ホーム > マツミヤ倶楽部 >

スポンサードリンク
2007.08.31 12:00

ミスフラワー


松宮園生です。

今回の文章は、
食育度:★☆☆☆☆
(5点満点で1点)
です。
ようするに、
「こんなの食育の話じゃないんじゃない?」
とカクジツに叱られる内容です。
ご容赦。

◆◆◆

熱き血潮のたぎる、若き松宮園生が、テケテケ商事を辞めて独立したのは、今から5年前の早春のことです。

「今日から僕は青年実業家さ。日本一の食育会社を作って、ブイブイ言わせるぞ(←当時すでに死語)」
事務所を東京の渋谷に構えた松宮は、窓から見える夕陽に向ってそう叫んだのでした。

(西日の入る部屋だったんだね)
(夏がどんなに暑いか、このときは分からなかったんだね)

あれから5年。
僕も大人になりました。
じつは昨日、かつて事務所のあったところを偶然通りかかりました。

懐かしいなあ。

といいつつ、よく見まわしてみると。
周りの飲食店がほとんど入れ替わっていたのに驚きました。

噂に聞いてたけど、渋谷って浮沈が激しいんですね。
渋谷で飲食店をするのって、たいへんなんですね。

◆◆◆

5年前その事務所に入居した初日のことを思い出しました。

知り合いが開店祝いの花を贈ってくれたのです。

ところが花屋の手違いで、こんなメッセージが添えられていました。
「お悔やみ申しあげます。眠りが安らかなものでありますように」

僕はムカつきました。
花屋に電話し、釈明に来いとわめきました。

しばらくして花屋が菓子折りも持たずに手ぶらでやって来ました(←期待していたわけね)。
「えろうすんまへん」
オーバーオールを着たメタボ気味の花屋は、ごまかし笑いをしながら言いました。
「わての手違いで不愉快な思いさせてもてホンマ、堪忍堪忍。おたくの事務所開きの日に、すまんことしてもうた」

「なんで笑ってんだよ」
僕は花屋につめよりました。
「なんだその態度。気分わりいな。しかも手ぶらだし」

「すんまへん。わて、こんな顔してますさかい、笑(わろ)とるように見えてもうんやけど、人は見かけによりまへん。笑(わろ)とりまへんのや。ホンマ、反省してますねん」

手ぶらかと思ったら、花屋はポケットから何かを取り出しました。
「これ、お詫びの印でんがな」
手渡されたものを見ると、映画「食育残酷物語」の試写会の券でした。
しかも1枚。

「何だこれ? こんなもの、どうしろってんだよ」
しかし花屋はそれには答えず、
「おたくの社長はんにも、えろうすんまへん、これからも贔屓に頼んますわ、言うておくんなはれ」
いけしゃーしゃーと(←死語)のたまいました。

「何だと。自分で言えよ。てゆーか、社長はオレだっつーに」

すると花屋は頭をぽりぽりかきながら、
「ああ、そないでしたか。あんたが社長。へえ。あんたが社長ねえ。まあええわ。えろうすんまへん。堪忍な、堪忍な」
と言いました。

「バカにしてんのか」
「バカになど、しとりませんがな」
「じゃあなんだよ、その態度は」

花屋は溜息をつき、ハンカチで汗を拭きながら言いました。
「社長はん、そないに怒らんといてえな。誠実に謝っとるんやさかいに」

「あんたね。被害者はオレだろ」

「まあまあ、そう言わんと」花屋は落ち着いたものでした。「カッカする前にもう1人の被害者のことを想像してみなはれ。そっちのほうが気の毒や思うたら、腹も立ちませんがな」
「もう1人の被害者?」

「そうだす」花屋は言いました。「ええどすか、社長はんのところにお悔やみ状が行ったゆうことはやで、代わりにどこかの葬式でこんな電報が読み上げられとるちうことや。『おめでとう! 新天地で心機一転、成功を祈る!』」

人気ブログランキング ← 応援クリックおねがいします。

  • ブックマーク:
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク
  • この記事をクリップ!
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • この記事をChoix!
2007.08.29 08:28

アゴヒゲ その2


松宮園生です。

前回のあらすじ)
食育好きの駄目ビジネスマンをターゲットに、
「食育バンザイ」という役に立たない本を2500円で
売りつける商売をしているアゴヒゲ。
あわよくばそのまま「押しかけコンサルタント」として
相手の事務所に居座ろうとする、困ったオジサンでした。
しかし松宮園生は「食育バンザイ」を買ってしまいます。
3000円出して500円のおつりを受けとるはずなのに、
アゴヒゲは小銭がないから次回持ってくるという。
アゴヒゲの来訪に怯える毎日が、始まったのでした。

◆◆◆

事務所で食事をしているところに、アゴヒゲが現れました。
「あーっ」
と、アゴヒゲは指さして言いました。
「あんた、こないだ言ってたアミダラ姫の漬物っていうのは、それか?」

「さみだらのはさご漬け」
僕はぶっきらぼう(←死語)に答えました。
「美味だけど、あんたに食わせるほどたくさんはないよ。それより、こないだのおつりの500円はまだなの」

食事はほとんど終わるところでした。
さみだらのはさご漬けはまだタッパーウェアにたくさん入っていましたが、僕はこれ見よがしにふたを閉め、冷蔵庫に入れてしまいました。
「つり銭500円、早く返してよ」

「ケチだな、あんた。客に漬物も出さんのか」アゴヒゲは言いました。「まあいい。アミダラ姫は好みのタイプじゃないんでな」
「何しに来たんだよ。500円、早く返してよ」
「まあまあ落ち着け。500円なんて、コイン1個だろ? それより、今日はいいものを持ってきてやったんだ」

アゴヒゲが鞄から取り出したのは、水の入ったペットボトルでした。
「ミネラルウォーターだ。けどそこんじょそこらのミネラルウォーターと一緒にするなよ。ほら、ラベルを見なよ。『真のミネラルウォーター』って書いてあるだろ? そうなんだ。これは真のミネラルウォーターなんだ」
「で?」
「鈍いなあ。あんたはこれをオレから仕入れるんだよ。1本50円で売ってやるから、あんたがこれをネットワークで100円で売れば、儲かるじゃないか」
「買えっていうの?」
「確かに世の中にはミネラルウォーターは何種類もあるよ。でもな、日本産に限っていうと、本物はこれだけなんだ」
「本物って、どういうこと?」
「よくぞ聞いてくれました」アゴヒゲは芝居がかった口調で言いました。「他のミネラルウォーターはな、ミネラルウォーターというのは名ばかり。実態は、浄水器でろ過したものばかりなんだよ。日本にはもう天然の水源というのがなくなっているんだよ。ただ1か所、富山県にあるだけでな、富山県の氷見市というところだ。この水はな、その富山県の氷見市の水源から取れた貴重な水なんだよ。…ちょっと待て」

いったん言葉を切り、アゴヒゲは資料の束を取り出しました。
「××大学の××教授がな、この水を分析してみたんだ。ほれ、ここだ。カシュー値というのが100を超えているだろ。カシュー値は滅多に50を超えないんだが、それが100もあるんだ。すごいだろ」
「カシュー値ってなに? その数字が大きいと、何がいいわけ?」
「えっ、あんたカシュー値を知らないのか?」
「知らないよ」
「いま話題になっているじゃないか。カシュー値が高いと、健康にいいんだよ。あきれたね。当然知ってるものだと思ってたから、説明資料を持ってこなかったよ」
「聞いたことないよ。ホントに話題になってるの?」

「あのな」
アゴヒゲは、怖い顔をして言いました。
「ビジネスで成功したかったら、もっと情報収集をしなきゃいかんよ、あんた。今どきカシュー値を知らないとはねえ。まあいい、カシュー値の分からんやつに、いくら説明しても無駄だからな」

