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松宮園生です。
(前回←2007年12月29日 までのあらすじ)
繁栄にあぐらをかき、飽食をむさぼる先進国。
彼らに鉄槌を下すことにした全能の神様は、
「ウエルネス天国」
「メタボ地獄」
を作りました。
ストイックに生涯を全うしたらウエルネス天国行き。
飽食におぼれメタボのまま死んだらメタボ地獄行き。
このシリーズ(21世紀神様の悩み)は、そうしたちょっとすごく怖い時代を懸命に生きる人々を描く、壮大なヒューマン・ドラマです。
(そうだっけ?)
◆◆◆
機内アナウンス。
「皆様、当機はまもなくメタボ地獄国際空港に到着いたします。座席ベルトをしっかりとお締めください」
およそ30分後、ユナイテッド航空459便は目的地に着陸しました。
天使からメタボ地獄行きを宣言された「メタボ罪人たち」が、トボトボと降りてきます。
検疫所のところで、罪人のひとりが言いました。
「わて、さっきから気分が悪うて悪うて、かなわんのですわ」
検疫官が見ると、たしかにこの罪人は青い顔をしています。
すぐさま罪人は病院に移送され、精密検査を受けました。
メタボ罪人がはっと目をさますと、病室のベッドで横になっていました。
他には誰もいません。
精密検査はどうやら、終わったようです。
そのとき、傍らの電話が鳴りました。
「あなたの担当医の者です」電話の相手は言いました。「ご気分はいかがですか」
「まあまあでっしゃろか」
「検査の結果、あなたのドロドロ血液から正体不明のウィルスが見つかりました。たいへん伝染性の強いウィルスのようです」
「ウィルス? わ、わて、これからどないなりまんねん?」
「治療法を開発しなければなりません。しばらくその部屋に隔離させていただきます」
「そうでっか…」
「とはいえここはメタボ地獄ですので、事情にかかわらずあなたの食事制限を遅滞なく始めるよう、神様からの指示を受けております。担当の栄養士に代わりますので、そのままお待ちください」
「そうでっか…」
「もしもし」栄養士の声がしました。「担当栄養士の者です」
「毎度おおきに」
「さっそくですが、隔離されているあいだ、あなたの食事はピザとホットケーキに限定いたしますので、ご了解くださいね」
「ピザとホットケーキやて? なにやら、ジャンクでんなあ。メタボ対策ちゅう感じがしまへんなあ」
「仕方がないのです」栄養士は平然と答えました。「ドアの下から出せる料理といったら、それくらいしかここにはないものですから」