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2007.10.30 01:54

食育クーデター2007 前編


松宮園生です。

◆◆◆

日本食育大学(にほんしょくいくだいがく)
2002年、食育に興味があるのに何をしていいのか
分からない人が、とりあえず在籍する
「食育探しの避難場」
として、オランダ人のメタボ資産家キルケ・ルートル
(1948 -)により設立された。
しかし2007年、有名な「07クーデター」により、
設立コンセプトは大きく転換した…。

(中略)
当初は食育学部しかなかったが、「07クーデター」の後にダーク食育学部が新設された。さらに2008年には食育レボリューション学部が設立される予定である。

(中略)
学部および学科構成は以下のようになっている。
 <食育学部>
   メタボ撃滅学科
   安心・安全学科
   食文化見直し学科
   食育評論攻め学科
   レシピ大量生産学科
   エコ食育学科
   イケイケ農業学科
   しつけバッチリ学科
 <ダーク食育学部>
   センス学科
   ビジネス学科
   シニカル学科

(中略)
著名な卒業生には、
*阿部マリエ(1979 - 2006)
*ザイオン共和国大総統モーフィアス(1961 -)
がいる。
衝撃映像撮影技術大学(通称、日本ショッキング大学)とまれに混同されるが、まったく異なる大学である。

(以上、日本食育大学出版「オールジャパン食育大辞典」より抜粋)

◆◆◆

泣く子も黙る日本食育大学!
(ホントに黙るかどうかは別として)
今でこそ食育人種の虎の穴として名を馳せていますが、しかしその道のりは決して平坦なものではありませんでした。

食育はちょっとしたブームになっていますが、食育オタクのあいだでは根強い不安感がありました。
どういう不安感かというと…
「食育には昭和の香りがする。しかしこのままでいいのか」
という不安です。

そう。
皆さんもお気づきかと思いますが、世の中のあちこちで行われている「食育活動」って、なんかちょっとダサめじゃありません?
イマイチなんか、センスとかあんまし感じませんよね。
* 企画がダサかったりとか。
* パンフレットやポスターが昭和型デザインだったりとか。
* 食育講師に「華」のある人が少ないとか。
* 気恥ずかしいカルタとか。
* 価値のよく分からないレシピとか。
「食育って、あんまりカッコイイ感がないかも」
なんて漠然と思っている人、多いかも。

その証拠に、合コンに行って
「松宮さんって、何のお仕事をしてるんですか?」
と女の子に聞かれて、
「食育」
なんて答えても、誰もキャーステキなんて言ってくれません。
それどころか、言い方が下手だと引かれたりして。
要は、食育にはセンスのいいイメージが足らないせいか、食育をしている男性はモテないみたいなんだよね。
(女性はそうでもないみたいだけど)

ところが、かつての日本食育大学にはそういう問題意識はありませんでした。
モテない卒業生を大量に輩出して、平気でいたのです。
そんな不満がついに爆発したのが、
「07クーデター」
です。

次回は、この
「07クーデター」
を通じて、必死にモテようと苦悩する食育関係者の実態を、赤裸々にレポートします。

(以下次号)

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2007.10.29 10:01

バウムクーヘン検定


松宮園生です。

日本食育大学出版から出ている
「オールジャパン食育大辞典 2007年版」
には、
「バウムクーヘン野郎」
という言葉が載っています。
こう書いてあります。

バウムクーヘン野郎(ばうむくーへんやろう)
名詞。
農業を始める決心もついていないのに農業のことを嗅ぎまわり、耳年増になっている人。
バウムクーヘンが中心部に何もなく、外側(周辺部)が豊かな状態になっているところから来た言葉。
2003年に農業コンサルタントの葉竹乃木夫という人物(1955?)が松宮園生(P.882を参照)を皮肉ったのが語源とされる。
なぜ「ドーナツ野郎」と言わないのかについては、まだ解明されていない。
というか、誰も解明しようとしていない。

◆◆◆

日本の農業を盛り上げるために、あなたの「バウムクーヘン野郎度」をチェックしてみませんか?
チェック数が少ないほど、バウムクーヘン野郎度は高くなることに注意。

<チェック>
* 「レンサクショーガイ」と言われても漢字が書けない。
* JAS有機の認証マークがどんなデザインだったかなんて覚えていない。
* 日本食育大学の所在地を知らない。
* 「カテイサイエン」はウイスキーの銘柄だと思っていた。(→それをいうならカティサークだろ →でもそれ、苦しくないかい?)
* アイガモ農法の、可愛いアイガモの「収穫シーズン終了後の運命」についてはよく知らない。
* 「GAP」と言ったらアパレルを連想する。
* 「F1」と言ったら鈴鹿だのモナコだのを連想する。
* 「農業戦隊アグレンジャー知ってる?」と言われて、新聞のテレビ欄(とくに早朝)をチェックしてしまった。
* JAのことを「ジャー」と呼んだことがある。
* 会社の上司から「ホウレンソウを欠かすな」と言われ、スーパーにほうれん草を買いにいったことがある。

<判定>
当てはまる数で判定します。
0個:松宮園生級(末期バウムクーヘン野郎級)。このままでいいの? 人生を考え直すなら今のうちです。
1個:葉竹乃木夫級。そんな判定されても、うれしくありませんね。
2個:ジョン・ソイビーン(*)級。なんとなく、縁起が悪そうです。
3個:ミスミのジイサン(**)級。落ち着いて深呼吸してください。
4個:小判大介(***)級。初期バウムクーヘン野郎級とも言います。早期発見、早期治療です。
5個:21世紀日本人級。ご安心ください。あなたはマトモです。
6個:19世紀日本人級。あなたもマトモです。
7個:弥生時代日本人級。マトモなんですけど、別の意味で不安です。
8個:縄文時代日本人級。農業、知らなすぎです。
9個:ネアンデルタール級。「2001年宇宙の旅」に出演したこと、ある?
10個:ホントにほうれん草を買いにいったんですか?


(*) ジョン・ソイビーン(じょん・そいびーん)
固有名詞。
アイダホ州出身。地獄谷部屋。
大豆栽培の浮気農家として育つが、トウモロコシ栽培に切り替えてからは羽振りがよくなった。

(**) ミスミのジイサン(みすみのじいさん)
固有名詞。
テケテケ村のはずれで農業を営む。

(***) 小判大介(こばんだいすけ)
固有名詞。
テケテケ村で新規就農した若者。松宮園生(P.882を参照)の舎弟とされるが、本人は強く否定している。

(以上、「オールジャパン食育大辞典」より引用)

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2007.10.26 15:54

魔のレシピ学 その3


松宮園生です。

前回までのあらすじ)
畑の隣にレストランを作ってさ、
自分の畑でとれた作物をそこで
美味しく料理して出せたらいいよね。
そんな夢を持つ若い農家は
けっこう大勢いるんじゃないかな。
ただしそうするためには農家に
レシピを考える力がほしい。
料理技術じゃなくてレシピ開発力だ。
料理技術じゃない。ダイコンのかつらむきは下手でもいい。
しかしレシピ開発力はほしい。自分の畑でとれたダイコンをどうやったら一番美味しく食べられるのか、を考える能力は必要だ。
「レシピ開発力」を身につけるにはどうしたらいいか、そういう講座を作りたいよね。
…農業コンサルタントの葉竹乃木夫さんからそんなことを言われ、レシピ開発力ゼロの松宮園生が調査を始めます。
まずは淡路島を訪問。
舎弟のタピ岡秋彦とともに「レシピの女王」に突撃インタビューしたが、女王は天才すぎてレシピ開発のコツを聞きだすことはできませんでした。