アゴヒゲは、鞄から別のペットボトルを取り出しました。
「神話水」と書いてあります。

アゴヒゲが言いました。「これはな、別名、『天照大神ウォーター』と呼ばれている有名な水だ」
「誰が?」
「誰が、とは?」
「誰が、『天照大神ウォーター』って呼んでるわけ?」
「そりゃあんた、タレントとか、もう少しでノーベル賞候補と言われてる博士とかだよ。そうそう、思いだした、イチローが帰国したときに必ず行く有名な超高級お好み焼屋が四谷にあってな、そこの店長も飲んでるんだぞ」
「ふーん」
「感情表現の下手な人だね、あんた。もっと感心しなきゃ。天照大神が実在したという話は、知らんだろう?」
「知らない」
「実在したんだよ。島根県で本物の化石が見つかっている。化石を分析したら、紀元前8000年のものだと分かったんだ。その化石が発見されたところから、この水が取れる」
「そんな話、聞いたことないなあ」

アゴヒゲは僕の肩をポンと叩き、優しい目をしました。
「聞いたことがないのは無理もない。発見されたのは2002年のことだ。天照大神の全身の化石が見つかった。全身の化石だぞ。あまりにセンセーショナルなために、情報は公にされなかった。実物や写真は、国会図書館の地下12階の倉庫に納められている。国会図書館の地下12階というのはな、本来は日本の防衛機密が隠されるところなんだ。そこに納められたということが、どんなにスゴイかわかるだろ? 化石を発見したのは××大学の女子学生なんだが、国から情報の隠匿するように言われたのを拒否したために、殺されている。××市のストーカー殺人を覚えているか? あれの真犯人は、政府に雇われた殺し屋(←死語)だよ」
「ほんとかなあ」
アゴヒゲは僕の言葉を無視しました。「化石の発見されたところの地層がな、特殊な地層なんだ。調べてみたら、恐竜を全滅させたといわれる隕石の成分が大量に含まれていることが判明した。その地層を流れている水が、これだ」
「で?」
「で、とは?」
「その地層を流れている水の、どこがいいわけ?」
「よくぞ聞いてくれました」アゴヒゲは嬉しそうに言いました。「恐竜を全滅させたくらいの隕石だから、すごいパワーを持っていたのは明らかだ。そのパワーはな、本来は、恐竜を全滅させるのに使われたパワーの何倍もあったことが分かっている。ということはな、隕石のパワーはまだ全開していないんだ。余力があるんだ。使われずに秘められたパワーがまだ残っている。そのパワーを身につけたのが、天照大神だ。地層にもそのパワーが残っている。そのパワーを吸収した水が、これなんだよ。どうだい。仕入価格は1本48円にしといてやるよ。あんたはこれを100円で売るといい。何本ほしい? ちなみに1000本単位で注文を受けてる」
「ふーん」

「ふーんって、感動の薄い人だね松宮君。日本にこんなミネラルウォーター、これだけだよ」
「でもさっきあんた、本物のミネラルウォーターは富山県にしかないって、言ってなかったっけ?」

アゴヒゲは立ち上がりました。
「今日はこんなところで許してやろう。松宮君。あんたは独立したばかりだから少しアレだし、しょうがない部分もあるけど、もっと心の耳で人の話を聞くように心がけたほうがいいよ」

捨て台詞を残し、去っていきました。

「あっ、500円」
叫んだときには、アゴヒゲの姿はなくなっていました。

(以下次号)

人気ブログランキング ← 応援クリックおねがいします。

  • ブックマーク:
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク
  • この記事をクリップ!
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • この記事をChoix!
2007.08.28 01:37

彼女ほしい。by メタ坊


松宮園生です。

昨日書いた
「21世紀神様の悩み その2」
で、「メタ坊」というキャラクターのことに触れました。
そしたら、読者の方からキャラクターイメージを
送っていただきました。
これです。
(ワン・ツー・スリー)


   ヾ 、
 *(●●∂
  (。▽(人
  /┏━━┓)
 δ(┃ポテトФ〃
  |┗━━┛ノ
. ⊂_/?_⊃


あまりに僕に似ているので、愕然としています(笑)。

そこで、図に乗ってお願いです。
メタ坊の彼女「メタ子」を誰か紹介(=作画)していただけませんか?

(メタ子って、ネーミングセンスがジャイ子並ですね)

好みのタイプは
「僕より稼ぎのいい人で、できればキャメロンディアスに似てるかも」
です。
(誰の好みやねん)
(つーか、それはメタ子じゃねーだろ)

ちなみにメタ坊は僕と違い、同時に複数の女性とつきあうのに心理的抵抗はないそうです(笑)。

(以下次号)←続くの?

人気ブログランキング ← 応援クリックおねがいします。

  • ブックマーク:
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク
  • この記事をクリップ!
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • この記事をChoix!
2007.08.27 02:51

21世紀神様の悩み その2


松宮園生です。

前回のあらすじ)
急遽、地獄をもうひとつ増やすことにした神様。
名づけて「メタボ地獄」。
親からもらった大事な体なのに、運動不足と飽食に
まみれてダメにした罪。
そんな罪人が行くところです。
その代わり、親からもらった体を大事にして天寿を
まっとうした人間には新しい天国が用意されました。
「ウエルネス天国」です。

◆◆◆

で、「メタボ地獄」「ウエルネス天国」が開店して
徐々に賑わいだしたころ…

地上では失踪事件が相次いでいました。
しかもその失踪事件はすべて予告状つきでした。
こんな文面です。
「葱桜俊造殿。貴殿はメタボであると判定されました。いまから1年後すなわち××年××月××日までにメタボを治しなさい。治せなかった場合、命はないものと心得よ」

その日から毎日、葱桜俊造氏のところにメールが届きます。
開くと、こう書いてある。
「あと229日」
カウントダウンされていくわけです。

震え上がった多くの人は努力してメタボを脱却しました。
厚生労働省も大喜び。

それだけではありませんでした。
1年の年限でメタボから脱却した後、また予告状が来ます。
「葱桜俊造殿。おめでとう。貴殿のメタボは解消された。しかし油断は禁物だ。むこう1年間でメタボがリバウンドした場合、命はないものと心得よ」

震え上がった多くの人は、努力してリバウンドを防ぎました。
厚生労働省も大喜び。

でも、どうして人々は震え上がったのでしょうか?

じつは、年限までにメタボを解消できなかった人や、リバウンドしてしまった人が、次々と失踪していたのです。
失踪現場には、「メタ坊」のキャラクター人形が残されていました。
(どんなキャラクターなのかはご想像に任せます)

犯人は誰なのか?
警察にも、FBIにも、古畑任三郎にも、分かりませんでした。

どこからともなく、こういう噂が流れ始めました。

「メタボ撲滅同盟ニキータ」
という秘密結社が、メタボ人間の抹殺に関与しているらしい。
メタボ人間を、「メタボ地獄」に送り込んでいる模様だ。

「メタボ撲滅同盟ニキータ」とは?
彼らは何の目的でこんなことをしているのでしょう?

気になる続きは、次号にて!

