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2007.11.15 20:39

萌えトマト

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松宮園生です。

以前ろくに相手にされずにすごすごと帰って来たにも関わらず、
性懲りもなく再びベジタリアンの合コンに出掛けたときのこと。
前回同様、僕は下級ベジタリアンということで、下っ端として
末席を汚しておりました。
(前回出掛けたときの話はここをクリック)

「聞いて聞いて。ベランダ菜園始めたの。すっごく楽しいよ」
と、ある女の子が言いました。

それを受けて皆が話しだします。
「いいなあ。わたしもやりたいけど、ベランダ散らかってるし」
「オレんちはベランダなんかないよ」
「なんか最近、家庭菜園する人、増えてない?」
「増えてる気がする」
「そうなんだ?」
「絶対増えてるよ。新聞とかで読んだな、確か」
「オレの姉貴がさ、結婚あきらめたとか言って、自給自足のために市民農園で野菜作り始めたんだ」
「なんで。結婚あきらめる前にオレに相談してよ」
「でも姉貴、顔はオレに似てるけど?」
「あ、だったらパス」
「お前ね」
ベタな会話でした。

「で、ベランダで何を作ってるんですか」
と、ずっと静かにしていた下級ベジタリアンの僕がおずおずと質問すると、さっきの女の子が嫌な顔もせずに答えました。
「いろいろね。トマトとか、パセリとか、落花生とか」
「自分で料理して全部食べてんの?」と、彼女の隣に座っている男の子が言いました。「それとも売ったりとかしてんの」
「売るほどたくさんはないから」女の子は答えました。「ところでトマトって男か女か知ってる?」

「は、トマト? 男も女もないんじゃないの。オシベとかメシベとかはあるけど」
「トマトは女だと思う」彼女は言いました。「そうとしか思えない出来事があって」
「へー」
「聞きたい?」
ここで「聞きたくない」とは言えません。
全員が「聞きたい」という意味でうなずきました。

彼女は話し始めます。
「うちのトマトがなかなか赤くならないから悩んでたんだけど、こないだ詳しい人に聞いたら、庭いじりするときは裸になりなさいって言われたの」
「え、裸? どゆこと? 意味わかんねえ」
と言いつつ、裸という言葉に反応する男性陣。
彼女は続けます。
「その詳しい人というのは男の人なんだけど、彼はいつも裸になって庭いじりするって言うの。そうするとトマトが恥ずかしがって赤くなるんだって」

一瞬、しんとなりました。

「マジメな話なんだから」焦った彼女はムキになって言いました。「ホントにその人はそう言ったのよ。真剣な顔で。あれは絶対、冗談で言ったんじゃないと思う」
「冗談としか思えないね」
「だってその人の作ったトマト、真っ赤なんだよ」
「そうかもしれないけど、裸とは関係ないんじゃ…」
「だって見にいったら、その人、ホントに素っ裸で庭いじりしてたよ」
「だからってトマトが恥ずかしがるとかは嘘に決まってる。…ていうか、見にいったんかい」
「でもね」負けずに彼女は続けました。「それで、自分も裸でベランダいじりすることにしたの」

あっけにとられる女性陣。
想像がふくらみ、唾を飲む男性陣。

「とにかく聞いて」彼女は言いました。「全裸でベランダに出るようにしたのよ。だって赤いトマトを作りたかったし、他に方法もなかったし」
「ふうん。で、どうだったの」
「トマトは全然赤くならなかった」
「そりゃ、そうだろ」
「違うのよ。そうじゃないの。トマトが赤くならなかったのは、トマトが女だったからだと思う」
「はあ? 意味ぜんぜんわかんねえ」
「トマトは女だったから、わたしの裸を見ても何の変化もしなかったのよ」
「…」
「トマトは女だった」彼女は断固とした口調で言いました。「だってその代わり、キュウリがすごく大きく育っちゃって」

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