◆◆◆

失意のまま淡路島をあとにした松宮園生。
駅にむかうタクシーのなかで、レシピの女王がなんとラジオに出演していました。
それもどうやら、リスナーからの質問に答えるレギュラー番組のようです。

リリリリリ。
「レシピの女王でございます」
「もしもし」
「はい。ではお名前をどうぞ」
「星明子と申します」
「星さんですね。どのようなご相談でしょうか」
「わたくし、幼い頃に母親をなくしまして、いまは父親と弟とわたくしの3人で暮らしております。父親は昔気質の人間でして、気に入らないことがありますと、ちゃぶ台をひっくり返すんです」
「なかなかたいへんなお父様ですねえ。お父様のお名前は」
「一徹といいます」
「星一徹さん」
「はい。で、弟の名前は飛雄馬といいます」
「星飛雄馬さん」
「はい。父は弟をプロ野球選手にしたいらしくて、妙なギブスをこしらえて弟に身につけさせているんですけど、そんなものを作る暇があったら働いてもっと稼いでほしいと思います」
「なるほど。お気持ち、分かります。お父様は仕事をされていないんですか?」
「弟を鍛えるのに夢中で、日雇いの仕事をする以外は、働きに出ないんです」
「それは困りましたねえ」
「話がそれちゃってごめんなさい。相談といいますのは、ちゃぶ台をひっくり返す父のことでございます」
「はい」
「だいたい週に2回、ひっくり返すんです」
「週に、2回?」
「ええ。統計をとって数えてみましたら、そうでした」
「統計をとったんですか?」
「ええ」
「なるほど」
「うちは貧乏なものですから、食料を無駄にしたくはありません」
「そうですよね、分かります」
「でも、父親がちゃぶ台をひっくり返すのを止めさせることも難しいんです」
「それはどうしてですか?」
「生まれながらの、気質だと思います」
「分かります」
「かといって、どうせひっくり返されるからといって、はじめから手抜き料理をするわけにはいきません」
「それはどうしてですか」
「父は機嫌のいいときはちゃんと、食べてくれますし」
「そうですよね」
「弟は食べ盛りなものですから、プロ野球選手になってもらうんだったら、お腹いっぱい食べてもらわないと」
「なるほど、そうですよね」
「女王様」
「はいはい?」
「父がちゃぶ台をひっくり返したあとの掃除もたいへんなんです」
「ごもっともですね」
「そんなわたくしですが、家族のためにどのような食事を作ったらいいでしょうか?」
「分かりました星さん。ではアドバイスを差し上げましょう。まず、ポイントを整理します。1。星飛雄馬さんは食べ盛り。手抜き料理を出すわけにはいかない。2。星一徹さんは週に2回、ちゃぶ台をひっくり返す。犠牲になる食料がもったいない。掃除の手間を軽くしたいし、できればひっくり返された料理をリサイクルしたい。ここまではいいですか」
「ええ。間違いありません」
「お父様がちゃぶ台をひっくり返すのはいつなのか、予測できますか?」
「それができたらいいんですけど…。娘のわたくしにもまったく読めないんです。前は、満月の夜が危ないんじゃないかとか、隣の家が夫婦喧嘩した翌日が危ないんじゃないかなんて思ってたんですが、そういう規則性もないみたいで」
「実にお気の毒です。でも気を落としてはいけません。これからもしっかりした料理を作っていただいて、早く弟さんにプロ野球選手になってもらって、契約金と年俸で楽をさせてもらいましょう」
「はい、頑張ります」
「では、どんな料理をお作りになるのがよろしいか、申し上げますね。メモの用意はいいですか?」
「はい」
「まず、あまり贅沢な料理もできないとのことですので、旬のお魚か鶏胸肉を主菜にしてください。ちゃぶ台をひっくり返されたときにも拾って洗ってもう一度お皿に乗せたいしね」
「はい」
「それから、お掃除を楽にするには『汁と油を減らす』ことが重要です」
「はい」
「魚を選ぶときは、煮魚より焼魚、さらには秋刀魚のように身の柔らかいお魚より鮭のように身の硬いお魚を選びましょう」
「硬い魚ですね」
「そうです。お値段のことを考えると、物価の優等生の卵も使いたいですね。ただし茶碗蒸しはさけ、卵焼きにしましょう」
「茶碗蒸しはさけ、卵焼きですね」
「そうね。鶏肉を使うなら、エネルギーを確保するためにチキンカツにでもしましょう。もしひっくり返されてしまったら…急いでタマネギをいため、チキンカツとあわせて、カツ丼にリメイクします」
「ああそうか。チキンカツはかつ丼にリメイクできるんですね」
「そうですよ。それから、副菜は小さく切らないのがポイントです。ざっくり大きく切って、拾いやすいようにしましょう」
「わかりました」
「千切りキャベツとかキュウリの酢の物とか…は、ダメです。ひっくり返されたあとが大変。まあ、千切りキャベツなら洗えば使えるかしら。後で拾うことを考えたら、味つけしていない生野菜をそのまま出すのがいいわね。咀嚼のことも考えて、大きめに切った根菜類の煮物なんかもいいですね」
「はい」
「人参、ごぼう、蓮根、大根などとガンモドキをたきあわせ、汁はほとんどよそいません…ひっくり返されてもいいようにね。最後に別に茹でておいたほうれん草か小松菜をトッピングすれば、栄養価もそろいますね」
「はい」
「中華料理は油が多いから、作らないほうがいいわね。ひっくり返されてたら大災害」
「はい」
「わたしからのアドバイスはそんなところです。どうかしら」
「ありがとうございます。これでやっとヘソクリ(←死語)ができる! 女王様のおかげです」
「ヘソクリ?」
「そうなんです。父がちゃぶ台をひっくり返すせいで、ぜんぜんお金がたまらなくて」
「それはそうですね。で、お金をためて、なにか買うんですか?」
「はい。父がひっくり返せないような、ルクルーゼ製の重たいちゃぶ台を買おうと思いまして」

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2007.10.25 08:05

食育至上主義人民共和国 その1

松宮園生です。

前回にひきつづき、今回もダークなテーマです。

「食育の推進」という言葉をあちこちで耳にしますね。
某、北○○みたいな独裁国家が「食育の推進」を行ったらどうなるか、想像してみました。

◆◆◆

人口40万人のザイオン共和国にクーデターが起きたのは2006年の9月のことです。
クーデターを成功させて大総統に就任したのはモーフィアスという将軍でした。
ザイオン共和国は小さな国ですが、地下資源に恵まれた国でした。
モーフィアスは地下資源をすべて国有化し、外国企業の国内参入を禁止しました。
資源が豊かだったのと、モーフィアスが商売上手だったことで、ザイオン共和国は栄えました。
(某、北○○とはここが違います)

