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2007.12.30 15:44

ハイル・パックチー エピソード2

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松宮園生です。

パクチー好きの僕の夢は、生きているうちに
「パクチーによる太陽系支配」
を実現することです。
すなわち、
「パクチー太陽系連邦」
を建国するのです。
(いったい何歳まで生きるつもりなんだよ)

太陽系支配のあとは、権力を「日本パクチー狂会」の会長さんに譲り、
僕自身は
* 各惑星に呼ばれて講演活動をしたり、
* たまには銀河帝国の星々にでかけて宇宙の平和に貢献したり
したいと思います。
銀河帝国には、いろんな宇宙人がいるんだろうなあ。

(パクチーによる宇宙征服プランの詳細についてはここをクリック)

◆◆◆

地球から10光年の距離のところにテケテケ星があります。
人類よりも進んだ科学技術を持ち、地球になんどもUFOを送りこんでいます。
何の目的でUFOを送りこんでいるかというと、パクチーをこっそり持ち帰るためです。
テケテケ星人はパクチー好きなのでした。

そのテケテケ星人からメールが来ました。
あんたのブログを読んだよ。
「パクチーによる太陽系支配」のお手伝いをしたい。
今晩、あんたのアパートに行くから、会議をしよう。
掃除をして待て。
そんな内容のメールでした。

その夜、掃除が終わった僕のアパートの前に、宇宙船が降りたちました。
ノックがしたのでドアを開けると、テケテケ星人が立っていました。
テケテケ星人は、昭和中期に流行った宝ビニール(現タカラトミー)のあの「ダッコちゃん人形」が、逞しくなったような姿をしていました。

「ハイル・パックチー」と宇宙人は言いました。
「は、ハイル・パックチー」あわてて僕も答えました。

そのテケテケ星人、いきなり断りもなく僕のアパートに入りこんだかと思うと、冷蔵庫を開き、中をのぞきこみ、狂ったように笑いはじめます。
「な、何がおかしい」
「おかしい?」ダッコちゃん人形は急に真顔になりました。「そんなことは、どこにも書いてないぞ」
「は?」
「まあいい。たまには大目に見るとしよう」
「は?」
テケテケ星人は冷蔵庫を閉め、考え込むように腕を組みました。「久しぶりに来たのだが、立派になったもんだ」
「来たことがあるのか?」
「あるわけないじゃない。なんでそんなことを言うんですか」テケテケ星人は泣きはじめました。「ひどい。ひどすぎる」

僕は混乱しました。

泣きやむと、宇宙人はテーブルの上にぴょんと飛び乗り、仁王立ちになりました。「パクチーはどうする」
「どうするって? 欲しいってことか? ここにはないよ。買ってこようか」
「なぜ買うのだ」
「え? だってあんた、パクチーが欲しいんだろ」
「パクチーが欲しいのか? そんなことはどこにも書いてなかったが…」
「は?」
「まあいい。それはあとで思い出せば何とかなるだろう。ところでパクチーはどうする」
「だからここにはないってば」
「そいつは傑作だ」仁王立ちのダッコちゃん人形の両眼から、涙がこぼれました。「生きるのは素晴らしい」

テケテケ星人はテーブルから降り、またもや冷蔵庫をあけ、今度はくすくす笑いました。
「もう1回聞くけどさ」僕は言いました。「冷蔵庫の何がおかしい」
「あなたの冷蔵庫はおかしいのか?」
「おかしいわけねーだろ」
「じゃあ心配しなくていいじゃないか。ところで、これは何だ」テケテケ星人は、冷蔵庫のなかからアイスクリームを取り出しました。「バカにしているのか」
「は? それはアイスクリームだろ」
「バカにしている」テケテケ星人はアイスクリームをなめながら言いました。「許し難い暴挙だ」
「ただのアイスクリームだろ。どこがバカにしているんだ? てゆーか、人のアイスクリームを勝手になめるなよ」
「なんだと? 誰かがアイスクリームを勝手になめているのか? それは誰だ? なんとも許し難い暴挙ではないか」
「それはあんただろ」
それには答えず、宇宙人はアイスクリームをなめ続けました。
コーンまできれいに食べてしまうと、
「そうだったのか…。わたしがアイスクリームをなめていたのか。うーむ。許し難い暴挙だ。同情の余地はない。死刑に処すがよかろう」
テケテケ星人はポケットから毒薬のようなものを取り出すと、その液体をごくごくと飲みほしました。
数秒後、その体がコトンと倒れ、ぴくりとも動かなくなりました。

呆然と立ちすくむ僕。
「生きるのは素晴らしい」って、いま言ってたんじゃないの?

ふたたびノックがし、べつのテケテケ星人がアパートに入ってきました。
いやーな沈黙。
「ち、違うんだ」僕はあせりました。「この人が勝手に…」
「だから腹は空かせておくべきなのだ。あれほど言ったのに」宇宙人は溜息をつきました。「それにしても地球とは恐ろしい星だ。うまいこと言う」
動かなくなった仲間の死体(?)をひきずって、テケテケ星人は出て行きました。

◆◆◆

翌朝、またテケテケ星人からメールが来ました。
昨晩の会議が決裂したのは残念でならない。
今晩もういちど出向くから、それまでに白か黒か、はっきりさせておけ。
そんなメールでした。

(以下次号)

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