松宮園生です。
寿司屋でたとえばイカを注文する
とします。
つまみを2品ほど食べたあと、
「そろそろ握ってくれますか」
「何をにぎりましょうか」
「手始めにイカください」
「アオリイカとヤリイカがありますが」
「そうですねえ。じゃ、ヤリイカを」
こんな会話をするわけです。
むかしデートのとき寿司屋でこの
会話をしたら、友達以上彼女未満
(←死語)の連れがいいました。
「アオリイカとヤリイカ、どう違うの?」
「あー」焦る松宮。「さっきの映画、
面白かったね」
「もう1回だけ聞くわよ。アオリイカとヤリイカ、どう違うの?」
観念して(←死語)土下座する松宮。「すみません。分かりません」
「じゃあなんでヤリイカを選んだの?」
「あー」
質問地獄。
じつは、いま同じ質問をされても、やっぱり答えられません。
(いい加減、調べるなり聞くなりしろよ)
ようするに、生まれてから今日まで×××年間、僕はアオリイカとヤリイカの違いを知らずに生きていたわけです(←3桁か)。
◆◆◆
アメリカ人のことを、僕はいつもメリケンと呼んでます。
メリケンを接待して寿司屋に行ったとします。
メリケンが魚の切り身を興味深そうに指差して
「アレハ何? コレハ何? アッチハ何? アソコデ動イテイルノハ何? アノ女性ハナンデ泣イテルノ?」
やかましく聞いてきます。
ああうるさい。そんなに興奮すんなよ。
と言いたくなるのを我慢して、さあここで問題です。
寿司ネタ、英語で言えますか?
辞書なしで。
正解はどうでもよいというか、ご自分で「知ってるよ」と思う数を数えてください。
<問題>
甘エビ
アワビ
イカ
イクラ
ウナギ
ウニ
カニ
サバ
タイ
タコ
ニシン
ホタテ
マグロ
ミル貝
<判定>
「知ってるよ」の数で判定します。
正解かどうかは問いません。
0個:安土桃山級。安心してください。こんなの言えなくったって、生きていけます。
1個:幕末級。水道のことをヒネルトジャー、あんパンのことをオストアンデルというのと同じレベルです。
2個-5個:日露戦争級。戦争には勝ちましたね。その調子で、メリケンを果敢に攻めましょう。
5個-8個:第1次世界大戦級。いけいけどんどん(←死語)のあなたです。健康に気をつけましょう。
9個-12個:バブル級。うそ、ついてませんか? 株価、大丈夫?
13個以上:安部内閣級。友達いる? 煙たがられてない? ちゃんと合コン、呼ばれてる?
◆◆◆
しかしアレだね。
無事に寿司ネタを英語で言えたとしてもです。
メリケンどもは、それを教わったところで、意味あるのかな?
たとえば、教わる立場になったとしましょう。
どこかの国を旅行して、偶然出会った現地在住日本人と一緒に、地元のレストランに行きました。
そこに
「セロロロザレレレの炒め物」
というメニューがあったとします。
「セロロロザレレレ? 何これ?」と僕が質問します。
「これはね」彼女はいいます(←彼女なわけね)。「高山植物の名前。おいしいよ」
「どんな植物」
「日本語でいうと、カキノモトノヒトマロソウ」
「なるほど!」
なるほどじゃねーだろ。
カキノモトノヒトマロソウって言われて、分かるのかよ。
これと同じ現象が、「メリケンを接待して寿司ネタを教える」場面にも当てはまるんじゃないかな。
「この魚、何デスカ?」
「Gizzard Shad (こはだ)だよ」
「I see. (なるほど)」
I see. じゃねーだろ。
Gizzard Shad って言われて、あんた分かるの?
築地か?
◆◆◆
しかし実際のメリケンは甘くないのです。
実際にはこうなります。
↓
「この魚、何デスカ?」
「Gizzard Shad (こはだ)だよ」
「Gizzard Shad? ワカリマセン。ドンナ魚デスカ、ソレ?」
説明地獄。
(次号はありません)