受けなさいと言われ、追いかけ回され、観念して保健指導を受けたとします。
おずおずと呼び出されたところに行くと、そこに保健指導の専門家が腕組みして待ち構えています。
どんな人が待ち構えているかと言うと、たいていは管理栄養士か保健師か健康運動指導士で、たまには医師もいたりするかもしれません。

人生上、今まで栄養士さんとの接点がなかった人も、ここで栄養士さんと会話をする可能性が高い。
彼らから日常の生活習慣について厳しく指導を受けます。
* 起きる時間、寝る時間。
* 食べる時間、食べるもの、食べ方。
* 運動。
こうした内容について、口を挟まれるわけです。
うざかろうが面倒くさかろうが、口を挟まれるわけです。

たとえば恐怖の管理栄養士、佐久間象子が行う食事指導はこんな感じになります。
ここをクリック→「朝ごはんラプソディ」(2007年12月11日)

40歳以上の方。今のうちからちょっと腹回りを落として、メタボ判定されないように頑張りましょう。
39歳の方。38歳の方。もうすぐ順番が来ますので、今のうちに手を打っておきましょう。

保健指導を担当する管理栄養士さんへ。
なにとぞ、お手柔らかにお願いいたします。

まあ、だからって保健指導がゼッタイ嫌だと思っているわけではなくて、正確にいうと
「佐久間象子みたいなタイプから指導を受けるのはイヤだ」
「阿部マリエとは言わないけど、話して気持のよい栄養士さんに是非!」
これです。

◆◆◆

話は変わります。

昭和型管理栄養士の佐久間象子。
かつて彼女が栄養士仲間2名(Aさん、Bさん)と旅行をしたときのエピソードです。

栄養士3人は休暇をとってグリーンツーリズムと洒落こみ、農村に出かけました。
保健指導や栄養指導はけっこうストレスがたまります。
空気のきれいな農村で、リフレッシュしたかったわけです。
ところが道に迷ってしまいまして、予約した目当ての農園が見つからないまま、日が暮れてしまいました。
しかたなく、3人は一夜の宿を求め、近くにある農家の家をノックします。
もともと行く予定の農家ではない、別の農家です。

事情を聞くなり、家主の農家が言いました。
「分かった。泊まっていきな。ただし2つ条件がある。おれは朝が早いから、おたくらもすぐに眠ること。それから、来客用の寝床が2人分しかなくてな、おたくらの誰か1人は納屋で寝てもらわんと」
「それなら大丈夫です」栄養士Aさんが答えました。「わたしがいちばん年下なので、わたしが納屋に寝ることにします」
指示された納屋へ向かうAさん。
あとの2名は家の中に入れてもらい、寝床に横たわりました。

しばらくして、ノックの音がしました。
農家がドアを開けると、さっきのAさんが立っています。
「どした?」と農家。
「起こしてすみません。じつはその」Aさんはすまなそうに言いました。「ご厚意で泊めていただいているのにこんなこと言うのは心苦しいのですが、あの納屋では眠ることができません。納屋にはブタがいますよね? わたし、ブタに対するアレルギーがひどいんです。ブタが嫌いなわけじゃないのですが、このままでは全身が腫れあがってしまうんです…」
「ブタのアレルギーか。それじゃ仕方がないな」
それを聞きつけたBさんが、では自分が納屋に行くと言いました。
というわけで、佐久間象子とAさんが農家宅で、Bさんが納屋で眠ることになりました。

しばらくしてノックの音がしました。
ドアのむこうに、Bさんが立っています。
「今度は何か?」と農家。
「起こしてすみません。じつはその」Bさんもすまなそうに言いました。「ご厚意で泊めていただいているのにこんなこと言うのは心苦しいのですが、あの納屋では眠ることができません。納屋にはニワトリがいますよね? あたし、ニワトリに対するアレルギーがひどいんです。ニワトリが嫌いなわけじゃないのですが、このままでは呼吸不全になっちゃうんで…」
「ニワトリのアレルギーか。それじゃ仕方がないな」

農家・Aさん・Bさんの3人は、そこで佐久間象子のほうを見ました。
佐久間象子が言いました。「わたくしですか? わたくしは管理栄養士であるだけでなく、栄養教諭であり、フードコーディネーターでもあります。それだけではありません。食育必死講座1級でもありますし、食育プリーチャーの資格も取っています。そのわたくしに、何か?」
農家が言いました。「あんた、友達が2人ともアレルギーだっつう話は聞こえてたよな?」
「わたくし、食育推進士試験はムラサキ合格しています。さらに炭水化物のソムリエでもあり、日本カルパッチョ協会認定カルパッチョ講師の免状も持っているのです。そんなわたくしに、何をさせようと言うのですか?」
「何をわけの分かんねーことを言ってんだ」と農家。「今度はあんたの番だろ。さあ行った行った」
そう言われてはどうしようもありません。
佐久間象子はしぶしぶ、納屋のほうに向かいました。

ほどなく、ノックの音がしました。
「またかよ。っとにもう」
農家はイライラしながらドアを開けました。
すると、ドアの外に、ブタとニワトリが並んで立っていました。

 

 

 

 

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