さて、このモーフィアス大総統、若いころは日本食育大学に留学して松宮准教授のゼミにいました。
そのせいか、食育にはことのほか関心が強く、ザイオンを「食育大国」にしてしまえと考えました。

1年後、ザイオン共和国はこういう国になっていました。

■軍隊

強い軍隊を掌握することは独裁者になるための第一歩です。
独裁者の資格をとりたい方はこのことをお忘れなく。

この国の軍隊は
* 食育陸軍
* 食育海軍
* 食育空軍
* 食育遊撃隊
* 食育親衛隊
に分かれます。

このような国が仮想敵国です。
* ジャンクフードを食べる国(アメリカやイギリスなど)
* メタボの多い国(アメリカやイギリスなど)
* 食べものの廃棄率が高い国(日本など)
* フードマイレージの大きな国(日本など)
* 食の安全意識の低い国(中国など)

「強い軍隊は強い食事から」
というスローガンのもと、一流の管理栄養士と一流のシェフが組み、日本の「食事バランスガイド」に沿った食事レシピを基地の食堂に提供しています。
また、軍人は全員、抜き打ちのメタボ検診を受けます。
メタボと判定されたら、階級を落とされたり給料が下がったりします。

「食育核兵器」という兵器を持っているらしいのですが、それはマジで核兵器なのかそうでないのかが不明です。
CIA(アメリカ)も MI6(イギリス)も、必死で探っています。

■秘密警察

秘密警察を持ち、タレこみ屋を増やすのも独裁者になるためには欠かせません。
独裁のプロになりたい方はこのことをお忘れなく。

モーフィアスは日本の「いただきます」「ごちそうさま」をザイオン共和国に導入しました。
食事の前に「いただきます」を言い忘れたら、罰金100ショクイク。
食事の後に「ごちそうさま」を言い忘れたら、罰金100ショクイク。
「いただきます」「ごちそうさま」制度に反対したものは、秘密警察につかまり、投獄されました。

モーフィアスは日本の箸もザイオン共和国に導入しました。
すべての小学校で、毎日1時間、箸の使い方を練習します。
すべての飲食店では、箸を使って食べることが義務化されました。
箸の使い方の検定試験があり、合格しないと就職できませんでした。
箸を使うのを拒否したものは、秘密警察につかまり、投獄されました。

モーフィアスはさらに、「食育キッズ」と呼ばれるタレこみグループを養成しました。
このグループは子どもからなり、
* 「いただきます」「ごちそうさま」を言い忘れた人
* いつまでたっても箸の使えない人
を秘密警察にチクる役割です。

■通貨

お気づきと思いますが、この国のお金の単位は「ショクイク」です。
100ショクイク札と50ショクイク札にはモーフィアスの顔が、
10ショクイク札には日本食育大学の校舎が、
1ショクイク札にはなんと、松宮園生の膝小僧が
印刷されています。

■宗教

宗教は独裁者にとってはすばらしい武器です。
しかしそれは両刃の剣でありまして、使い方を間違えると困ったことになります。
詳しく知りたい方には、「独裁エキスパート養成講座」の受講をおススメします。

さて、モーフィアスは「食育正教会」というものを作りました。
モーフィアス自身が教祖となり、全国各地に教会を建てました。
毎週日曜になると、
「いただきます」
「ごちそうさま」
をテーマにした賛美歌が流れます。
「食育バイブル」が作られ、信者全員に暗記が義務づけられましたが、何が書いてあるのかよく分からない本でした。
無理もありません。その正体は日本から送られてきた「食育白書」で、日本語のままでしたから。

■記念日

ザイオン共和国は、日本をまねて、毎月19日を「食育の日」としています。
で、何をしているかというと、軍隊パレードをしています。
独裁者は定期的に軍隊パレードをしなくてはなりません。
独裁の準備中の方は、パレードの準備も怠りなく。

■迎賓館

松宮園生はモーフィアス大総統の留学中の恩師ということで、ザイオン共和国に行けば国賓扱いです。
ただし、いちどもこの国を訪問したことがありません。
だって独裁者は怖いし。
気が変わって、突然処刑なんかされたらヤだし。
もし僕がザイオン共和国を訪問したとして、その最中にまたクーデターが起きたとしましょう。
新しい権力者は、ただちに僕をつかまえて死刑にするはずです。

くわばら、くわばら(←死語)。

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2007.10.24 02:31

ダーク食育カルタ その1


松宮園生です。

食育に関わっていると
「きれいごと」
を言わなくてはならない場面が
よくあります。
しかし
「きれいごと」
を言うたびにフラストレーションが
溜まってきます。
で、この場を借りて溜まったものを
吐き出しとうござんす。
しかしそこは僕も日本食育大学の
ダメ助教授ですから、芸術的な方法
を採用いたしました。
名づけて
「ダーク食育カルタ」
(裏カルタと言ってもよろしい)。

まだ全部できていませんが、
全部そろえるほどの熱意も
ありませんので(笑)、このへんでテキトーに披露します。

◆い
◆ロハスの意味100字以内で言ってみろ
◆は
◆に
◆飽和脂肪酸だっけ、不飽和脂肪酸だっけ
◆へ
◆トマトはリコピン。ほかにはと聞かれ絶句
◆地元食材日本一うまいと全県が主張し
◆り
◆ぬ
◆る
◆わ
◆管理栄養士、栄養管理士、どっちだっけ
◆よその食育講座をけなすあんたも食育講座
◆食べるときは忘れていたい厨房事情
◆れ
◆素材にこだわったお店です、って、どうこだわったわけ?
◆つ
◆ね
◆名前をつけた牛に限って出荷される
◆ら
◆無農薬だいすき虫ダイキライ
◆う
◆ゐ(←これは無理っす)
◆の
◆お
◆く
◆野菜が主役の肉料理ってなにそれ
◆マクロビの人早く老け長く生き
◆健康指導きびしく受けてストレス死
◆ふ
◆こんなことやってる松宮もヒマなんだか
◆ええやんけ6割輸入に頼っても
◆て
◆朝ごはん噛まずに飲み込む元気な子
◆さ
◆牛乳は飲むべきなの、飲んだらあかんの、どっち?
◆ゆ
◆メタボは85センチなの、87センチなの、どっち?
◆水だって死ぬほど飲めば死んじゃうよ
◆食育は大切と思ってる人に食育の大切さ熱弁し
◆ゑ(←また出たよ)
◆品質にこだわるお店と全店が主張し
◆も
◆せ
◆す
◆ん

空いているポジションは順に埋めていき、「その2」として発表いたします。
投稿も歓迎。

(以下次号)

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2007.10.22 20:12

陰謀料理連盟ネオ その3

松宮園生です。

前回のあらすじ)
陰謀オタク仲間の太刀槌タツオがまだ行方不明
になる前、太刀槌タツオと松宮園生はインド料理
を食べるためにロンドンに行きましたとさ。
インド料理を食べるならインドに行けばいいのに、
わざわざロンドンに向かった理由は、
* ロンドンのあるイギリスは、かつてインドを
植民地としていた →きっとロンドンで食べる
インド料理はウメエにちげえねえ
* ロンドンは陰謀ファンのあいだで陰謀の中心地となっている →ぜひともその妖しい雰囲気を味わいてえ
でした。

