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2007.07.15 04:49

魔法使いステマグさん その6

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◆◆◆

チーフの松宮園生です。

前回までのあらすじ)
魔法使いステマグさんを探してアメリカはロサンゼルスにやってきたテケテケ村のマツオ。
NNFAのウェブサイトを調べてみると、そこにはサプリメント工場の一覧表が…。

◆◆◆

一般に「ロサンゼルス」というと、かなり広い地域を意味することが多いです。
この広い領域のことを「グレートロサンゼルス」ともいい、関東全域とだいたい同じ面積だそうです(測ったことないけど)。
ロサンゼルス市じたいは、広い「グレートロサンゼルス」のほんの一部に過ぎません。

したがって、一口にロサンゼルスといっても、スゴク広いわけです。
これ、頭では理解できるのですが、実際に距離感をつかむのはナカナカ大変です。

レンタカー屋さんでクルマを借りると、グレートロサンゼルスの地図をもらえます。
A3くらいの大きさの紙1枚です。
「なんだ、紙1枚でおさまる程度の広さなんだな」
距離感が分からないものですから、ついつい過小評価してしまいます。

ところが、地図上で数センチの距離を実際にクルマで移動しようとすると、思ったより遠かったと思うことはしょっちゅうです。

加えて、たいがい一度は渋滞にハマることもあり、その分、時間を食います。
おまけに、当然ですけど道に詳しいわけではないので、よく迷います。
高速道路の出口を間違えたり。
出口は間違えなかったけど、そこから先の「最後の数マイル」が悪夢だったり。

オレってよく迷うよなあ。なんでだろ?
でも、よく考えたら…。
「関東全域と同じ面積」なのに、A3くらいの大きさの地図1枚でなんとか走ろうということ自体、間違ってますね。

というわけで、マツオ少年はロサンゼルスにいるあいだ、ほとんどの約束に遅刻したのでした。
サプリメント会社の皆様。
そんなマツオをお許しください。

◆◆◆

NNFAのサイトにはサプリメントを実際に製造している会社が多数、掲載されていました。
よくみると、ほとんどが
ロサンゼルス(西海岸)
ニュージャージー(東海岸)
どちらかに工場がありました。

マツオはまずロサンゼルスにある工場を、いくつか訪問しました。
例によって、はげしく道に迷いながら…。

工場は、住宅地にまじって建っていたり、倉庫街のようなところに建っていたり、道路以外になにもない野原にポツンと建っていたりしました。
工場といっても、そんなに大きな工場ではありません。
また、大きな音を出すこともなく、強烈な匂いをまき散らすこともないため、建てる場所に制限があるわけではありませんでした。
(匂いがないわけではありません。そんなに匂わないということです)

興味深かったのは、どの工場もインド・パキスタン系の従業員が多かったことです。
インド・パキスタン系の社長も数多くいました。
どうやら、この業界はインド・パキスタン系がリードしているみたいです。

訪問するにはコツがあります。

<ステップ1>
まず、電話するとき、「おたくにサプリメントの製造を頼むかどうか検討しているが、その前に工場を見せてくれないか」という一言を伝える。
つまり、自分はお客さんになる可能性があるよ、と伝えるわけですね。
「日本からわざわざ来た」というと、彼らの期待感もふくらみます。

<ステップ2>
工場に着くと、まず大きな会社の場合はセールスマネージャーの、小さな会社の場合は社長さんの部屋に案内されます。
そこで、
「日本からわざわざ来てくれたのはうれしいが、どういう商売をお考えか?」
と聞かれるので、そのときは
「マルチビタミン」
と答えておくのが無難です。

「マルチ」と発音しても通じないので、「モーティ」と発音してみてください。通じる可能性が高まります。

マルチビタミンを作るのはなかなか難しいです。
工場の技術力、「腕」が問われます。

「マルチビタミンを考えているが、あんたの会社は、作れるのか?」
と、挑発するように言ってみましょう。
「つ、作れるに決まってるじゃないか。ま、任せとけ」
とムキになって答えてくるでしょう。

