松宮園生です。
「農業やってみたい」
都会に住んでいる男性で、そう思っている人はけっこう多いようです。
むろん女性のなかにもそういう人はいますが、男性のほうが圧倒的に多い。
とくに20代と50代。
あるデータによると、
* 都会に住んでいる20代男性の85パーセントは農業に興味がある
* 都会に住んでいる50代男性の75パーセントは農業に興味がある
だそうです。
(30代・40代は仕事に精を出している人が多いため、農業に憧れる度合いは高くないようです)
もっとも、ここでいう
「農業に興味がある」
というのは漠然としています。
* 農業をしたいのか…
* 農業をしている人と友達になって、たまに遊びにいきたいのか…
* なんとなくエコとかロハスとかに惹かれ、田園ライフに憧れている程度なのか…
* 農業戦隊アグレンジャー(実在します)の一員となって正義のために悪と戦いたいのか…
バラバラだと思います。
(実在する農業戦隊アグレンジャーについて詳しく知りたい人はここをクリック)
まあそれでも、かなりたくさんの男性が農業っぽい世界に共感を持っていることは、間違いなさそうです。
さて、男性のうち20代と50代が特に農業に関心があると書きましたが、20代と50代とでは関心のタイプがちょっと異なっています。
まず50代からいうと、
「農業で生計をたてよう」
てな人は少数派です。
趣味農業とか、週末農業とか、園芸とか、そんなノリです。
趣味ですから、贅沢です。
費用なんかもあまり気にしません。
当然、有機農業を目指します。
有機農業はある意味、贅沢です。
「有機農業って、農薬も使わないし、化学肥料も使わないんだから、安く作れるんじゃないの?」
そう思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、大間違いです。
有機農業は農薬を使わないので、害虫のリスクにさらされます。
有機農業は化学肥料を使わないので、作物の成長がゆっくりになります。
有機農業はたいへんメンドーですので、作業量が増えます。
つまり、収穫量が減ります。
収穫量が減れば、費用は割高になりますよね?
農業代・化学肥料代はたしかに浮きますが、作業量が増え収穫量が減る影響のほうが大きいので、割高になるのです。
つまり、有機農業は贅沢なわけです。
有機農業は贅沢ですが、50代男性は平気の平左(←死語)です。
だって、趣味だもん。
ふだん料理をしない男性が、たまに作るカレーがやたら贅沢な食材を使ったりするのと同じです。
で、作った農作物は自分で食べる以外には友人に配ったり、産地直売所で販売したりします。
彼らが作る有機作物は「生計をたてる手段」ではありませんので、産地直売所での販売価格は善意で安かったりします。
問題はココ。
彼らが善意で安くしたために、近所で商売している「本気の農家さん」の作物が売れなくなり、値下げを余議なくされたりするそうです。
皮肉なことですが、善意の隣でなんというか、ちょっとした悲劇が生まれたりするわけです。
一方、20代で農業を始める気持ちのある人は、
「農業という人生を選ぶ」
という意識になります。
要するに、「本気の農家さん」になるわけです。
彼らの多くも有機農業をやりたいと思っていますが、本気ですので、
* いかにコストを下げて有機農業を実施するか
* いかに付加価値をつけて高く買ってもらうか
ということを、農業を始めたあとは必死で考えるわけです。
善意で値下げするようなことはしないんじゃないかな。
なお、20代の場合、IT業界の人がもっとも農業に強い興味を持つ傾向があるようです。
おそらく普段の仕事が「人工づくし」であるために、その対極にある1次産業、とくに農業に対するあこがれを強くするのでしょう。
2年ほど前のことですが、あるIT企業から若手社員の研修を頼まれて講師をしたことがあります。
出席者の数は50人でした。
みな、20代でした。
そこで僕はこういうことを言いました。
「おうてめえら。おうおうおう。将来のいつか、農業をやってみてえと思ってるふてえ野郎はいるか? ああん?」
するとどうでしょう。
50人の出席者のうち、48人が手を挙げたのです。
挙げなかった2人は、女性でした。
「やるじゃねえか、おめえら」
そういう僕の声は、涙でふるえていました(←んなわけ、あるかい)。
ま、IT業界の若者が農業に憧れるのは、単に疲れてストレスがたまっているだけなのかもしれないけど。
というわけで結論です。
バウムクーヘン野郎である僕は、日本のホンキ農業マンを増やすために、IT業界の若者を次々と誘惑しようと思います。
ホモとは違う意味で(笑)。