◆◆◆

ガイドブックも持たず辞書すら持たず、何のあてもないままロンドン行きの飛行機に乗った2人でしたが、機内誌にたまたまロンドンのインド料理店が1つ紹介されていたので、とりあえずそこに行こうということになりました。

まずはホテルにチェックインしようとヒースロー空港からタクシーに乗りましたが、運転手のロンドン訛り(コクニーとかいうそうです)がさっぱり分からず四苦八苦。
おまけに空港とロンドン市内の距離なんかも予習しないでやってきたので、高い料金を取られてしまいます。
やっと目的のホテルにたどり着いたと思ったら
「お客様。いただいたお名前では予約が入っていないようですが」
「は?」
「もう一度調べますので少々お待ちください…お客様。お名前がありましたが、お泊まりの予定は来週になっているようです」
「は?」
「しかも申しあげにくいのですが、あらかじめ申しあげますと、今週は予約でいっぱいです。空きはございません」
「はあ」
いきなり宿無しになりました。

太刀槌タツオは苦笑いしながら
「しょうがねえ。とりあえず(インド料理を)食おう。宿探しはそれからだ」
「そだね」適当に返事をする僕。
危機感や警戒心のない2人組なのでありました。
こういうナメた心構えの輩がいるから、日本人は平和ボケと言われるんですねえ。

ま、自己批判(←僕が子どもの頃、すでに死語でした)はそのくらいにして。

国際線の機内誌で紹介されていたのは「レッドフォート」という名前の店です。
再び言語の通じないタクシーを拾い、店へ急行。

このレッドフォートで何を食べたかと言うと、
<前菜>
* ハラケバブ(ホウレンソウと生のハーブのパテにチーズ・タマネギ・パクチーを混ぜたもの)
* シークケバブ(子羊肉のロースト)。たいへん辛いのですが、繊細な味つけが日本人好みです。
<お約束>
* マンゴーのピクルスは欠かせません。ここのピクルスは味がきわめて鮮明で、妙に気になってお代わりをしてしまいました。
<メイン>
* ムルグマライティッカ(チキンカレー)。中辛。パクチー風味。
* タンドーリジンガ(大エビのマリネ)。ライスに合います。
* ビンディ(オクラのカレー)。大辛。味わったことのないスパイスが入っているようなのですが、正体不明。
<ライス>
* 香りつきの白ごはん(今回はナンを頼まず、ライスを選択)。微妙で複雑なハーブのホノカな香りにびっくり。
<デザート>
* 僕は食べませんでした。
異論はあると思いますが、僕個人はエスニック系の食事で満足のいくデザートに出会ったことがないので、今回もやめておきました。
太刀槌タツオはピスタチオのアイスクリームを食べたようですが。
<ワイン>
ナパ・バレー(カリフォルニア)の「スタッグス・リープ」を久しぶりに空けましたが、赤ワインとインド料理という組合せはこの店が初めての経験でした。
なかなか合います。

というわけで、ハイレベルに満足することができました。
「いや、さすがロンドン。カレーも洗練されてるね」太刀槌タツオは言いました。「ではジャンケンしようか」
「ジャンケン?」
「勝ったほうが店にお礼を言う。負けたほうが、アレを言うんだ」

そうか。アレか…。

「じゃ、3回勝負で」
と僕が言うと、
「それって、先に3勝したら勝ちってことか?」
と、太刀槌タツオ。
「違うよ、先に2勝したら勝ちだ」
「それじゃあすぐに決まってしまうじゃんか。5回勝負にしよう」
「3回でいいじゃん」
「5回だよ」
「3回で十分だろ」
「じゃ、3回にするか5回にするか、ジャンケンで決めよう」
「いいとも(←死語?)。3回勝負でいいよね?」
「何を言う。5回勝負にじゃないとダメだ」
「またかよ。だったらそれ自体、ジャンケンで決めよう」
「望むところだ(←死語)」

2人とも吹き出してしまいました。

「ジャンケンは無意味だな」
そう言うと、太刀槌タツオは手をあげてウェイターを呼び、シェフを連れてきてくれと言いました。
シェフが、巨大な体をのしのしと揺らせてやって来ました。
太刀槌タツオはニコヤカに話しかけました。
「すばらしい料理でした。堪能しました。こういうのは日本ではなかなか味わえない。お礼を言います」
(実際にはたどたどしい英語で話しています)

「サンキュー、ミスター」シェフは僕らの語学力を察したか、ゆっくり丁寧に答えました。「料理を通じてお客様に喜んでいただくのが私の使命です。ぜひまた、お越しください」

「あー。そのことなんだけど」太刀槌タツオは言いました。「ここに座っている友人がですね、マツミヤという名前なんですけど、シェフにぜひ聞きたいことがあるそうです」

???

「えっ。僕が言うの」
すると太刀槌タツオは僕の肩を叩いて「しっかり言うんだぞ。よろしく」
「てめ、ハメやがったな」僕は毒づきましたが、シェフは微笑みながら僕の発言を待ってますし、太刀槌タツオは明後日の方向を向いて口笛を吹いています(←ベタすぎ)。
しかたなく僕はシェフに言いました。
「あのう。他のインド料理店にも行きたいんだけど、この近所でオススメの店、3つほど教えてくれませんか」

大男のシェフの顔が、みるみる鬼のようになりました。

(以下次号)

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2007.10.21 17:49

風林火山ダイエット その3


松宮園生です。

前回までのあらすじ)
アメリカでは fat-but-fit (ファット・バット・フィット。
ちょい本格派デブこそ健康! というスローガン)
という言葉が流行っている一方で、
ダイエット産業も活況を呈しています。
アメリカでヒットしている5種類のダイエットを、
日本の戦国大名になぞらえて紹介するシリーズです。
前回は「ウェイトウォッチャーズ」というダイエットを、
上杉謙信として紹介しました。

◆◆◆

今回は「サウスビーチ・ダイエット」。
戦国武将でいうと、武田信玄に該当します。

武田信玄は甲斐の国(山梨県)の大名です。
強い大名、というイメージがあります。
実際、武田信玄の軍隊は戦国武将のなかでも最も強いと言われました。
徳川家康なんかも、武田信玄との戦いにはほとんど勝つことができず、コテンパン(←死語)にやられています。
織田信長がもっとも恐れたライバルが、武田信玄です。

サウスビーチ・ダイエットも「グリセミック指数」という強力な軍隊で領土拡大にはげみます。
ほかのダイエットをコテンパン(←死語)にする勢いです。
2003年のことだったと思いますいが、フロリダ在住の心臓内科医が「ザ・サウスビーチ・ダイエット」(ロデール出版。ヘルスケアの領域では世界最大の出版社)という本のなかで自分の理論を発表しました。
そしたらこの本が売れに売れまして。
27週連続、全米売上1位だったそうです。
それ以来、サウスビーチ・ダイエットは世界的に知られるようになりました。

