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2007.07.23 22:18

食育三国志 外伝3

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チーフの松宮園生です。

前回までのあらすじ)
食育の講座を受講しようと思い、あちこちに
資料請求をした小判大介君。
その後、山のように資料が届き、勧誘電話も
じゃんじゃんかかってきました。
気分転換に街に出ると、なんと食育講座のキャッチセールスにつかまってしまう…。
そのセールスレディは、小判君の高校の同級生でした。

◆◆◆

地味な竹村さんに連れてこられた部屋は、教室に使われているところのようでした。
3人がけのテーブルがいくつも並び、正面には教壇と、ホワイトボード。

しかし小判君は見逃しませんでした。
教室の壁に
「受講生勧誘成績一覧表」
と書かれた巨大な模造紙が貼られていたのです。
講師の名前が並んでいて、棒グラフになってて。
竹村先生の、長くもなく短くもない棒が…。

もう1つ、小判君が見逃さなかったことがあります。
教室の壁のあちこちに、さりげなく、
「食育するぞ」
「食育するぞ」
という標語が貼られていたのです。

「修行するぞ」
「修行するぞ」
というキャッチコピー(?)の新興宗教が、たしかあったよな…。

小判君の背後で、ドアの閉まる音がしました。
ギクッとして振り返ると、地味な竹村さんが、教室のドアに鍵をかけていました。
「ちょちょ、ちょっと」
小判君が文句を言おうとすると、地味な竹村さんは「しー、静かに」と鋭く言い、壁際にある社内電話の受話器をとりあげました。

「竹村です。レベル2、完了です」

なんだよレベル2って…。
誰に何を報告してんだ?

地味な竹村さんは、受話器をおくとニッコリ向き直りました。
「安心して。鍵をかけたのは、小判さん、あなたを守るためだから」
「は? 何が攻めてくるわけ?」
「あなた、食育★★講座に資料請求したでしょ。あいつらがね、あなたをここから連れ出そうと狙っているのよ。でも心配はいりません。結界を張ってあるし、食育▽△アカデミーを受講すれば、あなたの食育は安心だから」

は? 結界?

ところが突然、教室の電灯が点滅しはじめました。
同時に、壁際の社内電話が鳴りました。
地味な竹村さんは、受話器をとる余裕がなかったのでしょうか、スピーカーフォンのボタンを押しました。
「緊急事態だ」電話のむこうで男性が言いました。
「ど、どうしました?」と竹村さん。
「食育バリヤーを破られた。知っている食育講座のなかで、あのバリヤーを破れるところはないはずなのだか…」
「食育★★講座のやつらじゃないんですか?」
「たぶん違うと思う。食育★★講座だったら、かんたんに撃退できるんだが…」
「なんとか持ちこたえてください。私のほうは、もう少しで契約できるところなんですから」

契約すんのか、小判君。
つーか、そのバリヤーってなんだ?

しかしそんなことを考える間もなく、地味な竹村さんが鍵をかけたはずのドアが、静かに開きました。
電灯が点滅しているのでよく見えませんが、小太りのオバチャンが、そこに立っていました。
手に合鍵らしきものを持っています。

「小判君、探したわよ」オバチャンが、穏やかな声で言いました。「さあ行きましょう」

地味な竹村さんが小判君の襟首をつかみました。
「あんた誰。他人の獲物を取ろうなんて、そうはいかないよ。この人はウチと契約するんだから。ウチの講座を受けて食育するんだからね」
「食育ふぜいが大きな口をたたくんでない」オバチャンは自分も負けずに小判君の襟首をつかみました。「もらっていくからね」
「渡すもんですか」
双方が、小判君の襟首を引っ張りはじめました。

「ギャー」小判君がお約束の悲鳴をあげています。
しかし無残な綱引きは小判君の悲鳴などおかまいなしに続きました。
テーブルや椅子が次々に倒れました。
しかし綱引きはやみません。

最後に勝ったのは小太りオバチャンのほうでした。
地味な竹村さんは床にうずくまっています。
その姿を一瞥すると、小太りオバチャンは小判君の襟首をつかんだまま、のっしのっしと教室を去っていきました。
気絶している小判君は、そのままずるずると引きずられていきました。

今度はどこに連れていかれるのか、小判君?
そして、このオバチャンは何者?

(以下次号)

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