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2007.12.29 00:37

21世紀神様の悩み その6

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松宮園生です。

前回までのあらすじ)
繁栄にあぐらをかき、飽食をむさぼる先進国。
彼らに鉄槌を下すことにした全能の神様は、
「ウエルネス天国」
「メタボ地獄」
を作りました。
ストイックに生涯を全うしたらウエルネス天国行き。
飽食におぼれメタボのまま死んだらメタボ地獄行き。

一方、人間社会のほうでも
「メタボ基本法」
が可決され、メタボな人は
「メタボ刑務所」
に送られて保健指導を受けるようになりました。
「刑務所に送られてたまるか」と逃げ回るメタボな人々を、
「メタボ警察」
が執拗に追い回します。

このシリーズ(21世紀神様の悩み)は、そうしたちょっとすごく怖い時代を懸命に生きる人々を描く、壮大なヒューマン・ドラマです。
(そうだっけ?)

◆◆◆

「最後の審判の日」時計(Doomsday Clock)
というのが本当にあるのをご存じでしょうか?
宇宙戦艦ヤマトじゃないけど、
「人類滅亡まで、あと××分」
というのを示す時計です。

シカゴ大学にあります。
「原子力科学者ブレティン」
という名前の科学雑誌がその時計を管理しています。

時計の針は進んだり後退したりします。
核戦争の可能性とか、地球温暖化などの環境問題とかを考慮して、
「人類滅亡まで、あと××分」
が決められています。
ちなみに、今日現在は
「人類滅亡まで、あと5分」
となっています。

本当に5分後に滅びるという意味ではありませんが、
「あと5分しかない、くらいに人類や地球のことを真剣に考えなさい」
ということを警告しているわけです。

◆◆◆

死んだばかりのある男が「メタボ地獄行き」を天使から宣告され、空港に到着しました。
これからメタボ地獄行きユナイテッド航空459便に乗るのです。
指定された搭乗口にむかって、男はしょんぼり(←死語)と歩いています。
「そんなに落ち込まないでよ、おじさん」見送りの天使が男の肩を軽くたたきました。「模範囚として認められたら、メタボ天国に行けるからさ」
「そんなこと言うたかて、わて、情けないわ」

男がなにげなく顔をあげると、コンコースの壁に無数の時計がかかっているのが目に入りました。
「時計がぎょうさんありまんなあ」男は言いました。「なんの時計でっしゃろか?」
「ああ、それはね」天使が答えました。「食育時計っていうんだ」

「食育時計?」
「神様が眉をひそめるような食事をしたら、時計の針が進むんだよ。暴飲暴食したりとか、ジャンクフードを食べたりとか、野菜を食べなかったりとか、寝る前に甘いものを食べたりとかすると、針が進む」
「そりゃまた、ごっつい時計でんなあ」

「あそこにロココ風のデザインの時計があるでしょ?」
「あれでっか」
「そう。あれはマザー・テレサの時計だよ」
「マザー・テレサでっか」
「マザー・テレサの時計はまったく針が動かなかった。彼女の食生活は完璧だったんだ」
「はあ…」

「それから、向こうに大きな振子時計があるの、分かる?」
「向こうの、あれでっか」
「あれはドクター・チイタッタという人の時計だよ」
「チイタッタゆうたら、ターザン栄養学で有名なアメリカの先生でおまんな?」
「えっ? ドクター・チイタッタを知ってるの?」
「知り合いに松宮園生いう変なやつがいてまんねん。その変なやつがチイタッタ先生、チイタッタ先生といつもやかましゅうて」
「へえ、そうなんだ。ドクター・チイタッタの時計はね、まだ2分しか針が動いていない」
「2分」
「要するに、今まで2回だけ、メタボな食事をしたことがあるってこと。あとは全部、立派な食事をしている」
「わてには真似できまへんわ」
「大丈夫。メタボ地獄に行ったらできるようになるから」
「ひー」

「そっか、おじさんは松宮園生の知り合いなんだね」天使が言いました。
「そうでんねん。恥ずかしうて言わんでおこう思っとったんやけど」
「その気持ち、わかるよ」
「そや。そういえば松宮園生の時計は、どれでっか?」
「うん、それがね」天使は言いました。「ここには、ないんだ」
「どこにありまんねん?」
「うん。近ごろは天国も温暖化しててね。神様のオフィスで、扇風機がわりになってる」

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