このダイエットは、
「良い炭水化物」「良い脂肪」
「悪い炭水化物」「悪い脂肪」
というものに分けて食事を考えます。
要するに、悪い炭水化物と悪い脂肪は食べない。
良い炭水化物と良い脂肪を食べる、ということです。

良い炭水化物とは、ゆっくり消化されて食後の血糖値を急激に上げない、つまりグリセミック指数(あのGI値のことです)の低い炭水化物食品のことを指します。
(グリセミック指数の低い炭水化物を選んで痩せるという『低インスリンダイエット』が、日本でも流行しましたね)
良い脂肪とは、特にオレイン酸が多いものを意味します。
悪い炭水化物とは、消化が早いために食後の血糖値が急激に上がる、グリセミック指数の高い炭水化物食品のことです。
悪い脂肪とは、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸のことを意味します。

しかし実際には「悪い炭水化物」「悪い脂肪」の食べもののは美味のものが多く、これを我慢するのはなかなか大変です。
そこでサウスビーチ・ダイエットでは
* まずはじめの2週間は「悪い炭水化物」「悪い脂肪」を徹底的に排除する
* その後、排除したものを徐々に「解禁」していく
という方法をとっています。
そのために3つのステップが用意されています。

第1ステップ:
悪い炭水化物・悪い脂肪を一切入れない食生活を2週間実施する。
我慢の2週間ですが、理論的にはこの時期に4kgから6kg痩せるそうです。

第2ステップ:
炭水化物を解禁します。
第1ステップを終えた体は悪い炭水化物に依存しない体になっているそうで、この時点で少し「悪い炭水化物」も解禁するらしい。

第3ステップ:
その食生活を維持します。
維持するために、「良い炭水化物」「良い脂肪」を考慮したメニューがたくさん発表されています。
そのメニューを実際に作ってみることで、料理のウデも上がるそうです。

◆◆◆

クラフトフーズという食品会社があります。
以前、「食の世界のスーパーパワー」シリーズで、世界最大の食品会社、ネスレのことを書きました。
(ネスレについてはここをクリック)
クラフトフーズは、ネスレに次いで世界で2番目に大きな食品会社です。
ネスレ同様、クラフトフーズもたくさんの商品を世に出しています。
日本でも知られているものをあげると、
* 甘いお菓子のオレオ
* クラッカーのリッツ
などがそうです。
そのクラフトフーズは、サウスビーチ・ダイエットにもとづいた食品を開発し、販売しています。
それにより、業界1位のネスレを追撃しようと思っています。

室町幕府の最後の将軍である足利義昭は、織田信長の野望を打ち砕きたいと思っています。
そのため、各地の戦国大名に
「信長追討令」
を発しました。
その最大中心となったのが武田信玄です。
クラフトフーズがサウスビーチ・ダイエットでネスレを追撃したいのと同様、足利義昭は武田信玄を使って織田信長を追撃したいと思っています。

足利義昭も武田信玄も織田信長を倒すことはできませんでしたが、クラフトフーズとサウスビーチ・ダイエットは今も戦国の真っただ中にいます。

(以下次号)

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2007.10.19 01:22

タイヘンダン その1


松宮園生です。

日本向けに食品を輸出したい外国企業は
たくさんあります。
なんといっても日本は食料の6割を
輸入しているわけですから。

でも、日本に食品を輸出するのは
簡単ではありません。
国によって食品の法律が違うからです。
しかも多くの場合、食品の法律は複雑怪奇です。
食品の法律が複雑怪奇なのは、なにも日本だけ
じゃなくて、アメリカの法律だって複雑怪奇
なんですけど、要するに世界中どこにいっても
複雑怪奇なわけです。
さて、輸出先の国のそういう複雑怪奇な法律をちゃんとクリアしないと輸出できません。
(正確にいうと自分の国から発送するのはできますが、相手国が受け入れてくれません)
そういう法律の壁に悩む外国企業が僕のおいしいクライアントです。

難しいのは法律だけではありません。
法律の壁をクリアしたところで、
「で、そもそも売れるの?」
という問題に直面するわけです。
アメリカの市場と日本の市場は、当然ちがいます。
似ているところもありますが、異なるところもたくさんあります。その違いに悩む外国企業も、僕のおいしいクライアントです。

なーんて、合コンの席でエラソに言うと、
「面白そうな仕事、してるのね、ス・テ・キ」
となって、オトナの男の勲章すなわち「お持ち帰り」につながるわけです。

…そんなこと、いちどもありませんでした。

あまりに悔しいので、皆さんの食卓に外国から食品を届けるために、僕がどんなに不眠不休で地味な苦労をしているか、このシリーズでちょっと激白したいと思います。

聞くも涙、語るも涙の物語なのダ。

◆◆◆

この続きは次号に譲るとして、別の話をします。

家の近所(アメリカです)で日本人の佐藤さんという人が
「ミスター・シュガー」
というレストランをやっています。

佐藤 →砂糖 →シュガー

ベタなネーミングですけど、そこは追及するのをやめましょう。
第一、佐藤さんは日本を離れて数十年、イマドキの日本語なんて知りませんので、
「ベタ」
という言葉を説明するのは至難の技(←死語)です。

「ミスター・シュガー」という店は、日本風洋食屋でした。
要するに
* カレーライス
* ハヤシライス
* オムレツ
* エビフリャー定食
* カニクリームコロッケ定食
* チキンライス
* ビーフシチュー
あたりがメニューに載っているような店です。

開店当初は日本人客ばかりでした。
僕自身はよく通っています。
でもアメリカ人はなかなか来てくれませんでした。
皆さんにも賛成していただけると思いますが、この店で出してるメニューは、「洋食」と呼ばれる、じつは和食ですよね。
つまり、純粋な和食でもない、かといってアメリカ人が普通に食べている食事とも違う。
そこのところがなかなか理解してもらえず、アメリカ人が抱く日本食のイメージとはかけ離れていたために、初めの頃はなかなか客が増えなかったのです。

その「ミスターシュガー」も最近はそこそこ人気が出てきたらしく、ときどきは混むこともあったりします。
よかったよかった。

このあいだそこでランチをとっていたら、こんな場面に出くわしました。

初老の白人が1人でオムライスを食べてて、しょっちゅう佐藤さんに声をかけるのです。
最初、彼は太い声で「暑いのでエアコンを強くしてくれ」と言いました。
数分もすると、彼はまた言いました。「寒いぞ。エアコンを切ってくれ」
その後も、この人物は
「暑い。温度を下げろ」
「寒い。温度を上げてくれ」
を繰り返します。
何回も、何回も。

驚いたことに佐藤さんは文句も言わず、初老の白人から言われるたびに行ったり来たりしました。
そのうち怒り出すんじゃないかと僕は傍らではらはらしていましたが、佐藤さんは怒る気配もなかったのです。

食べ終わった白人がお金を払って店を出て行ったあと、僕は佐藤さんに聞きました。
「佐藤さん。辛抱強いのはいいけどさ、ああいう客の言うことを全部聞く必要はないんじゃない?」
「辛抱なんてぜんぜんしてないよ、松宮さん」佐藤さんはニヤニヤしながら言いました。「この店にはエアコンがないってこと、あんたに言ってなかったっけ?」

