松宮園生です。
(前回までのあらすじ)
神様が「メタボ地獄」「ウエルネス天国」の経営に
邁進なさっているころ、地上では
「メタボ撲滅同盟ニキータ」
による「メタボ人間狩り」が続いていました…。
◆◆◆
「日本食育大学」
食育の世界の東大と呼ばれ、食育萌え偏差値65以上の人が収容される更生施設として有名でした。
かつて松宮園生はそこで助教授をしていましたが、ろくな論文が書けないのと、本来の性格の悪さのために、教授選には落選しつづけていました。
「あの人は助教授どまりだな。つーか、よく助教授まで来れたよな」
学生のあいだでもそんな評価が定着しまして、勉強熱心な学生は松宮助教授の講座にあまり来なくなりました。
松宮助教授は地団駄を踏んで(←死語)悔しがりましたが、自分のせいですから、しかたがありません。
こんなウワサも学生のあいだに飛び交っています。
1)「松宮(←呼び捨て)の本って、生協で200円でたたき売りされてたけど、200円でも買う気しないよね」
2)「松宮って、料理できないんだってさ」
3)「松宮のやつ、美人女子学生をみかけると合コンしよう、合コンしよう、とやかましいらしいぞ」
4)「松宮のところに、メタボ撲滅同盟ニキータから予告状が来てるらしいよ」
5)「松宮って、右目と左目が同じ位置にあるよね」
このウワサの真偽につき、コメントします。
1) 大きなお世話です。
2) それは本当です。
3) 女子学生のほうから合コンしよう、合コンしようと言ってくるのです。僕からではありません。
4) 来てます。今朝メールをチェックしたら「あと294日」と出ました。
5) んなわけ、あるかい!
◆◆◆
小判大介(現在はテケテケ村でイチゴ農家をしています)
タピ岡秋彦(現在は淡路島でタマネギを作っています)
彼らは、かつて日本食育大学の同級生でした。
小判大介については以下をクリック。
「農家の嫁と山羊のメリー 前編」
「農家の嫁と山羊のメリー 後編」
「葉竹さん vs 小判君 vs ミスミのジイサン 前編」
「葉竹さん vs 小判君 vs ミスミのジイサン 後編」
「小判大介の元カノ 前編」
「小判大介の元カノ 後編」
タピ岡秋彦については以下をクリック。
「魔のレシピ学 その2」
さて、前期の試験が迫ったある日のこと。
「メタボ撲滅同盟ニキータのアジト(←死語)が軽井沢にあるらしい」
そんな情報を聞きつけた小判大介とタピ岡秋彦は、そのアジトを探すために軽井沢に向かいました。
小判大介の叔父さんが軽井沢に別荘を持っていたのも幸いでした。
「せっかく軽井沢の別荘に行くんだから、男2人じゃちょっとなあ」
そう考えた彼らは女の子を片端から誘ったのですが、全員に断られました。
結局、男どうしで出かけることに。
試験勉強もしなくちゃいけないし、女の子も来ないんだったら、行かなきゃいいじゃん。
と言いたいところですが、いま話題のニキータのアジトを探す冒険、という誘惑には勝てなかったようです。
しかし、アジトはなかなか見つからず。
「もう1日探そう」
「もう1日探そう」
などとしてるうちに、試験日になってしまいました。
2人はあわてて大学に戻りましたが、試験初日に遅刻してしまいました。
松宮助教授の試験を受けることができなかったのです。
松宮助教授の試験は、本人は難しい問題を出したつもりなのですが、学生から見るとカンタンな試験で有名でした。
いわゆる
「楽勝科目」
だったのです。
その楽勝試験を遅刻で逃してしまったのは、小判・タピ岡両名にとっては痛い話です。
2人は松宮助教授のところに、遅刻した理由を説明しにいきました。
小判大介が言いました。「じつは僕たち、先生の科目を真剣に勉強しようと思って、軽井沢で合宿したんです。試験に間にあうように戻るつもりでした。それで昨日、大学に戻ろうとしたんですが、途中で車のタイヤがパンクしました」
タピ岡秋彦が続けて言いました。「スペアのタイヤを持ってなかったのでJAFを呼んだんですけど、待てど暮らせど(←死語)来てくれなくて、やっと来たくれた時はもう今朝だったんです。それで遅刻してしまいました」
松宮助教授はしばらく黙っていましたが、やがて言いました。
「オッケー。では特別に、きみたちの試験をしよう。明日の10時に始める」
2人はホッとしました。
翌日10時、彼らが大学に現れると、松宮助教授は2人に別々の教室に入るよう指示しました。
で、彼らは別々の教室で試験を受けました。
問題用紙は2枚ありました。
1枚目には、カンタンな問題が10個並んでいました。
1問あたりの配点は1点でしたので、全部で10点です。
「やっぱし楽勝だ」
2人はともに鼻歌を歌いながら解答を書きこみました。
2枚目の問題用紙には、問題が1つだけ書かれていました。
こんな問題です。
「で、どっちのタイヤだったのか? (配点 90点)」