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拙者、ジョン・ソイビーンと申す商売上手の農家でござる。
アイダホという田舎でトウモロコシを作っておるが、これが
よく売れるのでホクホク(←死語)でござるよ。
拙者が作るトウモロコシはバイオ燃料に使うものでござるゆえ、
美味しい・美味しくないは関係ござらん。
味を気にしなくてよいので、気楽でござる。
その代わり、トウモロコシのなかでも早く大きくなる品種、
燃料に加工しやすい品種を栽培しておるのでござる。
これもひとえに石油が値上がりしているためでござるが、
大和(←日本のこと)の方々は日々の暮らしが大変になっておる模様、お気の毒でござる。
お見舞い申し上げたい。
松宮園生氏(うじ)のブログでは、拙者は
「浮気農家」
としてこれまでにも何度か登場させていただいたようでござる。
(最近登場したときの話はここをクリック)
おかげさまで7名の大和男児と4名の大和撫子からファンレターとおぼしきものを頂戴いたし、光栄至極に存じつかまつる。
この場を借りて御礼申し上げたい。
かたじけない。
ただ、拙者は日本語を読めぬし、書けぬ。
じゃによって返事をまったく書いてござらん。
平にご容赦お願いつかまつる。
ファンレターにはなにやら質問のようなものが書かれてござったようでござるが…。
◆◆◆
さて、実は先日、松宮園生氏(うじ)に誘われてはるばる大和にお邪魔いたした。
大和というところは面白い国でござるなあ。
聞きしによると、
「食育」
というものがあるそうではござらぬか。
しかもその「食育」、なにやらブームになっておるようでござるな。
「食育基本ご法度」
なる決まりごともあると聞き申した。
大和には古くから
「わび・さび」
「以心伝心」
「阿吽の呼吸」
と申すような、アメリカ人には馴染みのない概念がござる。
馴染みはないのでござるが、クロサワの映画を拝見しているうちに、徐々に理解でき申した。
ところがでござる。
「食育」
だけは不可解きわまりない。
ダントツに難解でござる。
驚いたことに、大和の人々にとっても
「食育」
は分かりにくいものだそうでござる。
「食育って何ですか?」
という質問が全国各地で発生しておる由。
不思議なものでござる。
大和の人々ですらよく理解しておらぬ「食育」なるものが、その大和でブームになっておるとは。
東洋の神秘でござろうか。
明治時代の文豪、ソーセキ・ナツメの「我輩は猫である」の文章を借りれば、
「我輩は食育である。意味はまだない」
と申すような感じでござろう。
ある日、拙者が松宮園生氏(うじ)に
「食育とはなんでござるか。英語で説明していただけまいか。返答やいかに」
と迫ったことがござる。
そのときの、松宮園生氏(うじ)の困りきった苦渋に満ちた顔は今でも忘れられぬ。
困りきったあげく、松宮園生氏(うじ)は紙にこんな数式をを書いたでござった。
↓
栄養:a
農業:b
料理:c
しつけ:d
伝統食:e
農村文化:f
団らん:g
食前・食後の呪文:h
昭和のおばちゃん:i
自給率:j
環境:k
ロハス:m
オーガニック:n
メタボ:p
その他:q
とするとき、
食育=√(ab+cd)(ef+g)+∫(hi+jk)+Σ(mm+pq)
文系のくせに数式をもちだすとは武士として卑怯ではござるが、松宮園生氏(うじ)としてはやむを得なかったのでござろう。
振りかえってわが祖国アメリカには、「栄養教育」というものはござる。
ピザやハンバーガーばかり食せぬよう、コーラやソーダばかり飲まぬよう、学校での指導も行われてござる。
しかし、あくまで「栄養教育」でござる。
大和の「食育」のごとき、あれもこれもゴチャゴチャに混ざった複雑怪奇なものではござらん。
◆◆◆
本題に移るでござる。
江戸幕府が制定したその
「食育基本ご法度」
の定めによると、それぞれの藩は
「食育推進集会」
という会議を開き、
「食育推進作戦」
なるものを策定することになっており申す。
で、作戦が策定できたら、それぞれの藩のウェブサイトで発表することになっており申す。
どうやら松宮園生氏(うじ)は帰国するたびにいくつかの藩の「食育推進集会」にメンバーとして出席しておる模様でござった。
招待されたメンバーでござるか、呼ばれもせぬのに押しかけたメンバーでござるかは不明でござる。
いずれにせよ、このことは拙者には好都合でござった。
と申すは、
「いったいぜんたい大和の『食育』なるものはどのようなものでござるのか?」
これを目撃することができると思ったからでござる。
拙者、この疑問を解決するために、松宮園生氏(うじ)が出席する会議を傍観することに決めたのでござるよ。
百聞は一見にしかずとリンカーンも申しておるではござらぬか。
◆◆◆
で。
これまで何度か傍観いたした感想を、次号にて申し述べ候。
判明いたしたこと。
大和の
「食育推進集会」
なるものは、どの藩も同じようなカオスに陥っておりおり申した。
同じような構図で、同じような問題を抱えておったのでござるよ。
詳しい話は次号にてお伝え申す。
(以下次号)