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2007.10.16 22:28

アストロ・フード


松宮園生です。

宇宙、行ってみたいですよね。
NASAの宇宙飛行士が何をどのように
食べているのかをちょっとレポートします。

宇宙は無重力の世界ですので、
食べ散らかすのは厳禁です。
食べ散らかしたものが空中を浮遊して
宇宙飛行士の目や鼻に入ったり、
空気清浄機などの機械に入り込んで
故障の原因になったりするのは避けなければなりません。

食べ散らかさないように、いろんな工夫がされています。
* できるだけ1口サイズにする
* 水分の少ないものには水分を加えて食べる
* こぼさないように、ゼラチンで食品をコーティングする
* 調味料は、ケチャップ、マスタード、マヨネーズはそのままで OK だけど、塩コショウは水に混ぜた形で使うようです。

なお、食事の回数は地上にいるときと同様、24時間で3回食べるようです。

宇宙食もいまでこそかなり進歩し、飛行機のなかで出される食事にだいぶ近い感じがしますが、昔はたいへんだったようです。
アポロ計画が始まる前、宇宙食は主にチューブからひねり出たどろっとしたもの(ベビーフードみたいですね)を食べていたようです。
あと、アルミホイルに包んだよくわからない料理とか。
冷蔵庫がなかったこともあり、使える食材にもかなりの制限がありました。
味も、お世辞にもおいしいとは言えなかったそうです。
当然、食事のバラエティーというものもなく、いつも同じ食事。

その後、有名な「アポロ計画」が始動しました。
NASA にとってはソ連(←死語)との宇宙開発競争に勝つこと、ソ連より早く人類を月面に立たせることが最重要課題でした。
宇宙飛行士の食事が美味しかろうが不味かろうがどうでもよかったのです。
しかし宇宙飛行士にはグルメが多かったようで、
「食事がまずい。味気ない。こんなんで月に行けるかバカヤロー」
と彼らはさんざん文句をたれました。
彼らの文句のあまりの激しさに NASA も驚き、宇宙食の改良に本腰を入れました。

その結果、チューブ食品は消え、こういう食事が宇宙でも食べられるようになりました。
* シュリンプ・カクテル
* チキン野菜炒め
* プリン

ほかにも、こういう進歩がありました。
* オーブンが常設された
* お湯が使えるようになり、フリーズドライ食品をこれまで水で溶いていたいたものを、お湯で戻すことができるようになった
* 容器が使いやすくなり、そのおかげでスプーンを使えるようになった

アポロ計画が終了したあとも、宇宙食は改良されました。
たとえば今では、
* 技術が進んで船内が広くなり、これまでなかった「ダイニングルーム」ができた
→椅子に座ってテーブルの上で食べられるようになった
* 冷蔵庫・冷凍庫が常設されるようになった

ということで、ずいぶんと人間らしい食生活ができつつあるようです。

◆◆◆

いまから10年後の話です。

人類初の火星行きロケットの乗組員を NASA が募集しました。
定員は1名です。
しかもこの宇宙飛行は片道のみでした。
つまり、2度と地球に戻れないのです。
人類を代表して歴史的な快挙をなしとげるための、献身的なヒーローが求められていたのです。

最終選考に、3名の候補が残りました。

最初の候補者は、科学オタクの青年でした。
NASA の面接官は、報酬としていくら欲しいかを青年に尋ねました。
「1億円ほしいです」青年は答えました。「そのお金を MIT(マサチューセッツ工科大学)に寄付したいです」

2人目の候補者は医者でした。
面接官は同じ質問をしました。
医者は言いました。「2億円ほしいね。1億円は家族に残し、あとの1億円は医学の発展のために使いたい」

3人目の候補者は、なんとこのブログの常連、浮気農家のジョン・ソイビーンでした。
「きみは火星がどんなに遠くにあるか、理解しているかね?」面接官は言いました。「生きているあいだには地球に戻れないのだ。それほど遠くにある惑星なんだよ」
「よく分かっているでござる」ジョン・ソイビーンは落ち着き払っていいました。
「で、きみは報酬をいくら、ほしいのかな?」
ジョン・ソイビーンは面接官の耳元でささやきました。「3億円、頂戴したいでござるよ」
「ずいぶんと高くでたねえ」と面接官。「いったい何に使うのかね?」
「3億円受け取ったあかつきには」ジョン・ソイビーンは言いました。「貴殿に1億円を進呈いたそう。拙者も1億円、いただくでござる。で、先ほどの科学オタクの青年に火星に行ってもらえばよろしい」

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2007.10.12 00:31

インド料理店はフエタカ


松宮園生です。

このあいだまで帰国してました。
久しぶりに帰国するといろんなものが新鮮に
見えます。
例えば
* 満員電車がミョーに面白かったり
* タクシーやレストランでチップを払わずに
済むのにホッとしたり
* かつて見慣れた道が分かんなくてそれが
楽しかったり
* 女性がみんなスリムに見えて
「よりどりみどりじゃん(何が?)」
と思ったりとか。

あと、全体的に日本はやかましいですね。
人口密度が高いからだと思いますが。

◆◆◆

ところで東京あたりではエスニックの店、とくにインド料理店がかなり増えた気がしますが、気のせいでしょうか?
かつては繁華街にしかなかったのが、そのへんの住宅街の一角にインド料理店がふつうに何気なくアタリマエにオープンしている気がします。

先日、
「今日は起きてから寝るまでに偶然目撃したインド料理店の数を、メモっておこう」
というのをやってみたら、11軒ありました。
全部、違う店です。
重複はありません。
この数字、どう思います?

インド料理店が増えているとしたら、その原因のひとつは地球温暖化なのかもしれません。
日本はもはや亜熱帯気候になっているように思いますが、九州あたりでは熱帯の果物であるマンゴーが栽培されるようになっていますね。
バナナなんかも、国産のものが出回ったりしてます。
ようするに日本は暑くなったわけで。
暑くなると、インド料理のようなものを食べたくなったりするそうです。
カレーは体温を下げる働きがあるそうなので、人は無意識にその効果を求めてインド料理を食べるのかも。

で、たとえば1億2千万人の日本人がインド料理を年間にどれくらい食べるかを考えてみましょう。
日本がこんなに暑くなる前は、
「ひとり平均、年に1回、インド料理を食べる」
だったとします。
これが、暑くなったせいで
「年に2回、平均で食べる」
ように変ったとします。
つまり、1回が2回に増えました。
平均値の1人の人間からすれば、年に1回が年に2回に増えただけですので大したことはありませんが、
日本人全体でみると、1億2千万回、インド料理を食べる回数が増えたことになります。

年に1億2千万回増えた、ということは、
1億2千万回÷365日=33万
つまり、1日あたり約33万回、インド料理を食べる回数が増えたことになります。
33万食のインド料理が、毎日必要になります。
仮に、インド料理店は1店あたり60食を毎日提供できるとすると、
33万食÷60食=5500
つまり、新規に5500店のインド料理店が増えないと、
「年に1回、平均で食べる」から「年に2回、平均で食べる」
という変化(増加)に対応できないのです。

そんなわけで、日本が暑くなった結果、インド料理店は5500店も増えた。
5500店も増えれば、
「たしかに増えたなあ」
という気がするんじゃないかと思いますが…。