(追伸)
「メタボリック・シンドローム撲滅委員会」
という組織がほんとうに実在しています。
http://metabolic-syndrome.net/committee/
真面目な団体です。
「メタボ撲滅同盟ニキータ」とは何の関係もありません。

それにしても、「撲滅」という言葉はインパクトあるよね。

人気ブログランキング ← 応援クリックおねがいします。

  • ブックマーク:
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク
  • この記事をクリップ!
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • この記事をChoix!
2007.08.25 09:19

アラサガシ その1


松宮園生です。

最近ネットでビミョーな新聞記事を
2件ほど見たので、ちょっとご紹介。

◆◆◆ その1 ◆◆◆

<×××社、×××果汁入り飲料
「×××」を発売 ?親子で安心して
飲める飲料?>
株式会社×××は、すっきり
おいしく飲める、安心を訴求した
「×××」を新発売します。
昨今、食育基本法の成立や、
食に対する関心の高まりにより、
食育に対する注目が高まっています。
そのような背景を踏まえ、親子で楽しみつつ健康で安心できる飲料「×××」を開発しました。
(××新聞 新製品紹介コーナーの記事)


ふつうに見えて、よく読むとヘンです。
この記事を要約すると、
(1) 食育基本法ができたけえ、わが社は飲料を新発売するんじゃ。
(2) 親子で安心して飲める飲料は今回の新製品が初めてじぇけえ。今までのわが社の製品は親子で安心できんかったけえのう。
ということ?

◆◆◆ その2 ◆◆◆

<××県の地元料理のカロリー本が人気>
××県の料理やお菓子などのカロリーを調べ紹介した冊子が地元で売れ行き好調だ。
専門家は
「県内でも健康的な食生活について考えようという機運が高まっているのではないか」
と指摘している。
男女問わずカロリーが気になる人々に受け入れられ、県に移り住んだ人や観光客らの関心も高いという。
著者で管理栄養士の×××さんは
「××県の料理が『こんなに高カロリーだったとは』と驚きの声が多い」
と話す。
生活習慣病予防を訴える県内の某医師は
「××県独自の食文化を科学的にデータ化し関心を高めた。健康的な食生活について危機意識が高まっていることの表れではないか」
と話している。
(××タイムズ ←××県の地元の新聞です)


地元××県を PR しているように見えて、よく読むとけなしています。
管理栄養士さん、
「わが地元の料理ね、ヘルシーと思ってたけど、測定してみたらじつは驚くほど高カロリーだったのよん。まいったわねえ、でへへへ」
というのをわざわざ本にしたんだね。
記事を書いた記者さんも、
「わが地元の料理、じつは高カロリーでござった。それが管理栄養士のせいで県民にバレて、危機意識が高まってしもうた。まいっちんぐ(←死語)。がっはっはっは」
というのをわざわざ記事にしたんだね。
正直でよろしいけど、地元の人から反発、受けませんか?
夜道には気をつけたほうがいいかも。

人気ブログランキング ← 応援クリックおねがいします。

  • ブックマーク:
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク
  • この記事をクリップ!
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • この記事をChoix!
2007.08.22 14:20

エス・ユー・エス・エイチ・アイ


松宮園生です。

寿司屋でたとえばイカを注文する
とします。
つまみを2品ほど食べたあと、
「そろそろ握ってくれますか」
「何をにぎりましょうか」
「手始めにイカください」
「アオリイカとヤリイカがありますが」
「そうですねえ。じゃ、ヤリイカを」
こんな会話をするわけです。

むかしデートのとき寿司屋でこの
会話をしたら、友達以上彼女未満
(←死語)の連れがいいました。
「アオリイカとヤリイカ、どう違うの?」
「あー」焦る松宮。「さっきの映画、
面白かったね」
「もう1回だけ聞くわよ。アオリイカとヤリイカ、どう違うの?」
観念して(←死語)土下座する松宮。「すみません。分かりません」
「じゃあなんでヤリイカを選んだの?」
「あー」
質問地獄。

じつは、いま同じ質問をされても、やっぱり答えられません。
(いい加減、調べるなり聞くなりしろよ)

ようするに、生まれてから今日まで×××年間、僕はアオリイカとヤリイカの違いを知らずに生きていたわけです(←3桁か)。

◆◆◆

アメリカ人のことを、僕はいつもメリケンと呼んでます。

メリケンを接待して寿司屋に行ったとします。
メリケンが魚の切り身を興味深そうに指差して
「アレハ何? コレハ何? アッチハ何? アソコデ動イテイルノハ何? アノ女性ハナンデ泣イテルノ?」
やかましく聞いてきます。

ああうるさい。そんなに興奮すんなよ。

と言いたくなるのを我慢して、さあここで問題です。
寿司ネタ、英語で言えますか?
辞書なしで。
正解はどうでもよいというか、ご自分で「知ってるよ」と思う数を数えてください。

<問題>
甘エビ
アワビ
イカ
イクラ
ウナギ
ウニ
カニ
サバ
タイ
タコ
ニシン
ホタテ
マグロ
ミル貝

<判定>
「知ってるよ」の数で判定します。
正解かどうかは問いません。

0個:安土桃山級。安心してください。こんなの言えなくったって、生きていけます。
1個:幕末級。水道のことをヒネルトジャー、あんパンのことをオストアンデルというのと同じレベルです。
2個-5個:日露戦争級。戦争には勝ちましたね。その調子で、メリケンを果敢に攻めましょう。
5個-8個:第1次世界大戦級。いけいけどんどん(←死語)のあなたです。健康に気をつけましょう。
9個-12個:バブル級。うそ、ついてませんか? 株価、大丈夫?
13個以上:安部内閣級。友達いる? 煙たがられてない? ちゃんと合コン、呼ばれてる?

◆◆◆

しかしアレだね。
無事に寿司ネタを英語で言えたとしてもです。
メリケンどもは、それを教わったところで、意味あるのかな?

たとえば、教わる立場になったとしましょう。
どこかの国を旅行して、偶然出会った現地在住日本人と一緒に、地元のレストランに行きました。
そこに
「セロロロザレレレの炒め物」
というメニューがあったとします。
「セロロロザレレレ? 何これ?」と僕が質問します。
「これはね」彼女はいいます(←彼女なわけね)。「高山植物の名前。おいしいよ」
「どんな植物」
「日本語でいうと、カキノモトノヒトマロソウ」
「なるほど!」

なるほどじゃねーだろ。
カキノモトノヒトマロソウって言われて、分かるのかよ。

これと同じ現象が、「メリケンを接待して寿司ネタを教える」場面にも当てはまるんじゃないかな。
「この魚、何デスカ?」
「Gizzard Shad (こはだ)だよ」
「I see.  (なるほど)」

I see.  じゃねーだろ。
Gizzard Shad って言われて、あんた分かるの?
築地か?

◆◆◆

しかし実際のメリケンは甘くないのです。
実際にはこうなります。


「この魚、何デスカ?」
「Gizzard Shad (こはだ)だよ」
「Gizzard Shad? ワカリマセン。ドンナ魚デスカ、ソレ?」

説明地獄。

(次号はありません)

人気ブログランキング ← 応援クリックおねがいします。

  • ブックマーク:
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク
  • この記事をクリップ!
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • この記事をChoix!
2007.08.20 23:21

グッバイマム


松宮園生です。

世界最大の自然食品店ホールフーズ・マーケット。
いちど入ったら、ワクワクしてついつい長居してしまう店、
ホールフーズ・マーケット。

(ホールフーズ・マーケットについては↓をクリック)
「農業コンチネンタル その2」
「農業コンチネンタル その3」

先日、そのホールフーズ・マーケットをうろうろしてたら、日系人とおぼしい初老の女性に日本語で声をかけられました。
「あなた、日本から来た日本のかたね?」
「そうですが」
「ああやっぱり」女性は言いました。「ああやっぱり日本人。その心を閉ざしたような歩き方。母音の発音が下手そうな口元。屈託だらけのあごの形。日本人ねえ」
「そうですか」僕はムッとして言いました。「ところで何か御用ですか」
「何でもないのよ。あなたが息子に少し似てらっしゃるからついつい見とれちゃったの」
「そうですか」僕は冷たく言いました。「ではごきげんよう」