しかし、
日本には、本当はできるのに自分ではできないと思いこみ、「できない」と答える人が多いですが、
アメリカは逆で、本当はできないくせに、自分ではできると思いこみ、「できる」と宣言する人が多い。
気をつけましょう。

さて、ここで油断していると、今度は相手から質問が飛んできます。
「あんたが商品化したいマルチビタミンは、タブレット(錠剤)がいいのか、カプセルがいいのか?」
ここで答に詰まると「不勉強なやつ」と思われるので、平然とこう答えましょう。
「どっちにするかは、条件次第」

実際、タブレットがいいのかカプセルがいいのか、には、答がない場合が多い。
皆さんも、たとえば市販されているビタミンCを買ってみると、メーカーによって錠剤だったりカプセルだったりしませんか?
ビタミンEやコエンザイムQ10のようなものは酸化を防ぐためにソフトカプセルにしている場合がほとんどです。
しかし、ビタミンCやマルチビタミンのようなものは、「どっちでもいい」のです。
ですので、あとはいろんな条件を吟味しながら、どっちがいいか決めていきます。

「あんたが商品化したいマルチビタミンだが、年間でどのくらいの数量をオレたちに作らせたいと思っているのか?」
という質問もきます。
ここで答につまると「こいつ、冷やかしでやって来たのか?」と思われるので、平然とこう切り返しましょう。
「あんたのところの製造最少単位(minimum quantity requirement)はどれくらいか?」
すると、たいていの場合、
「ウチの製造最少単位(minimum quantity requirement)は60,000ピルくらいだ」
という答が返ってきます。

製造最少単位(minimum quantity requirement)というのは、「これ以上小さい注文には応じない、最低レベルの数量」という意味です。
どの工場にも、その基準があります。
「ビタミンCのサプリ、1粒だけ作ってくれ」なんて注文には応じられないわけです。

60,000ピル、というのは、タブレット(錠剤)であれカプセルであれ、60,000粒、という意味。

<ステップ3>
「そうか、マルチビタミン作れるのか。だったら工場を見せろ」
と言ってみましょう。
すると、工場を案内してくれます。

サプリメントの工場は、工場というより研究所のたたずまいをしています。
たとえば自動車の製造工場だと、巨大な倉庫のような空間のなかで大勢の工員が動き回って自動車を組み立てています。
サプリメントの工場はもっとこじんまりとしており、学校の校舎のような建物のなかに、たくさんの部屋があって、それぞれの部屋でいろんなことをしています。

工場に入る前に、白衣を着せられ、マスクと白いキャップを被ります。

「いいよいいよ、ウチはあまりうるさくないから、白衣なんか着なくても見学できるよ」
そんなことを言う会社は、ダメです。衛生管理がなっていないと判断しましょう。

「おたくはGMPに準拠しているのか?」
という質問もしてみましょう。
たいがいの場合、「もちろんだ」という答が返ってきます。
そうしたら、
「それは、アメリカのGMPなのか、オーストラリアのGMPなのか」
と突っ込んで聞いてみましょう。
「こやつ、デキルな」と思われるはずです。

GMPとは、Good Manufacturing Practiceの略で、「適正製造規範」と訳されています。
原料の入庫→製造→出荷にいたるすべてのプロセスで、
* 製品が安全に作られる
* 一定の品質が保たれる
ように定められた規則とシステムのことです。
医薬品のメーカーはすべてGMPを守っています。
サプリメントのメーカーも、GMPを守るところが増えてきました。
で、GMPにはアメリカ型とオーストラリア型というのがあり、オーストラリア型のほうが厳しいとされています。

◆◆◆

マツオはいくつかの謎を解くためにアメリカに来たわけですが、

「アメリカにはサプリメントの聖地が2つある」
この謎は解けました。
カリフォルニア州とニュージャージー州です。

まだ解けていない謎は
「熱を出さない打錠技術がアメリカにあり、それを知るには筆のような野球のような土地に行かなければならない」
「魔法使いステマグさんがテケテケ村を攻撃する計画をたてている」
の2つです。

この2つ、サプリメント工場を訪問して回って、答が見つかるでしょうか?

(以下次号)
 

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