ちなみに、僕は年に24回くらいインド料理を食べます。

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2007.10.10 23:04

成りあがりトラクター その1


松宮園生です。

「農業やってみたい」
都会に住んでいる男性で、そう思っている人はけっこう多いようです。
むろん女性のなかにもそういう人はいますが、男性のほうが圧倒的に多い。
とくに20代と50代。
あるデータによると、
* 都会に住んでいる20代男性の85パーセントは農業に興味がある
* 都会に住んでいる50代男性の75パーセントは農業に興味がある
だそうです。
(30代・40代は仕事に精を出している人が多いため、農業に憧れる度合いは高くないようです)

もっとも、ここでいう
「農業に興味がある」
というのは漠然としています。
* 農業をしたいのか…
* 農業をしている人と友達になって、たまに遊びにいきたいのか…
* なんとなくエコとかロハスとかに惹かれ、田園ライフに憧れている程度なのか…
* 農業戦隊アグレンジャー(実在します)の一員となって正義のために悪と戦いたいのか…
バラバラだと思います。
(実在する農業戦隊アグレンジャーについて詳しく知りたい人はここをクリック)

まあそれでも、かなりたくさんの男性が農業っぽい世界に共感を持っていることは、間違いなさそうです。

さて、男性のうち20代と50代が特に農業に関心があると書きましたが、20代と50代とでは関心のタイプがちょっと異なっています。

まず50代からいうと、
「農業で生計をたてよう」
てな人は少数派です。
趣味農業とか、週末農業とか、園芸とか、そんなノリです。
趣味ですから、贅沢です。
費用なんかもあまり気にしません。
当然、有機農業を目指します。
有機農業はある意味、贅沢です。
「有機農業って、農薬も使わないし、化学肥料も使わないんだから、安く作れるんじゃないの?」
そう思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、大間違いです。
有機農業は農薬を使わないので、害虫のリスクにさらされます。
有機農業は化学肥料を使わないので、作物の成長がゆっくりになります。
有機農業はたいへんメンドーですので、作業量が増えます。
つまり、収穫量が減ります。
収穫量が減れば、費用は割高になりますよね?
農業代・化学肥料代はたしかに浮きますが、作業量が増え収穫量が減る影響のほうが大きいので、割高になるのです。
つまり、有機農業は贅沢なわけです。

有機農業は贅沢ですが、50代男性は平気の平左(←死語)です。
だって、趣味だもん。
ふだん料理をしない男性が、たまに作るカレーがやたら贅沢な食材を使ったりするのと同じです。
で、作った農作物は自分で食べる以外には友人に配ったり、産地直売所で販売したりします。
彼らが作る有機作物は「生計をたてる手段」ではありませんので、産地直売所での販売価格は善意で安かったりします。
問題はココ。
彼らが善意で安くしたために、近所で商売している「本気の農家さん」の作物が売れなくなり、値下げを余議なくされたりするそうです。
皮肉なことですが、善意の隣でなんというか、ちょっとした悲劇が生まれたりするわけです。

一方、20代で農業を始める気持ちのある人は、
「農業という人生を選ぶ」
という意識になります。
要するに、「本気の農家さん」になるわけです。
彼らの多くも有機農業をやりたいと思っていますが、本気ですので、
* いかにコストを下げて有機農業を実施するか
* いかに付加価値をつけて高く買ってもらうか
ということを、農業を始めたあとは必死で考えるわけです。
善意で値下げするようなことはしないんじゃないかな。

なお、20代の場合、IT業界の人がもっとも農業に強い興味を持つ傾向があるようです。
おそらく普段の仕事が「人工づくし」であるために、その対極にある1次産業、とくに農業に対するあこがれを強くするのでしょう。
2年ほど前のことですが、あるIT企業から若手社員の研修を頼まれて講師をしたことがあります。
出席者の数は50人でした。
みな、20代でした。
そこで僕はこういうことを言いました。
「おうてめえら。おうおうおう。将来のいつか、農業をやってみてえと思ってるふてえ野郎はいるか? ああん?」
するとどうでしょう。
50人の出席者のうち、48人が手を挙げたのです。
挙げなかった2人は、女性でした。
「やるじゃねえか、おめえら」
そういう僕の声は、涙でふるえていました(←んなわけ、あるかい)。

ま、IT業界の若者が農業に憧れるのは、単に疲れてストレスがたまっているだけなのかもしれないけど。

というわけで結論です。
バウムクーヘン野郎である僕は、日本のホンキ農業マンを増やすために、IT業界の若者を次々と誘惑しようと思います。
ホモとは違う意味で(笑)。

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2007.10.08 21:49

ヤギアナ


松宮園生です。

テケテケ村でイチゴ農家をしている小判大介君は、
僕の舎弟でもあります。
このあいだ、久しぶりに小判君とビールを
飲みながら昔話をする機会がありました。

こんな昔話を思い出しました。

◆◆◆

彼がまだ学校で農業の勉強をしていたころ。
小判君と僕はテケテケ村のはずれを歩いていて、大きな穴を発見しました。
直径が2メートル近くある穴で、恐る恐るのぞきこみましたが深くて底が見えません。

小判君がそのへんの石ころを投げ入れてみました。
穴の底に落ちるまで何秒かかるか測ろうとしたのです。
しかし、何の音もしません。

「ものすごく深い穴のようですね」小判君は言いました。「もっと大きい石を放ってみましょうか」
「そうしよう」
僕も賛成し、大きな石を見つけて2人で持ち上げました。
「これは石というより、ちょっとした岩ですね」

せーの、でその「岩」を穴に投げ込みました。
耳をすまして「岩」が底を打つ音を聞こうとしました。
小判君は腕時計を見ながら時間を測っています。

ところが、待てど暮らせど音がしませんでした。

「信じられない」小判君があえぐように言いました。「もっと大きいのを探しましょう」

もっと大きいの、といっても、なかなかそれらしいのは見当たりませんでした。
そのかわり、古くなってもう使われていない電柱が何本か、斜めになっていたのを発見。
小判君と力をあわせてそのうち1本を引き抜き、重たいのをずるずると穴のふちまで引きずりました。

「落とすぞ。自分が落ちないように気をつけろ」
「気をつけます。先輩も気をつけて」
やっとの思いで電柱を穴に投げ入れました。

しかしそれでもなお、音はしませんでした。
小判君と僕は顔を見あわせました。

そのときです。
突然、どこからか山羊が現れました。
ものすごい勢いで走ってきたのです。
その勢いのまま、山羊はわれわれの傍を通りすぎ、なんの躊躇もなく穴に飛び込んでしまいました。

唖然としました。
小判君も、目をまるくしています。

するとそこにミスミのジイサンが現れました。
(ミスミのジイサンについてはここをクリック)
「あんたら、わしの山羊を見なかったか? 白兵衛というんだが」

僕は、いま目撃した出来事を話しました。
山羊がすごい勢いで駆けてきて、穴に飛び込みましたと。

「うーん。それはウチの山羊じゃねえと思うな」ミスミのジイサンは言いました。「白兵衛の縄はそこの電信柱にしっかりくくりつけておいたからな、走って逃げるなんて、できねえはずだ…」

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2007.10.07 01:56

ダンス・ダンス・ダンス


松宮園生です。
 
みなさん。
「健康音頭」って、歌いたい? 踊りたい?