惣菜売場でまたこの女性と会いました。
「ここの惣菜、おいしいのよねえ」女性は言いました。「コーシャー・フードはお好き?」
機嫌が直っていたので、僕はふつうに返事をしました。「わりと食べますね」

コーシャー・フードというのは、ユダヤ教の戒律にもとづいて作られている食品のことです。
いっときブームになり、ユダヤ教とであるなしに関わらず、売れてました。
惣菜売場にも、コーシャー・フードのコーナーがあり、僕はその前に立っていたのです。

「あなた、お名前は?」
「マツミヤといいます」
「ホントにあなた、ゲイリーに似てる」
「あなたは日本人ですか?」
「ええ。コウノといいます。愛媛の生まれですけど、20歳のときにこっちに来て、こっちで日系2世のローレンと結婚しましたのよ。でもホント、あなたゲイリーに似てる」
「ゲイリーって、息子さんの名前ですか」
「ええ。ゲイリーは昨年イラクで亡くなりました」
「そうでしたか。お気の毒に…」
気の毒ではありますが、それ以上話すこともなくなったので、女性と僕は互いに会釈をし、それぞれの買い物をつづけました。

レジのところでこの女性と再び出会いました。
僕の前に、並んでいたのです。
女性は、ハンカチで目を拭いていました。
「あのー」無視するわけにもいかず、僕は話しかけました。「元気出してくださいね」
「あなたを見てるとゲイリーのことを思い出して」と、女性は言いました。「お願いがあるんだけど、聞いてくれるかしら」
「なんでしょう」
「わたしが出ていくときに、ママ、また明日、って叫んで手を振ってほしいのよ。ゲイリーがよくやってくれたから」

しばらくして、買い物袋を抱えた女性は、僕に微笑みかけました。
「ママ、また明日!」
と、僕は大声で言って手を振りました。
女性はうれしそうに、ホールフーズ・マーケットを去って行きました。

僕が買ったのは惣菜2種類とミネラルウォーターだけでしたが、レジ係が言いました。
「129ドル(約1万5千円)です」
「えっ? たったこれだけで129ドル? なにかの間違いでしょ」
「間違いではありません」レジ係がおごそかに言いました。「先ほど、あなたのお母さんが、あなたが全部払うからと言ってましたよ」

人気ブログランキング ← 応援クリックおねがいします。

  • ブックマーク:
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク
  • この記事をクリップ!
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • この記事をChoix!
2007.08.19 20:28

陰謀料理連盟ネオ 番外編

松宮園生です。

陰謀と言えば CIA?
料理の世界にも CIA があります。

Culinary Institute of America
(カリナリー・インスティテュート・オブ・アメリカ)
という名前の有名な料理学校があります。
ニューヨーク(東海岸)とサンフランシスコ(西海岸)近辺に校舎があるそうです。
略して CIA。
あのスパイの CIA と同じになります。

何度か書いたように僕は料理まったく詳しくないので、この学校がどのくらいスゴいのかちゃんと説明できないんですけど、なんかかなりスゴいらしい。
ニューヨークのトップ10レストランのうち7軒のシェフは CIA 卒業だそうです。
ある食育講座の先生が言うには、
「料理の世界に東大があるとしたら、CIA がそうだ。でも東大に比べるのは、CIA に失礼だな」
だそうです。

日本の大学と比べるとアメリカの大学は勉強がえらく厳しいのですが、この CIA も同様、厳しいことでも有名です。

知り合いの食品メーカー社長(和歌山県)がこのあいだアメリカに遊びに来たのですが、僕のところに来るついでにサンフランシスコに足を伸ばして CIA を見学したらしい。
「わて、あんなレベル高い料理学校、見たことあらへん。生徒やのうても分かる。せやから来年、息子を留学させよ思てましてな。うちの息子、CIA に留学してまんねん、て言うたら、みなさんビックリしはるやろなあ」
と感激してました。
「松宮はんも、CIA で根性叩きなおしてもろたらどないですやん」

大きなお世話です。

(和歌山県からきた食品メーカー社長についてもっと知りたい善男善女はここをクリック)

◆◆◆

さて、こっちはスパイのほうの CIA の話。

「ジェームズ・ボンドに負けたらあかん」
そんなキャッチフレーズで以前 CIA がスパイを1名募集したところ、なんと1000人を超える応募がありました。
(ジェームズ・ボンドはイギリスの諜報員ですからね、ボンドだけモテモテでは、アメリカとしても悔しいところでしょう)

CIA も戸惑いました。
「1000人も来てもうた。どないせーっちゅうねん」
ブツクサ(←死語)言ってもしかたがありません。
採用できるのは1名のみです。
そこで CIA 側はさまざまな適正試験を行い、候補者を最終的に3人に絞りました。
心技体、そろった3人です。

「最後の試験やで」
3人にピストルを手渡しながら CIA の教官は言いました。
「自分の名前が書かれたドアがありまっしゃろ。ドアを開けたらあんたらの配偶者が座っとる。配偶者を殺せまっか? それが最終試験ですがな」

最初の候補者(男性)がドアの向こうに消えました。
しばらくして彼は涙を流しながら戻ってきました。
「オレにはできない、妻を撃つなんて」
彼はピストルを投げ捨て、妻を連れて CIA のオフィスから走り去っていきました。

2番目の候補者(男性)がドアの向こうに消えました。
彼もほどなく戻ってきて、
「愛する妻を射殺なんて、できるわけがない。あんたは鬼だ」
そう言い残し、ピストルを放り出し、妻の手をとって CIA を去っていきました。

3人目は、キャサリン・ゼタ・ジョーンズによく似た女性でした。

彼女がドアをくぐってしばらくすると、
ガチャン!
ガチャン!
と何かの壊れる激しい音がします。

やがてそれがおさまり、静かになりました。

ドアが開き、キャサリン・ゼタ・ジョーンズが汗を拭きながら出てきました。
はぁはぁ言ってます。
彼女は真っ赤な顔をして教官に食ってかかりました。
「ピストルの点検はちゃんとしていただけないと困りますわ」彼女は言いました。「引き金を引いたのに、弾(たま)が出なかったんですのよ。しょうがないから花瓶やら椅子やらを使ってやっと任務完了したんですから」

人気ブログランキング ← 応援クリックおねがいします。

  • ブックマーク:
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク
  • この記事をクリップ!
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • この記事をChoix!
2007.08.18 16:11

ターザン栄養学 その5


松宮園生です。

1977年に「マクガバン・レポート」が発表されたのを
きっかけに、アメリカ政府は国民の栄養状況を
変えようとし始めました。
ホールフーズ・マーケットの台頭に象徴されるように、
自然食品へのこだわりを持つ人が増えました。
DSHEAという法律ができて、サプリメントの地位が
固まりました。
こうした流れを、僕は勝手に「ターザン栄養学の世界」
と呼んでいます。
(詳しくは↓ここをクリック)
「ターザン栄養学 その1」
「ターザン栄養学 その2」
「ターザン栄養学 その3」

ターザン栄養学の世界には何人かの有名ドクターがいて、
テキトーにご紹介しましょう。

◆◆◆

まずは松宮園生が親しくしているドクター・マイケル・チイタッタ。
彼の特徴は「メガビタミン療法」です。
ビタミンやミネラルをかなりたくさん摂取することで一部の病気を治したり、病気の予防に生かしたりしています。

