松宮園生です。
(前回のあらすじ)
稼ぎの悪い「ダメビジネスマン」からお
金を巻き上げようと奮闘するアゴヒゲ。
巻き上げようとするアゴヒゲも情けないけど、
アゴヒゲに目をつけられるダメビジネスマンも
情けないなあ。
とほほ(←死語)。
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ゲノム解析という言葉を聞いたことありますか?
ゲノムというのは遺伝子のこと。
ゲノム解析というのは、生き物の遺伝子がどういう順番で並んでいるのかを調べることです。
人間の遺伝子はたしか「塩基配列」というものを数えると30億個あります。
この30億個がどんな順番で並んでいるのかを突き止めようと、世界中の科学者が競いました。
今世紀初頭の話です。
「今世紀初頭」と聞いて日露戦争(1904年)や第1次世界大戦(1914年)を思い浮かべた方、あなたは昭和すぎます。
今はもう21世紀ですよ。
今世紀初頭というのは、2001年とか2002年のことです。
さて、激しい競争を制してゲノム解析に成功したのはアメリカ企業でした。
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ゲノム解析が成功したニュースを聞き、多くの食品会社が考えました。
「ゲノム食品というのが、できるかもしれない」
ゲノム食品とは、食べる人の遺伝子のタイプに応じて作られた食品のことです。
遺伝子組みかえ食品のことではありません。
たとえばこうです。
ニンニクとブロッコリーはともにガン予防によい食べ物と言われています。
しかしひょっとしたら、僕はニンニクには向いているけど、ブロッコリーは食べないほうがよい人間かもしれません。
(ブロッコリーのガーリック炒め、大好物ですが)
そういう、
「食べものとの相性」
が、遺伝子を調べることによって分かるかもしれないのです。
好き嫌いはよくないと言われますが、好き嫌いの原因は遺伝子の命令なのかもしれません。
僕は牛乳が苦手ですが、ひょっとしたら、もともと僕は牛乳を飲んではいけない人間なのかもしれません。
「食べてはいけない食べもの」
が、遺伝子を調べることによって分かるかもしれないのです。
逆に、
「食べるべき食べもの」
も、遺伝子を調べることで分かるかもしれません。
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日本の食品メーカーさんが集まってゲノム食品の研究会を作りました。
名づけて、
「新世紀エバンゲリ食品研究会」
不味そうな、というか、お腹を壊しそうな名前ですね…。
この研究会、皆さんよくご存知の食品会社10社と、ちっこいベンチャー企業10社くらいで作りました。
月に1ぺんくらい集まってゲノムに関する情報交換をしましょう、というところからスタートしました。
そのうち、ゲノム食品を共同開発できたら面白いよね、くらいの心づもりです。
ここでアゴヒゲが登場します。
「新世紀エバンゲリ食品研究会」に参加している企業のひとつは、アゴヒゲがむかし勤務していたところだったのです。
そのツテでアゴヒゲはこの研究会に顔を出すようになり、そのうちあれやこれや口を出し始めました。
とはいえ文系人間のアゴヒゲはべつにゲノムに詳しいわけでもなく、口を出し始めたといってもべつに的確な発言をしているわけでもありません。
研究会のほかのメンバーにとって彼は
「なんとなく煙たい存在」
「困ったちゃん」(←死語)
だったようです。
「ゲノムに興味ある人ならだれでも参加できる会」
にしてあったため、煙たいアゴヒゲをお払い箱にするわけにもいきませんでした。
アゴヒゲはそんな空気はさっぱり読めないので、相変わらず張り切って研究会にやってくるわけです。
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アゴヒゲの KY (空気読めない)ぶりにほとほと手を焼いた研究会は、ついにある人物に救援を求めます。
世紀末救世主、松宮園生の登場です。
文系だけど。
(以下次号)