◆◆◆

先日、ある病院が健康音頭を作ったそうです。
題して、
「おヘそのまわりは何センチ メタボリック症候群ラプソディ」。
歌詞はこんな感じだそうで。
 ↓
♪ あっああダメダメ ダメよ メタボリック症候群
♪ あ? ヘイ!飲みすぎ食べすぎ ご用心?。
♪ 予防に勝る医療なし イエーイ!

(感想)
イエーイと言われても困るのですが。
「あっああダメダメ ダメよ」のところは違うことを想像してしまいました。

そのとき、僕の脳裏に衝撃的な考えが浮かびました。
も、もしかしたら「健康音頭」はこれだけじゃなかったりして…。
ほ、他にも「健康音頭」が作られてたりして…。

まさかとは思うが、怖いものみたさで調べてみました。

◆◆◆

ある自治体の保健所が「健康音頭」を作っていました。
こんな歌詞です。
 ↓
♪ いくつになっても気は若く
♪ 19・20歳を忘れない
♪ 適度な運動 筋力アップ
♪ 元気な体を作ります
♪ 健康作りは 健康作りは 幸せ作り

(感想)
昭和の香りがいたします。

◆◆◆

「山田健康音頭」というものも発見。
どこかの市町村の法律文に載っていました(←ホント)。
歌詞はこんなです。
 ↓
♪ ハアー
♪ みんな仲良く 智恵だし合って
♪ 砂糖ひかえめ 塩うすめ
♪ 辛(から)味(み)おさえて 味を出す
♪ 汗をながして 健康音頭
♪ 歌う門(かど)には 福がくる 福がくる

(感想)
ハアー、そうですか…。

楽譜を見たいという酔狂な方は、ここをクリック。

◆◆◆

「泉州健康音頭」っつーのもあったぞ。
歌詞は琵琶法師の平家物語か! と高度なツッコミをしたくなるほどの長文でありまして、ここに書ききれません。

歌詞を読みたいというむこうみずな方はここをクリック。
振付を見たいという勇敢な方はここをクリック。

◆◆◆

ついでに「野菜音頭」を発見しました。
「♪ 野菜音頭で サーイサイ(菜々)」
というのが決め台詞のようです。

歌ってみたいガッツな方はここをクリック。

◆◆◆

<調査を終えての感想>
いやー、なかなかその、名作・大作ぞろいでございまして、微妙にトホホな気持ちにさせていただきました。
早いとこ21世紀に戻りたいと思います。

(以下次号、なんてありえません)

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2007.10.06 09:38

アゴヒゲ その4


松宮園生です。

前回までのあらすじ)
駄目ビジネスマンをカモに日々の糧を稼いでいる
アゴヒゲ。
清水の次郎長風にいうと「ケチな野郎でござんす」。
そんなアゴヒゲにつきまとわれて困った
「新世紀エバンゲリ食品研究会」
は、松宮園生にアゴヒゲ退治を依頼した。
しかしその松宮園生もアゴヒゲにカモられた情けない過去を持つ。
果たして対決の行方はいかに?
最後に笑うのは誰か…?

◆◆◆

「新世紀エバンゲリ食品研究会」は、21世紀の新しい科学知識を総動員して新型食品を開発しようとする食品メーカーの集まりでした。
アゴヒゲはその会合にずうずうしく顔を出しています。
理系でもなく食品科学に詳しいわけでもなく、そもそも食の世界にもたいして通じていないアゴヒゲは、この会合のコーディネーターとしてメンバーから何か仕事をもらうことをネラっています。

しかし「新世紀エバンゲリ食品研究会」からみると、本来関係のない人がいつのまにか会議の常連になっている。
何ともいいようない違和感です。

かといって排斥するわけにも生きません。
なぜならこの研究会は
「興味のある人なら誰でもどうぞ」
という原則だったからです。

だったら始めから「限られた人だけの会合」にすればいいじゃん。
と普通は思うんですけど、まあそこは一筋縄でいかない本音と建前の「昭和のオトナ」が見え隠れしています。

「松宮どん。おぬしアゴヒゲに詳しいんだろ。なんとかしてくんろ」
研究会のあるメンバーが僕にコンタクトしてきました。
要は、アゴヒゲの気をそらして退会させたい、というものです。
「ただでとは言わん」依頼者の人は言いました。「無記名のオーストラリア国債で200万ドル、用意したぞい」
アタッシュケースがおもむろに開かれました。


嘘ですね。
ゴルゴ13じゃあるまいし、こんなカッコイイ場面などあるはずがありません。
実際の報酬は、
「アゴヒゲを追い払うことができたら、松宮を新世紀エバンゲリ食品研究会の名誉会員にしてやる」
という何だかよく分からないものでした。

それでも松宮は、
「いつもアゴヒゲにナメられているのを仕返ししたい」
という動機で、この依頼を受けることにしました。

◆◆◆

僕の考えた作戦はこうです。

新世紀エバンゲリ食品研究会のメンバーはいろんな食品会社の社員です。
しかし、純粋な学者先生はいません。
学者先生がメンバーに入ってくれたら会に箔(はく)がつきます。
よし、学者先生を入れよう。

その学者先生を勧誘する役目を、アゴヒゲにやってもらおう。
「仕事ができた。おれの素晴らしさを見せつけるチャンスだ」
と、アゴヒゲは喜び勇むにちがいない。

そこにつけこむのだ。
ひひひひひ。

学者先生だが、誰にしようか?
そこでサマンサタバサ所長が登場します。

茨城県の人里離れたところに、「食品魔術研究所」という有名な研究所があります。
何がどう有名かというと。
そこの所長さん、人呼んで(←死語)サマンサタバサ氏、はクイズ魔でした。
クイズに答えられないと所員はクビ、来客はお茶も出さず追い出す、という人物だったのです。

さっそく僕は「食品魔術研究所」にお試し電話を入れました。
「食品魔術研究所です」
「食育プロダクションの松宮園生と申します。サマンサタバサ先生はいらっしゃいますか」
「おります。いまからクイズを出しますので、見事正解していただいたらおつなぎいたします。昔の日本人が食べていた『山鯨』とはなんでしょう」
「や、山鯨? クマのことか?」
「残念、不正解です。ではごきげんよう。正解は自分で調べてください」
ガチャリ。

すげー。
噂どおりだ。

クイズに答えられなかったのは悔しいが、まあよい。
電話をとりついでもらうのさえこんなに難しいのだから、ましてや入会の説得など至難の技に違いない。

サマンサタバサにアゴヒゲをけしかける。
まず間違いなくアゴヒゲは玉砕するだろう。
で、屈辱のあまりアゴヒゲは、「新世紀エバンゲリ食品研究会」を脱会するのだ。
ひひひひひ。

残忍な笑い声の松宮。

アゴヒゲ危機一髪!
がんばれアゴヒゲ。
卑怯な松宮の野望を打ち砕け!

  ん? なんでアゴヒゲを応援してんだっけ?

(以下次号)

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