チイタッタ先生は60代半ばで、夏はボストン、冬はフロリダで過ごすという、なんだか羨ましい生活を送っています。
ボストンにいるあいだは、とあるクリニックで週3回ほど診察をしていますが、フロリダでは診察はせず、本を書いているようです。
この先生、ボストン近辺では有名な人ですが、全米で有名かというとそうでもありません。
(本人にそれを言うと怒られますが)
その代わり地元ではファンが多く、例えば地元のラジオ局でレギュラー番組を持っていたりしますし、チイタッタ先生が認定するレストランは「ヘルシーで美味しい」という評判になっていたりします。
(ドクター・チイタッタ認定レストランについてはここをクリック)

彼のようなドクターを、僕は勝手に「ローカル・カリスマドクター」と呼んでいます。

◆◆◆

次はドクター・ロバート・アトキンス。
何年か前に全米で一世を風靡したドクターですので、ご存知の方も多いかもしれません。
いわゆる「ローカーボ(低炭水化物)ダイエット」の生みの親です。

炭水化物を摂らない。
脂肪については気にしなくていい。
タンパク質はしっかり摂りたまへ。
つまり、パンやパスタを控え、肉をどんどん食べなさい。
あとはサプリメントを適切に飲みなさい。
それで痩せますよ!
というダイエットです。

これは肉好きアメリカ人には耳触りのよい朗報だったため、大ヒットしました。
どのくらいヒットしたかというと…。
アメリカはほとんどのショッピングモールにサプリメント専門店がありますが、これらサプリメント専門店(大手では GNC や Vitamin Shoppe)には必ずアトキンス・コーナーがありました。
また、多くのレストランが「アトキンス・メニュー」を用意していました。
「ローカーボ(低炭水化物)マガジン」という雑誌が発行されたりもしました。

このアトキンス先生、いちど会いたかったのですが、3年くらい前に亡くなりました。
転んで頭を打ったそうです。

アトキンス先生のように全米でヒットしたドクターを、僕は「ナショナル・カリスマドクター」と呼んでいます。

先生は他界しましたが、ローカーボ・ダイエットのファンはしぶとく残っています。
アトキンス先生が作った会社は先生の死後いちど倒産しましたが、いまは不死鳥のごとく復活しています。

面白いのはヨーロッパで、アトキンス先生が亡くなってから、ローカーボ・ダイエットがヒットしました。
なぜ今頃ヒットしたのかは原因不明。僕はヨーロッパぜんぜん詳しくないので…。

◆◆◆

次はアンドリュー・ワイル先生。
日本でも知られる医食同源のナショナル・カリスマドクターです。

薬草の権威です。
CNNによく出演しています。
レギュラー出演しているわけじゃないと思うのですが、テレビをつけて CNN にチャンネルを合わせると
「あれ、また出てる」
てなことが多いです。

その風貌が彼のなによりの特徴です。
スキンヘッドにアゴヒゲ。
逆さにしても顔っぽく見えます。
(そんな絵、子ども雑誌とかによくあったなあ)

◆◆◆

次はドクター・ジョナサン・ライト。
ナショナル・カリスマドクターです。

イチローのいるシアトルの近郊に
「タホマ・クリニック」
という全米でも有名なクリニックこがあります。
何で有名かというと、アトピーの治療で有名です。

このタホマ・クリニックの院長がジョナサン・ライト先生です。
ときどき来日しているそうです。
新宿にジョナサン・ライト先生の息のかかったクリニックがあるそうです。

シアトルには「バスティーア大学」という、ナチュロパシック・ドクター(ND)を育成する大学がありますが、ここの卒業生はタホマ・クリニックに就職することに憧れています。
(バスティーア大学については↓をクリック)
「ナチュロパシー」
「火縄くすぶる」

◆◆◆

最後はドクター・ジュリアン・ウィテカー。
カリスマドクターなのかどうかも不明です(苦笑)。
謎のドクターですが、メールマガジンの読者がものすごく多いそうです。

チイタッタ先生がやたらとこのウィテカー先生を意識しているみたいなので、名前だけ挙げておきます。
ウィテカーのやつがああしただの、こうしただの、やかましいのです。
僕自身は会ったこともありません。

◆◆◆

以上をまとめます。

ドクター・チイタッタ。得意技:メガビタミン。
ドクター・アトキンス。得意技:ローカーボ。
ドクター・ワイル。得意技:薬草。
ドクター・ライト。得意技:アトピー治療。
ドクター・ウィテカー。得意技:メルマガ。

人気ブログランキング ← 応援クリックおねがいします。

  • ブックマーク:
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク
  • この記事をクリップ!
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • この記事をChoix!
2007.08.17 16:43

会社だって受験生


松宮園生です。

たとえばあなたが何かの試験に
合格したとしましょう。
それは食育講座の試験かも
しれませんし、野菜ソムリエの
試験かもしれませんし、
フードコーディネーターの試験
かもしれませんし、管理栄養士
の試験かもしれません。
その試験に合格すると、資格の
認定証がもらえますね。

同じように、会社が試験を受けて
合格したら認定証がもらえるもの
があります。
食べもの関係でいくつか
紹介しましょう。
食育をする人は、知っておいたほうがよいです。
たくさんあるので、国際的なものに限定します。

* GMP (Good Manufacturing Practice)
ジーエムピーといいます。
「適正製造規範」と訳されますが、なんのことやら分かりませんね。
製薬メーカーが欲しがる人気の認定です。
サプリメントのメーカーにも人気です。
工場ごとに認定を取るので、同じ会社でもA工場は認定があるのにB工場は認定がない、ということがあります。
この認定は、安全面を含めた品質管理がしっかりしている工場であることを示します。
皆さんが薬局で買う薬は、ほぼたいてい、GMP認定を取得した工場で作られているはずです。

* HACCP (Hazard Analysis and Critical Control Point)
ハサップとかハシップとかハセップとかいいます。
ハククプとは言いません。
訳語は「危害分析および重要管理点」。
またも堅苦しいスね。
なんとかしてほしいス。
もっとこう、
「食品安全を脅かす悪の軍団をシャットアウト認定」
くらいに砕けてくれないかな。
HACCP は食品メーカーのあいだで人気沸騰の認定です。
この認定は、食品の製造工程が安全で、不快な混入物(昆虫とか)や危険な混入物(バイ菌や金属片など)が入りにくくなっていることを示します。
GMP と同様、工場ごとに認定をとります。
加工食品を食べるときは、このHACCP認定を取っている工場で作られたものを選びましょう。

* ISOシリーズ
アイエスオーといいます。
イソというとたぶん失笑を買いますので気をつけましょう。
アイソという人もいますが、アイソは失笑をあまり買わないみたいです。
でも微笑ましいと思われる可能性がありますので、プライドの高い方にはお勧めしません。

ISOは認定の総合デパートです。
「ISO認定シリーズ」
というのがありまして、いろんな認定に番号をふっているんです。

ISO9000
はそのひとつ。
分野を問わずいろんな業界のメーカーが欲しがる認定です。
品質管理がしっかりしていることを示します。
食べ物の会社の場合は、食材を選ぶ基準がしっかりいているとか、そういうことです。

ISO14000
この数字が刷り込まれた名刺をもらったら、その会社は
「環境に気を遣っている会社」
だという意味です。
業界問わず、ひろくいろんな会社が欲しがる認定です。

ISO22000
これは比較的新しい認定番号です。
食品メーカーのあいだで徐々に人気がでてきました。
「安全な食品を作っているメーカーだ」
ということを表します。
合格するのがたいへんな認定ですので、合格した工場はエライです。

つまり、9000 は品質、14000 は環境、22000 は食品安全、と覚えていただければよいでしょう。
ほかにもいろんな番号がありますが、食べもの会社に関係しているのはこの3つが代表的です。

このISOは、国際標準化機構という組織がスイスのジュネーブにあり、ここが親分となっていろんな認定の「認定ルール」を作っています。
子分は世界中におりまして、実際に認定する仕事は子分どもが請負っています。

ISOの認定には4桁や5桁の数字がつくわけですが、数字のつけかたには決まりがないそうです。
なんで ISO9000 なのか、なんで ISO14000 なのか、なんで ISO22000 なのか、には理由がない。
じゃあどうやって数字を決めているかというと、サイコロをふってというか、鉛筆を転がしてというか、要はランダムに決めているようです。
そんなわけで、ランダムにやった結果、ISO22000 は途中まで 20543 という数字がふられていました。
しかし覚えにくいとクレームが来まして、四捨五入して 22000 になりました。

あれ?
四捨五入しても 22000 にはならないぞ…。

◆◆◆

今回はちょっとお堅い真面目モードで書きました。
(書いてて自分で居眠りしてしまいましたが)

ところで、先日こんなキャッチフレーズの SNS を見つけました。
「ISO ファンの集まる SNS です。ISO の話題で大いに盛り上がっています!」

ISO の話題って、盛り上がるの?
ISO って、萌えるの?

