松宮園生です。
ある日、こんなメールが来ました。
<メールここから>
松宮園生ことバウムクーヘン野郎様。
突如、毎回お世話です。
わたくしは安徽省から住んでいる中国の崔石と
申し上げます。
一生懸命金持ちなので農業を利用していますが、
お友達日本のバウムクーヘン野郎様からお友達の
名前を聞きましたメール初めて驚きすみません。
よろしくお願いどうぞいたしますか?
本題としては日本では農業カモですが安徽省は
農業アヒル強力が大問題します。
ぜったい日本にアヒル強力ですが、もともと日本は
歴史アヒルだと人は言う、でも21世紀日本人はカモ強化です。
万全ですが侵略できませんのでターゲット上海日本人アヒルが侵略すべき方法を相談メールよろしくどうぞ。
報酬ともどもよろしくください。
携帯電話お返事つながりしだい待つ示す崔石、安徽省。
<メール終わり>
なんとなくものすごく漠然と言いたいことが想像できる気がしますが、でも全然よく分かりません。
しかもこれ、
「報酬よこせ」
と言ってるんでしょうか?
ど、どうしよう…。
無視しようかな。
びくびくしていたら、メールが来た翌日、電話がかかってきました。
「もしもし松宮?」
「はあ」
「中国の崔石と思います。日本語、松宮は足手まといで中国語話すか?」
「中国語はできません」
「したがって日本語便利ですか? よござんす電話そうしましょう。勉強日本語5年です。それはそうですが昨日のメール読んだりできますか」
「メール読みました。よく分からないんですが」
「農業アヒルです。農業アヒルで、安心安全。食べもの日本人食べたいですね? 安徽省は農業アヒル強力です」
「はあ」
「お金ばらまいたらわたくし安徽省有名です。安徽省農業経済部長お金ばらまいて農業アヒル強力です」
「はあ」
「松宮ががんばって農業アヒル日本人みんな納得する侵略したい。安徽省アヒル優秀な育成大規模です」
「アヒルを、日本に輸出したいんですか?」
「それ全部で不十分です。安徽省の農業アヒル強力を使って日本の農業強力、わたくしは大事にします」
「アヒルだけでは不十分ですか?」
「もともと歴史は日本のアヒル詳しく知ってませんか?」
「歴史?」
「その通りです。それ2回言っても大丈夫です。稲作だけ違う喜びます。長く走る自給率喜びあわせます」
だ、ダメだ。
脳が溶けてしまいそうです。
「ちょ、ちょっと待ってください」僕は言いました。「たいへん失礼ながら、崔さんの日本語はさっぱり分かりません。英語じゃだめですか?
「英語。オーケー。勉強英語1年お金ばらまいたら使う」
この崔とかいう人物はそれから英語らしい言葉でで何やらまくしたてましたが、やっぱり全然理解できませんでした。
聞き取れたのは、「ダック(アヒル)」「ジャパン」「シャンハイ」この3語だけです。
「すみません、英語も分かりません」僕は言いました。「日本語、ちゃんと話せる人に通訳してもらってください。失礼ですけど、崔さんの日本語は日本語のようで日本語ではないです」
「ちゃんと通訳あたらしく話しますか?」
「お願いです。通訳を雇ってください」
「でもわたくし勉強日本語5年お金ばらまいた使います。優秀日本語先生言いました」
「日本語の先生って、どんな人だったんですか?」
「日本語先生シャーメイ熱心学びます。シャーメイこのあいだ日本長かったら留学かもしれない」
そうか。
崔さんあんた、留学生から日本語を教わったわけね。
お金ばらまくんだったら、日本人から日本語習えばよかったのに…。
なんて言ってもしかたがないので、僕は崔さんに
「通訳をやとって、あらためて電話してこい」
という意味の要望をやっとの思いで伝え。電話を切りました。
でもよく考えたら。
中学・高校と日本人の教師に英語を習った僕の英語って、アメリカ人が聞いたらこんなふうに聞こえるのかなあ。
とほほ。
◆◆◆
1か月ほとたったころ、崔さんから電話が来ました。
「安徽省から崔石です。沙汰ですね。松宮話しますか?」
「松宮です」
「覚えている通訳良好です。線に載ります」
線に載ります?
オンラインと言いたかったのかな。
「もしもし。ヤマナカと申します」
女性の声に代わりました。
日本人だ、よかった。
ほっと胸をなでおろし(←死語)ながら、
「マツミヤです。通訳よろしくお願いします」
「いえあの、通訳したら300ドルくれるっていうので受けたんですけど」ヤマナカさんは戸惑ったように言いました。「分かったのはそこだけで。崔さんの中国語、なに言ってるかさっぱり分からなくて…」
(以下次号)