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松宮園生です。
日本に来ています。
時間を見つけてスーパーマーケットの食品売場を視察
したりしています。
「日本とアメリカの食品売場を比べて、どう違いますか?」
こういう質問もよく受けますが、
「いろいろ違います」
これが答です。
どっちが良いか悪いかではなく、単に違います。
ひとつ例をあげると、日本ではよく特売をしますが、アメリカではあまり特売はないです。
特売をする日本では、商品の価格は日によってよく変わります。
アメリカでは日本ほど頻繁に価格が変わることはありません。
これはなぜかというと、
* 日本人は毎日買物に来てその日の食材を買うが、
* アメリカ人は数日に一度来て、まとめ買いをする。
というところに理由(のひとつ)があるんじゃないかなと思います。
日本人はキホン毎日買物に来るので、店は飽きられないように毎日なにかしら変化をつけなくちゃいけない。
特売ネタもころころ変える。
アメリカ人は数日おきに来てまとめ買いするので、変化をつける頻度は少ない。
その結果、日本のスーパーマーケットの店員さん、特に食品売場担当の人は毎日大変です。
特売企画のたぐいをどんどん提案し、次々実行しなくてはなりません。
値段をかいたポップも毎日変えなくちゃいけないし、チラシもどんどん作らなくちゃいけないし、商品の配置も毎日変えなければなりません。
朝早くから夜遅くまで、へとへとになって働いてもまだ仕事が終わらないという状況が続きます。
◆◆◆
もうひとつ例をあげると、生鮮食品を買うとき日本人は品物を吟味する人が多いですが、アメリカ人はあんまり吟味しません。
日本のオバチャンは長ネギ1本買うにも、並んでいる長ネギをすべて手にして、どれを買おうか悩みます。
アメリカ人にはそういう人は少ないです。
今日 S というスーパーマーケットで見かけたオバチャン(推定年齢55歳)は、原木生シイタケを選ぶのに11分40秒を費やしていました。
並んでいる原木生シイタケのパックすべてに手をつけ、押してみたり強く握ってみたり匂いをかいでみたり、棚に戻してはまた同じパックを手にして吟味に吟味。
吟味したい気持ちは分かるけど、そのやり方だと商品が傷むんじゃね…?
特にシイタケって、そういう手荒な扱いには弱いんじゃなかったっけ?
生鮮食品じゃないけど、たとえば牛乳を買うときなんかでも似たようなことが言えます。
日本人は賞味期限の日付をみながら「1日でも新しい牛乳」を選びますが、アメリカ人はあまりそういう行動はしません。
ま、こだわりの日本人 vs 大雑把なアメリカ人、という図式でしょうか。
むろん、いろんな例外はありますが。
◆◆◆
オバチャンの「原木生シイタケ吟味行動」を観察しながら、僕は思いました。
このオバチャンはちと極端だと思うけど、みんな大なり小なりこういう「吟味行動」をとるよね。
↓
日本人がみんな何らかの「吟味行動」をとる。
その結果どうなるかというと、
* 形のよくないもの
* 粉(ブルーム)を吹いているもの(農薬と勘違いされるようです)
* なんとなく汚れてそうなもの
* 袋が破れたりしているもの
が大量に売れ残ります。
↓
すると店側としては、物流業者や(産直品の場合は)農家に対して、
「曲ったキュウリを持ってくるのはやめてくれよ」
「粉を吹いているブドウはお断り」
と言うようになります。
↓
すると農家は、
「曲ったキュウリは捨てる」
「粉を吹いたブドウは捨てる」
ようになります。
「吟味行動」。
1人1人にとっては小さな行動だけど、これを1億2千万人が毎日やっています。
なにげなくやってます。
悪気はまったくありません。
かくいう僕も、グレープフルーツを買うときだけはたぶん日本人の平均より長時間、吟味していると思います。
その結果、農業の現場ではいろいろな変化が生まれるわけです。