人気ブログランキング ← 応援クリックおねがいします。

  • ブックマーク:
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク
  • この記事をクリップ!
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • この記事をChoix!
2007.08.16 09:29

不機嫌な農業 その1


松宮園生です。

以前、「不機嫌な食育」という題名の文章を
ものしましたが、
今回はその農業バージョンです。
(「不機嫌な食育」についてはここをクリック)

ところで、いま「文章をものしました」と
書きましたが、この「ものする」という言い方は死語でしょうか、それとも古語でしょうか?
いずれにせよ、「ものする」という表現は僕のなかでなんとなくマイブーム(←死語)になってます。
余談でした。

ちなみに、農業の不機嫌さは食育の不機嫌さに比べてかなり難解です。
食育の場合、不機嫌さの原因はプライドだったりオバチャン心理だったりして、まあある意味微笑ましいというか単純なケースが多い。
ところが農業の場合は難解なので、じつは的を得た不機嫌(=お怒りごもっとも、というやつ)なのかもしれませんが、しがない勉強不足のバウムクーヘン野郎の僕には判定不能だったりします。

例えば。

◆◆◆

葉竹さんのライバル多賀安さんのところに打合せに行ったときのこと。
多賀安さんはワンマンオフィスなので、お邪魔してもお茶など出てきません。
それを知っていたのと、多賀安オフィスの近所に自然食品店ができたのもあって、そこで飲み物のジュースを2人分、買っていきました。
有機のリンゴジュースです。
JASマークもついています。
そしたら多賀安さんてば、不機嫌になってこう言いました。
「こんなの、有機JASじゃねえよ。オレは飲まねえ」

有機JASについて説明します。
(以下、農林水産省ウェブサイトからの引用)
有機JASマークは、厳しい生産基準をクリアして生産された、有機食品の証です。
有機食品のJAS規格は、以下のような生産の方法を定めています。
…中略…
この有機食品のJAS規格に適合した生産が行われていることを登録認定機関が検査し、その結果、認定された事業者のみが有機JASマークを貼ることができます。
この「有機JASマーク」がない農産物や農産物加工食品に、「有機」「オーガニック」などの名称の表示や、これと紛らわしい表示を付すことは法律で禁止されています。
(引用終わり)

ここに「登録認定機関が検査し」と書いてありますが、この登録認定機関というのはいくつもありまして。
たいてい、有機JASマークの横にその登録認定機関を示すマークが貼られています。

話を戻します。
「こんなの、有機JASじゃねえよ。オレは飲まねえ」
わがままな多賀安さん。
ま、そんなことを言いそうな予感がありましたので、実は僕、缶コーヒーを予備に買っておりました。
それを差し出すと、多賀安さん、機嫌が直りまして
「悪いな。ありがとよ。ところで最近、葉竹の阿呆はどうしてる? 何をしとるかは知らんが、女にモテておらんのは確かだな、わははは」
とかなんとか言って、缶コーヒーをぐびぐび(←死語)。

このシーンの突っ込みどころを整理してみましょう。
(1)「こんなの、有機JASじゃねえよ」っていうけど、ちゃんと容器に有機JASマーク貼ってあるじゃん。
(2)「オレは飲まねえ」っていうけど、仮に有機JASじゃなくてもさ、それっぽいジュースのほうが缶コーヒーぐびぐびよりは100倍カラダにいくねえ?

で、思い切って突っ込んでみました。

すると多賀安さんは言いました。
「そりゃ、缶コーヒーよりリンゴジュースのほうがいいとはオレも思うよ。でもよ、あんな中身で有機JASだなんて言われてもなあ、ちゃんちゃら可笑しくってさあ、飲む気にならねえんだよ」
「でもこのジュース、有機JASのマークついてますよ」
「分かっとるわいそんなこと」
「じゃあ、何が気に食わないんですか?」
「何ってお前、いいか、有機JASなんてな、オレは昔からおかしいと思ってたんだ」
「おかしいんですか?」
「おかしいよ。正しい有機が正しく認定されるようにはなってないんだ。お前、ちゃんと勉強してるか?」
「いや勉強してるかと言われると…」
「有機JASなんてな、穴だらけなんだよ。専門家ならみんな知ってる」
「穴だらけなんですか」
「そうだ。あんなもの、有機じゃねえ」

「有機JASは有機じゃないんですか」
「違うさ。有機JASは有機JAS、有機は有機だ」
「いやでも多賀安さん、有機かどうかを認証するのが有機JASのマークですよね。有機だと認められたら、有機JASなんじゃないですか?」
「ばーか。なに言ってんだよ。さっきから言ってるだろ。違うんだよ。穴だらけなんだよ。勉強の足らんやつだな」

みるみる不機嫌、多賀安さん(字余り)。

「このジュースは有機JASですよね?」
「そうだよ。有機JASのマークがついてるからな。でもこのジュース、有機かどうかは分からんぞ」
「有機かどうか分からんということは、有機じゃないかもしれないけど、有機かもしれないですよね」
「有機なわけあるかい」
「なんで分かるんですか?」
「農業の現場をよく知るとだな、分かるんだよ」

それを言われると弱い。

「有機JASは有機じゃないということですよね?」
「そのとおり。有機JASなんて、有機じゃねえ」
「つまりこのジュースは、有機JASのシールが貼ってあるけど、有機じゃないと」
「そのとおり」
「逆にいうと、有機じゃないけど、有機JASではあると」
「そのとおり。有機じゃないけど、有機JASではあるな。シールがあるから」
「でも多賀安さんはさっき、こんなの有機JASじゃねえ、って言いましたよ」
「そりゃそうだよ。こんなの有機JASじゃねえ」
「えっ? どっちなんですか」
「なにが?」
「だって多賀安さん。10秒前に、このジュースは有機じゃないけど有機JASだって言いましたよね。で、5秒前に、有機JASじゃないと言いました。どっちなんですか」
「お前ね。んなことどうでもいいじゃねえか。なんだよその10秒だの5秒だのって。こんなくだらない会話につきあってるヒマはねえんだ。お前はもっと有機の勉強をしろよ」
「はあ」
「農業は奥が深いんだよ。分かるかなー。分っかんねえだろうなー」

また出たよ、この死語。

(以下次号)

人気ブログランキング ← 応援クリックおねがいします。

  • ブックマーク:
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク
  • この記事をクリップ!
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • この記事をChoix!
2007.08.14 22:59

バウムクーヘン宣言 その7


松宮園生です。

前回のあらすじ)
終生の農業ライバル、
葉竹乃木夫さんと多賀安秀夫さん。
その戦いの歴史は、学生運動にさかのぼります。
そして21世紀の今日、アグリドラゴン社のクレーム
処理を巡って2人はふたたび激突。
血で血を洗うバトルが始まったのでした。
果たして勝利の女神はどちらに微笑むのか?

