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2007.10.22 20:12

陰謀料理連盟ネオ その3

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松宮園生です。

前回のあらすじ)
陰謀オタク仲間の太刀槌タツオがまだ行方不明
になる前、太刀槌タツオと松宮園生はインド料理
を食べるためにロンドンに行きましたとさ。
インド料理を食べるならインドに行けばいいのに、
わざわざロンドンに向かった理由は、
* ロンドンのあるイギリスは、かつてインドを
植民地としていた →きっとロンドンで食べる
インド料理はウメエにちげえねえ
* ロンドンは陰謀ファンのあいだで陰謀の中心地となっている →ぜひともその妖しい雰囲気を味わいてえ
でした。

◆◆◆

ガイドブックも持たず辞書すら持たず、何のあてもないままロンドン行きの飛行機に乗った2人でしたが、機内誌にたまたまロンドンのインド料理店が1つ紹介されていたので、とりあえずそこに行こうということになりました。

まずはホテルにチェックインしようとヒースロー空港からタクシーに乗りましたが、運転手のロンドン訛り(コクニーとかいうそうです)がさっぱり分からず四苦八苦。
おまけに空港とロンドン市内の距離なんかも予習しないでやってきたので、高い料金を取られてしまいます。
やっと目的のホテルにたどり着いたと思ったら
「お客様。いただいたお名前では予約が入っていないようですが」
「は?」
「もう一度調べますので少々お待ちください…お客様。お名前がありましたが、お泊まりの予定は来週になっているようです」
「は?」
「しかも申しあげにくいのですが、あらかじめ申しあげますと、今週は予約でいっぱいです。空きはございません」
「はあ」
いきなり宿無しになりました。

太刀槌タツオは苦笑いしながら
「しょうがねえ。とりあえず(インド料理を)食おう。宿探しはそれからだ」
「そだね」適当に返事をする僕。
危機感や警戒心のない2人組なのでありました。
こういうナメた心構えの輩がいるから、日本人は平和ボケと言われるんですねえ。

ま、自己批判(←僕が子どもの頃、すでに死語でした)はそのくらいにして。

国際線の機内誌で紹介されていたのは「レッドフォート」という名前の店です。
再び言語の通じないタクシーを拾い、店へ急行。

このレッドフォートで何を食べたかと言うと、
<前菜>
* ハラケバブ(ホウレンソウと生のハーブのパテにチーズ・タマネギ・パクチーを混ぜたもの)
* シークケバブ(子羊肉のロースト)。たいへん辛いのですが、繊細な味つけが日本人好みです。
<お約束>
* マンゴーのピクルスは欠かせません。ここのピクルスは味がきわめて鮮明で、妙に気になってお代わりをしてしまいました。
<メイン>
* ムルグマライティッカ(チキンカレー)。中辛。パクチー風味。
* タンドーリジンガ(大エビのマリネ)。ライスに合います。
* ビンディ(オクラのカレー)。大辛。味わったことのないスパイスが入っているようなのですが、正体不明。
<ライス>
* 香りつきの白ごはん(今回はナンを頼まず、ライスを選択)。微妙で複雑なハーブのホノカな香りにびっくり。
<デザート>
* 僕は食べませんでした。
異論はあると思いますが、僕個人はエスニック系の食事で満足のいくデザートに出会ったことがないので、今回もやめておきました。
太刀槌タツオはピスタチオのアイスクリームを食べたようですが。
<ワイン>
ナパ・バレー(カリフォルニア)の「スタッグス・リープ」を久しぶりに空けましたが、赤ワインとインド料理という組合せはこの店が初めての経験でした。
なかなか合います。

というわけで、ハイレベルに満足することができました。
「いや、さすがロンドン。カレーも洗練されてるね」太刀槌タツオは言いました。「ではジャンケンしようか」
「ジャンケン?」
「勝ったほうが店にお礼を言う。負けたほうが、アレを言うんだ」

そうか。アレか…。

「じゃ、3回勝負で」
と僕が言うと、
「それって、先に3勝したら勝ちってことか?」
と、太刀槌タツオ。
「違うよ、先に2勝したら勝ちだ」
「それじゃあすぐに決まってしまうじゃんか。5回勝負にしよう」
「3回でいいじゃん」
「5回だよ」
「3回で十分だろ」
「じゃ、3回にするか5回にするか、ジャンケンで決めよう」
「いいとも(←死語?)。3回勝負でいいよね?」
「何を言う。5回勝負にじゃないとダメだ」
「またかよ。だったらそれ自体、ジャンケンで決めよう」
「望むところだ(←死語)」

2人とも吹き出してしまいました。

「ジャンケンは無意味だな」
そう言うと、太刀槌タツオは手をあげてウェイターを呼び、シェフを連れてきてくれと言いました。
シェフが、巨大な体をのしのしと揺らせてやって来ました。
太刀槌タツオはニコヤカに話しかけました。
「すばらしい料理でした。堪能しました。こういうのは日本ではなかなか味わえない。お礼を言います」
(実際にはたどたどしい英語で話しています)

「サンキュー、ミスター」シェフは僕らの語学力を察したか、ゆっくり丁寧に答えました。「料理を通じてお客様に喜んでいただくのが私の使命です。ぜひまた、お越しください」

「あー。そのことなんだけど」太刀槌タツオは言いました。「ここに座っている友人がですね、マツミヤという名前なんですけど、シェフにぜひ聞きたいことがあるそうです」

???

「えっ。僕が言うの」
すると太刀槌タツオは僕の肩を叩いて「しっかり言うんだぞ。よろしく」
「てめ、ハメやがったな」僕は毒づきましたが、シェフは微笑みながら僕の発言を待ってますし、太刀槌タツオは明後日の方向を向いて口笛を吹いています(←ベタすぎ)。
しかたなく僕はシェフに言いました。
「あのう。他のインド料理店にも行きたいんだけど、この近所でオススメの店、3つほど教えてくれませんか」

大男のシェフの顔が、みるみる鬼のようになりました。

(以下次号)

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