◆◆◆

2人はアグリドラゴンの会議室で口論をはじめました。

「中国野菜を国産と偽って納めるとは、テメーも落ちたな」葉竹さんは言いました。「潮時だよ。神様が待ってるぞ。ジョン・レノンも待ってるぞ。そろそろ引退したらどうだ」
「そういうセリフはな、中国野菜の知識が足らんやつに限って偉そうに言いやがる」多賀安さんも負けていません。「おめ、中国行ったことあんのか」
「何度も行ってら。行きすぎてパスポートがニセモノになってしまったよ」
これには多賀安さんも吹いてしまいました。

しかし彼はふたたび厳しい顔になって言いました。「だったら分かるだろ。いまの中国野菜はマトモだぞ。オレが調達したやつなんか特にな、日本みたいに硝酸態窒素が過剰なわけでもねえ、草むしりの労働力などなんぼでもあるから除草剤も撒いてねえ。土だって水だって綺麗なもんだ」
「テメーはバカか。毎日なに食ってんだ」と、葉竹さん。「やつらはな、甘っちょろい日本人に見せるための畑を1枚だけ用意しててな、来客を待ってんだよ。テメーが見たのはそれだよ。何のことはない、まともな畑はそこだけだ。テメーはそこに案内されて、すっかり感激して鼻水たらして、中国のいいカモになってるめでたい奴ってわけだ。テメーが見せてもらえなかった大部分のところはな、見るも悲惨なグジャグジャ状態。テメーの顔よりひどいとは言わんが、同じくらいだ」

「ああ」多賀安さんはわざとらしく天を仰ぎました。「これだから情報の古いやつは困る。お前が言ってるのは10年前の中国だ。中国だって馬鹿じゃねえ。学習してんだよ。農薬まみれの手抜き野菜を作ったって日本人は買わないと分かってる。だから日本人が買ってくれるような野菜を作ってんだよ。これは経済原理だ。ケイザイゲンリ。お前には難し過ぎるかな」
「何が経済原理だ。テメーこそ口では言っても、漢字書けるんか? 確かにテメーの言うとおり中国は馬鹿じゃねえ。やつらはな、日本の食料自給率が低いのをちゃんと知ってんだよ。食料を自給できないからな、品質が悪くても、日本は泣く泣く野菜を買うのさ。そのことを中国人は知ってるんだぞ。そんな国が、丁寧に野菜なんか作るわけねーじゃんか」

「よしよし。かわいそうに。そんなに興奮したら硬くなった血管が破裂するぞ。いいか、落ち着いてよく聞け。日本の食料自給率は低いがな、野菜は騒ぐほどには低くない。少なくともお前の知能指数よりはましな数字だ。つまり中国は、安かろう悪かろうの手抜き野菜を日本が買うなんて思っちゃいねえよ。手の込んだちゃんとした野菜を日本人は高値で買うっつーのを知ってる。だからそういう野菜を作る」
「どーだか」
「中国人てのは商売人だ。手の込んだ野菜を作ったほうが高く売れて利益も大きいとなったら、喜んで手の込んだ野菜を作るんだよ。これが経済原理だ。分かるかなー、分っかんねえだろうなー」

とんでもない死語が出ましたね。

「中国人てのは商売人だ」葉竹さんも言い返します。「テメーをだますなぞ、お茶の子さいさい(←これも死語)なんだよ。ま、ウナギ以上の頭があれば、テメーをだますのは簡単だけどな」
「なんかやけに中国人を嫌ってんな。お前、もしかして中国人の女にふられたか?」
「そういうテメーは、品川あたりのチャイナドレスにせっせと貢いでんだろう」
「いいじゃねえか。それが男の甲斐性ってもんだよ、バカめ。つーか、なんで品川なんだよ」
「つーかよ、そもそもこの騒動の原因を作っておきながら、テメーのその態度はなんだ。いいか、テメーのおかげでオレはな、入社初日に客先に頭を下げに行くことになったんだぞ」
「かかか。頭を下げたか。お前の頭にも使い道があると分かってよかったじゃないか」

「あのなあ多賀安。テメまさかそれ、本気で言ってるんじゃないだろうな。だったとしたら、テメーはプロじゃねえぞ」
「なにを言う!」多賀安さんは顔を真赤にしましたが、なんとか自分を押さえました。「そうだな。言い過ぎた」
「分かればいいよ」
このあたりは、なんと2人ともなんだかオトナでした。

「しかしだな」多賀安さんはふたたび鋭い目つきになりました。「おれが選んだ中国野菜に間違いはねえ。そこは信念を持ってやってんだ。品質管理も、おれが自分の目でやってるんだ。葉竹、お前がやるべきことはな、客先に頭を下げることじゃねえ。野菜の品質に心配はいりませんって、客先を説得することだったんじゃねえのか」
「それは違う」葉竹さんは答えました。「はじめから中国野菜を納める話だったら、テメーの言うとおりだ。だが今回は違う。国産を納めますと約束したところに、中国産を納めたところが問題なんだよ。中国産の良い・悪いではねえんだよ」

「なるほど。話の食い違いはそこだな」
多賀安さんはとつぜん穏やかな口調になりました。

会議室には若手社員も何人かいて2人の口論をはらはら見守っていましたが、多賀安さんはその若者たちに向って言いました。
「あんたら、悪いけどちょっと席を外してくれんか。葉竹のおっさんとサシで話したい。そのへんの武器もいらないから、持ってってくれ」

若者たちはぞろぞろと出ていきました。

全員が出ていってドアが閉まるのを確かめた後、多賀安さんは口を開きました。「なあ葉竹。オレもプロのはしくれだ。お前も分かるとおりこのところ国産野菜を集めるのがたいへんなのでな、中国産のいいのを持ってくるからそれでカンベンしてくれ、という話はちゃんと事前に伝えたはずなんだ」
「誰にだ」
「お前のところの社員にだよ。電話して、心配だからメールして、それでも心配だから FAX も送った。メールも FAX も証拠がある」
「どの社員に送ったんだ」
「陽に当たらなくて真っ白な顔をしてる長髪のやつだよ。貞子みたいなのがいたろう」
「あいつか…」
「心配だったからあらためて電話をかけてな、客先に説明するのも忘れんなよ、なんだったらオレが出向いて説明するよ、って念押しまでしたんだぜ」
「ちっ。しょうがねえなあ」

「そういうわけなんでな」多賀安さんは立ち上がりました。「お前に非はないが、お前んところの社員には非がある。オレに落ち度はない。だから、金は返すわけにはいかん」
「くそっ」
「大事なことは、再発防止だ」
「分かっとるわい、テメーに言われんでも」

ふたたびバトルか?

「へー、そうかい。せいぜい頑張りな。オレは帰る」
多賀安さんはそう言い残して、去って行きました。

バトル回避。

ひとり残された葉竹さん。
敗北感に打ちひしがれながら、彼はぽつりとつぶやきました。
「貞子め…」

ホンモノの貞子が聞いたら、怒って井戸を上ってくるだろうな…。

(以下次号)

人気ブログランキング ← 応援クリックおねがいします。

  • ブックマーク:
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク
  • この記事をクリップ!
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • この記事をChoix!
2007.08.13 13:38

陰謀料理連盟ネオ その2

松宮園生です。

前回のあらすじ)
世界陰謀連盟ネオ。
仰々しい名前の組織だったが、
やることはロンドンでインド料理
を食べる、という他愛のないもの
だった…。

◆◆◆

こんな話を聞いたことがあります。
(親と子の会話)
子「天国ってどんなところなの?」
親「神様がいるところだよ」
子「地獄ってどんなところなの?」
親「イギリス人のコックがいる」

ことほどさように(←死語)
イギリスの食事はまずいと
よく言われますが、
かたや
「とんでもない。イギリスの食事は美味い」
と主張する人も少なくありません。
どっちなんでしょう。
いまだに決着はついていないようですが。

そういえば、3年ほど前に「世界創作寿司コンテスト」というのがロンドンで開かれました。
テレビでその審査会の様子が放映されていました。
優勝した作品は鳴りもの入りで日本に上陸してくるという話でしたが、いったいどこに上陸したんだろう?

◆◆◆

ロンドン行きの飛行機が離陸して数時間後、太刀槌タツオが思い出したように言いました。
「なあ松宮。お前、ガイドブック持ってきた?」
「ないけど」
「オレも持ってない」
「ロンドンは何回くらい行ったの?」
「初めてだ。松宮は?」
「初めて」
太刀槌タツオは笑いだしました。「おれたち2人ともロンドン初心者なのに、ガイドブックなしかよ」
「買うの忘れてたね」
「ロンドンに着いたらさっそくインド料理店に行きたいんだが、行き方がわからんな」
「つーか、行く店は決めてあるの?」
「決めてない。お前は?」
「決めてない」
「ロンドンについて事前学習とか、したか?」
「ロンドンの歴史の本を読んだ。タツオは?」
「インドの歴史」
今度は僕が笑う番でした。「この無計画さがいいよね。ちょっと聞くけど、泊まるとこ予約してある?」
「さすがにそれはした」
「何ていうホテルで、どこにあるか分かってる?」
「どこだっけな」太刀槌タツオはカバンのなかをごそごそ物色しまし、しわくちゃの紙を取り出しました。「これだ。住所が書いてあるから、タクシーに見せれば問題ない」
「空港から市内まで、近いの?」
「さあ。近いんじゃないの」
「成田空港みたいに遠かったら、タクシー代がかさむよ」
「それは困る。余計なお金はできるだけケチって、食事代に回したい」
「そうだよね。向こうに着いたら、英語でいいからガイドブック買おう」
「そうするべい」太刀槌タツオは悲しげに言いました。「お前、英語できる?」
「受験英語なら。関係代名詞とか」
「オレも受験英語だ。前置詞とか」
「辞書、ある?」
「ない」
「オレもない」
「ガイドブック、読めるかな」
「英和辞書、買おう」
「空港にあるかな」
「ないだろう。本屋に行かないと」
「英和辞書、あるかな」
「ないだろう。でも腐ってもロンドン、紀伊国屋書店とかあるんじゃね?」
「あると思うけど、どこにあるかな」
「そりゃ、ガイドブック見れば分かるんじゃね?」
「英語のガイドブックに紀伊国屋書店とか載ってる?」
「ないかもな。日本語のガイドブック買わないと」
「それ、どこに売ってるの」
「紀伊国屋書店」太刀槌タツオはまた笑いだしました。「こりゃダメだ。おれたちの間抜けぶりはロンドン観光の歴史に残るぞ」

「偶然なんだけど」しばらくして僕は言いました。「これ(機内誌)にロンドンのインド料理店が紹介されてるよ。ほら、ここ。レッドフォートっていう店みたいだけど、なんか良さそうだよ」
「ふーん」
「読むかい」
「だって英語だろ。お前読んどけよ」
「受験英語だって、読むことは読めるよ」
「どれどれ(←死語)。あ、知ってる単語で書かれてる。この単語とか覚えてるぞ。でる単(←死語?)にあった。魅力的な、って意味だ」
「とりあえず、今日はこの店に行くことにしない?」
「オーケー、そうしよう」
「で、その店に、他のおすすめインド料理店を教えてもらおうよ」
「教えてくれるか? ライバルを教えるようなもんだぞ」
「頼みこめばなんとかなるんじゃない?」
「そっか。やってみるか」

というわけで飛行機はやがてロンドン・ヒースロー空港に到着し、
「世界陰謀連盟ネオの陰謀料理作戦」
がやっとこさ(←死語)始まったのでした。

(オチはないけど、以下次号)

人気ブログランキング ← 応援クリックおねがいします。

  • ブックマーク:
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク
  • この記事をクリップ!
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • この記事をChoix!
2007.08.12 13:13

陰謀料理連盟ネオ その1

チーフの松宮園生です。

「食の世界のスーパーパワー」シリーズ
なんつてカッコつけて、
カーギル(自前の人工衛星を持ち、世界の穀物を牛耳る)
モンサント(遺伝子組換えの世界企業)
ネスレ(世界一の加工食品会社)
ウォールマート(世界一売上高の大きな会社)
の話を書きました。

今後は、
ドール(世界一の果物会社)
GNC(世界一のサプリメント会社)
ヘイン(オーガニック系のお菓子の世界企業)(←だったかな)
あたりの話を書こうと思ってます。

このシリーズのテーマは、
「世界企業は陰謀をたくらんでいるのか?」
です。
なぜそんなテーマにするかというと、僕自身が陰謀オタクだからであります。

陰謀オタクがよく口にする単語の例です(順不同)。
イギリス王室
フリーメイスン
ユダヤ人
ロスチャイルド
ロックフェラー
モルガン
カーネギー
ハプスブルグ
キッシンジャー
石油メジャー(セブン・シスターズ)
デビアス
リオ・チント・ジンク
個々の説明は省略しますね。長くなるので。

陰謀オタクは本当なのかどうかも分からない世界の陰謀についての情報を収集して楽しんでいるわけですが、
陰謀を防ごうというわけでもなく
陰謀に加担しようというわけでもなく
あくまでも趣味として陰謀情報を楽しむという、変わった人種です。
ま、防ぎたくても防ぎ方は分からないし、加担したくてもどうしていいか分からんけど。

◆◆◆

さて、僕がこの陰謀オタクになって間もないころ、僕にはオタク仲間がいました。
今はいません。
行方不明になっています。
この男は太刀槌タツオという舌をかみそうな名前で、むかしはエリートでした。
ナントカ省の役人だったのです。
役人になって数年後、ある大企業のオーナーに気に入られてその会社に転職し、なんだか羽振りの良い生活を送っていました。
行方不明になるまでは。
その大企業があるとき不祥事を起こしまして新聞にも載ったのですが、それ以来、連絡がとれなくなりました。
実家にも連絡がとれません。実家ごと、行方不明です。

太刀槌タツオと僕にはもう1つ共通点がありました。
いや、正確にはあと2つかな。
* インド料理に目がないこと
* 辛いのを食べた数時間後、腹痛に苦しむこと

彼と僕とは東京都内のインド料理店をつぶさに食べまわったあげく、
「ラージマハール」
という名の店をいちばん気に入り、そこに通い始めました。
インド料理を食べながら、陰謀のウンチク話を交換するのです。

「ラージマハール」では、こんなふうに食べていました。
まず、グロールッシュ(発音、これでいいのかな?)というオランダのビールを注文する。
ミントソースをもらってちびちび舐める。
マンゴーのピクルスをもらって、夢中になって食べる。
グロールッシュを飲み終えたら、赤ワインを注文する。
同時にチキンのカレーを1品、マトンを1品、野菜を2品、注文します。
マトンは、「マトンチョップマサラ」という、メニューに載っていないものを無理やり頼みます。
これ、唇が麻痺するくらいに辛いのでメニューには載せていないそうですが、注文するバカが現れたときはシェフは喜び勇んで作るらしい。